1 0 0 0 放線菌

著者
池田 治生 大村 智
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.694-700, 2002-10-25
参考文献数
15
著者
辻 啓介 市川 富夫 田辺 伸和 阿部 士郎 樽井 庄一 中川 靖枝
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1241-1246, 1992-08-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
19
被引用文献数
29 34

食塩を1%含む半合成飼料に黄麹または紅麹を添加し,高血圧自然発症ラット(SHR)に3週間与え, SHRの血圧とミネラル代謝に及ぼす影響を検討した. 第1の実験では,1%塩化ナトリウム含有飼料に麹を10%添加した.その結果,黄麹群,紅麹群ともに血圧降下作用が認められ,とくに紅麹群では29mmHgもの低下がみられた.市販の固形飼料に切り替えた後,1週間後でも紅麹群では対照群に比べ有意に低い値であった.血圧に関与するミネラルの出納にはあまり変化はみられなかった.また,血漿のコレステロール,中性脂肪,グルコースレベルについてもほとんど変化はなかった. 第2の実験では,黄麹を5%,紅麹を5%または3%に減少して効果を判定したが,SHRの急激な血圧上昇がとくに紅麹で顕著に抑制された.血漿中のNa量,K量,Na/K比を調べたが,それらの注目すべき変動は認められなかった. 以上のことより,麹,とくに紅麹は,すぐれた血圧降下作用があり,その作用機序は,ミネラル代謝の変動によるものではないことが明らかになった.
著者
関口 伸子 藤村 理佳 村田 容常 本間 清一
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.689-698, 1992-04-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
11

インスタントコーヒー中のFe(II)と結合する成分を検索する目的で,0.1mMのFeSO4を含む0.01M酢酸緩衝液(pH4)を溶出液とするゲル濾過HPLC(カラム平衡法)を用いて実験を行った. (1) EDTAをHPLCにかけると,溶離液中のFeの濃度の平衡がくずれ,EDTAの濃度に比例したFe濃度の山と谷ができた. (2) コーヒー,モデルメラノイジン,フィチン酸,カフェイン,クロロゲン酸の鉄結合性をカラム平衡法で検討したところ,コ一ヒー,モデルメラノイジン,フィチン酸にはFe(II)との相互作用があることがわかった.カフェイン,クロロゲン酸のFe(II)との相互作用は本法ではなかった. (3) イソプロピルアルコールを用いてコーヒー成分の分画をこころみた.70%イソプロピルアルコールが可溶性成分と不溶性成分の分離に一番有効であることがわかった. (4) コーヒーの70%イソプロピルアルコール不溶性成分を水抽出し,トヨパールHW-40 (coarse)で分画したところ,中間に溶離する可視部の吸光度の低い画分と,最後に溶離する赤褐色のクロロゲン酸残基を含む画分はFe(II)との相互作用があった. (5) コーヒーの70%イソプロピルアルコール可溶性成分をトヨパールHW-40 (coarse)で分画したところ,最初に溶離する褐変色素の画分はFe(II)との相互作用があった. (6) コーヒーの70%イソプロピルアルコール不溶性成分を水抽出したあとの繊維状の不溶性物質にもFe(II)との相互作用があった. 終わりにインスタントコーヒーを提供していただいたネッスル株式会社に感謝いたします.
著者
藤田 直子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.400-407, 2013-06-01 (Released:2014-06-01)
参考文献数
21
被引用文献数
2 4
著者
橋本 皓 向井 克憲
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.506-511, 1967
被引用文献数
2

イボタロウカタカイガラムシ雄幼虫を,虫体とロウ殻にわけ,それぞれの脂質組成を明らかにした.<br> (1)虫体とロウ殻の構成重量比は約1:2であった.<br> (2)虫体の脂質含有率は18.6%,ロウ殻のそれは88.8%であった.<br> (3)虫体脂質の主構成成分は,トリグリセリドで82.7%を占め,他に遊離脂肪酸,炭化水素,ワックス,リン脂質,モノ,ジグリセリドなどが存在した.これに対してロウ殻脂質の主構成成分は,ワックスで92.4%を占めた.他に遊離高級アルコール,炭化水素などが存在した.しかしグリセリド,リン脂質は検出されず,虫体,ロウ殻の脂質組成はともに特徴的であった.<br> (4)虫体脂質の構成脂肪酸は, C<sub>18</sub>酸が優勢であった.リン脂質は,ホスファチジルエタノールアミンとホスファチジルコリンが主成分であった.

1 0 0 0 OA 食品と免疫

著者
八村 敏志
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.509-515, 2005-08-01 (Released:2009-05-25)
参考文献数
54
被引用文献数
1 1
著者
滝 基次
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.445-448, 1959 (Released:2008-11-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1

35% HClO4溶液を展開剤とするペーパークロマトグラフィーによる普通澱粉のアミロースの定量法を設定した.澱粉の1mg/ml溶液の0.mlを濾紙ストリップにつけて風乾後, 35% HClO4溶液で展開し,アミロース区分を展開前線部に,アミロペクチン区分を原帯に分離した.次いでアミロペクチン区分をストリップより切り除き,残余のストリップから35% HClO4溶液でアミロース区分を流下捕集し沃素で呈色せしめて吸光度を測定した.別にアミロースについて同様クロマトグラフィーを行って,回収アミロースの沃素呈色度の標準曲線を求めて,これを基準として澱粉のアミロース含量を算出した.この方法で10種の澱粉のアミロースの定量を行って,従来行われている沃素呈色度による比色法,沃素電圧滴定法で得た定量値と比較した.一般にこの方法で求めた値は他の2方法で求めた値より高かった.更にSchoch法に準じてn-ブタノールを使用して澱粉より分別したアミロペクチン中に沃素で青色に呈色する区分の混在を認めて,この区分の分離を行ってアミロースと推定して定量した.
著者
小川 剛伸 安達 修二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.602-609, 2014-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1
著者
岩川 弘宙 泊 幸秀
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.510-514, 2015-07-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
26

タンパク質をコードしていない20塩基から30塩基程度の小分子RNAは,相補的な配列をもつ標的遺伝子の発現を負に制御する.核にコードされている小分子RNAであるmicroRNA(miRNA)が内在の相補的な遺伝子を抑制するシステムは動植物で保存されており,分化,発生やストレス応答などさまざまな生体反応を緻密に制御している.本稿では植物のmiRNAが標的の遺伝子を抑制するメカニズム,特にこれまで理解が進んでいなかったmiRNA依存的な翻訳抑制機構について動物のmiRNA機構と比較しながら解説する.