著者
小山 一郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.19, no.229, pp.447-454, 1912-10-20
著者
大塚 裕之 桑山 龍
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.6, pp.442-458, 2000-06-15
参考文献数
54
被引用文献数
1 6

本研究では, 種子島の西之表市南西部の住吉付近に小分布する形之山部層より発見されたカエル類化石の分類学的位置づけを明確にするため, 九州本土および南西諸島に現生するカエル類と本カエル化石との比較形態学的検討を行った.その結果, 本化石は寛骨や上胸骨の形態などにより, 沖縄本島と奄美大島のみに現生するイシカワガエルに同定されることが判明した.形之山部層の堆積年代は, 同部層最下部の軽石層のF.T.年代測定から1.3±0.2 Maであると推定されている.また, 琉球列島全域は, 地質学的証拠から島尻層群堆積後の鮮新世最末期から琉球層群堆積前の前期更新世にかけて大規模な陸化時期であったことが知られている.これらの事実は, イシカワガエルの祖先が形之山部層の堆積(約130万年前)前の陸化期(鮮新世最末期)に, 現在のトカラ海峡付近に存在していたと考えられる陸橋を渡って, 種子島を含む大隅諸島へ到達した可能性を示している.
著者
半澤 正四郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.50, no.595, pp.125-135, 1943-04-20

最近槇山次郎教授により相良油田の數地點に於て大井川層の石灰岩からNephrolepidina nippoica (HANZAWA) 及びMiogypsina kotoi HANZAWAが發見され, 大井川層は關東山地御坂層に對比された。同油田の男神山及び女神の帝釋山・蝙蝠山の石灰岩は古くから石灰藻類・軟體動物・有孔蟲其他の化石が産する事が知られて居ったが, 時代を決定する樣な有孔蟲は未だ發見された事が無かった。筆者等は今囘女神及び男神の石灰岩からも上掲有孔蟲を發見する事を得, 同石灰岩の時代を古生物學的に大井川層で御坂層に明確に對比し得可き事を立證する事を得た。且つ勝間田村小仁田から數多の遊離した有孔蟲の標本を採集しNephrolepidina nipponicaの以前の不十分な記載を補正し, 更に夫と比較研究を行った臺灣臺北州海山郡鶯歌庄山仔脚坡内坑産Nephrolepidina verbeekiの再記載を爲した。男神山其他の地點の石灰岩中にはHomotremaが含有して居るが, 夫と比較研究の爲ヤルート及びカヤンガル産現生Homotrema rubrumの内外部構造の精細な研究を行った。從來本種の内部構造の解釋に就ては先人の間に異説があったが, 本研究により從來の見解を少しく改む可きを知った。また現生種と、の比較研究阪より男神山のHomotremaは現生種と同定すべきものである事も判明した。
著者
高橋 雅紀
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.14-32, 2006-01-15
参考文献数
115
被引用文献数
15 39

関東地方に分布する中新統の地理的および年代層序学的分布を総括し, 現在の利根川を挟んで岩相, 層厚, 地質構造, 堆積様式, 構造方向等に顕著な不連続を認めた.この地質学的不連続は, 西は赤城山の南麓下から伊勢崎と太田および館林の間を通り, さらに利根川に沿って柏付近から東方へ成田と竜ヶ崎の間に延び, さらに多古の北東付近で南東に向きを変え, 銚子の南の片貝海底谷へと延びる伏在断層である.この断層を挟んで東北日本弧と西南日本弧が大きく斜交しつつ接しており, その起源は前期中新世の日本海拡大時期に形成されたものと考えられる.断層に沿って相対的に東北日本弧が海溝側(東側)に数10km以上ずれており, また断層の西半部では落差の大きい南落ちの断層として, 平野側に厚い海成層を堆積させている.この断層をもって, 従来の利根川構造線を再定義した.
著者
林 大五郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.93, no.8, pp.587-595, 1987-08-15

In order to simulate the formation of the Tibetan Plateau, several models are constructed assuming the crust as Newtonian fluid and the upper mantle lithosphere as rigid body. Calculations are performed for the period of 0.1 Ma after the collision because of the limitation of boundary conditions and the assumption of rigid lithosphere. Remarkable results are (1) emergence of Tibetan Plateau with 4000 m in height and (2) occurrence of great foredeep at the collided zone. With regard to the Himalayan nappe, the calculations which are continued during 1 Ma after the final stage of the collision obtain the following results : (1) viscous overturn movement around foredeep is probable to create the Himalayan nappe, (2) viscous flattening of the crust overcomes the upward movement of diapir.チベット高原の形成をユーラシアプレートおよびインドプレートの衝突によって説明するために,地殻をNewton流体と,またリソスフェアを剛体と見なして数値シミュレーションを行った.境界条件の制約から衝突後の0.1Ma(10万年)間を計算した.主な結果として(1)4000mに達するチベット高原の出現(2)衝突部の大規模な前縁凹地,を得た.ヒマラヤ・ナップの原因について,上記の衝突後のモデルを初期境界条件として1Ma(100万年)間にわたる数値シミュレーションを行った.結果として(1)前縁凹地周辺の粘性逆転運動がヒマラヤ・ナップを形成した,(2)地殻の粘性流動による平坦化がダイアピル上昇を凌駕する,を得た.
著者
江原 真悟
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.69, no.819, pp.553-555, 1963-12-25
著者
鶴美 志津夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.41, no.489, pp.323-324, 1934-09-06
著者
田崎 耕市 猪俣 道也 田崎 和江
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.413-416, 1980
被引用文献数
3 9

金沢大学大学院自然科学研究科
著者
高木 秀雄 柴田 賢
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.56, pp.1-12, 2000-03-15
参考文献数
101
被引用文献数
11

本論は, 古領家帯構成要素の対比に関連するこの数年の研究成果をまとめる.その対比を明らかにするためには, さらなる年代学的検討を必要とするが, 竜峰山変成岩や水越層は南部北上帯の古生界に, また肥後変成岩や朝地変成岩および随伴する花崗岩類については, 大島変成岩, 寄居変成岩, 阿武隈帯の竹貫変成岩やそれらに随伴する花崗岩類に対比可能である.このことは, 九州の肥後帯そのものが古領家帯であることを示唆している.古領家-黒瀬川地帯を復元するために, 走向移動運動に分配されたプレートの斜め収束ベクトルのデータと, 脆性-延性剪断帯の幅と変位量の関係から, 中央構造線の総変位量の見積もりを実施した.MTLの白亜紀半ば以降の総変位量は, 100〜200kmと見なされる.この見積もりと, 柴田・高木(1989)および大槻・永広(1992)の地体構造形成モデルに基づき, 白亜紀半ばの古領家-黒瀬川地帯の復元モデルを提唱する.