著者
西原 義之 高木 律男 小林 龍彰
出版者
新潟大学
雑誌
新潟歯学会雑誌 (ISSN:03850153)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.31-34, 2001-12

顎関節脱臼、特に両側の前方脱臼では、開口不能、顎関節部の痛み、流涎などの自覚症状を訴え、早期に整復処置が行われれば、陳旧化することは稀である。したがって、脱臼の病態についてのMRIによる軟組織を含めた画像所見、関節開放手術時の所見についての報告は少ない。今回私達は、心筋梗塞発作直後より気管内挿管下に1か月間管理され、咀嚼障害を自覚するも、痛み、口裂閉鎖、嚥下等の障害が軽度であったため、3か月間の入院加療後、閉口障害を主訴に受診した両側性顎関節脱臼症例を経験し、MRIによる精査も行いえたので報告する。患者は83歳女性で、初診時所見として、両側耳前部の陥凹および下顎の前突を認めた。口腔内は、上下顎とも無歯顎で、前歯部顎堤間で37mm以下の閉口は不能であるが、口裂の閉鎖は可能で流涎は認められなかった。MRI所見にて下顎頭は、関節結節前上方に位置し、関節円板前方月肥厚部の前まで転位していた。下顎窩に相当する上関節腔後方は、液体の貯留を示す高信号を呈していた。初診日に徒手整復を試みるも奏効しなかったため、心疾患につき内科対診後、全身麻酔下に整復手術を施行した。まず関節鏡による剥離と徒手による整復を試みたが、整復不能で関節腔を開放した。手術は、下顎頭の整復を妨げていた関節円板を切除し、下顎窩内に下顎頭を復位させた。術後数日間は、上下顎義歯を介しての開口制限の後、開口練習を開始した。現在術後1年2か月を経過し、開口量は義歯正中部で25mmを維持し、脱臼の再発なく経過良好である。A long-standing dislocation of the bilateral temporomandibular joints is rare. Farthermore, there are few reports concerning the use of magnetic resonance imaging (MRI) in determinig, the pathogenesis of dislocation, including the relationship between the condyle, the articular disc, and the external pterygoid muscle. A 83-year-old woman was referred to our department, complaning of masticatory dysfunction over 4months. Bilateral condyles were anteriorly dislocated beyond both the articular tubercle and the anterior band of the articular disc. T-2 weighted MRI showed high signal intensity in the posterion-superior articular cavity. Finally the articular discs were excised bilaterally, because they interfered with reduction of the condyles. At 1 year 2 months postoperatively, there was no evidence of dislocation and the patient had regained masticatory function.
著者
宮崎 謙一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本,中国,ポーランド,ドイツ,アメリカの音楽専攻大学生を対象にして,絶対音感と相対音感のテストを行った。参加者は,絶対音感テストでは5オクターブにわたって提示された60音の個々の音の音高名を答えた。相対音感テストでは,調性を確定する2つの和音に続いて提示された2つのピアノ音の音程名,または最後の音の階名を答えた。日本の参加者は,絶対音感テストのスコアは優れていたが,相対音感テストのスコアは低かった。対照的にヨーロッパとアメリカの参加者では,絶対音感を持つものはほとんどいなかったが,相対音感テストでは高いスコアを上げるものが多かった。この結果は,日本における音楽教育の問題を示唆する。
著者
矢ヶ崎 一幸 BLAZQUEZ SANZ David BLAZQUEZ SANZ David
出版者
新潟大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

前年度に引き続き,幾何学的および代数学的アプローチを用いて,微分ガロア理論の力学系に対する応用について理論的研究を行った.まず,可逆的な常微分方程式系において,ホモクリニック軌道のサドル・ノードおよびピッチフォーク分岐がある非退化条件の下で起こるとき,ホモクリニック軌道の変分方程式が微分ガロア理論の意味で可積分となることを証明した.次に,前年度に得られたストゥルム・リウビル問題に対する結果を一般化し,アレン・カーン方程式と呼ばれる偏微分方程式の進行フロント解の線形安定性を解析し,これまでに知られていなかった固有値が求められた.また,これら2つの理論結果に対して具体的な適用例を示し,さらに数値計算結果と比較し検討するなどして,それらの有効性を明らかにし,微分ガロア理論を用いた,常微分方程式のホモ/ヘテロクリニック軌道に対する新しい分岐解析手法を確立した.偏微分方程式のソリトン,パルスおよびフロント解が,常微分方程式のホモ/ヘテロクリニック軌道で表わされる多くの場合があり,得られた結果はこれらの解の分岐や線形安定性に直接応用することが可能で,非線形偏微分方程式の分野においても非常に重要である.さらに,不変多様体を有するハミルトン系に対して,微分ガロア理論により可積分性を解析するMorales-Ramis理論の拡張とそのカオス現象との関連性について論じた.本研究により,力学系にとどまらずより広い数学および応用科学の分野における微分ガロア理論の有用性がさらに高められた.
著者
唐 利国
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.299-314, 2005-12

明治维新以后吉田松阴逐渐被塑造为日本近代天皇制意识形态的理想人物形象,成为近代日本军国主义宣传的重要工具。由此而形成的吉田松阴观的影响在战后日本依然存在。深入反思这一现象的前提在于首先解明吉田松阴思想和日本近代意识形态的复杂关系。本文在先行研究的基础上,选择井上哲次郎的吉田松阴论和关根悦郎的吉田松阴传作为主要分析对象,试图通过对前者的分析而进一步把握近代日本意识形态所要求的吉田松阴像的编成过程,通过对后者的分析而进一步理解对这一操作的抵抗的失败的内在原因,由此为真正把握以吉田松阴为代表的幕末人物的思想发展的内在可能性打下一定基础。
著者
土田 可奈
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.39_a-21_a, 2002-11

弘仁十一年格縮小了由皇后主持的祭祀儀式的範囲。也就是,嵯峨天皇之後,原来由皇后主持的祭祀有一些改為由天皇自己親自主持。此変化従「延喜式」的分析論証可以得到証明。而且,嵯峨天皇以前,皇后与天皇共同挙行祭祀儀式(天皇皇后親祭祭祀),這一現象的背景是可以理解為天皇皇后的聖婚意識的強大作用。嵯峨天皇的時代,由于薬子之変的発生天皇的権力被加強,以此皇后変的只負担作為妻子的義務。除此之外,当然還有立後儀式的変化,宮廷唐風化,内里変化等要素的影響。
著者
王 怡人
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.177-194, 2005-03

The present thesis aims to investigate the formation of the resultative compound verbs in Modern Mandarin. The resultative compound verbs show CAUSE and BECOME in their semantic meanings, even their component verbs do not have the meanings in them. The recent studies have tried hard to find how CAUSE originates in terms of the component verbs. To resolve this puzzle, I will make a crucial use of the lexical event structure templates by Rappaport Hovav & Levin (1996, 1998). And based on one of the lexical conceptual structures, the arguments of the resultative compound verbs can be interpreted.
著者
鄭 賢熙
出版者
新潟大学
雑誌
国際センター紀要 (ISSN:13461583)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.63-71, 2005-03

The object of this paper is to shed light on the fact that verbal communication conflicts do arise in conversations between Japanese native speakers and people who make use of Japanese as a second language (a JSL speaker). More specifically, it focuses on foreign patterns of speech act behaviors which usually find their way into these conversations and how they give rise to several possibilities of misunderstandings during such conversations. The object of this study are overseas Korean students, fluent in Japanese, and the ways they handle daily life situations "vis a vis" Japanese native speakers have been analyzed from a linguistic perspective. The conversations were taken from role-played situations of conflict between two Japanese native speakers (20 pairs), two Korean native speakers (20 pairs) and one Korean native speaker and one Japanese native speaker (20 pairs); and these were analyzed according to their speech act behavioral characteristics. On account of the results obtained in this study, communication-related misunderstandings between native Japanese speakers and JSL Korean speakers have a great probability of occurring in real-life situations.
著者
兪 貞順
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.159-174, 2003-07
著者
Farrow Trevor C. W. 四ツ谷 有喜
出版者
新潟大学
雑誌
法政理論 (ISSN:02861577)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.144-185, 2005-11-30

著者であるTrevor C.W. Farrow氏は、国際私法及び国際民事訴訟法を主たる専門とする傍ら、アルバータ大学助教授として民事訴訟法、法曹倫理、紛争処理論等を担当し、これらの科目に関する教授方法に関する研究も行っている。Farrow氏は、科研費研究プログラムの一環として新潟大学において行われた研究会の報告者として来日し、かつ日弁連司法改革調査室及び同法科大学院センターにおいて講演を行った。本稿は、新潟大学での研究会及び日弁連における講演の際に主として質問された事項、すなわち(1)カナダのロースクール制度(2)カナダの司法試験制度(3)カナダにおける法曹倫理教育(4)カナダにおける弁護技術教育(5)カナダにおける紛争処理論教育(6)カナダのロースクールにおける臨床法学教育の6点について研究会及び講演会での発言を補完するものである。周知のとおりアメリカにおける法曹養成制度とは異なりカナダにおける法曹養成制度はロースクールと並存する形で修習が行われているが、この修習の実施形態とくに授業形式を主体とするBar Admission Courseについては現在カナダのいくつかの州で改革が行われており、本稿においてはこの改革の背景及び改革後の実施形態にもふれつつ議論が進められている。さらに、法曹養成に関するカナダにおけるロースクールと修習の役割分担、特にロースクールにおいて理論教育が重視されていることと臨床法学教育との関係などについても論じられている点は日本で法学教育を行うものとして興味深い。本稿は主としてカナダにおける法曹養成のための教育方法をモデルとして日本への示唆を行うものであるが、Farrow氏は現在、カナダ全州、アメリカ、オーストラリア及びニュージーランドにおける紛争処理論に関する教育方法について調査・研究を行っており、本稿の内容は必ずしも示唆を得る対象をカナダに限定せず、法曹養成教育の国際化あるいは法の国際化と法曹養成教育との関係をも視野に入れつつ議論するものである。また、Farrow氏はカナダ型を模倣することが日本の新たな法曹養成制度にとって有意義だと述べるのではなく、「カナダにおける法学教育及び実務家養成の方法論に関する長所と短所に関して何らかの見識を」日本で法曹養成教育にたずさわる研究者及び実務家に対して与えられるであろうとの視点から本稿を執筆している。2004年にスタートした日本型ロースクール及びそこで行われるべき教育及び教授方法の開発にとって示唆に富む内容であることから、ここに紹介する。
著者
宝 鉄梅
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.203-214, 2003-07

"九・一八"事变之后,日本于1932年建立了满洲国,为此中国东北被沦为日本殖民地。日本的野心不仅停止于此,蓄谋进行华北分离政策。日本通过"塘沽协定","梅津・何应钦协定","土肥原・秦德纯协定"侵占了华北大半土地。与此同时,日本关东军也着手内蒙古工作。关东军从蒙古王公贵族之中找到自已的代言人-德王,他们利用德王的建立蒙古国之心切,煽动德王进攻绥远。德王在关东军的唆使下,组织军队,做好了进攻绥远的准备。1936年的11月14日蒙古军进攻红格日图揭示了绥远事件的帷幕。从11月中旬到12月中旬之间,蒙古军进攻绥远数次,都以蒙古军的战败而告终。这就是绥远事件。傅作义领导的绥远军的胜利,很大地鼓舞了中国人民,掀起了全国性的抗日援绥远动。受抗日形势之影响,国民政府以绥远事件为由,停止了中日谈判,并借机在华北调集军队,致使华北中央化。为此,华北逐渐失去了中国于日本之间的缓冲作用。在本文中,首先梳理抗日援绥远动;其次,阐明中日谈判停止的原因;最后总结出华北分离政策失败的原因。
著者
鈴木 光太郎
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、実験心理学における空間知覚の諸問題の歴史をたどり、西洋の近世哲学の問題意識が、近・現代の実験心理学にどのように引き継がれたのかを明らかにすることを目的とした。研究では、17・18世紀の哲学者が「モリヌー問題」や「倒立網膜像問題」などの問題をどのようにとらえていたかを明らかにした上で、そこで措定された問題に答える形で、実験心理学者が「先天盲の開眼手術」の研究、「逆さメガネ」や「顔面視」の実験を行なったという経緯を明らかにした。