著者
岡崎 篤行 野澤 康 井上 年和 今村 洋一 川原 晋 大場 修 澤村 明 岡村 祐 池ノ上 真一 井上 えり子 松井 大輔 西尾 久美子
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

元来、料亭は宴席以外にも冠婚葬祭や公式会合、商談など日本人の生活と密着していた。しかし、現在ではその役割が他施設へ移り、都市の料亭街が消滅しつつある。一方で、和食や料亭の価値は見直され、重要な観光資源にもなっている。ひとつの重要な建築類型といえる料亭は、あらゆる日本の伝統文化を包括的に継承する場であり、花柳界や業界団体、支援・連携する行政、民間組織など様々な組織が関わっている。このように、ひとつの地域文化システムといえる料亭について網羅的視点で捉え、関連組織・活動の変遷、料亭の分布とその変遷、料亭建築の規模と保全活用の実態を明らかにする。
著者
堀田 かおり
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は、研究実施3年目である。昨年度までは、本研究に関連する先行研究の文献検討等を行い、その成果を日本地域看護学会で発表した。また、本年度は、男性高齢者が地域で健康に生活を送るための強みを明らかにし、主体的な健康づくりを支援するあり方を検討するために、7名の男性高齢者を対象にフォトボイスの手法を用いて調査を行った。フォトボイスとは、住民が一定のテーマで写真を撮影して説明を付け、その写真と説明をもとにグループで討議をすることによって地域の強みや課題を共有し、解決方法を住民自らが発見する手法であり、地域住民と研究者がともに取り組む活動である。各対象者が「自分らしい健康的な生活するために取り組んでいることまたは関心を持っていること」を男性高齢者の強みとして定義し、日常生活の中で強みであると考えられる場面を写真撮影した。その後、各自で撮影した写真を持ち寄り、写真を示しながら写真が写し出しているものや生活との関係性を紹介した。それらの紹介をもとに「自分らしく健康的に生活を送るためには何ができるのか」について90分程度のグループ討議を1回行った。このグループ討議の内容を分析し、考察することによって、男性高齢者が主体的な健康づくりを行うために保健師が実施する支援のあり方を検討できると考えられる。また、男性高齢者が健康的で自立した生活を送り、住み慣れた地域社会で活躍することは、生きがいの形成にもつながり健康寿命の延伸にも寄与すると考えられる。
著者
藤石 貴代
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は,1940年代前半期の朝鮮半島で唯一,発行を許可された月刊文芸誌『国民文学』(1941.11~1945.5通巻39号)誌の編集者であった金鍾漢の「国民文学(論)」を,日本帝国主義に対する抵抗か屈従(親日)かの政治的二項対立からの評価ではなく,朝鮮文人たちの朝鮮(語)文学存続のための試論として捉え直し,その内容と変化を明らかにすることである.2015年度から2016年度にかけては,在朝日本人作家(則武三雄)による同時代評に着目したが,2017年度には,「国民文学(論)」の存立が朝鮮半島に限定されるものでなく,日本内地の「地方」においても,変革を余儀なくされる戦時体制下の文学運動として把握された例を,戦前・戦中・戦後を通じて新潟で発刊された詩誌『詩と詩人』の調査により確認した.地方から大政翼賛会や放送局に「献納」された「愛国詩」の朗読運動に着目し,日本放送協会編『愛国詩集』(1942年)等に掲載された詩篇の調査を行った.調査の過程で,『詩と詩人』編者の浅井十三郎が,「愛国詩運動」としての「朝鮮の“國民詩歌”」に関心を持っていたことが明らかになった。『国民詩歌』は朝鮮文人報国会の機関誌であり,後に(1944年10月)『国民文学』と同じ発行所から『国民詩人』として刊行されることになる.2015年度に,『国民文学』主幹であった崔載端(1908-64)の恩師であり,英文学者で詩人の佐藤清(1885-1960)と浅井十三郎との交流を指摘したが,両者の接点をあらためて確認した.
著者
関谷 勝
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.55-71, 2001-08

The establishment of Medicaid (Title XIX of the Social Security Act) in 1965 is a jointly-funded, state-administered federal program that provides health care to the indigent. Medicaid is a Federal-State matching entitlement program providing medical assistance to low-income persons who are aged, blind, disabled, members of families with dependent children, and certain other pregnant women and children. The federal government then provides a grant of between 50% and 83% of the program's cost. The Medicaid legislation became effective on January 1, 1966. Today, all fifty states have Medicaid programs. The federal government established broad guidelines under which states are allowed to structure Medicaid programs specific to the needs of their citizens. Recipients numbered an estimated 35.2 million in 1995, and the cost has increased to $184.7 billion in 1998. The increasing cost of Medicaid has hit the states even harder than the federal government. On average, states pay 45% of Medicaid's cost. Medicaid dominates most states' health budgets, and is the second largest budget item in many states. Nevertheless, because of an inability to meet certain eligibility criteria, many of the targeted residents are not eligible for Medicaid assistance. Now, more than 40 million of Americans have no health insurance or other coverage and lack the income and resources needed to abtaion health care.
著者
高橋 直紀
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

歯肉上皮細胞は、物理的なバリアとして機能するだけではなく、細菌に対して免疫応答を誘導することで生体防御の最前線として重要な役割を果たす。近年同定された新規イオンチャネルであるTRPチャネルタンパクは炎症性疾患への関与も報告されている。本研究において、歯肉上皮細胞にTRPV1が遺伝子レベル・タンパクレベルで発現していることが確認され、TRPV1を介したシグナリングが細胞増殖能に関与していることが明らかとなった。これらのことより、歯周炎の病態形成におけるこれらのタンパクの関与が示唆された。
著者
山本 正治 渡辺 厳一 遠藤 和男
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

新潟県に多発する胆道癌(特に胆嚢癌)の原因として「複合要因説」を仮説にとり研究を進めてきた。即ち、「胆石症や胆嚢炎等を有する者がハイリスク・グループを形成し、彼らが地域特有の環境因子に暴露されることで胆嚢癌が発生する」という仮説である。地域特有の環境因子としては、種々因子を検討したなかで、ジフェニルエーテル系農薬(特にクロルニトロフェン、CNP)が残っている。この度の研究は、この仮説検証を動物モデルを用いて行うことにある。実験には雌ゴールデン・ハムスターを用い、次の5群を設定した。1群は胆石(ビーズ・ワックス)埋め込み手術+普通食、2群は胆石埋め込み手術+CNP(5000ppm)含有食、3群は発癌物質3-メチルコラントレン(3-MC)を含む胆石+普通食、4群は3-MC入り胆石+CNP、5群は胆嚢切開・縫合+普通食である。動物数はそれぞれ20匹とした。胆石埋め込み手術は、動物(9〜10週令)搬入1週間後に行い、その後2週間回復を待ち、投与実験を開始した。実験期間は、第22週までとした。なお、2群のCNP投与は第17週までとし、以後は普通食に切り換えた。CNP投与群(2群と4群)の体重増加は対照群(5群)及びCNP非投与群(1群と3群)に比べ、抑制されていたが、第17週の中止後は、1群、2群と5群で差を認めなかった。摂餌量も同様の傾向を示した。実験期間中の死亡例は、1群及び2群で、72週間中それぞれ3例(15.0%)であった。また、対照群(5群)でも3例(15.0%)であった。3群と4群で、17週間中死亡例はなかった。1群では肝臓の腫瘍1例、2群で肝臓の腫瘍を2例認めた。また、2群の胆嚢の緑色拡大を認めている。病理組織学的検索は、現在実施中である。3群と4群との間には、格別の差はなかった。
著者
藤田 恒夫 桑原 厚和 金澤 寛明 岩永 敏彦
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

1.腸の分泌に関係する細胞要素としては、消化管に広範囲に分布するEC細胞とVIP含有神経が最も重要である。二重染色の結果は、EC細胞とVIP神経が密接な位置関係にあることを示した。2.イヌの十二指腸を用いたin vivoの生理実験で、セロトニンとVIPは単独投与により、腸の分泌が亢進した。同時投与により、分泌は飛躍的に増大した。セロトニン投与により門脈中のVIP濃度が上昇することと考え併せると、下痢はEC細胞から分泌されたセロトニンが近傍のVIP神経に局所ホルモンとして作用しVIPの放出を招く結果、セロトニンとVIPの相乗効果により腸分泌が強く刺激された状態と理解される。3.PACAP(Pituitary Adenylate Cyclase-Activating Polypeptide)が腸上皮のイオン輸送を強く刺激することがわかった。PACAPによる塩素イオンの分泌亢進は、コリン作動性および非コリン作動性神経の刺激を介した間接作用である。PACAPにはVIP放出作用があることから、この分泌反応の最終信号物質はVIPであると思われる。4.セロトニンによる腸分泌に関する受容体のタイプを特異的な拮抗薬を用いて検討し、5-HT3と5-HT4であることを示した。5.黄色ブドウ球菌が産生する毒素であるStaphylococcal enterotoxin(SEA)は、激しい嘔吐を起こすことが知られている。本研究ではSEAの腸管内投与が下痢を起こすことを示し、この分泌反応にはEC細胞が関与する可能性を示した。
著者
宮腰 将史 星山 彩子 鴨井 久司 金子 兼三
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.122, no.5, pp.233-239, 2008-05

メタボリックシンドロームは,平安時代から存在し,1980年代から指摘されていた病態である.近年,脂肪摂取量の増加や運動不足の増加により,内臓脂肪型肥満が増加している.このために,分かりやすい診断基準が必要となり,この度メタボリックシンドロームという新たな診断基準が設けられた.診断基準はウエスト周囲径を必須項目とし,脂質,血圧,血糖のうち2項目以上を満たすものと定められた.ウエスト周囲径の基準については,女性が甘めに設定されているため,まだまだ議論の余地があり,不十分な基準である.内臓脂肪型肥満によって惹起される高血圧,高脂血症,高血糖の病態はたとえそれぞれの症状が軽微であっても心血管系疾患の発症リスクが増加する.そのため,ハイリスクでありながら見過ごされていた症例の早期介入が必要になる.耐糖能異常のある男性の7割以上がメタボリックシンドロームとなっており,糖尿病と関連が深いと考えられている.よって,メタボリックシンドロームの症例では糖負荷試験を施行することが推奨されている.メタボリックシンドロームの病態の主体は,脂肪細胞の分泌臓器としての役割である.脂肪細胞はアディポサイトカインと呼ばれる多彩な生理活性物質を分泌しており,過栄養により分泌異常を引き起こす。脂肪細胞の肥大化により,善玉アディポサイトカインが減少し,悪玉アディポサイトカインが上昇をする.その結果,動脈硬化のリスクが高まる.治療は,食事療法と運動療法が柱である.内臓脂肪を減少させる薬物療法はないが,メタボリックシンドロームに有効と報告されている薬剤はあり,今後も開発が期待される.内臓脂肪蓄積が主病態の糖尿病患者が増加している.メタボリックシンドロームの治療は,糖尿病の新規発症予防だけでなく,有効な治療と成り得る.メタボリックシンドロームの適切な診断と治療法の確立,更なる病態解明,十分なPRと理解,有効な治療薬の開発が大いに期待される.
著者
伊藤 純子
出版者
新潟大学
雑誌
創造的な知性を培う
巻号頁・発行日
vol.1, pp.123-130, 2005-01-24

本研究では、歌詞や曲趣から感受した情感と表現技法の習得とをかかわらせながら自分の表現を自ら練り上げていく姿を求めた。そのために、「歌詞や曲趣をとらえ直し、思いめぐらす力」(感性)と「歌声の響きを聴きわけて旋律、リズム、楽曲の構成と情感を関係づける力」(科学的なものの見方・考え方)に着目した。そのことにより、歌い方を工夫したり学び方を意味づけたりしながら、自分の表現をつくっていく子どもの姿をつくりだすことができた。
著者
Fujinawa Osamu Endo Naoto Sakada Takenori
出版者
新潟大学
雑誌
Acta medica et biologica (ISSN:05677734)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.23-34, 2007-03

The objective of this study was to investigate the relationship between health-related quality of life (HRQOL) and physical fitness levels (PFLs) in elderly women with low bone mass and without fractures, with a further goal of developing preventive programs involving efficient exercises for osteoporotic fractures and falls. The subjects comprised 133 females over 65 years of age whose quantitative ultrasound (QUS) values were < 90% of the young adult means (YAM). Muscle strength (knee extensors, hand grip, and trunk flexors), flexibility, one-leg standing time with eyes open (one-leg stand), time required for a 10-m walk while stepping over six obstacles (10-m walk), and 6-min walking distance (6-min walk) were measured to assess PFL. The subjects' HRQOL scores were relatively high (122.5 ± 15.5; maximum, 160 points) despite their low PFLs, as compared to the Japanese standard PFL in a similar age group. An age-adjusted stepwise multiple regression analysis between PFLs and QUS or HRQOL in 115 subjects which all measurements were performed, revealed that the 10-m walk significantly contributed to the QUS (R2 = 0.152, p = 0.001) and to the total HRQOL score (R2 = 0.025, p = 0.039). With regard to the PFLs, the 6-min walk and one-leg stand contributed to the 10-m walk (R2 = 0.470, p = 0.012). In conclusion, the 10-m walk was observed to be a good indicator for the estimation ofHRQOL and PFLs; subsequently, balance exercise, brisk walking, and endurance walking are good exercises that can be included in preventive programs to maintain a high HRQOL.