著者
野田 勝子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 心理学 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.155-172, 1999-12-27

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
鈴木 喜隆
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1972

博士論文
著者
梶田 将司
出版者
名古屋大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本年度は,前年度の研究成果である,「実環境からの音響情報の取得に分散配置型多点受音マイクロホン収録系を用い,同定すべきシーン内の音響情報を様々な場所で観測することにより,よりロバストな音声認識を行うための技術」について,引き続き詳細な検討行った.スペースダイバーシチ型音声認識の基本的な考え方は,残響や妨害雑音のある劣悪な音響環境下で発声された音声を様々な地点で観測し,その中から何らかの基準に従って信頼度の高い情報を得ることにより,高精度な音声認識を行うというものである.このようなシステムの実現には,(1)マイクロホンから離れた位置で発声される遠隔音声の認識手法の開発,及び(2)認識器へ入力される複数のチャネル情報の統合もしくは選択手法の開発,が求められる.本論文では,遠隔音声の認識手法として,ある観測点での室内伝達特性を畳み込んだ音声を用いて学習した遠隔音声モデルを複数地点分用意し,用いる.また,複数チャネル情報の統合/選択手法として,尤度レベル,特徴量レベル及び信号レベルでの統合/選択手法を提案する.実験結果より,分散配置マルチマイクロホンによるスペースダイバーシチ型音声認識手法により,83.6〜88.7%の認識精度が得られることが分かった.以上の研究成果報告は,IEEE主催の音声・音響・信号処理国際会議及び電子情報通信学会論文誌で行った.
著者
大河内 美紀
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

アメリカにおけるデパートメンタリズムの議論を中心に、解釈の多元性に関する検討を行った。1990年代(ブッシュ政権)以降、合衆国においては行政権の拡大が指摘されており(James P. Pfiffner)、オバマ政権期に分割政府状況に至ると議会と大統領との対立はさらに顕著になった。そうした問題意識から、合衆国では、立法に署名する際に大統領が一種の解釈宣言を行う署名時声明を素材として、解釈権の所在が論じられたり(S. Kelley)、立法府はいったん制定された法律の執行に口を挟むべきではないとするanti-aggrandizement principleの見直しの指摘(Simon Hansen)などが登場してきている。これらの議論は、国家機関の間における「公的な」憲法解釈権の配分をめぐるものであり、まさにデパートメンタリズムの現れたものと言える。しかし、留意すべき点が2点ある。第一に、これが厳格な三権分立を統治の基軸とする合衆国における現象であるという点である。無論、日本においても機関訴訟のような形で国家機関間の権限配分が問題となる場面は存在する。しかし、立法-行政の間の責任と協調をベースとする議院内閣制の日本において、合衆国におけるデパートメンタリズムのような形で解釈の多元性が表出することは例外的と考えられる。第二に、これらが憲法解釈が最終的に確定される局面、いわばラストワードの場面における対立であることである。しかし、ラストワードの場面は憲法解釈の表層にすぎず、その解釈の正統性はより下位の層における解釈によって支えられているとみるべきである。ポピュリスト立憲主義はラストワード以外の場面に光を当てる可能性を持つ議論であるものの、なお、それを自覚的には論じておらず、それがポピュリスト立憲主義の限界となっている。
著者
市原 麻衣子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.260, pp.299-318, 2015-02-25

本論文は、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号23243026)「日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究」の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
佐塚 隆志 春日 重光
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

種子高糖性のSugary Feteritaと種子低糖性の那系MS-3Bの雑種F2集団の分離比を調べた結果、種子高糖性は劣性の1遺伝子による支配であると予想された。ラフマッピングの結果、原因遺伝子は第7染色体長腕に座乗していることが示唆された。この候補領域にはスイートコーンの種子高糖性の原因遺伝子であり、デンプン合成系酵素をコードするSU1のオルソログ(SbSU1)が確認された。 SbSU1の塩基配列を両親品種で調べた結果、SbSU1では2ヶ所で1アミノ酸置換を引き起こす多型が見出され、他の植物のSU1との比較からSugary Feteritaのアリルが変異型と考えられた。Sugary Feteritaの原品種Feterita(種子低糖性)では、種子での貯蔵デンプン合成が盛んな開花後11日頃にSbSU1の高発現が確認された。これらのことから、Sugary Feteritaではこの変異によって種子でのデンプン合成に障害が生じ、糖が蓄積する可能性が示唆された。
著者
小鹿 一
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-04-01

オニヒトデから発見したステロイド配糖体acanthasteroside B3は、PC12細胞の神経様突起伸長作用およびマウス記憶改善効果を示す。したがって神経変性疾患の治療薬への応用が期待できるため、未解決であった(1)分子標的や作用機構、(2)安定供給、という2つの重要な課題に取り組んだ。1.作用機構の解析: acanthasteroside B3は、神経成長因子(NGF)によるMAPキナーゼ(ERK, p38)の活性化を増強するが、NGF受容体の活性化は増強せず、標的が不明であった。そこで、MAPキナーゼ上流の既知の分子(Ras, NGF受容体TrkAなど)の活性化の有無をウェスタンブロット法により調べた。その結果、極微量のNGF共存下で、acanthasteroside B3はNGFによるTrkAの微弱な活性化(リン酸化)を増強していることがわかった。そこで、NGFを事前に培地中でインキュベートした後にPC12細胞に投与したところ、インキュベート時間に応じてNGFの突起伸長効果が低下し、acanthasteroside B3により回復した。したがって、acanthasteroside B3のNGF増強作用は、NGFの安定化が一要因と考えられた。2.活性類縁体の合成と記憶改善効果の確認: オニヒトデからのステロイド配糖体の供給は、材料入手の不安定性、危険性、煩雑な精製作業など困難が伴う。そこで応用化を視野に、構造活性相関に則した単純化類縁体の合成を行った。従来合成した類縁体はNGF増強活性を示したが難水溶性のため動物実験を断念していた。そこで、PC12細胞に対する突起伸長活性と高い水溶性を兼ね備えた数種の類縁体を安価なエルゴステロールから合成した。合成類縁体は天然acanthasteroside B3の活性の約50%の活性を示したが、残念ながら水溶性は低かった。今後はステロイド核の水酸基の数をさらに増加させた類縁体の合成を目指す。
著者
小野 清美
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.217, pp.43-82, 2007-04-27

北住炯一教授退職記念論文集 第一部 近代世界の展開 - ヨーロッパと東アジア -
著者
小林 照義
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

『名目.G.DPターゲティングと為替レートの変動』では、従来閉鎖経済モデルのもとで分析されていた名目GDPターゲティングのパフォーマンスを開放経済に拡張した。この論文では、開放経済のもとで発生する交易条件ショックの安定化についても、名目GDPターゲティングの設定によって適切に対処されることが明らかになった。この結果はGDPターゲティングの望ましさを開放経済のもとでも確認するものである。『Hybrid inflation-price-level targeting in an Economy with output persistena』では、従来から頻繁に議論されてきたインフレ・ターゲットや物価水準ターゲットだけでなく、その中間的な物価目標を提案している。この分析によると、生産量の持続性が比較的強い場合には"ハイブリッド型ターゲット"が最も望ましくなることを示している。その上で、最適なターゲット水準を明確に求めることに成功した。また、この論文はいわゆる"new classical model"で分析しているが、その後同様の研究を"New Keynesian model"で行ったところ、やはりハイブリッド型の物価目標を導入することで社会的厚生が高まることが明らかになった。
著者
石黒 澄衞
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

花粉の飛散をコントロールすることは、遺伝子組換え植物の花粉が環境に放出されるのを防ぐために必須の技術であるとともに、現代病ともいえる花粉症を防ぐためにも欠かせない技術である。本研究では次の3つの研究を行い、それぞれ成果を挙げた。1.葯の裂開に異常を示し、花粉の飛散が起きないようなシロイヌナズナの突然変異体をスクリーニングし、15個の突然変異体を単離することができた。そのうち6個について原因遺伝子を同定した。原因遺伝子はDAD1,AOS, OPR3,COI1で、いずれもジャスモン酸の生合成・シグナル伝達に関与する既知の遺伝子座であったが、異なるエコタイプをバックグラウンドに持つアリルを手に入れることができた。これらのアリルは、今後サプレッサー変異等のスクリーニングを行うのに有用なツールである。2.dad1突然変異体と野生型の蕾を用い、蕾の成熟に伴ってDAD1依存的に発現が上昇する遺伝子の検索をDNAマイクロアレイを用いて行った。91個の遺伝子を同定した。3.ジャスモン酸は、リパーゼの働きで生成したリノレン酸を出発物質として生合成される。シロイヌナズナの蕾ではDAD1がリパーゼとして働いて満の裂開に必要なジャスモン酸を供給するが、ジャスモン酸の傷害誘導に関与するリパーゼは未同定である。これを同定することを目的として、DAD1類似遺伝子の解析を行った。その結果、DAD1自身が、DAL6とともに傷害誘導時のジャスモン酸生成にも大きく寄与しているらしいことがわかった。一方、DAL2,DAL3,DAL4の関与も疑われ、この点に関してはさらに解析が必要である。
著者
後藤 悠里
出版者
名古屋大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

障害者差別禁止法が施行された今、障害学生に対して学ぶ機会を保障することは大学にとって喫緊の課題であり、そのためには、情報アクセシビリティにおけるバリアフリー化が欠かせない。その中でも、授業の情報を伝えるシラバスをアクセシブルなものにすることが重要である。本研究の目的は、障害学生の学ぶ権利を保障することができるシラバスの作成指針を提案することである。そのために、障害学生に、現行のシラバスの問題点や改善点を示してもらい、シラバス作成指針を提案する。本研究においては、以下の手続きを取った。調査は、障害学生4人を含む10人の学生を対象とし、大学で実際に使われている、ランダムに抽出された75のシラバスを評定してもらった。対象者は、それぞれのシラバスに4段階で評価をし、評価が高いシラバス、評価が低いシラバスをそれぞれ5つずつ選ぶ。その後、調査者が対象者に対し、半構造化面接を行った。得られた結果は「シラバスの見やすさ」と「シラバスに必要な情報」の2つにまとめられる。第1の、「シラバスの見やすさ」については、視覚障害学生から意見があった。第2の、「シラバスに必要な情報」は半数以上の学生から意見があった。具体的には、文言の曖昧さや、情報の不十分さについて指摘がされた。以上の結果から、以下の2点が提言できる。第1に、「シラバスの見やすさ」について、インデントを使用する、英字のフォントサイズはやや大きめにするなどの指示が必要である。第2に、「シラバスに必要な情報」について、評価については割合を提示することや学外活動やグループワークについてはより具体的に情報を提示することである。本研究では、障害のあるなしにかかわらず、対象者からシラバス改善の要求が挙げられた。シラバスの改善は障害のあるなしにかかわらず、学生の学ぶ機会の確保に繋がるユニバーサルな取り組みであるといえるのではないだろうか。
著者
松林 嘉克
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

植物成長を制御する新しい細胞間シグナルとして,翻訳後修飾を伴った短鎖分泌型ペプチドに注目が集まっている.本研究は,翻訳後修飾ペプチドホルモンのさらなる探索や,既知因子の受容および細胞内情報伝達機構の解明を基軸としながら,翻訳後修飾のメカニズム,細胞外での分子動態などを解析し,翻訳後修飾ペプチドホルモンを介した植物形態形成や環境応答の分子機構を明らかにすることを目的としている.今年度は,ゲノム情報に基づいたペプチドホルモン候補のスクリーニングとLC-MSによる成熟型構造解析,そして受容体キナーゼ発現ライブラリーを用いた受容体探索により,植物の根の拡散障壁であるカスパリー線の形成に必要なペプチドホルモンの同定に成功した(Science 2017).Casparian strip Integrity Factor(CIF)と命名した21アミノ酸のチロシン硫酸化ペプチドは,根の中心柱で発現し,内皮細胞で発現する受容体GSO1/SGN3に特異的に結合する.これらを欠損する植物は,根のカスパリー線に穴があき,濃度勾配依存的に外界からイオンが道管に流入または道管から流出するため,至適栄養条件以外では成長が阻害されることが明らかとなった.また,以前に発見した全身的な窒素要求シグナリングに関わるペプチドホルモンCEPの下流で働く新しい長距離移行シグナルの同定に成功した.CEPは窒素欠乏時に根で誘導され,道管を通って葉の師部側にある受容体CEPR1に認識されるが,その下流で師管内を根へ移行するポリペプチドCEPD1およびCEPD2を見出した(Nature Plants 2017).根に移行したCEPDは,硝酸取り込み輸送体であるNRT2.1の発現を上昇させる.この発見により,片側の根が窒素欠乏になった時,もう片側の根で相補的に窒素取り込みが促進される現象の基本的なメカニズムが明らかとなった.
著者
野田 大志
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2011

名古屋大学博士学位論文 学位の種類 : 博士(文学)(課程) 学位授与年月日 : 平成23年3月25日