著者
前野 英昭 水本 博公 森 勝
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.811-812, 2003

K0-3とK0-8の5°C、20°Cで製造する場合の配合への影響、各温度で養生した場合の強度発現特性を示す。また、供試体寸法の影響についても述べる。
著者
三村 衛 吉村 貢 寺尾 庸孝 豊田 富士人 中井 正幸
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.141-155, 2011-06-30 (Released:2011-07-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1

岐阜県最大の前方後円墳である昼飯大塚(ひるいおおつか)古墳の史跡整備の一環として実施された発掘調査に伴い,地盤工学の観点から墳丘盛土の調査を行った。破壊的な調査・試験方法が適用できないことから,本質非破壊調査手法である表面型RI密度水分計と針貫入試験を適用した。針貫入試験による力学的な特徴から墳丘盛土がほぼ水平の構造を持つことが明らかとなった。部分的には斜めの層構造も確認され,古墳墳丘の築造材料の掘削・運搬・荷降ろしの過程を考察する資料を得た。また,強度の変動パターンを分析することにより,墳丘盛土が15~40cm程度の層厚で築造されたという痕跡が得られ,墳丘試料に対する締固め試験により,墳丘盛土の築造時の締固めエネルギーは,およそ人が足で踏み固めたものに相当する0.1×EcJIS程度であることがわかった。墳丘復元に使用される候補材料についても室内地盤材料試験を行って,現墳丘の性状に近い材料を選定し,墳丘復元工事の施工方法を提案した。
著者
松井 謙二 本城 勇介
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.31-32, 2004

ISSMGE/TC23国内委員会(委員長:本城勇介・岐阜大教授)では,H15年度より「Eurocode 7評価」に関するWG活動を行ってきた.これはEN1997-1(Eurocode 7:地盤設計の一般ルール)ドラフトがほぼ完成しCENメンバー国の公式投票にかけられる段階に至り,地盤コード21を作成中のわが国としても,Eurocode 7に対する評価を統一しておく必要があることによる.ここでは,Eurocode 7が世界標準となった場合を想定して,わが国としてこれを導入した場合の問題点を,適宜地盤コード21と対比しながら指摘する.
著者
坂上 敏彦 藤原 盛光 野口 静雄 中田 文雄 柘植 孝
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.127-128, 2004

地下空洞調査は、空洞内部の空洞の映像と空間の広がりを把握することが要求される。ただし、地下空洞は防空壕跡地など、現在は閉鎖されているものが多く、坑口や坑道の一部が閉鎖されていることが多く、空洞内部の調査には特殊な装置が必要となる。また、照明や水没空洞など、さまざまな現地状況に耐えうる機器の開発が必要となる。ここでは、空洞ビデオカメラ、レーザーレーダー、音響測深探査、坑内写真撮影装置、スネークアイ(挿入型ビデオレーザーカメラ)などの、地下空洞調査に特化した調査機器の開発状況と、その適用性について事例を交えて紹介する。
著者
川上 哲 馮 少孔 鍜治 義和
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.35-36, 2003

地表から数mの深度に防空壕が存在する可能性がある場合、その調査手法としては、地中レーダ探査が、コスト・作業能率から考えて、最も一般的である。しかし、地中レーダの反射記録からは、その空洞の上面からの反射が得られるだけで、その反射がどのような物性に対応しているかを特定することは難しい。そこで、多チャンネルによる表面波の測定を行い、地中レーダにより発見された異常反射体前後の表面波(レイリー波)の記録を取得し、調査結果との比較を行ってみた。その結果、多チャンネルによる表面波探査が空洞調査に対して有効な手法であることを確認した。
著者
藤井 幸泰 正垣 孝晴 宮川 真国 渡邉 邦夫
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.595-602, 2015 (Released:2015-12-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1

旧横須賀製鉄所の第1号ドライドックは,開渠後140余年を経過している。土丹層と呼ばれる更新世の泥岩で構成された白仙山を掘削して建設され,石材に安山岩を利用しているこの構造物は関東大震災にも耐えてきた。現在も使用されているドックであるが,一部の石材表面は風化によって侵食されている。石造文化財としての記録を目的とし,デジタル写真測量を用いたドック全域の記録活動を実施した。また同じく写真測量を侵食の進んでいる石材表面にも適用し,侵食量の測定を試みた。従来の侵食量測定は,野外において物差し等を用いて測定するのが一般である。写真測量等の三次元測定を実施することにより,物差しでは測定できない侵食量,すなわち体積も測定が可能である。侵食量の異なる石材表面を比較することにより,風化による石材表面の侵食過程を明らかにすることが出来た。
著者
Q. Tang H.Y. Wang H. Chen P. Li X.W. Tang T. Katsumi
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
Japanese Geotechnical Society Special Publication (ISSN:21888027)
巻号頁・発行日
vol.2, no.53, pp.1845-1848, 2016-01-31 (Released:2016-01-29)
参考文献数
23
被引用文献数
1

This paper studies the effects of bio-clogging on hydraulic conductivity of compacted soils used as landfill liners. Landfill leachate contains a large amount of microorganism and bacterial biomass, which was likely to cause bio-clogging in landfill liners. To interpret the effect of bio-clogging on hydraulic property of compacted clays, in this study, a series of laboratory-scale hydraulic conductivity tests were conducted. The long term hydraulic conductivity of compacted clays was measured with distilled water, landfill leachate and one type of nutrient solution. The laboratory test results show that the hydraulic conductivity of compacted clays permeated with distilled water stabilized at approximately 3.77 × 10-8 cm/s, and the hydraulic conductivity of compacted clays permeated with landfill leachate or nutrient solution ranged between 1.1 × 10-8 cm/s and 5.22 × 10-9 cm/s. Such a significant difference was attributed to the effect of bio-clogging. The microorganism and bacterial biomass reduced the hydraulic conductivity up to one order of magnitude. This study indicated that the bio-clogging is approximately a feasible method to create low-cost and low-hydraulic conductivity barriers by using locally available clayed soils.
著者
松元 和伸 小林 薫 森井 俊広 中房 悟
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.139-148, 2016
被引用文献数
1

キャピラリーバリア(以下CB)は,砂層とその下部に礫層を重ねた土層構造であり,浸出水を抑制するための降雨浸透制御技術の一つとして利用されている。砂層と礫層の保水性,透水性などの違いによってCB機能は発揮されるが,実験による検証はCB層境界面が平坦であることが前提となっている。しかし,実施工時に広範囲の層境界面の平坦性を実験と同等に確保することは,施工工程やコストに大きく影響し,品質管理上の課題でもある。そこで,CB構造の展開を図っていく上で,CBの遮水機能つまり,限界長に及ぼすCB層境界面の不陸の影響を定量化しておくことが実務面で非常に重要となる。本論文では,上記課題の検討のため,これまで筆者らの研究で得られているCB境界面が平坦な場合のCB限界長と,新たに実験を行う層境界面に不陸のある場合のCB限界長との比較を行った。その結果,規則的な限定的条件下の不陸ではあるが,砂層と破砕貝殻層の層境界面の不陸は,実施工で発生するであろう30mm程度の規則的な不陸であれば,CB限界長等に影響を及ぼさないこと(CB機能も喪失しないこと)を明らかにした。
著者
Timpong Sahaphol 三浦 清一 屋良 航志 山木 正彦
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.435-436, 2004

北海道十勝沖を震源とする2003年十勝沖地震(マグニチュード8.0)の発生により,北海道各地において地盤や構造物に甚大な被害が見られた.特に,火山灰地盤の液状化による大規模な地盤災害が顕著であった.本研究では火山灰地盤の動的変形特性を明確にするために,一連のベンダーエレメント試験と微小ひずみ領域での繰返し三軸試験が実施された.特に,火山灰粗粒土の粒子破砕,間隙比,有効拘束圧及び細粒分含有率がせん断剛性率に及ぼす影響が調べられた.得られた試験結果を基に,種々の火山灰土の実用的な予測式が提案されている.
著者
川口 貴之 三田地 利之 澁谷 啓 佐藤 信吾 野崎 寿信 佐野 佶房
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.575-576, 2003

各種地盤材料は0.001%程度以下の微小ひずみ域では弾性的な挙動を示し,この領域内でのヤング率は載荷速度によらないことが報告されている.そこで,5オーダーにわたる極めて広範囲な載荷速度での一連の三軸圧縮試験を実施した.この結果から,分速0.02~2.0%の載荷速度で実施したCU試験より得られる非排水ヤング率はほぼ共通な値が得られるものの,分速0.00006~0.002%で実施したCD試験より得られる応力~ひずみ関係は載荷速度に大きく依存し,クリープの影響を考慮しない限り,共通な排水ヤング率を得られないことを確認した.また,本文ではこれらの弾性ヤング率の増減を支配する因子についても議論している.
著者
伊藤 政人 三田地 利之 増井 直樹 上野 孝之
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1607-1608, 2003

スカートを貫入させる際にスカート内にサクションを作用させるとスカート先端の鉛直有効応力は,スカート内側と外側で異なる値となる.こうした場合の鉛直有効応力の取り扱いについては,これまで必ずしも明確にはされておらず,便宜的に小さい方の鉛直有効応力をもとに,スカート先端の貫入抵抗を算出することが多かった.しかしこの方法では,一般に大きい側であるスカート外側の鉛直有効応力の影響を無視していることになり,サクション効果による貫入抵抗の低減を過大に評価する可能性があった.そこで本報では,スカート内外の鉛直有効応力が異なる際には,すべり面が変化することに着目し,こうした場合の先端抵抗を求める際の支持力係数を補正する方法を提案し,既往の実験結果によりその検証を行った.
著者
森川 誠司 田部井 和人 磯岩 和夫 田口 勝則 高橋 幹雄 石川 典男 西村 元男 宮城 重通 二階堂 聡
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1633-1634, 2003

仙台城の石垣は老朽化により昭和40年ごろから石垣にはらみだしが生じ、崩壊の危険性が高まってきた。そこで、青葉山公園整備事業の一環として、文化財保護と防災の両面から仙台城石垣修復工事が実施されている。本報告では簡易石垣モデルによって従来の安定計算手法と不連続体の解析手法の一つである不連続変形法(DDA)を比較し、DDA解析の妥当性を検証した。そして、実際の石垣が極限状態になり得ると考えられる地震力をDDA解析によって求め、修復後の石垣の地震時安定性について検討した。その結果、石垣の崩壊震度は300~330galの間になることが分かった。
著者
新城 俊也
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.445-459, 2015 (Released:2015-12-31)
参考文献数
30

さんご礁堆積物にはさんご砂礫に加えて石灰質生物を起源とする細粒分が含まれている。この研究ではさんご礁堆積物の力学特性に及ぼす非塑性の細粒分の影響を調べるために,細粒分含有率の異なるさんご礁堆積物について,一次元圧密試験および三軸圧縮試験を実施した。圧密試験によると,圧縮指数Ccは0.07~0.13の範囲にあり,また圧密係数cvは,一次圧密が現れる細粒分含有率60%以上のさんご礁堆積物に対して103cm2/dのオーダーの値を示した。細粒分は石灰質のシルト径や粘土径の粒子で構成されているため,細粒分のせん断挙動は砂礫と同様のダイレイタンシー特性を示した。非排水せん断試験によるせん断抵抗角φ´は排水せん断試験によるせん断抵抗角φdに類似し,いずれのせん断抵抗角も細粒分含有率の増加に伴って減少した。非排水せん断強度cuは有効応力比(q/p´)が最大値に達した時点のせん断応力として求めた。それによる非排水強度増加率は細粒分のみの場合に対しcu/p=0.32の関係にある。
著者
金 哲鎬 藤井 衛 品川 恭一 伊集院 博 高田 徹 松下 克也 小川 正宏
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.195-205, 2012 (Released:2012-03-28)
参考文献数
22
被引用文献数
4 2 3

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により,戸建住宅における地盤の液状化に対する対策工法の必要性が社会的に高まりつつある。本論文では,これからの液状化対策のために,液状化の被害を受けた戸建住宅の宅地地盤に焦点を絞り,86地点のスウェーデン式サウンディング試験や三成分コーン(CPT)試験結果をもとに既存の液状化評価手法の検証を行った。また,160件の液状化被害を受けた事例をもとに,地盤補強を実施した戸建住宅の傾斜の状況や傾斜角と補修方法との関連性を整理した。以上の結果をもとに,液状化が生ずるような地盤における適切な地盤補強工法についてその設計の考え方を示した。
著者
藤田 圭一 宮田 篤 大野 睦雄 三反畑 勇 松本 江基
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.611-612, 2003

標準貫入試験(SPT)で求めたN値は、現行の設計に広く利用されているが、精度が悪いため他の方法に移行したい希望が多い。計測した打撃効率で補正すると高精度のN値が求められるが、経験式を利用する限り構造物の経済性を追究することは難しい。実験土槽でのSPT時に打撃効率を計測し、補正して求められたサンプラーの動的貫入抵抗Rd100と、SPT直後の静的な押込み試験によるサンプラーの静的貫入抵抗(第1限界抵抗力Py、第2限界抵抗力Pu、最大抵抗力Pmax)との間に相関関係が認められた。SPTの結果をN値という無次元の数値でなく、Rd100(kN)という単位で表示することにより、コーン貫入試験に似たような形で設計に利用することが可能になる。
著者
今川 貴博 桑原 文夫 田中 実 阿部 秋男 小栗 健 廣瀬 陽一
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1387-1388, 2003

杭の急速載荷試験として重錘落下方式におけるクッション材に粘性ダンパーを用いた模型実験を行った。模型砂地盤に設置した直径41mmの模型鋼管杭の頭部に取り付けた6つのダンパーに63.5kgの重錘を落下させ、杭頭における軸ひずみ、鉛直変位および加速度を測定した。その結果、粘性ダンパーはコイルばねを用いた場合に比べて2倍以上の載荷時間を実現できた。また、静的載荷試験(押込み試験)の第2限界荷重までの荷重~変位量曲線を再現できた。
著者
杉山 博一 後藤 茂
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1695-1696, 2004

設計時におけるトンネルに作用する浮力の取り扱いは、安全側と便宜を考え、鉛直方向の水圧の差を浮力とし、トンネル上半部に鉛直荷重として入力している。しかし、トンネルの大断面化に伴い、より合理的な設定方法が必要となってきてる。そこでトンネルが剛体的に浮上するという前提においてトンネル上半の地盤反力としての土圧の増加分と、トンネル下半の土圧の減少分の和によって浮力がキャンセルされると考え、慣用計算法を応用したモデル化を試みた。この方法による地盤反力の分担比率を変えた試算結果と現場の覆工応力の計測結果を比較したところ、上半の地盤反力の増加分と、下半の土圧の減少分が同じと考えた場合に計測結果と一致した。
著者
萩原 育夫 大西 有三 佐々木 猛 西山 哲
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.357-367, 2009-12-25 (Released:2009-12-25)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

不連続変形法を用いた落石シミュレーションにおける形状パラメータ設定方法の体系化を目的として,落石の形状特性に関する定量的指標の導入について検討した。落石の形状特性を表す指標としてアスペクト比,円形度,形状エントロピーに着目し,跳躍過程を主体とする解析ケースを対象とした感度解析並びに落石崩落事例解析を行って各形状指標の適用性を検討した。検討結果から,着目した形状指標のうち曲率に関する形状エントロピーと円形度は落石ブロックの形状特性に関連した跳躍時の射出方向変化や崩落時のエネルギー減衰等のシミュレーション結果に対応することを明らかにし,実際の落石崩落を対象とした事例解析において各指標の有効性を把握することができた。これらの形状指標を解析パラメータの設定に導入することは,落石の形状特性把握における主観的誤差の低減や,合理的な落石シミュレーションの実施に有効と考えられた。