著者
水谷 暢
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

(1)インタラクション・プログラムを開発するツール(オーサーウエアー・プロフェッショナル)を使って、民事紛争アクション・プログラムを組む。これにより、これまでは、「あるべき手続」「あるべき解決」「あるべき行動」が紛争処理理論では、求められてきたところがあるが、それに対して、つぎつぎと、どのようなインタラクションの応酬がつづくか。その中で、どうすればベタ-かを考える。そういうことが重要であることを明らかにした。(2)そのための題材として、まず第一に、これまでは、「囚人のゲーム」が紛争シミュレーションの基本パターンと考えられてきたが、それをパソコン上で走らせることによって、そうではないことを明らかにし、「裏切り」を咎める「オフ攻撃」を加えたパターンを基本とした「三択複合反復囚人のゲーム」をプログラム化し、これこそが、ベースに置かれるべきプログラムだとした。(3)つぎに、それを、つぎのような、現実的・具体的な民事紛争に応用する。1 遺産分割紛争 2 詐欺の手口・訪問販売 3 貸金事件4 土地交換事件(4)紛争行動の選択肢として、コミュニケーション拒否・電話・手紙・弁護士利用・内容証明郵便・調停申立・裁判・仮差押仮処分などから、暴力団利用・自殺などまでも含み込む。(5)これらの選択肢をどう動員すれば、相手方はどう出るか。これを繰り返していくうちに、相手方パソコンは、ある程度はランダムに、ある程度は戦略的・計算的に出方を返してくる。そのようなゲーム的なやりとりの中に、「時間」「紛争コスト」も当然織り込まれる。それら全体を視野に置いてゲームを展開してゆくと、これまで考えられてきたような、パイのぶん取り合戦とか、足の引っ張り合い・双方破滅といった紛争行動の考え方ではなく、もっと別の「対抗計算」にもとづいて、紛争行動に撃って出ているかが実体験されてくる。
著者
河内 秀樹
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.221-236, 2001-11

Three kinds of accent systems exist in the Tochigi prefectural area. One is the "No-pattern accent system", which can be seen in general all over the prefecture. The second is the "Tokyo accent system" which is most noticeable in the prefecture's Ashikaga city. The third, which is the "Ambiguous accent system", has characteristics of both the above mentioned accent systems and is mostly found in Sano city. This study investigates the characteristics of the present accent of the Tochigi prefecture which possesses all these three kinds of accent system. It also considers the influence which "the phenomenon of doing the common becoming the word" exerts.

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著者
兵藤 守男
出版者
新潟大学
雑誌
法政理論 (ISSN:02861577)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.125-160, 2007-12-25
著者
高橋 桂子
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学教育人間科学部紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:13442953)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.65-74, 2005-10

イギリス在住のRapoport夫妻によるDual-Career Families(1969)を嚆矢として,夫婦ともに雇用者かつ専門的職業に従事する家族に関する研究が始まる。当初の研究関心は,夫婦がどうやって家庭生活を維持・形成しているのか,夫婦役割への期待,結婚満足度やストレスなど心理学的アプローチが多かったが,研究蓄積に従い,,機会均等との関連,配偶者の転勤に対する対応,有子デュアル・キャリア・カップルへの社会・経済的支援の在り方へと移行していく。
著者
渡邉 千香 木南 莉莉
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学農学部研究報告 (ISSN:03858634)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.11-19, 2006-08
被引用文献数
1

上海市は経済成長の著しい中国の中で最も経済発展を遂げた都市の一つであると同時に、「都市部住民最低生活保障制度」を全国に先駆けて導入するなど、積極的に貧困問題を取り組む都市でもある。本稿は、上海市における多様な貧困対策のひとつである「糧油補助制度」に焦点を当てて分析を行った。「糧油補助制度」の受給者および制度を実施する担当者への聞き取り調査や一般市民へのアンケート調査を通じて「糧油補助制度」の認知度・効果・問題点などが明らかになった。まず、一般市民を対象としたアンケート調査回答者のうち約3割の者がこの制度を知っていると答えた。また、「糧油補助制度」の受給者はこの制度が栄養状況の改善に役立ったと評価する一方で、補助額の基準や補助対象者の特定などの適正さや正確さへの改善を求めていることが明らかになった。Shanghai is not only a city which has reached the highest speed of economic development among the cities of China where economic growth is remarkable but also a city which has introduced "Security System for Urban Minimum Standard of Living" in advance of the whole country. This research focused on "Food Assistance System" that was one of the various counter-poverty policies in Shanghai. The recognition level, the effect, and the problem etc. of "Food Assistance System" were clarified through taking interviews and questionnaire survey both to the recipients and executers of the system and general residents in Shanghai. About 30 percent of those who answered the questionnaire survey replied that they knew this system. However, the improvement on the propriety of standard for assistance and the accuracy of specification for recipients were requested both by the recipients and executers of the system while this system was evaluated to be useful to the improvement of poor people' s nutrition condition
著者
高橋 能彦 佐藤 巧 伊部 歩
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学農学部研究報告 (ISSN:03858634)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.97-102, 2006-03

新潟特有の冬季低温寡照条件で、2004年秋から2005年春にイチゴ「越後姫」を温室ハウスで高設促成栽培し、灯油燃焼式の炭酸ガス発生機を用いて炭酸ガス施肥効果を検証した。炭酸ガスは日の出から5時間施用し、1月から3月の午前9時から12時までの平均炭酸ガス濃度は約1,500cm3 m-3であった。炭酸ガス施用でイチゴの硝酸吸収が促進されて葉色は濃く推移した。炭酸ガス施用区の累積収量は炭酸ガス無施用の対照区より17%増収した。規格別収量では炭酸ガス区で20g以上の大型果実が多くなった。また、炭酸ガス施用で果実糖度は有意に増加し、対照区より1.0~3.5度高くなった。以上、新潟の冬季気象条件で炭酸ガス施肥によるイチゴの増収および品質向上効果が認められた。The present study was made to investigate effect of CO2 application to strawberry cv. "Echigo-hime" for green house forcing culture in Niigata region, that the climate condition is low temperature and low amount of solar radiation in winter. Experiment was conducted from autumn 2004 till spring 2005 in Niigata University Shindoori Station. CO2 gas was applied from sunrise for 5 hours, and the average concentration was about 1,500 cm3 m-3, in the period in Jan. to Mar. in a.m. Leaf color CO2 treated plants was higher than the control, due to the active NO3-N absorption. And total yield increased about 17% compared with the control. CO2 treated plants had much harvest of big fruits of 20g or more. The sugar content (Brix) of fruits was higher about 1.0-3.5 degrees by CO2 treatment. Conclusion, CO2 application to strawberry was effective technique in that winter conditions as Niigata region.
著者
斎藤 達弘
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学経済論集 (ISSN:02861569)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.57-68, 2007-03

イベント・スタディにおけるクラスタリング効果とは,同じ産業に所属するサンプルを用いて,イベントとウインドウを共通に設定するイベント・スタディで発生する問題である。この論文は,2003年11月29日に一時国有化された足利銀行の経営破綻が他の地方銀行に与えた影響を分析対象にして,イベント・スタディにおけるクラスタリング効果の影響を検証している。そして,クラスタリング効果の影響は大きく,その影響を考慮しないとき,アブノーマル・リターンに関する帰無仮説が棄却されるバイアスがあることを確認している。
著者
馬場 透
出版者
新潟大学
雑誌
新潟史学 (ISSN:02874946)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.19-40, 2004-05
著者
高清水 康博
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による津波は,沿岸低地を数km に渡って遡上する巨大なものであった.この研究では,宮城県仙台市,岩手県陸前高田市,および北海道日高町で採取した砂丘を越えて沿岸低地を遡上する津波堆積物の定方位不撹乱試料の層相,粒度分布,磁気ファブリックから津波挙動の復元を試みた.その結果,仙台市と陸前高田市の津波堆積物の解析からは詳細な津波の流れ変化を読み取ることができた.すなわち,津波堆積物の詳細な堆積学的解析から過去の津波挙動の復元が有効であることを示すことができた.
著者
中村 和利 尾山 真理
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

今年度は、村松研究における血中高感度C-reactive protein(CRP)と骨折発生のデータ整理・解析を行った。また横越研究の調査を完了した。村松研究集団の3分位別CRPレベルは、低レベル群で0.25mg/L未満、中レベル群で0.25-0.58mg/L、高レベル群で0.59mg/L以上であった。村松研究6年間の平均の追跡は5.5人一年であった。骨折発生は51件あり、骨折部位の内訳は、前腕19件、上腕8件、大腿骨7件(そのうち近位部6件)、下腿3件、脊椎14件、手3件、肋骨8件、尾骨1件、膝蓋骨1件、足3件であった。骨粗鬆症性骨折が疑われる四肢骨または脊椎骨折をアウトカムとした場合、骨折の調整後ハザードリスクは、CRP低レベル群と比較して、中レベル群で2.2(95%信頼区間1.0-4.8)、高レベル群で2。4(95%信頼区間1.1-5.2)と有意に上昇していた。血中炎症マーカーと骨折の関連性を明らかにすることができ、そのメカニズムを今後探索する必要がある。横越研究の最終医学検査は2010年秋に終了し、血中CRP濃度も測定した。集団(n=523)の平均値および標準偏差は0.08mg/L(標準偏差0.23)であった。また、血中CRPと腰椎および大腿骨頸部骨密度のピアソン相関係数は、それぞれ0.099(p=0.024)および0.017(p=0.700)であった。横越研究における炎症マーカーと骨密度については、さらに分析を行い、最終報告を行う。
著者
程 くん 丸山 智 朔 敬 依田 浩子 大城 和文
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、唾液腺に発生する良性腫瘍・多形性腺腫の二次的悪性転化を中心に検討し、良性腫瘍から悪性腫瘍が発生する機序について考察した。多形性腺腫内には異型細胞が出現する頻度が高く、巣状癌が二次的に悪性化する可能性を提言してきたからである。まず、ヒト耳下腺多形性腺腫組織から不死化細胞を単離し、6株の細胞系SMAPを樹立し、これら細胞について種々の検討をおこなった。SMAP1-3は導管上皮、SMAP4-6は筋上皮への分化性格が有していた。これらの細胞は平均107本の染色体、核型5nの異数倍性、さらに第13番染色体q12と第9番染色体p13の相互転座が共通してみいだされ、同部より遠位の遺伝子座欠失で同位のp16遺伝子など癌化関連遺伝子の機能喪失が示唆された。またp53遺伝子異常も発見された。したがって、以上のような遺伝子レベルでの異常をもとに悪性形質が獲得されていくことが示唆された。また、多形性腺腫における被膜浸潤と脈管侵襲の発生頻度を検討したところ、被膜浸潤は検討症例ほぼ全例ときわめて高頻度で、被膜外進展も約20%の症例でみられた。さらに静脈侵襲事例は約15%であった。侵襲部位の組織学的特徴は粘液様間質で乏血管性の特徴があった。その乏血管分布性の背景にはVEGFと特徴的スプライシング様式とHIF-1α高発現の関連があった。したがって、多形性腺腫の悪性形質獲得には、これらの生物学的態度も重要な貢献をしている可能性が示唆された。ついで、ヒト顎骨に発生した黒色プロゴノーマ由来細胞株も作製し、その染色体に、SMAP細胞同様、第9-第13染色体の相互転座がみられ、良性腫瘍の悪性転化の解析に重要な変化とみなされ、今後の検討方向が示された。
著者
鳥力 吉図
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.215-232, 2002-07

内蒙古大草原的沙漠化已引起了周围国家的注目。2002年的春天,从内蒙古沙漠地区掀起的黄沙越过大海,刮到了日本列岛。日本各新闻媒体相继报道了有关情况。古称"天苍苍野茫茫,风吹草地现牛羊"的内蒙古大草原为什么变成了无边的沙海,这不得不让人沉思。本论文从经济史的观点上,探讨了内蒙古大草原的沙漠化形成原因,从地区和时间上可分为以下三个内容:阿拉善高原:从汉到唐时期的开垦和沙漠化。鄂尔都斯高原:两汉时期的开垦和三大沙漠的形成;清・民国时期的开垦和三大沙漠的扩大。察哈尔地区和科尔沁大草原:清・民国时期的开垦和沙漠化。
著者
内田 嘉壽子 寺田 員人 北村 絵里子
出版者
新潟大学
雑誌
新潟歯学会雑誌 (ISSN:03850153)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.19-28, 2005-07
被引用文献数
2

Rehabilitation makeup therapy supports social reintegration by altering self body images, and it is probably a type of cognitive behavior therapy in psychiatric medicine. The aim of this study was to clarify the significance of rehabilitation makeup by examining its psychiatric and psychological effects according to the examination lists created before and after rehabilitation makeup. Subjects consisted of 181 females and 6 males (mean age 34.9 years), who underwent rehabilitation makeup between January 2003 and March 2004, with their permission to participate in this study. Methodology : 32 items of a depression perception scale were used in the examination lists, including 10 items of negative self-perception such as extremely self-humiliating and self-deprecating tendencies, 11 items of interpersonal perception such as excessive sensitivity to others' evaluations and anaclisis, and 11 items of Compulsive thinking such as perfectionism and lack of flexibility. These 3 items and the comprehensive evaluation of each subject were classified into 3 status levels : critical area (-1point), moderately harmful (0 points), and no harm (+1point). A statistical test was Conducted using alterations observed before and after makeup as points (points after makeup-points before makeup). Results and Conclusion : As for the negative self perception, 33 subjects (17.6%) in the critical area before makeup were reduced to 11 (0.59%) after makeup. Similarly, the numbers of subjects in the critical area before makeup were reduced from 40 (21.4%) to 20 (10.7%), 23 (12.3%) to 16 (8.6%), and 25 (13.4%) to 8 (4.3%) after makeup as to interpersonal perception,compulsive thinking, and integrative evaluation, respectively. A statistical test confirmed a significant increase level of less than 5% regarding compulsive thinking, and less than 1% as to negative self perception, interpersonal perception, and the comprehensive evaluation. As to result, it is suggested that rehabilitation makeup has mental and psychological effects on individuals with facial disfigurements.リハビリメイクは、自己のボディイメージを変容、あるいは受容させることによる社会復帰を支援するものであり、精神医学における一種の行動療法・認知療法に通ずると考えられる。本研究では、リハビリメイク施行前後の調査表を用いてリハビリメイクの精神心理学的効果を調べることにより、その意義を明らかにすることを目的とした。方法:リハビリメイクを施行し、承諾の得られた187名(女性181名、男性6名、平均年齢34.9歳)を対象とした。「否定的自己認知」に関する10項目、「対人認知」に関する11項目、「強迫的思考」に関する11項目からなるうつ病認知スケールを調査表として使用した。各被験者について、この3項目とその総合評価を危険域(-1点)、中等度問題あり(0点)、問題なし(+1点)の3段階に分類し、施行前後の変化を点数化し、評価、検討を行った。結果・結論:「否定的自己認知」に関して、危険域にあった人数は、リハビリメイク施行前後で、33名(17.6%)から11名(5.9%)に減少した。同様に危険域にあった「対人認知」では、施行前40名(21.4%)、施行後20名(10.7%)、「強迫的思考」に関しては、施行前23名(12.3%)、施行後16名(8.6%)、また、総合評価については、施行前25名(13.4%)、施行後8名(4.3%)であった。統計学的検定により、「強迫的思考」に関して有意水準5%未満、「否定的自己認知」、「対人認知」および総合評価に関しては有意水準1%未満で状態の改善を認めた。以上の結果から、リハビリメイクが顔に何らかの外見的な障害を有する人に精神心理学的効果のあることが示唆された。