著者
榎田 洋一 澤田 佳代 杉山 貴彦
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

アクリルニトリルは数十年間にわたって U と Sb を含む触媒で合成されてきた,この廃触媒は放射性廃棄物であり合理的処分が必要である.しかし,U は長半減期で化学毒性と放射性毒性のために浅地中への直接処分が難しく, Sb の化学毒性も考慮を要する.従って,触媒担体から U と Sb を除染した後,触媒担体を利用してガラス固化する方法を提案した.目標はシリカ担体の細孔から高収率で U と Sb を回収することと浅地中処分に適切な最終廃棄体とすることであった.成果として,ホウケイ酸ガラスの相分離を利用する方法と Sbを塩化揮発した後に U を回収する方法を考案できた.実触媒に対する実証実験を行い, U に対して 99.3%以上,Sb に対して 97%以上の回収率での除染を確認できた.また,最終廃棄体であるガラス固化体試料について,脱イオン水による浸出試験を実施した結果,浸出液濃度は誘導結合プラズマ発光分光法の検出限界以下である 0.1ppm 以下とできた
著者
杉森 保
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1994

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (課程) 学位授与年月日:平成6年3月25日 副論文・参考論文はPDFに含まれていません。
著者
大野 信忠 琵琶 志朗 水野 衛 呉 旭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1. 周期的内部構造を有する複合材料の時間依存変形に対する均質化理論を定式化した.この結果,擾乱変位速度が時間非依存の弾性成分と時間依存の粘性成分に分離された.また,ひずみ速度と応力速度の巨視的構成式および微視的応力の発展式が導かれた.2. 上述の理論を一方向連続繊維強化複合材料の横方向クリープ変形および粘塑性変形に適用した.繊維方向の変位に対しては平面ひずみ条件を仮定し,繊維配列としては正方配列と六方配列を考えた.この結果,正方配列では変形挙動の異方性が極めて著しいのに対して六方配列ではほとんど等方的となることが明らかとなった.3. 周期的内部構造が点対称性を有する場合の擾乱変位場の特性を議論し,擾乱変位はすべての点対称点で零となり,かつ点対称条件を満足することを示した.またこの場合,境界条件として点対称条件を使用することができるから,ユニットセルの一部の領域のみを解析すればよいことを指摘するとともに実例を示した.4. 本理論を一方向連続繊維強化複合材料の非主軸負荷粘塑性変形に適用した.繊維配列としては六方配列を仮定した.この結果,非主軸角がわずかであっても粘塑性流動応力は大きく減少するが,非主軸角が45度を越えるとあまり変化しないことが明らかとなった.5. 一方向連続繊維強化ハイブリッド複合材料GLARE2の実験結果を本理論に基づく結果 と比較し,上述の非主軸角依存性が定性的に成り立つことを確かめた.
著者
中川 毅
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.9, pp.244-252, 1998-03

フランス南部および中部アルプス地方の9地点から堆積物試料を採取し、層準によって化石花粉に富んだ密度フラクションまたは陸上起源の大型植物遺骸を抽出し、それぞれに対してAMS年代測定をおこなった。花粉のフラクションの分離にあたっては、Regnell&Everitt(1996)によって提案された比重分離法を適用した。もっとも彼らの論文が示唆するところとは異なり、実際に抽出されたフラクションは、かならずしも花粉だけを純粋に含むものではなかった。年代測定の結果を比較・検討したところ、密度フラクションから得られる年代は、陸上起源の大型植物遺骸から得られる年代に対して、ほぼ一貫して古い値をしめすことが分かった。ただし分離されたフラクションがほぼ純粋に化石花粉を含む場合に限っては、両者の間に値の矛盾は見られなかった。このことは、年代のシフトには花粉遺骸の物質の混入が寄与していること、また、花粉が純粋な形で抽出できさえすれば、AMS年代測定用の適切な試料となりうることを示している。Regnell&Everittの方法は原状では完全なものではなく、このことは、その後の彼らとのpersonal communicationによっても裏付けられている。技術的な改善点としては、密度のさらなる細分化、シュルツ液の利用による炭素粒子の除去などが考えられ、これらの実施は当面の課題であろう。
著者
秋山 真志
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

Thymic stromal lymphopoietin(TSLP)は表皮角化細胞 KC 由来の ADの病態を形成する最も重要なケモカインの一つとして位置づけられているが、どのような刺激が TSLP を誘導するかについては未解明であった。本研究ではAD の KC において小胞体ストレス応答が起こり、TSLP が産生されていることが示唆された。
著者
金村 久美
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本語の長音と短音の区別は、外国人にとって習得しにくい。この研究では、長母音と短母音の区別のあるタイ語の母語話者は、母語の正の転移の影響を受け、日本語の母音の長短を容易に習得できるのかどうかを、母音の長短の区別のないベトナム語話者を比較対象として調査した。その結果、タイ語母語話者は日本語母語話者とは異なるパターンで日本語の長さの対立を知覚しており、母音の長短の習得上特に有利であるとはいえないことが明らかになった。
著者
佐藤 喜世恵
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.137-143, 2001-11-15

現在、死をめぐる問題はどんどんエスカレートしている。死の自己決定権を可能にしている国もある。余命わずかで自分自身が生きる価値がないと認めたら死を選ぶ。この判断は自殺が死因の第2位を占める日本の高校生にどう影響するのか。死の自己決定権についての是非について、不治の病でも最期まで生き抜くHIV感染者の生き様と絡めながら問い掛けてみた。
著者
森島 邦博 大城 道則 中野 敏行
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では原子核乾板を用いた宇宙線ミューオンラジオグラフィ(宇宙線中に含まれるミューオンを利用する事で巨大な物体内部をX線レントゲン撮影のように非破壊で可視化する技術)の開発を行った。実施した各種基盤技術開発および実証実験により宇宙線ミューオンラジオグラフィ技術の高度化および多分野への応用が急速に広がり、エジプトのクフ王のピラミッドの観測では新空間の発見、浜岡原子力発電所2号機の原子炉底部の可視化、中空床板の空洞可視化などの成果を上げた。これらの結果は、考古学調査、工業用プラント診断、インフラ点検などにおける新しい技術として適用可能である事を実証したものであり、更なる波及効果が期待される。
著者
矢沢 久豊
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1972

博士論文
著者
藤本 亮 野口 裕之 藤田 政博 堀田 秀吾 小谷 順子 宮下 修一 吉川 真理 正木 祐史 和田 直人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

TOEFLやTOEICなどで用いられている等化という方法によって、異なった試験の成績を比較することができるようになる。こうした成績測定の分野はテスト理論として研究されている。本研究は、テスト理論の見地から、複数の法律学試験において等化を行い、その下でも成績測定が適切に行えるかを検証している。法律学試験は「資格試験」として実施されることが多いが、実質的には一回限りの競争試験となっている。この研究は、本来の意味での資格試験としての法律学試験の可能性を探る基礎研究である。