著者
友岡 賛
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.13-28, 2019-04

昭和期の日本はそこにわれわれは近代会計制度の成立をみることができるのか。この問い掛けを軸に昭和の日本会計史をもって辿る。論文
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.13-37, 2017-10

大庄過労死事件の判決における高裁の判断を争点ごとに要約したうえで, 対応するワタミと電通の想定される争点および法的判断について検討する。死亡前の実際の時間外労働時間は3件とも過労死認定基準を超えており, 長時間に及ぶ時間外労働と過労死との因果関係が認められ労災認定された。過労死の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」は専門検討会報告を基礎として定められ, 時間外労働が発症前1ヶ月間に100時間を超える場合, または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって1ヶ月当たり80時間を超える場合, 業務と心臓疾患の発症との関連性が強いと判断されている。この認定基準を, 大庄事件において経験則として重視することに何らの問題もない, と大阪高裁は判断した。ワタミおよび電通の過労死に関しては「心理的負荷による精神障害の認定基準」が適用されるが, 同様に専門検討会報告を基礎として定められ, 経験則として重視することに何らの問題もないと解される。大庄では, 三六協定で定めた1ヶ月45時間を超える時間外労働が常態化し100時間超も少なくなかった。ワタミ久里浜店で美菜さんの141時間の時間外労働は三六協定の時間を遙かに超え, 電通でも12月の三六協定適用以前から深夜残業・休日残業が常態化し, その限度基準を超えていた。大庄事件判決で, 労災規定の脳・心臓疾患の認定基準につき「①現行基準発出以前から過重労働と心臓疾患との関係を一般社会が認識。②著名な訴訟事件につき過重労働と心臓疾患との関係を認める判例も積み重ねられている。③これら事件は一般にも報道されてきていた。④これらを踏まえ専門検討会報告に基づき厚生労働省により定められた現行認定基準が発出。⑤この発出から事故発生までに5 年以上が経過, 大庄にとっても十分認識可能な状況であった」と判断された。それゆえ, 大庄は労災認定基準をも考慮に入れ, 社員の長時間労働を抑制する措置をとることが要請されており, 長時間労働による災害から労働者を守るための適切な措置をとらないことによって災害が発生すれば, 安全配慮義務に違反したと評価されることは当然とされた。ワタミの過労死についても, 脳・心臓疾患および心理的負荷による精神障害等に関する現行認定基準を考慮に入れて, 社員の長時間労働を抑制する措置をとることが要請されているから, 「安全配慮義務に違反したと評価されることは当然である」という結論はそのまま当てはまる。電通の過労死についても, 1991年に入社2年目の男性社員が過重労働で自殺, 遺族が起こした裁判で2000年3月に最高裁が会社側の責任を認定したので, 認定基準について熟知していたにもかかわらず, 労働状況は変わっていなかったから, 「安全配慮義務に違反したと評価されることは当然である」という結論になる。大庄は, 社員の長時間労働の抑制のために, 社員の労働時間を把握し, 長時間労働の是正のための適切な措置をとっていたとは認められない, と判示された。ワタミも電通も同様である。ワタミの他店配属の美菜さん同期によれば「勤務時間は改竄している。店長もエリアマネージャーも知っている。休憩は1時間取っていることになっているが, 実際は店内が忙しく, 30分しか取ることができない。30分の休みの中で食事, トイレへ行く。そして, 12時間の労働が続く。よっぽどのタフな人でないと社員はできないと思う」状況であった。電通も, まつりさんの深夜残業・休日出勤の業務を私的情報収集・自己啓発などの名目で認めず, 残業申告時間は月70時間に収まっていて, 正確な実態を把握していなかった。専門検討会報告は, 心疾患発生の医学的機序が不明とされる事案においても長時間労働と災害との因果関係の蓋然性を認めるものであり, 多数の社員に長時間労働をさせていれば, そのような疾患が誰かには発生しうる蓋然性は予見できるから, 災害発生の予見可能性はあったと考えるべきと, 高裁は大庄に判示している。精神障害の労災認定基準に関する専門委員会報告書も長時間労働と災害との因果関係の蓋然性を認めるものであり, ワタミおよび電通の場合においても, 同様に災害発生の予見可能性はあったと考えるべきことになる。上記判断に基づき, 大庄において現実に全社的かつ恒常的に存在していた社員の長時間労働について, これを抑制する措置がとられていなかったことをもって安全配慮義務違反と判断された。この高裁の判断は, 同様にワタミと電通(まつりさんの場合, さらに直属上司の苛烈なパワハラがあり, セクハラもあった)にも当てはまる。大庄取締役らの責任についても, 高裁は, 従業員の多数が長時間労働に従事していることを認識あるいは極めて容易に認識し得たにもかかわらず, 会社にこれを放置させ是正するための措置をとらせていなかったことをもって善管注意義務違反があると判断。不法行為責任についても同断である, とした。また, 責任感のある誠実な経営者であれば自社の労働者の至高の法益である生命・健康を損なうことがないような体制を構築し, 長時間労働による過重労働を抑制する措置をとる義務があることは自明であり, この点の義務懈怠によって不幸にも労働者が死に至った場合は悪意または重過失が認められると判断。不法行為責任についても同断である, とした。ワタミおよび電通の取締役らについても, 損害賠償請求裁判の判決が出た場合には, 大庄の場合と同様に上記判断が示されることになると解される。それゆえ, ワタミは, 東京地裁において遺族の主張をすべて認める和解をせざるを得なかった。ワタミの認識と思考方法を見るため, 遺族との和解に至るまでの交渉過程を概観する。また, 電通和解の開示された内容を概観する。さらに, 3社の従業員の心得を概観し経営者の考え方を見てみる。論文
著者
西川 俊作
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.23-39, 2005-12

『福澤諭吉全集』に収録されてから実に50年ものあいだ見過ごされてきた「時事新報計算簿」の資料価値に着目し,それを福澤後半生の所得推計に利用したのは,故玉置紀夫君であった。この小論は同君の試みを批判的に継承し,同計算簿をはじめとする諸会計帳簿(いずれも福澤自筆)を参照して得られたところの事実や推定結果を取りまとめたものである。(1)福澤は編輯記者の人選や給与の査定を一手に掌握し,彼らへの毎月の給与(年2回の賞与を含む) 支払いも余人を煩わせず自らの手で行っていた。新聞用紙ほかの物件費,また印刷工・配達員などの人件費はもっぱら会計主任(坂田実)が管掌していたらしい。(2)新報社創業時に盟友(中村道太)からの出資があったものの,明治18年頃その出資金は福澤からの中村への貸付金と相殺されて,同社の資本金はすべて福澤の醵出となり,彼は名実ともに社主となった。端的に言うと新報社は福澤の個人企業となったのである。(3)新報社の採算は不明であるが,編集部(主筆福澤を含む)の給与総額を超え,目に見えるほどの収益を上げるようになったのは,明治20年代半ば以降のことであったようだ。(4)主筆福澤の年俸は明治20年代を通じて7000円余であった。20年代後半に収益が次第に増加したので,福澤の総収入(主筆年俸+資本収益)は15000円前後に達した。(5)この間,福澤は企業流動性の管理を慎重に行っていたと評せる。他方,紙面の拡大・充実とか365日発行などの経営努力によって業績の改善をがもたらされたのではないか,というのが当面の仮説である。故玉置紀夫教授追悼号
著者
笠井 昭次
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1-17, 2012-08

製品保証引当金につき, これまで, 負債性引当金説, 収益控除説, および前受金説を検討してきたが, 最後に, 収益費用観・資産負債観という二項対立によって, 諸処理方法を整理する松本[1993]の見解を検討することにしよう。 まず(1)および(2)において, 松本[1993]における収益費用観・資産負債観の定義的内容, および諸処理方法の収益費用観・資産負債観への帰属の論理を明らかにしよう。結論的には, その収益費用観と資産負債観とは, 主として, [費用─負債]というシェーマに準拠して, 費用が独立変数として負債を規定する収益費用観と, 負債が独立変数として費用を規定する資産負債観とが識別されている。 そこで, このような費用と負債との規定・被規定関係としての収益費用観・資産負債観を前提にして, 諸処理方法の収益費用観・資産負債観への帰属の論理の妥当性を(3)において, そして, 収益費用観・資産負債観という類別の枠組の妥当性を(4)で検討する。 ただし, 収益費用観・資産負債観という概念は, きわめて多様であり, 松本[1993]も, その例外ではない。そこで, 松本[1993]から明示的あるいは黙示的に区別できるみっつの収益費用観・資産負債観については, 次稿で取り上げることにする。論文
著者
馬 欣欣
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.69-87, 2010-02

本稿では,日本と中国における賃金分布からみた男女間賃金格差について,慶應義塾パネルデータ調査(2004~2008年)と中国家計調査(2002年)の個票データを活用し,分位点回帰分析モデルを用いて実証分析を行った。主な結論は以下の通りである。第一に,全体的にみると,日本の場合,低賃金分位点に比べ,高賃金分位点で男女間賃金格差が大きくなる。一方,中国の場合,低賃金分位点に比べ,高賃金分位点で男女間賃金格差が小さくなる。日本ではガラスの天井の現象が存在する一方,中国では粘着の床の現象が存在することが明らかになった。第二に,日中とも企業規模の差異により,賃金分布からみた男女間賃金格差の状況が異なる。具体的にいえば,日本の場合,小企業,中企業,大企業で,いずれもガラスの天井の現象が存在し,またガラスの天井の現象は中企業および大企業が小企業より顕著である。一方,中国の場合,小企業および大企業では粘着の床の現象が存在する傾向にある。これらの計量分析の結果により,賃金分布からみた日本と中国における男女間賃金格差の状況が異なることがわかった。男女間賃金格差の問題を解決するため,日本と中国で取るべき政策が異なり,日本では昇進昇格における男女格差を縮小するため,女性の継続雇用促進政策が必要である。一方,中国の場合,小企業と大企業の低賃金層における男女の差別的取り扱いの問題を重視すべきであることが示唆された。Using Keio Household Panel Survey data for 2004-2008 and Chinese Household Income Project Survey data for 2002, the paper estimated gender wage differentials by wage distribution and made the comparison of glass ceiling effect and sticky floor effect in Japan and China. The main conclusions are as follows. First, there is glass ceiling effect in Japan, on the other hand, there is sticky floor effect in China. Second, there are differences of the glass ceiling effect and sticky floor effect by firm size in Japan and China. Although there is glass ceiling effect in all firms in Japan, the glass ceiling effect is remarkable in large firms than that in small firms and middle-sized firms. On the other hand, the sticky floor effect is observed in small firms and large firms in China.論文
著者
島西 智輝
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.161-177, 2009-02

衰退に直面した企業の事業多角化が遅滞した要因を解明することは,経営史研究の重要な課題のひとつである。しかし,先行研究では,①情報活動の立ち遅れ,②過去の成功体験から来る自己過信,③マネジメント・システムの硬直化の3 つの要因が指摘されているが,実証研究は蓄積されていない。そこで本稿は,戦後日本の大手石炭企業3 社によるセメント工業進出を事例として上記の課題を検討した。3社は石炭産業の衰退が顕在化する以前から石炭需要を拡大させる市場関連多角化のひとつとしてセメント工業進出を構想したが,資金・技術・販売面での制約に直面した。これらの制約を同業他社の経営資源に依存せず,企業集団メンバーの異業種企業との柔軟な協力関係を形成した企業が速やかにセメント工業進出に成功した。一方で,既存のマネジメント・システムを変革せず,同業他社への経営資源に依存し続け,かつ企業集団メンバーの異業種企業との協力関係も固定的であり続けた企業のセメント工業進出は遅滞した。なお,いずれの事例でも石炭需要を拡大させる市場関連多角化は早期に断念され,セメント工業そのものの育成が図られていた。以上より,先行研究の指摘する要因のうち①②は実証されなかったが,③が多角化をもっとも遅滞させた要因に近いことが実証された。吉田正樹教授退任記念号論文
著者
赤川 元章
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.221-246, 2005-12

本稿は,19世紀末以降,清朝時代に展開した欧米列強,とくにドイツの銀行業による中国への鉄道投資の分析を主要対象としている。まず,ドイツの中国鉄道投資に関して,初期段階の模索過程を検討した後,鉄道建設を推進するに当たって,イギリス銀行グループとの協調が不可欠であった状況を説明する。そのうえで,ドイツの係わった主要な中国鉄道の設立過程を中心に分析していく。第1は,ドイツのみが独自に認可された山東鉄道会社である。ここでは,株式の追徴払い込みや「享受権証券」などの資本調達の特殊性に言及しつつ,経営状態などにも触れる。第2は,イギリスと共同投資を行った「天津―浦口」鉄道である。ドイツの鉄道事業に関する意思決定機関の構成を明らかにした後,鉄道路線計画,借款分担,返済計画などを検討していく。第3は,国際銀行シンジケートが関与した湖広鉄道問題である。ドイツ・イギリス・フランス・アメリカなど各国の銀行が鉄道建設の利権をめぐって抗争するが,この錯綜する交渉プロセスについて,主にドイツ・アジア銀行監査役会の議事録から追求していく。故玉置紀夫教授追悼号
著者
石井 加代子 樋口 美雄
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.37-55, 2015-08

本稿では, 近年の非正規雇用の増加が個人間の所得格差と世帯間の所得格差にもたらす影響について, 慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターの実施している「日本家計パネル調査(JHPS)」を用いて分析を行う。その結果, 非正規労働者の給与所得は所得分布の下層に集中しており, 非正規労働の増加は労働者間の給与所得の格差拡大に大きく影響していることがわかった。その要因について分析したところ, 単に非正規労働者の労働時間が短いことが原因であるのみならず, むしろ時間当たり賃金率に大きな格差があり, それが所得格差拡大に寄与していること, さらに時間当たり賃金率が低い者ほど労働時間が短い傾向にあることが, 給与所得における格差拡大を助長していることがわかった。一方で, 世帯所得にかんしては, 非正規労働の増加は必ずしも格差拡大をもたらす要因とはなっておらず, 非正規労働者が正規労働者と生計を共にし, 家計の補助的な役割を担う場合は, むしろ世帯間の所得格差を縮小させる方向に働くことがわかった。しかしながら, 非正規労働者が家計の主たる稼得者である場合には低所得に陥る確率が高く, ワーキングプアと非正規労働の関係の強さを改めて確認した。これらをOECDの加盟各国における分析結果と比較すると, 日本では正規労働者と非正規労働者の間で賃金の格差が大きいこと, しかしながら, 非正規労働者が世帯の主たる稼ぎ手となっているケースは, 従来, 少なく, むしろ家計補助的な役割を担っていることが多いため, 非正規労働者の給与所得が低いにもかかわらず, 世帯単位で見ると所得格差を縮小させていることが明らかとなった。もちろん, このことは非正規労働者の賃金の低さを是認するものではなく, これが高ければ, 個人のみならず, 世帯単位でも格差の縮小をもたらすことになる。論文
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.31-55, 2016-12

「コーヒーなどを飲ませる飲食店で, 新聞や雑誌がそこで読め, 時の話題について談笑し, 情報交換のできる場所として親しまれているカフェ」を対象としさまざまな観点から事実確認をしたうえで考察する。パリは, カウンター, 室内のテーブル, 外のテラスにより値段が異なるが, ブリュセルはすべて一律, パリのカフェの朝は早く, 閉店時間は深夜2時までであるが, ブリュセルでは閉めたい時間に閉める。パリでは水はコップ, キャラフでのサービスが無料であるが, ブリュセルではミネラルウォーターを注文しなくてはならない。値段はパリの方が高いが, 銀座はもっと高い。店数, 従業員数で, 日本のカフェ・チェーンの1位はスターバックスであり, ドトール, タリーズが続く。2015年から2016年の店数の増減を見ると, スターバックス, タリーズ, ベックスコーヒー, 星野珈琲店, コメダは成長拡大しているが, ドトール, 喫茶室ルノワールは現状維持, UCCグループの珈琲館他と, ドトールのエクセルシオール他は少し減少している。スターバックスの"The Only One", 「ドトール, のち, はれやか」は, セールス・ポイントもしくはブランドスローガンとして秀逸である。これらカフェ・チェーンの食べログ点数(市場の消費者の評価の一端として)は3.00が多く, よくて3.10までである。カフェ・チェーンの競争相手であるDean & Delucaのカフェ, PAULのカフェ, サードウェーブ・コーヒーのカフェ, サロン・ド・ショコラ, 和菓子カフェは, そのお菓子, 食べ物の豊富さ, サービス, 質の高さから食べログの点数は3.50以上であり, カフェ・チェーンより高い評価であるが, 数としては圧倒的に少ない。スターバックスは, 競争相手に対抗し事業拡大を目指し, さまざまな展開を実行もしくは計画している。"A cafe is a type of restaurant which usually serves coffee and snacks, where you can read newspapers and magazines, or chat with other customers about current topics. It is known as a place where information can be exchanged." Consider such café from various viewpoints, after reviewing facts.In Paris, coffee is priced differently depending on the counter, indoor table and outside terrace, but in Bruxelles the price is same. Cafes in Paris open early in the morning and close by 2 o'clock after midnight, but in Bruxelles open later in the morning and close at the time the owner want to close. In Paris water in a glass or a carafe is free, but in Bruxelles you have to order mineral water. The price is higher in Paris, but in Ginza even higher.At the viewpoints of number of shops and staffs, the first place coffee chain in Japan is Starbucks, Doutor and Tully's continue. Looking at the increase and decrease in the number of shops from 2015 to 2016, Starbucks, Tully's, Becks Coffee, Hoshino Coffee shop, and Komeda Coffee are growing and expanding, but Doutor, the Cafe Room Renoir maintains the current number, the UCC group's KOHIKAN (Coffee House) and others, and Doutor group's Excelsior and others are slightly decreasing.Starbucks's "The Only One" and "Doutor, later, Cheerful" are excellent as a selling point or a brand slogan.Tabelog score of these coffee chains' cafe (as a part of consumers' evaluation in the market) is 3.00 mostly, which is up to 3.10. As cafe's competitors, Dean & Deluca's cafe, PAUL's cafe, third wave coffee cafe, Salon de Chocolat, Japanese confectionary cafe, provide high quality of rich sweets and food, service. The Tabelog score is 3.50 or more, which is higher than the coffee chain's cafe, but they are far less as the number.Starbucks Japan aims to expand its business against competitors, and implements or plans various developments.論文挿図表
著者
工藤 教和
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1-25, 2013-08

長い歴史をもつ英国コーンウォール地方の主要産業, 錫鉱山業は, 1921年に事実上操業停止の状態に陥った。第1次大戦末期よりこの産業の窮状の原因と対策をめぐって鉱山業当事者, 地方政府当局者, 中央政府の間には様々な議論がなされた。この議論の過程を追うことによって, それぞれの関係者間の対応の相違について考える。第1部(本稿)では, 世界錫産業におけるコーンウォール錫鉱山業の客観的位置を確認した上で, 「非鉄鉱山業に関する商務省委員会」(1919‒1920年)に至る経過と委員会報告書の内容について検討する。第2部(次稿)では, 委員会での証言, 議会討論, 地方新聞などに表された言説を通してそれぞれの立場にあった人々の考え方を明らかにする。衰退産業にどのように向き合うべきかを考える材料を提供する。In 1921 the Cornish tin mining virtually ceased its operation for the first time in its long and prosperous history.A debate about the causes of the suspension and the devices for remedy was invited among the people in the industry, the local authorities, and the Government.Tracing their discussions, the causes and reasons for the difference in their opinions will be examined.In Part 1 (this paper) after confirming the situation of the Cornish industry in the history of the world tin mining, the process led toward the enquiry made by the Departmental Committee (1919-1920) is investigated.In Part 2 (the next paper) the backgrounds of the people with different opinions will be considered mainly based on the minutes of evidence given to the Committee, Parliamentary debates, and articles of local newspapers.論文