著者
高橋 良彰 池松 龍介
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.120-123, 2006

ポリビニルアルコール (PVA) とポリアルギン酸ナトリウム (ALG) の混合系で, ALG組成を2.4, 9.1, 16.7 wt%と変化させたフィルム試料をキャスト, 乾燥後, 濃度の異なるCaCl<sub>2</sub>水溶液に浸漬して作製した相互侵入網目 (IPN) の力学的性質を引張り試験で検討した. ALGの架橋に由来するヤング率の増分&Delta;<i>E</i>は, ほぼすべてのALGモノマーがCa<sup>2+</sup>と結合するまでCaCl<sub>2</sub>水溶液の濃度の増加とともに単調に増加した. より濃い溶液に浸漬した場合, &Delta;<i>E</i>はほぼ一定となり, その値はALGの重量分率にほぼ比例した. 今回用いた重合度程度までのPVA/ALG混合系ではALGの重量分率20%弱までは組成比によってヤング率をある程度制御でき, またALGの架橋の程度はゲル化させるのに用いるCaCl<sub>2</sub>水溶液の濃度によってある程度は制御できることが明らかになった.

1 0 0 0 OA 羊毛の科学 (I)

著者
奧 正巳
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.2, no.11, pp.491-496, 1953-10-20 (Released:2011-03-18)
参考文献数
11
著者
東村 敏延
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.72-81, 1962-12-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
44
著者
伊藤 洋士 御林 慶司
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.802-804, 2004-10-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
6
被引用文献数
3 2

LCDの欠点である視野角を画期的に拡大する「WVフィルム」の開発に成功し,現在のLCDの繁栄に少なからず貢献できたと考える。今後のLCDのさらなる発展に向け,LCDの基幹部材メーカーとして,LCDの性能向上,コストダウンを実現する新製品を提案し,部材の安定供給に努めていきたい。
著者
葛岡 常雄
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.4, no.11, pp.495-497,513, 1955-10-20 (Released:2011-03-18)
参考文献数
20
著者
竹中 克彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.70-73, 1998-02-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
59

ラジカルおよびカチオンリビング重合では,対ラジカルや対アニオンを生長末端に可逆的に結合/切断させることで活性種の濃度を下げ,副反応を抑制している.炭化水素系ビニルモノマーのアニオンリビング重合では末端には常にカルボアニオンが存在するという点で大きく異なっており,これを用いて末端反応性高分子を合成する手法について概観する.
著者
榊原 康文
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.976-980, 2007-12-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
7

半導体をデバイスとして用いる現在のシリコンコンピューターに対して,分子コンピューターは分子をデバイスとして用いて,分子会合や分子認識の原理を使って計算を実行する。本稿では,注意深く設計された配列をもつDNA分子が,自律的な動作を行ない,それらの一連の動作の結果として計算が実行される,より計算論的なアプローチを概観する。
著者
田畑 洋 浅野 真理 清水 進
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.738-741, 1998-10-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

新しい質感素材および繊維業界においても待望視されている高澄性スーパーカラーの創出に際して生物に学ぶという観点から,生物の構造性発色を概観し,蝶の光学特性の事例とそれを種とした光干渉現象に基づく非染色の構造発色繊維の現状に触れ,新技術の流れについて述べた.
著者
太田 和子 沢原 英幸 宮本 裕美 河原 一男
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.809-816, 1985-11-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
9

水溶性多糖であるプルランを用い, 徐放性錠剤の作製を試みた, プルランは粉末を直接打錠するのみで錠剤となる. 水中での溶解挙動を研究し, 次の特徴を見いだした. 碇剤は崩壊することなく, 表面より徐々に溶解して含有した薬物が放出される, その溶解速度はほぼ0次に近く, プルランの分子量に依存し, 試験液のpHにはよらない. 多層錠あるいはコーティング錠とすることによって溶解挙動を変化・制御できる. 薬物を70%含有しても水中で崩壊しない. 製剤方法が容易で, 人体に安全なことからも, プルランは薬物の徐放性製剤に利用できると考えられる. 医薬の賦形剤として用いられているデンプン, 微粉末セルロース及び各種のセルロース誘導体とプルランとの混合物の錠剤について研究した結果, 溶解速度がほぼ0次であるプルランの特徴は大部分の混合錠剤でも同様であった. ビーグル犬を用いたスルファメチゾール放出実験の結果, 高分子量プルラン, プルランとヒドロキシプロビルメチルセルロースとの混合物の錠剤は徐放効果があることが認められた.
著者
木内 幸浩 位地 正年 鈴木 博之 大須賀 浩規
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.117-119, 2005-03-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
7

環境負荷の大きいハロゲン系などの難燃剤を一切添加せずに,自己消火機能をもつ難燃性エポキシ樹脂組成物を開発し,ICモールド材やプリント基板用絶縁材に適用した。この自己消火性エポキシ樹脂組成物は主として,ノボラック構造中に芳香族化合物をもつフェノールアラルキル型のエポキシ樹脂と硬化剤からなり,着火時に樹脂表面が発泡することで高度な難燃性を実現している。
著者
加門 隆 斎藤 和美 三輪 泰彦 佐伯 健作
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.119-123, 1974-02-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
6 3

酸無水物で硬化したエポキシ樹脂の構造と動的粘弾性について検討した。ゴム状態式のフロント係数 (φ) はすべて1より小さく, またジアミン硬化エポキシ樹脂のφより小さかった。同一酸無水物硬化樹脂系でのφは橋かけ密度 (ρ) が小さくなると小さくなっていく。ガラス転移温度 (Tg) は芳香環や脂環などの嵩だかい酸無水物で硬化した樹脂のほうが脂肪族酸無水物より高い。そして, 同一酸無水物系では, Tgとρの間には次式の関係にあることが見いだされた。Tg=K1logK2ρここでK1, K2は定数。K1は嵩だかい脂環族酸無水物系のほうが脂肪族酸無水物系より大きい, そしてK2は両系ともほぼ同じ値であった。

1 0 0 0 OA ヘアケア製品

著者
大島 久実
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.365-367, 1995-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
4
著者
新田 晃平
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.281-293, 2016
被引用文献数
5

高分子材料の破壊挙動が複雑な点は,炭素原子間の共有結合と二次的な分子間相互作用が力学応答を支配していることにある.高分子の破壊理論は主鎖の破断強度が実測の破壊強度値に比べて桁違いに高いことをどのように理解するのかということで発展してきた.ガラス状高分子では,内在する固有のき裂やひび割れが起点となって延伸方向に垂直に成長する巨視的クラックやき裂が起こる.結晶性高分子では,破壊の起点の発現は分子や原子レベルの量子論的な分子間相互作用による鎖間の解離によって起こる.いずれにしても,その微視的起点から巨視的なき裂への成長については速度論的さらには確率論的に解析され,最終的に連続体力学による応力とひずみに基づくエネルギー論的概念で解析できる.
著者
小林 秋男
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.9, no.11, pp.981-982, 1960-10-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
5
著者
平島 由美子 鈴木 淳史
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.65, no.10, pp.601-618, 2008 (Released:2008-10-24)
参考文献数
38

ヒドロゲルは水を含んで膨潤した希薄で複雑な三次元網目構造をもつ固体であり,それを構成する分子間に働く複雑な相互作用に起因して多様な物性を示す.さまざまな外的環境の無限小の変化によって,その体積を不連続にかつ可逆的に変化させることができる.30 年前にこの体積相転移が発見されてから多くの研究成果が報告されてきたが,水素結合が関与する系は複雑な相挙動を示し,その原理は現在でも十分に理解されているとは言えない.本報では,熱応答性のポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ゲルの相転移を基礎にして,純水溶媒の繰返し交換によるヒドロゲル内での水素結合の形成と温度変化による体積相転移について,筆者らの最近の研究成果をまとめて考察する.
著者
柴山 充弘
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.462-465, 2005-07-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
29
被引用文献数
1 2

高分子ゲルの体積相転移が発見されてから約四半世紀が経過した。体積相転移を利用したさまざまなスマートゲルが開発されてきているなか,こうした発展を支えるゲルの構造学を,相転移,相分離,不均一性という観点から,ナノ構造と膨潤収縮現象との関係を鳥瞰する。
著者
田中 康之 Eng Aik Hwee
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.816-819, 1997-11-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

天然ゴムはどのようにして生合成され,どのような構造をもち,なぜ優れた物性を示すかという謎が解け始めた.生合成過程で導入された両末端基が分岐やゲル形成,さらに結晶化速度も支配することが明らかにされてきた.天然ゴム中のタンパク質によるアレルギーを防止するための精製技術,放射線加硫およびゴムの樹のバイオテクノロジーの進展も見られた.

1 0 0 0 OA 高分子磁性体

著者
木下 實
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.830-833, 1981-11-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
13
著者
三浦 洋三
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.838-842, 1994-12-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

有機磁性体は次世代の新規機能材料として非常に注目されている.特に,高分子強磁性体はその高いTcより,最も実用性の高い有機磁性体としてその開発に強い期待が寄せられている.ここでは,高分子強磁性体の分子設計と,今までに報告された高分子磁性体の紹介と問題点について述べる.