著者
武士俣 貞助 岩井 実
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-9, 1973 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
2
著者
斉藤 孝明 鈴木 賢次郎
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-4, 2000

切断面実形視テストの誤答原因を立体視化等により奥行き感を調節する方法を用いて探る試みが行われている。本調査では先に報告した実写映像版MCTと同様の視差を持つ線画版立体視MCTを開発し、その結果を実写映像版や透視図版の結果と比較した。主な結果を以下に示す。平均得点は透視図版と変わらず、実写版よりも低い。問題毎の正解率は、透視図版に比べて一部の問題で増加しているが、一部の問題では減少しており、相殺されて平均得点に差が現れなかったものと思われる。実写版の平均得点が線画版よりも高いのは実写版に固有の「面の陰影」によるものと考えられる。線画版・実写版いずれの場合でも全解答時間および問題毎解答時間に差は認められなかった。
著者
原 正敏
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.45-65, 1969 (Released:2010-08-25)
参考文献数
35
著者
宮腰 直幸
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.17-18, 2014

種差海岸に立っていた潮観荘と呼はれる別荘兼アトリエの再現CGを作成した.この建物は吉田初三郎のアトリエであり,昭和28年に焼失している.資料は数点の写真とスケッチ,模型および当時の状況を知る人の証言という状況で非常に困難な作業となった.作成したCGムービーは2013年7月に青森県立美術館で開催された特別展で公開された.
著者
阿部 浩和
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement1, pp.179-184, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

近年, 建築系の設計教育において学生の提出図面に見られる図的表現法の混乱や設計製図技量の不足などが指摘されており, 自分でイメージした建築形態が模型では表現できても, それを設計図面に表現することができない学生も見受けられ, このことは建築の外部形態と内部空間との関係や, 3次元形態と2次元表現との対応関係が十分涵養されていない可能性があることも考えられる.このような現象は以前からも同様であるのか, それとも初学年の図学・製図教育のCAD/CG化に起因するものか, はたまた初等, 中等教育における図形関連教科の削減が原因なのかは不明である.ただ少なくとも近年のCAD/CGを含む情報化技術の普及とともに, 正確に図を作図し表現することの意味が希薄になってきている可能性があり, 学生の素養に変化がでてきている可能性がある.このような観点から本稿では, 建築系学生の大学1年次から3年次までの図的表現を含む演習科目を比較分析するとともに, CAD/CG教育の影響と学生の製図技量の現状について考察する.
著者
加藤 道夫
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement2, pp.83-88, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

モデュロールの初期の導出作図には, それまで用いられてきたトラセ・レギュラトウールの内, 対角線を手段とするトラセ・ディアゴナルが適用されていた.本研究はトラセ・ディアゴナルの性質を明らかにすることで, 初期の導出作図の誤りが軽視された理由を考察するものである.その結果, 次の点が明らかになった. 1) 初期の導出作図は近似解であり, その誤差を再検証した結果, ル.コルビュジエの著書で指摘されるように0.6パーセントであった. 2) トラセ・ディアゴナルの適用例を検証し, それが事後的な調整であり, 予め定められた一定の比に依存しないことがわかった. 3) 初期の導出作図に見られるトラセ・ディアゴナルも事後的に確認された近似的関係を作図に導入したものである. 4) 以上から, 当初の導出作図の誤差は, それ以前のトラセ・ディアゴナルにおける誤差と同様, ル・コルビュジエにとって大きな問題ではなかったと考えられる.
著者
松尾 妙子 面出 和子
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Supplement1, pp.65-70, 2003 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

のぞき眼鏡とは、西洋から伝わった遠近法を用いた絵を、凸レンズをはめ込んだのぞき穴から見る装置である。こののぞき眼鏡を使って絵を見ると、鑑賞者がまるで絵の中に入り込んだかのような錯覚に陥り、あたかも三次元の世界のような奥行き感が得られるらしい。本研究では、なぜこのような視覚効果が得られるのかを、のぞき眼鏡のために描かれた眼鏡絵と呼ばれる絵を通して考察する。そして私はのぞき穴の位置とこの眼鏡絵の視心の位置が関係していると考えそれぞれの絵を分析した。つまり、のぞき眼鏡の箱ののぞき穴に合うように、視心Vcが画面の中心に近いほど、のぞく人が絵の中に入ったかのような臨場感が味わえるはずである。対象とした眼鏡絵は、円山応挙、司馬江漢、亜欧堂田善の3人の画家の7作品である。分析の結果、描かれた絵の風景の視心Vcが、画面の中心にある絵は1枚もなかった。この分析から果たして当時の眼鏡絵にどれほどの臨場感があったのか疑問をいだいた。彼らは、視心Vcに向かって線が集まって奥行きをあらわす遠近法を経験的に知っていたが、視心Vcが絵の中心に一致しないことから、視点の位置を理論的に考えるまでには至らず、西洋の遠近法を正確に理解していなかったことがうかがえる。
著者
岩田 亮 平野 重雄
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.3-10, 2009-03-01
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

設計におけるアイデアは手描き(スケッチ)によって創出されるといっても過言ではない.この考え方を仮に肯定するならば,設計者に要求される能力とは,思考しながら線を引ける能力である.定規や二次元・三次元CAD などポインティングデバイスを介して線を引いている時,手描きに比べ,人の頭脳が働いていないことは感覚的にわかる.考えながら線を引く作業を大局的に捉えれば,工業的な判断力と思考力を培う助けとなる. 一方,三次元CAD の利便性も顕著なことは事実であり,利用しない理由は見つからない.そこで,三次元CAD を設計ツールとして,アイデアを具現化する際の手描きの重要性について考察した. 本論では,1)CAD の有用性とほころび,2)手描きの利便性,3)図面としての手描きの文化,4)直感的な線と色が創りだす独創性,5)教育における基礎とツールの連関について述べる.
著者
長島 忍
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.22, no.Supplement, pp.II1-II4, 1988 (Released:2010-08-25)
参考文献数
3
著者
今間 俊博 青山 もも 斎藤 隆文
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.3-11, 2012 (Released:2017-08-01)
参考文献数
7

3次元 CG は,実写写真のようなフォトリアルな画像を生 成するために発達してきた技術である.一方,2次元のセル アニメ調アニメーションの生成に用いられるトゥーンシェー ディングは,3次元 CG の中の一手法ではあるが,フォトリ アルな画像を生成するという本来の目的を軌道修正した事に より,セルアニメ的な画像生成に一定の効果を上げている. しかし,トゥーンシェーディングは,3次元 CG による元々 のシェーディングの目的とは異なる,ノンフォトな画像生成 を目的とするため,その生成結果の画像に様々な不都合を生 じる事がある.その中の1つの例が,光源によって生じる キャラクタの影や陰影の形状である.セルアニメーションの 画像は制作効率の事を考慮するために,常にシンプルな形状 の影や陰影を適応している.しかし,トゥーンシェーディン グによって生成される影や陰影は,モデルの形態によって は,必ずしもシンプルな形状にはならない場合がある.本論 文の目的は,セルアニメのようなキャラクタを,トゥーン シェディングを用いて描く際に,アニメーターはキャラクタ に対して,どういった光源を設定したら良いのか最適解を求 める事である.実写撮影と同じ手法で,キャラクタに対して ライティングを行い,その陰影がセルアニメにどれほど近づ けるかについて試みた.そして,2灯のライトのみでセルア ニメには不要な陰影を消し去る事に成功した.
著者
吉田 勝行 吉田 将行
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.127-132, 2001

パーソナル・コンピューター, カラー・プリンター, ディジタル・カメラ等のハードウェアと画像処理ソフトウェアの普及により, 3次元立体や空間に関する図や写真の加工が容易となり, その結果が説明図として, 一般にも利用されるようになってきている。しかし, 図法に対する理解が無いまま3次元立体や空間に関する図に加工がなされると, 思いもよらない誤りが図中に生じ得る。しかも, 平成10年12月14日に告示の小学校及び中学校学習指導要領, および平成11年3月29日に告示の高等学校学習指導要領によれば, 高校卒業までにこうした事柄について学ぶ機会は設けられていない。身の回りの空間や立体を図として正確に美しく表現し, 誤り無く他に伝えるための素養は, 加工された図が一般に流布する時代には, 文字による正確で美しい文章の作り方等と同様に, 初中等教育の中で修得させておく必要がある重要な項目の一つである。図的表現についての許容限界を吟味して, 初等および中等教育に盛り込むべき内容を検討する。
著者
原 正敏
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.47-48, 1992 (Released:2010-08-25)
著者
橋本 創造
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.15-19, 2001-09-01
参考文献数
24

ラポスキイは、世界最初の造形用アナログ・コンピュータを発明して、それを使って1950年からコンピュータを使う造形の創作を始めた。本研究では、1950年以前にラポスキイの図学を形成する過程で大きな影響を及ぼすことになった19世紀にリサジューによって発明されたリサジューの装置とブラウンが発明して20世紀に発達したオシロスコープ、リサジュー図形、オシロスコープを利用したバーネットの柄デザインとマクラレンの抽象映画、ペンジュラム・フォトなどの歴史的役割を解明した。
著者
佐藤 紀子
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.17-26, 2007-09-01
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では, 17世紀のオランダの画家フェルメールが, 構図を決め下図を作成するための補助的な道具として, カメラ・オブスクラを利用したという仮説について考察する.彼の作品に繰り返し描かれたのは, 室内空間の様子である.これらの風俗画は, 当時のオランダで描かれた同種のものよりも, かなり正確な遠近法で描写されている.本論では, 描かれた床のタイルサイズを基準として13作品から分析図と平面図・立面図を作図した.平面図から, 彼が遠近法の知識によってタイルの数を増減して様々な絵画空間を創作したことが推察できた.フェルメールの用いたキャンバスは, 似たようなサイズが数枚ずつある.分析より, そのサイズによって, 描かれた空間の大きさが類似していることがわかった.よって, いくつかの描かれた場面は, 同一の部屋のバリエーションとして, ある視点から, トリミングされたと考えられる.結論として, フェルメールは, カメラ・オブスクラの光の像を絵画空間の遠近的な整合性を画面に描写するために利用し, さらに透視図法を融合させることによって, よりリアルな空間表現を追求したといえる.
著者
西原 一嘉 西原 小百合 安富 雅典 新関 雅俊 大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement1, pp.171-174, 2006 (Released:2010-08-25)
参考文献数
1

F.Hohenberg (1) が指摘しているように建物を二方向から撮った写真があれば、透視図を逆変換することにより建物の三次元形状を再現することができる。しかし、昔の町並みのように一枚の写真しか残されていない場合はこの方法は使えない。これまで、一枚の写真とともに残されている地図を併用することによって建物を再現する方法を検討してきた。具体的には建物の形状をデジタルカメラで撮影し、その画像から図学的手法を用いて (Auto CADを使用し) 再現するものである。なお、実際の撮影において、隣の建物や木などが邪魔をして建物の地面の位置が隠れてしまうという問題や地図上に基準となる正方形が取れない問題やさらに建物の高さの測定精度がかなり低くなる問題も生じると考えられる。そこで、本研究ではシミュレーションにより、以上の問題点を解決する方法を検討した。
著者
大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.29-34, 1996 (Released:2010-08-25)
参考文献数
1

Tadasi Seike (1891-1974), engineer-educator of mechanical engineering, wrote several books on engineering drafting which were favorably accepted by many engineers, successively played various important roles in engineering education and industrial standardization and was decorated with an order; however, there is certain question whether he had satisfaction with his own results of endeavoring on the advancement of Japanese machine industry, because almost every entrepreneur, who would be the largest beneficiary of Seike's theory of drafting aiming at the improvement in efficiency of labor at minor factories covering the major part of the industry in the first half of the present century in Japan, showed little interest in his arguments. This paper has the purpose to solve this problem through the explanation that Seike's arguments based on the scientific thought which was very rare among Japanese were not understood by the majority thinking mythically. The difference in types of thought between Seike and others was an invisible and very hard obstacle to the attainment of his promising plan.
著者
小山 清男
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.97-102, 2007

絵画空間が二重構造となっている絵画がある.すなわち二つの空間のモンタージュ, 空間を合成することによって形成された絵画空間による絵画作品のことである.ベン・シャーンの画集を繰ってみていくと, たとえばサッコ・ヴァンゼッティ・シリーズとか, ラッキー・ドラゴン・シリーズなど, またそのような社会的な問題から離れた日常的な情景を描いたものの中にも, 空間のモンタージュによるいくつかの作例が見出された.ここではそれらの数点を採り上げて, できるだけ具体的に, どのように空間が合成されているかを考察した.とくに透視投象からみると, 図法的にはかなり正確でありながら, モンタージュによる空間の合成がなされていることが多い.そのように二重構造となった絵画空間の造形的な効果, あるいはまた, そのことと作品の内容, 情感との関連を探ろうとした試論である.
著者
佐藤 紀子
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.17-26, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本研究では, 17世紀のオランダの画家フェルメールが, 構図を決め下図を作成するための補助的な道具として, カメラ・オブスクラを利用したという仮説について考察する.彼の作品に繰り返し描かれたのは, 室内空間の様子である.これらの風俗画は, 当時のオランダで描かれた同種のものよりも, かなり正確な遠近法で描写されている.本論では, 描かれた床のタイルサイズを基準として13作品から分析図と平面図・立面図を作図した.平面図から, 彼が遠近法の知識によってタイルの数を増減して様々な絵画空間を創作したことが推察できた.フェルメールの用いたキャンバスは, 似たようなサイズが数枚ずつある.分析より, そのサイズによって, 描かれた空間の大きさが類似していることがわかった.よって, いくつかの描かれた場面は, 同一の部屋のバリエーションとして, ある視点から, トリミングされたと考えられる.結論として, フェルメールは, カメラ・オブスクラの光の像を絵画空間の遠近的な整合性を画面に描写するために利用し, さらに透視図法を融合させることによって, よりリアルな空間表現を追求したといえる.