著者
久保 晃 丸山 仁司
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.15-18, 0003

本研究の目的は、理学療法学科学部生の就職先と就職先選定における関心事項を明らかにすることである。対象は、2000から2001年に国際医療福祉大学保健学部理学療法学科を卒業した187名、平均年齢24±3歳(男性94名、平均年齢24±4歳、女性93名、平均年齢23±2歳)である。就職内定先は、医療施設が全体の80%と大部分を占めた。他は、大学院進学7%や老人保健施設3.7%であった。内定先の希望順位は、60%が第一志望であった。希望勤続年数は、5年程度以下が過半数を占めていた。就職先選定要因についての関心度は、職場の人間関係を最も重視していた。
著者
落合 直美 森田 知子 大槻 義昭 村田 純一
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.33-41, 2014-01-31

本研究の目的は,A病院の新生児の回復期治療室(Growing Care Unit:GCU)の現状を把握し,病床管理および病院経営の観点から改善策の要因抽出することである.このため以下の調査検討を行った.(1)新生児集中治療管理室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)・GCUに入院が予測される母体搬送入院患者の動態把握,(2)NICU・GCUの患者の現状および総合周産期特定集中治療室管理料・新生児治療回復室入院管理料の取得状況の現状把握,(3)GCUの稼働率・収入維持のための要因調査と対策の立案.A病院の新生児入退院データ,経営収支などからデータ収集し分析を行った.調査の結果,母体搬送の患者が急性期を超えた時点で転院し,産科の病床確保を行うことが必要である.NICUは加算算定できる患者が大半を占めている反面,GCUは加算期間を超えている患者が多くを占めていた.NICUからGCUへ転床時に加算算定期間を考慮した病床管理や入院早期から退院を視野に入れた支援が必要である.また新生児搬送や院内出生においてGCUで積極的に受け入れることが,GCUの収入や病床稼働率の維持につながることが明らかとなった.
著者
江戸 優裕
出版者
国際医療福祉大学
巻号頁・発行日
2014-03-12

平成25年度
著者
武田 昌子 高崎 一朗 高崎 一朗
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

帯状疱疹後痛を発症したマウスにおいて、帯状疱疹発症の場である脊髄後根神経節を免疫組織染色法を用いて研究した結果、CD4陽性T細胞ガ帯状疱疹後痛の病態により関与している可能性が示唆された。しかしCD4欠損マウスを用いた研究からは帯状疱疹から帯状疱疹後痛への発症に関してCD4陽性T細胞は、直接関与しているわけではないことが示唆された。このことから帯状庖疹後痛の発症にはMHC遺伝子そのものが関与している可能性が示唆された。
著者
鈴木 知子 宮木 幸一
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大学学生対象の調査に関しては、本大学における公衆衛生学、精神医学、学生相談室の先生方との研究協力において実施した。そして、約500人の学生に調査参加頂いた。現在、解析実施中である。また、対象学生に調査票の回答をしてもらう以外に調査に協力頂いたことに対する還元、フィードバックとして、メンタル面においてリスクが高いと思われる学生に任意での学生相談室への相談の呼びかけを第1回調査対象の学生に行った。残りの学生に対しても準備中である。発達障害傾向として当初はその内の自閉症特性のみの着目を計画していたが、もうひとつの大人の発達障害傾向として問題となっている注意欠如・多動症(ADHD :attention-deficit hyperactivity disorder)傾向にも着目し、日本国内でも世界的にも使用されている成人ADHDスクリーニング用の自記式調査票ASRS(Adult ADHD Self-Report Scale)も追加して調査を行った。そして、現診断基準DSM-5による改訂版(DSM-5版ASRS)が今年2017年5月に原著者のKessler教授らにより公表された(JAMA Psychiatry. 2017)ため、原著者の許可のもと、日本語訳を作成し調査票に含めた。発達障害者の支援をされている、協会理事長、発達障害支援団体代表理事、クリニック院長、社会福祉法人役員、社会福祉士、産業保健師、精神保健福祉士などの方々のインタビューを行い、支援をする時に心がけていること、もどかしい点など、支援する立場からの意見を伺い、今後の研究への。収集したデータ解析については順次実施中であり、テーマごとに完成次第、学会発表、論文化を進めている。
著者
平野 大輔 藤岡 崇 谷口 敬道
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.34-46, 2011-08-31

機能的近赤外分光法(functional near-infrared spectroscopy; fNIRS)は,近赤外光を用いた非侵襲的脳機能計測法であり,大脳皮質の神経活動に伴って変化する局所的な脳血流の変化を計測する技術である。この技術は,他の脳機能計測法に比べ時間分解能や空間分解能において格段に優れているわけではないが,安全性や低拘束性,可搬性の高さなどの特徴を有する。これらの特徴は,様々な対象の日常的な環境下における作業時の脳活動の計測を可能にする。対象が幅広く実施環境が多岐にわたるリハビリテーションにおいて,本技術を用い得られた知見は評価や介入の方針および手段の検討,効果判断の際に有益な示唆をもたらしてきた。他方,fNIRSにおいては統一された計測法や分析法が存在しないため,使用者はこの技術について熟知し正しく解析を行う必要がある。本稿においては,これまで発表されてきた論文を基に,fNIRSの歴史や原理,解析などを概説し,リハビリテーション実践過程におけるfNIRSの有用性と今後の展望について述べる。
著者
武田 弘志 辻 稔
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-10, 2008-07-31

1950年代にイミプラミンの抗うつ効果が発見されて以来,三環系ならびに四環系抗うつ薬,選択的セロトニン再取り込み阻害薬,およびセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害などの様々な抗うつ薬が開発され,うつ病の薬物治療は大きな発展を遂げた。しかし,これらの抗うつ薬の治療効果や安全性には未だ満足できない面もあることから,より有効性や安全性が高い新規抗うつ薬の開発が望まれている。蘇葉は,現在臨床において,うつ病や不安障害に対する有効性が認められている数種の漢方処方に共通して配合されている要薬の一つである。最近,著者らは,蘇葉に含まれるロズマリン酸およびその主要代謝産物カフェー酸が新規の抗うつ・抗不安様物質であることを明らかにした。また,神経化学的検討において,ロズマリン酸およびカフェー酸は,現在臨床で使用されている抗うつ薬の主たる薬理作用であるモノアミン再取り込み阻害作用やモノアミン酸化酵素阻害作用を有さないことを明らかにした。したがって,今後,これら両化合物の薬効の特徴や作用機序の詳細を明らかにすることにより,うつ病や不安障害に対する新規治療薬の開発やこれら疾患の病態生理の解明の一助になるものと考える。
著者
大熊 由紀子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.1-9, 2007-01-31

『患者の声を医療に生かす』(医学書院)という本が,医療の世界,医学教育,卒後研究,看護教育関係者に静かなブームを巻き起こしています。2005年の国際医療福祉大学大学院の公開講座「乃木坂スクール」を再現したものです。一連の公開講義をコーディネートした経験を紹介するようにとの紀要委員会のお勧めで,この企画の背景,反響について書かせていただくことになりました。
著者
志村 圭太 久保 晃
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.21-27, 2016-03-31

目的:ボリビア人の血圧,酸素飽和度(以下SpO2),および体格の年齢による特徴を明らかにすること. 対象と方法:対象は,ボリビアのコチャバンバ県プナタ市(標高2,600 m)で,JICAボランティア医療分科会による健康啓発活動に参加した17歳から88歳,年齢37.7±18.0歳(平均±SD)の157名とした.年代と性を要因として,血圧,SpO2,身長,体重,Body Mass Index(以下,BMI)を二元配置分散分析で検討し,血圧,SpO2に関して性と年齢で調整したBMIとの偏相関係数を算出した. 結果:年齢では全ての項目で有意な主効果を,性では血圧,身長,体重に有意な主効果を認めた.年齢と性で調整したBMIとの偏相関係数は,収縮期血圧r=0.199(p<0.02),拡張期血圧r=0.345(p<0.001),SpO2 r=-0.207(p<0.01)といずれも有意であった. 結論:ボリビア人の血圧,SpO2,体格には,加齢や性の影響に加え,BMIの影響が存在し,疾病予防には運動,活動,食事などの生活習慣に目を向け,肥満対策に関わる必要性があると考えられた.
著者
山崎 喜比古 井上 洋士 伊藤 美樹子 石川 ひろの 戸ヶ里 泰典 坂野 純子 津野 陽子 中山 和弘 若林 チヒロ 清水 由香 渡辺 敏恵 清水 準一 的場 智子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

健康生成論と人生究極の健康要因=Sense of Coherence(SOC、首尾一貫感覚)並びにエンパワメントアプローチを取り入れた、支援科学でもある新しい健康社会学の理論と方法を、「健康職場」づくりの研究、病と生きる人々の成長と人生再構築に関する研究、SOCの向上や高いことと密接な正の関連性を有する生活・人生経験の探索的研究、当事者参加型リサーチを用いた調査研究の展開・蓄積を通して、創出し描出した。