著者
野田 尚史
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー (ISSN:21850119)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.117-124, 2013-03

このサブプロジェクトは,(i)のような考えから出発している。(i)本当の意味で日本語教育を言語の教育からコミュニケーションの教育に変えるためには,日本語教育のための研究も言語の研究からコミュニケーションの研究に変える必要がある。 日本語教育のためのコミュニケーション研究というのは,具体的には(ii)から(iv)のような研究である。このサブプロジェクトでは,これからこのような研究を進めていく。(ii)母語話者の日本語についての研究 (iii)非母語話者の日本語についての研究 (iv)日本語の教育についての研究
著者
眞田 治子 Haruko SANADA
出版者
国立国語研究所
雑誌
日本語科学
巻号頁・発行日
no.11, pp.100-114, 2002-04

東京学芸大学幕末から明治初期にかけて,西欧文化との接触や文明開化の影響によって数多くの新しい単語が生じた結果,日本語の語彙はその基本的な部分にまで大きな変動がもたらされた。この研究は,そのような語彙の中でも特に学術分野の専門用語の一般化の過程をとりあげ,現代の各種基本語彙表や,明治から現代までの雑誌・新聞・テレビなど各種メディアにおける変遷を主に計量的手法によって明らかにしようと試みたものである。その結果,一部の専門用語は基本語彙表や現代メディアの比較的高頻度の階級に見られるなど,現代日本語の中核の部分に深く浸透していることがわかった。このような学術漢語の一般化の現象は特に雑誌などでは,明治初期から急激に進行し,1900年前後には現代の様相の基礎が既に形成されていたと推定される。
著者
大滝 靖司
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 = NINJAL research papers (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.6, pp.111-133, 2013-11

中央大学高等学校本研究は,日本語における英語からの借用語で起こる促音化の辞書データを分析し,生起要因を考察する。その結果から,借用語の促音化には「語末の促音化」と「語中の促音化」の2タイプがあることを指摘する。前者は原語の語末子音を借用語でも音節末子音として保持するための現象である一方,後者は原語の音配列および重子音つづり字の影響を受けた現象であることから,借用語音韻論で扱うべき音韻論的な借用語の促音化は,語末の促音化であることを主張する。また,両者の中間的な環境における促音化パタンを細かく観察し,それらが語末の促音化が起こる「語末」の環境であるのか,あるいは,語中の促音化を引き起こす「語中」とみなされているのかを論じることで,借用語の促音化の全体像を捉える。
著者
岡田 美穂 林田 実 Miho OKADA Minoru HAYASHIDA
出版者
国立国語研究所
雑誌
日本語教育論集 (ISSN:13469762)
巻号頁・発行日
no.23, pp.3-15, 2007
被引用文献数
1

九州女子大学北九州市立大学日本語学習者は,存在場所を表す格助詞「に」を用いるべきところに誤って「で」を用いることがある(例:大学の中で友達がいます)。本研究では,存在場所を表す「に」の習得の様子を探るため,日本語学習者を対象とした穴埋めテスト形式の調査を行った。その結果,上の誤りは日本語レベルが「中級の下」の学習者に最も多く見られ,存在場所を表す「に」の習得は「U字型発達」を示していた。また,上の誤りは,存在場所を表す「に」と範囲限定を表す「で」との混同により生じていると考えられる。
著者
山崎 誠 相良 かおる 小野 正子 東条 佳奈 麻 子軒 Makoto Yamazaki Kaoru Sagara Masako Ono Kana Tojo Tzu-Hsuan Ma
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.4, pp.161-168, 2019

会議名: 言語資源活用ワークショップ2019, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2019年9月2日−4日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本発表では、電子医療記録に含まれる実践医療用語の語構成を明らかにするために、独自に設計した語構成要素への分割とそれに対する意味ラベルの付与を行い、意味ラベルによる語構成のパターンを調査した。調査対象は、ComeJisyoSjis-1(111,664語)から、『分類語彙表 増補改訂版』に収録されている語を含む約7,000語から抽出した1,000語である。これらを短単位よりやや長めの語構成要素に分割し、意味ラベルを付与した。意味ラベルは、石井(2007)の複合名詞の語構造把握のための意味分類を参考にしたが、実践医療用語のために独自に設けたものも多い。分析結果から、以下のような点が明らかになった。(1)語構成要素数が2個と3個のものが全体の8割以上を占める。(2)意味ラベルは、「疾患」「身体部位」「状態」「症状」「医療行為」「時間」「生理」の7つで全体の約8割を占める。(3)意味ラベルは、語頭により多く出現するもの(「身体部位」「時間」)や語末により多く出現するもの(「医療行為」「症状」「障害」)などがあり、分布に偏りが見られる。
著者
窪薗 晴夫
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー = NINJAL Project Review (ISSN:21850100)
巻号頁・発行日
no.3, pp.17-34, 2010-10

国立国語研究所「ストライキ」から「スト」,「テレビジョン」から「テレビ」というように,多くの外来語が2~4モーラの長さに短縮される。この短縮語形成についてはこれまでもいくつか出力条件(制約)が考えられてきたが,一つの入力に対して唯一の出力を予測するまでには至っていない。本稿は「短縮語は短いほど良い(the shorter, the better)」という前提に基づく従来の分析に対し,単語分節という全く別の観点からの分析を提案する。この分析では,5モーラ以上の長さの単純語は音韻的には実は複合語(疑似複合語)であり,その後半部分が削除されることにより短縮形が生成されると分析する。この分析により,長い単純語の短縮パターンが説明できるだけでなく,単純語の短縮と複合語の短縮(携帯電話 → ケータイ)を同一のプロセスとして一般化できる。さらには,4モーラと5モーラの境界が関与する他の言語現象と短縮語形成の共通性もとらえられるようになる。
著者
井上 優 Masaru INOUE
出版者
国立国語研究所
雑誌
研究報告集 = Occasional Papers
巻号頁・発行日
no.14, pp.333-360, 1993-03

国立国語研究所日本語の「ヨ」(低)を含む命令文は,「動作を実行するよう要求する」ためではなく,「当該の動作が実行されるべき時に実行されなかったことを非難する」ために用いられることがある。(締切日の翌日にレポートを出しに来た学生に)ちゃんと昨日のうちにレポートを出してくださいよ(低)。このことをふまえ,本稿では,(i)日本語の命令文の第一の機能は「話し手の意向が聞き手の知識に導入されるよう働きかける」ことにある,(ii)命令文の機能の決定には次の二つの要因が関与する,ということを主張する。・「現在動作実行のタイミングにある」「現在動作実行のタイミングにない」のいずれを前提とするか(タイミング考慮/タイミング非考慮)・「話し手の意向と矛盾することがらが存在する」「話し手の意向と矛盾することがらがない」のいずれを前提とするか(矛盾考慮/矛盾非考慮)日本語の場合,(i)は種々の文法形式により,(ii)は終助詞及びイントネーションによって表される。17の書名 : 国立国語研究所研究報告集
著者
オルドリッジ エディス
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー = NINJAL project review (ISSN:21850100)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.122-134, 2015-06

ワシントン大学シアトル本校言語学科現代日本語と違って,上代日本語の疑問詞は,一定の条件下において主語に先行することを義務付けられていた。本論は,従来の研究と同様に,この語順をWH移動の結果として捉える。ただし,移動先の着地点に関しては,英語の場合と同じCP指定部ではなく,文中(TP内部)にある焦点位置であると提案する。その根拠の1つとしては,疑問詞が先行する主語は,TP指定部にある主格主語ではなく,vP指定部にある属格主語のみであることを指摘する。TP内の焦点位置を裏付けるもう1つの根拠としては,項と付加詞との相対的位置を挙げる。vP内部に結合される項は移動するのに対し,vPの外側に結合される付加詞は,移動の対象にならず,元の位置に現れる。
著者
ヤコブセン ウェスリー・M
出版者
国立国語研究所
雑誌
国語研プロジェクトレビュー = NINJAL Project Review (ISSN:21850100)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-19, 2011-06

ハーバード大学日本語では仮定性や反事実性といったモーダルな意味が状態性や反復性など,未完了アスペクトに関わる時間的な意味を表す言語形式によって表現される場合が少なくない。こうした相関関係は,仮定的な意味が典型的に生じるとされる条件節などの従属的な環境においてのみならず,可能性,願望,否定といった意味が主文に表れた場合にも観察される。本論では,Iatridou(2000)で提案されている過去形の「除外特徴(exclusion feature)」に対して,未完了アスペクトの「包含特徴(inclusion feature)」を提案し,以上の相関関係の説明をこの特徴の働きに求めてみた。それによると,未完了アスペクトには,話者の視点である基準時以外の時点までも想定されるという時間的な特徴が本質的に備わっており,これが転じて,話者の世界(現実の世界)以外の可能世界までも想定されるという解釈へと拡張することによって仮定的・反事実的意味が生じるとする。インド・ヨーロッパの諸言語では,反事実性の意味表出に過去形が関わっている現象がこれまでにたびたび指摘されてきたが,少なくとも一部の言語では,反事実性,ひいては仮定的な意味一般の表出に,テンスとは補完的な形でアスペクトも重要な役割を果たしていることが,日本語のこうした諸現象の検証によって明らかになる。人間にとって現実性の把握に,時間の把握がどんなに深く関わっているかをうかがわせる現象として注目に値する。
著者
前川 喜久雄 西川 賢哉 Kikuo Maekawa Ken'ya Nishikawa
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.4, pp.205-221, 2019

会議名: 言語資源活用ワークショップ2019, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2019年9月2日−4日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター『日本語話し言葉コーパス』コア中の母音に、声質研究用に各種音響特徴量を付与する試みについて報告する。母音の無声化等によって測定不可能な母音を除いたすべての母音を対象に、F0, インテンシティ, F1, F2の平均値、jitter, shimmer, signal to noise ratio, H1*-H2*, H1*-A2, H1*-A3*等の声質関連情報、さらに発話中の位置に関するメタ情報などを付与し、RDBで検索可能とした。この情報の応用上の可能性を示すために、主要な音響特徴量が発話中の位置に応じてどのような変化を示すかを検討した。F0やインテンシティだけでなく、H1関連指標などにも発話末において一定の値に収束する傾向が認められた。
著者
川口 寛治 薦田 龍輝 堤 智昭 Motoharu KAWAGUCHI Ryuki KOMODA Tomoaki TSUTSUMI
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.1, pp.265-272, 2017

会議名: 言語資源活用ワークショップ2016, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年3月7日-8日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター国立国語研究所では,様々な時代の日本語資料の分析に利用可能な形態素解析辞書であるUniDic を公開している.このUniDic を利用した形態素解析支援アプリケーションである『Web 茶まめ』はWeb 上で公開されており,インターネットを通じて誰でも利用できる.本稿では,『Web 茶まめ』について以下の二点を報告する.一点目は,『Web 茶まめ』を公開した以降にユーザから寄せられた意見や指摘をもとに行った改良についてである.二点目は,ブラウザを用いずにインターネットを通じてWeb 茶まめの機能を利用するための,WebAPI の試作についてである.
著者
上野 善道 Zendo UWANO
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 = NINJAL Research Papers (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.20, pp.115-147, 2021-01

東京大学名誉教授岩手県沿岸北部に位置する田野畑村方言について,体言および用言活用形を対象とした調査の報告を行なう。そこには3モーラ名詞の第6・7類や活用形のいくつかに北奥方言の中で最も古いと推定される特徴が見られ,それらが北奥アクセント祖体系の拙案とほぼ一致することを述べたあと,その資料に基づいて祖体系案の微修正をする。
著者
庵 功雄 Isao Iori
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.4, pp.199-204, 2019

会議名: 言語資源活用ワークショップ2019, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2019年9月2日−4日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター「は」と「が」は日本語文法の根幹に関わる要素であるだけでなく、両者の違いを明らかにすることは日本語における予測の実相を考える上でも重要である。本発表では、「は」と「が」の違いに関する三上章の主張の妥当性をCSJ-RDBを用いて検証した。
著者
齋藤 秀紀 Hidenori SAITŌ
出版者
国立国語研究所
雑誌
研究報告集 = Occasional Papers
巻号頁・発行日
no.10, pp.173-192, 1989-03

国立国語研究所東アジア諸国(中国・日本・韓国)との間で科学技術の交流が盛んになり,日本語教育に対する重要性が増している。しかし,日本語教育に利用できる資料は,十分であるとはいいがたい。一方,国立国語研究所には,用語用字調査で得た現代日本語に関する資料が500万KWIC用例,漢字データベースなどがあり,日本語研究教材作成に利用できる環境にある。本稿では,これらの資料を総合的にコンピュータで管理する方法と,日本語研究者にデータ提供を円滑に行うためのシステムの試案を述べる。また,蓄積されている漢字・単語・用例などのキー長の異なるデータを統合する方法として,疎結合方式が有効であることを示す。さらに,中国・日本・韓国の相互のデータ交換を想定した統一漢字コードを提案する。17の書名 : 国立国語研究所研究報告集
著者
小椋 秀樹 Hideki OGURA
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.2, pp.223-232, 2017

会議名: 言語資源活用ワークショップ2017, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年9月5日-6日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター外来語表記のゆれには発音のゆれが関わっているといわれるが,表記のゆれと発音のゆれとの間にどの程度関連があるのかについては,十分に明らかにされていない。そこで,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(出版・書籍)と『日本語話し言葉コーパス』とを用いて外来語の語末長母音の表記と発音のゆれの実態調査を行った。調査の結果,長音符号を省略した表記の割合(無表記率)は17.0%,短母音のように短く発音した割合(短呼率)は7.7%で,表記と発音との間にずれが見られた。この表記と発音とのずれの要因としては,(1)《エアー》《ソファー》《ボディー》等の特定の語において符号無表記や短音化が高い度数(比率)で生じていること,(2)語末音「ティ」を持つ語において符号無表記が広範囲かつ高い度数(比率)で生じていることの2点が指摘できる。
著者
衣畑 智秀 Tomohide KINUHATA
出版者
国立国語研究所
雑誌
日本語科学
巻号頁・発行日
vol.17, pp.47-64, 2005-04

大阪大学大学院日本語の「逆接」の研究においては,個々の形式がどのように対立しているかを捉えるための,理論的枠組みについての考察が十分ではなかった。本稿では,関連性理論を援用し,話し手の知識や対話における情報の処理についての理論的考察を行い,これを踏まえることで,ノニ,ケド,テモといった「逆接」の接続助詞が適切に記述できることを示した。一般に「逆接」では,何らかの含意関係が否定されていると言えるが,この含意関係が,ノニは,話し手の「知識」という特殊なものであり,ケド,テモは,「文脈」という発話解釈に一般的な情報である。主節の制約やニュアンスなどのノニの特殊性は,この否定される含意関係の特殊さから説明することができる。一方,ケドとテモは,「文脈」が否定される中で,前者が前件と後件がそれぞれ独立した情報として扱われているのに対し,後者は前件と後件が合わさって一つの情報として処理される,という対立を成している。
著者
彦坂 佳宣 Yoshinobu HIKOSAKA
出版者
国立国語研究所
雑誌
日本語科学
巻号頁・発行日
vol.17, pp.65-89, 2005-04

立命館大学原因・理由の接続助詞について,『方言文法全国地図』と各地の過去の方言文献とを対照してその歴史を推定した。基本的には京畿から「已然形+バ」→カラ→ニ→デ→ケン類→ホドニ→ヨッテ→サカイの放射があったと考えた。西日本にはこれらの伝播が重なり,東日本ではカラ辺りまでで,西高東低の模様がある。それは京畿からの地理的・文化的距離やカラの接続助詞化の経緯差によるところが大きいと考える。カラの他にデ・ケン類・サカイなどもかなり地域的変容が想定され,上の放射順が必ずしも順当に受容されたとは限らない。また,標準語のカラとノデに似た表現区分をもつ中央部ともたない周辺部とに分析的表現に関わる差異があり,中央語と地方語との性格の違いも認められる。
著者
菊地 礼 Rei KIKUCHI
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.3, pp.288-297, 2018

会議名: 言語資源活用ワークショップ2018, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2018年9月4日-5日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本発表は分類語彙表番号を付与した現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)を用いて収集した比喩表現データを分析・考察する。中村(1977)『比喩表現の理論と分類』によれば直喩の指標は7類82種359号と多岐にわたる。しかし,直喩の典型である「よう」以外の分析はなされていない。本発表ではコーパスを用いた網羅的な用例収集を行い,分析に耐える量を確保する。その一例を本発表は動詞「感じる」によって示す。「感じる」は「AガBヲ」「AヲBト」「AヲBデ」等の10の構文を作るが,「AニBヲ」「AヲBニ」等の8つの構 文で比喩を表わすことが可能である。しかし、直喩と認定できる例はその中から限定される。これは「感じる」が比喩指標として機能することが例外的事例であることを意味する。モダリティ形式としての文法化が比喩指標には求められるが、「感じる」は特定の構文環境においてのみ不完全ながら文法化を果たし、比喩指標と同様の機能を得る。