著者
島田 泰子 芝原 暁彦 Yasuko SHIMADA Akihiko SHIBAHARA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.111-124, 2017-01

二松学舎大学国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質標本館室/産総研技術移転ベンチャー 地球科学可視化技術研究所方言分布形成の解明にとって重要な参照事項である地形情報ならびに各種地理情報を,正確かつ直感的に参照できる方法として,精密立体投影(HiRP = Highly Realistic Projection Mapping)という手法の導入を提言する。DEM(数値標高モデル)に基づく三次元造形物である精密立体地形模型を作成し,その表面に,プロジェクターによる光学投影(プロジェクションマッピング)を行い各種の地理情報を重ね合わせることで,地形・河川の流路・交通網などといった複数の地理情報を,同時に照合することが可能となる。言語地図における言語外地理情報の照合作業は,従来,特殊な鍛錬なしには困難を伴うものであったが,この精密立体投影(HiRP)により,その精度が飛躍的に向上する。本稿では,精密立体投影(HiRP)の技術や装置の詳細を紹介するとともに,具体的な分析事例として,長野県伊那諏訪地方における「ぬすびとはぎ(ひっつき虫)」の分布データにおける経年変化を取り上げ,これを検証する。
著者
前川 喜久雄 浅原 正幸 小木曽 智信 小磯 花絵 木部 暢子 迫田 久美子 Kikuo MAEKAWA Masayuki ASAHARA Toshinobu OGISO Hanae KOISO Nobuko KIBE Kumiko SAKODA
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.1, pp.170-179, 2017

会議名: 言語資源活用ワークショップ2016, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年3月7日-8日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター国立国語研究所コーパス開発センターでは,従来個別に開発・提供されてきた各種日本語コーパスの検索環境を統合し,複数のコーパスを横断的に検索可能な包括的検索環境を整備する計画を進めている。既に公開済みのコーパス群だけでなく,第3期中期計画期間に種々の研究プロジェクトで開発ないし拡張を予定しているコーパス群の一部も検索対象に含める。本発表では,検索対象となる予定のコーパスを紹介した後に包括的検索環境の実現に向けてどのような問題があるかを検討し,解決の方向性を探る。
著者
上野 善道
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.2, pp.135-164, 2011-11

琉球与那国方言の動詞活用形のアクセントを調査し,150項目について26の活用形の資料を提示した。体言と同様,動詞も3つのアクセント型に分かれるが,そのパターンは大きく6つに分類される。終止形がA型の動詞はすべての活用形がA型のまま一貫する。今のところ1例しか見つかっていない終止形C型もC型でほぼ一貫するが,一部にB型が主に併用で出る。それに対してB型は,すべてB型で一貫するタイプの他に,その中で段階的にC型の数が増える3つのタイプに分かれる。
著者
新野 直哉
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー = NINJAL project review (ISSN:21850100)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.136-143, 2014-06

浅野(1935)には「「全然このお菓子好きだわ」などと云はれたら,ほとほと当惑して了ふであらう。」という一節がある。ここで「ほとほと当惑して了ふ」原因が,"全然"が"好きだ"という肯定を伴っていることであるとすれば,今日まで続く「"全然"+肯定」を「誤用」視する規範意識の発生は戦前に遡れることになる。しかし,浅野(1935)さらにそれに先立つ浅野(1933)を詳細に調査した結果,浅野(1935)で"全然"の正誤を判断する基準は,否定を伴うか肯定を伴うかではなく,あくまで「社会性の有無」,すなわち〈完全に。何から何まで〉という本来の「意味」「言語内容」で使われているか否か,ということであり,したがって問題の記述は,「"全然"+肯定」を「誤用」視する言語規範意識の現れと考えるべきではない,という結論にいたった。
著者
上野 善道 Zendo UWANO
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.139-161, 2017-01

五十嵐陽介(2016)が提案した「日琉語類別語彙リスト」にある2拍名詞641語について,アクセント比較研究の推進を目的として,奄美徳之島浅間方言のアクセント資料を提示する。With a view to promoting comparative study of Japanese and Ryukyuan, this paper presents the accent data from the Asama dialect in Ryukyuan Tokunoshima with particular reference to 641 two-mora nouns in the accent-class list of Proto-Japanese-Ryukyuan proposed by Igarashi (2016).
著者
フォキル レザウル・カリム
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.15-31, 2014-11

本研究の目的は,四つのパラメータ,即ちi)関係節における名詞化の作用,ii)主節と関係節の連携性,iii)参照的一貫性,iv)名詞句の接近可能性階層,に沿って,関係節における日本語対ベンガル語の対照分析を行い,日本語の関係節に見られる言語固有の特性を明らかにすることである。関係節における日本語固有の特性は,名詞句形成に必要な二つの条件:i)過程的条件として行われる名詞化の処理基準と,ii)実質的条件として満たし得る形態統語論的基準に基づくものである。そのためこの二つの条件は,名詞句の関係節としての解釈を導くものである。また,この条件を軸にした分析から,定形節から二段階の過程を経て名詞化され,定形節の何れかの項からなる名詞句が形成される,そのような名詞句のみが,関係節としての形態統語論的基準を満たすことを示す。つまり,このプロセスを経て形成された名詞句は,関係節としての解釈を受ける。なぜなら関係節の述語動詞が示すギャップの位置に生じ得る要素と主要部名詞が参照的一貫性を共有するからである。
著者
松井 真雪 ホワン ヒョンギョン Mayuki MATSUI Hyun Kyung HWANG
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.89-97, 2018-01

置換反復発話とは,直前の発話の分節音を別の分節音に置き換えてプロソディー特徴を反復する発話である。置換反復発話はプロソディー研究の方法論として注目されているが,その性質については未解明の問題が多い。この小論では,疑問文の文脈(句末境界音調の1つである上昇音調がアクセントと共起する条件)で,通常発話と置換反復発話の音声特徴を比較した結果を報告する。とりわけ,アクセントの弁別にとって主要であると考えられる基本周波数(F0)特徴は,上昇音調が共起する場合でも,置換反復発話に遜色なく反映されることを示す。この結果から,置換反復発話は,アクセントパタン,即ち,語のプロソディーの研究において有用であるという先行研究の見解が支持・補強される。その一方で,イントネーション,即ち,文のプロソディーに関わるF0特徴の一部は置換反復発話に正確に反映されないことが明らかになった。"Reiterant speech" (Larkey 1983) refers to a particular kind of speech, in which the prosody of the preceding utterance is reiterated but segments are substituted with others to minimize micro prosody. The current paper reports on a complementary study designed to examine the replicability of lexical and post-lexical pitch patterns in the reiterant speech. Acoustic patterns of the reiterant speech were compared with those of the normal speech in an interrogative context with rising boundary tone. The results demonstrate that the F0 height and fall timing attested in normal speech, which are related to the lexical pitch contrast, were replicated in the reiterant speech even in the interrogative context, extending the finding of the previous study. On the other hand, the results suggest that some post-lexical F0 properties, such as the degree of the rise of the boundary rising tone, were not completely replicated in the reiterant speech.
著者
上野 善道 Zendo UWANO
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.293-322, 2018-01

奄美徳之島浅間方言のアクセント資料の続きを提示する。今回は,上野(1983, 1985)の5~8モーラ語,および上野(1987b)の4モーラ語の2種類の語彙リストを用いて調査をした結果を掲げる。本稿で扱う調査項目は1400語あまりとなる。In this paper, accent data from the Asama dialect in Tokunoshima are presented. The data are based on two word lists: (1) the list of nouns of five to eight morae (Uwano 1983, 1985), and (2) the list of four-mora nouns (Uwano 1987b). The total inventory includes more than 1,400 words.
著者
加藤 祥 Sachi KATO
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.55-72, 2018-01

コーパスの頻度情報は有用なデータであり,COBUILDやウィズダム英和辞典などの辞書に語や意味の重要度の指標として活用されている。ある対象物に関する様々な要素のうち重要なものは,テキストにおいて高頻度で言及されている可能性が高い。動物の身体部位語の頻度を調査したところ,ある動物において特徴的と考えられる角のような要素の頻度が高い傾向が見られた。また,対象物の有する要素とその頻度分布情報から,対象物を認識することも可能という実験結果も得られた。我々は対照する他物との差異となり得る特徴的な要素に着目し,それらが高頻度であることを期待する。しかし,高頻度であると期待される要素が,必ずしも高頻度で言及されていない場合がある。たとえば,それぞれ馬と人との差異として角を有するユニコーンと鬼を見ると,ユニコーンの角は期待通りの高頻度で言及されるが,鬼の角は頻度が低い。期待される頻度と実頻度に差の生じる一因は,用例において比喩表現に現れていた。外観上特徴的な要素は,形状を表す喩辞として用いられる傾向がある。ゆえに,固定的なイメージがない場合には比喩表現として用いられにくい。また,対照されやすい他動物が被喩辞となる比喩表現では,差異となる要素こそあえて言及する必要がない。このように,特徴的な要素と用例頻度の関係には,比喩表現のような表現形式が関わるため,頻度情報を用いる際には考慮が必要である。Many dictionaries, such as the Collins COBUILD English language dictionary and WISDOM English-Japanese Dictionary, use corpus frequency data as the basis for determining the importance of words or word meanings. Based on the corpus frequency data, we assume that the most characteristic elements of an object tend to be mentioned frequently in corpora. In this study, we investigated the use of words that describe animal body parts and their frequencies. If the characteristic attribute of a target animal has a high frequency in the corpora, we would be able to guess the target animal. For example, we expected tsuno 'horn,' a word that distinguishes one animal type from another, to be used frequently. In the case of unicorns, we found that its horn was mentioned frequently, as it distinguishes a unicorn from a horse. However, the horns of oni 'devil' were mentioned less frequently, even though it is a feature that distinguishes oni from human beings. Upon analysis of the corpora, it was revealed that oni are often used as metaphors for human beings. By contrast, unicorns are not used as metaphors for horses. Moreover, oni horns do not have the fixed image that unicorn horns do as a metaphor for its form. Our results lead to the conclusion that the tendency for the most characteristic feature of an object not to be mentioned is the effect of metaphors.
著者
竹田 晃子 三井 はるみ
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.77-108, 2012-11

国立国語研究所における「全国方言文法の対比的研究」に関わる調査資料群のうち,調査I・調査IIIという未発表の調査資料について,調査の概要をまとめ,具体的な言語分析を行った。調査I・調査IIIは,統一的な方法で方言文法の全国調査を行うことによって,方言および標準語の文法研究に必要な基礎的資料を得ることを目的とし,1966-1973(昭和41-48)年度に地方研究員53名・所員4名によって行われ,全国94地点の整理票が現存する。具体的なデータとして原因・理由表現を取り上げ,データ分析を試みることによって資料の特徴を明らかにした。3節では,異なり語数の比較や形式の重複数から,『方言文法全国地図』が対象としなかった意味・用法を含む幅広い形式が報告された可能性があることを指摘し,意味・用法については主節の文のタイプ,推量形への接続の可否,終助詞的用法の観点から回答結果を概観した。4節では,調査時期の異なる他の調査資料との比較によって,ハンテ類の衰退とサカイ類の語形変化を指摘した。「対比的研究」の調査結果は興味深く,現代では得がたい資料である。今後,この調査報告の活用が期待される。
著者
エリス ロッド
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー (ISSN:21850119)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.3-22, 2010-07

本論は,明示的教授法が第二言語習得にどのような効果をもたらすのかについて検証する。まず暗示的教授法と明示的教授法の違いを明確にする必要性について論じ,さらに能動的・受動的,帰納的・演繹的という観点から幾つかの異なるタイプの明示的教授法を区別する必要性を述べる。また,学習者が第二言語として得る知識の種類(暗示的知識と明示的知識)という観点から明示的教授の効果を検討することも重要である。明示的・暗示的という2種類の教授法の効果を調査した従来の研究は,学習者が獲得する暗示的知識の妥当な測定方法を示していないために,その結論も概して中途半端なものになっている。しかしながら,これらの研究によって,明示的知識の発達には明示的教授の方が優れている場合が多いことが立証されていることは確かである。たとえ明示的教授が明示的知識の獲得だけに終わるとしても,(1)明示的知識は言語運用力に不可欠な要素であり,(2)明示的知識は暗示的知識の発達をつかさどる過程の切っ掛けとなるという点において明示的教授法は意義があるといえよう。本論の最後では,能動的演繹的教授法と帰納的明示的教授法の相対的な長所を検討し,明示的知識を教える際に学習者の意識を高めるタスク(コンシャスネス・レイジングタスク,能動的帰納的明示的教授法の一種)を多く使うほうが有効であることを主張する。
著者
窪田 悠介 Yusuke KUBOTA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.107-125, 2017-07

本稿では,統語構造アノテーション支援ツールEmacsけやきモードの解説をする。けやきモードは,国立国語研究所「統語・意味解析コーパスの開発と言語研究」プロジェクトのために開発された。本ツールを開発する過程で,Emacsをテキストアノテーション作業用インターフェイス構築の土台として利用する手法の有効性と,この手法を採用する際に注意すべき点がいろいろと明らかになった。主な利点は,Emacsエディタに備わっているEmacs Lispと呼ばれるLispの方言を用いることで,強力なテキストアノテーション支援環境を素早く開発できることである。同時に,当初開発者側に盲点となっていたがツールを現場で運用する際に徐々に明らかになった落とし穴として,Emacsのデフォルトのインターフェイスの使いにくさがあることが分かった。本稿では,けやきモードの主な特徴と実装を簡単に説明したあと,Emacsをアノテーション支援ツール開発の基盤として用いることの利点と落とし穴を議論する。This paper describes an extension of the Emacs editor for the annotation of syntactic structures in parsed corpora: "Emacs Keyaki Mode." Keyaki Mode was developed for the purpose of aiding manual correction of syntactic annotation in the construction of the NINJAL Parsed Corpus of Modern Japanese. In the course of developing this software, we learned that the extensibility of Emacs via Emacs Lisp (which is a full-fledged programming language rather than an impoverished macro language for editor customization) is very useful and makes Emacs a potentially attractive environment for developing text annotation tools in general. At the same time, we encountered several challenges mainly due to the fact that the default interface of Emacs is somewhat idiosyncratic and unintuitive from a modern perspective. After explaining the main features of Keyaki Mode and sketching its implementation, the paper discusses potential advantages and pitfalls when Emacs is viewed as a platform for annotation tool development.
著者
小林 隆 Takashi KOBAYASHI
出版者
国立国語研究所
雑誌
研究報告集 = Occasional Papers
巻号頁・発行日
vol.12, pp.165-189, 1991-03 (Released:2017-06-13)

現代方言における東西対立分布が,どのように成立したかを,『日本言語地図』と文献資料により考察した。その結果,東西対立の成立パタンには,東西対立をなす語形の,①放射の中心地,②放射の順序,③伝播の範囲の三つの観点から見て,四つの異なるタイプが想定されることが明らかになった。また,安部清哉氏の方言分布成立における「四つの層」の仮説が,東西対立の成立過程を説明するのに妥当かどうかを検討した。 I examine how the opposition of east and west in the distribution of modern dialects in Japan originated, using the Linguistic Atlas of Japan and some historical materials. I first consider the opposition patterns from three angles : (1) distributions from a center, (2) sequence of distributions, (3) scope of distributions ; it appears that four different types can be distinguished. Next, considering the hypothesis put forward by Abe (Seiya) on the existence of four layers in the formation of dialects, I examine whether this explains the east/west opposition. 17の書名 : 国立国語研究所研究報告集
著者
渡辺 美知子 外山 翔平 Michiko WATANABE Shohei TOYAMA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.181-203, 2017-01

筆者らは,言い淀み分布の日英語対照研究のために,『日本語話し言葉コーパス(CSJ)』中の模擬講演データに類似した『英語話し言葉コーパス(COPE)』を構築している。本稿では,まず,アメリカ英語話者20名のスピーチからなるこのコーパスの概要を紹介した。次に,その中でのフィラーの分布を日本語のフィラーの分布と比較した予備的考察について述べた。100語あたりのフィラーの頻度は,英語が4回/100語,日本語が6回/100語だった。しかし,単位時間あたりの頻度に有意差はなかった。また,日本語の方が英語よりも,頻度に男女差が大きかった。さらに,文境界と節境界におけるフィラーの出現率を両言語で比較し,それに関係する要因を調べたところ,日本語では性別の影響が最も大きいのに対し,英語では,文頭か非文頭かの要因の影響が最も大きかった。今後も,個人差を考慮して,対照研究を進める予定である。"The Corpus of Oral Presentations in English (COPE)" is under construction to conduct contrastive studies of speech disfluencies in English and Japanese. COPE is composed of 20 speeches by native speakers of American English. In the present paper, we first described the corpus followed by a report of some preliminary findings about filled pause (FP). Frequencies of FPs were 4/100 words in English and 6/100 words in Japanese. However, the frequencies per second did not significantly differ between the two languages. Gender specific difference was obvious in Japanese but hardly observed in English. Male speakers used more FPs than female speakers did in Japanese. Possible factors related with FP rates at sentence and clause boundaries were also investigated and discussed.