- 著者
 
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             長谷 正義
             
             堀 達也
             
             河上 栄一
             
             筒井 敏彦
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 社団法人日本獣医学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.62, no.3, pp.243-248, S・Vii, 2000-03-25 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             8
             
             
             
          
        
 
        
        
        最近, 犬の凍結精液への関心が高まり, これに伴って, 排卵時期および授精適期の判定法が重要となった.犬の排卵時期を推定する方法として, vaginal smear, 血中性ホルモン, 超音波画像診断装置(US)などを組み合わせて検討されているが, まだその技術は確立されていない.そこで業者らは, US, 血中LHおよびprogesterone(P)値を1日3回観察することによって, 排卵時期を推定する方法を検討した.その結果, USによって卵胞の形状が崩れることによって排卵が観察できたのは, 11頭中6頭(54.5%)であった.これらのLHピークから排卵までの時間は, 24〜48時間, 平均38.0時間であった.排卵日のP値は, 1.88〜2.81ng / ml, 平均2.34ng / mlで, 1頭が1.88ng / mlであったが, 他の5頭は2ng / ml以上を示した.排卵前日のP値は, 0.85〜1.56ng / ml, 平均1.12ng / ml, であった.実験犬11頭における, LHピーク後2日を排卵日とした場合のP値は, 2.12〜4.06ng / ml, 平均2.78ng / mlであった.また, LHが10ng / ml以上の高値を維持した期間は, LHピーク前後の12時間であった.以上のことから, USおよびLHによって排卵を推定するには, 1日数回の検査が必要であった.しかし, 末梢血中P値は1日1回の検査で, 2ng / ml以上を示した日が排卵日に当たることが明らかとなった.