著者
松沢 勲
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.39, no.468, 1932-09-20
著者
田沢 純一 長谷川 怜思 長谷川 美行
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.269-285, 2008-06-15
参考文献数
116
被引用文献数
5

水越層は九州中央部の水越地域に分布し,黒色頁岩と薄衣式礫岩で特徴づけられる上部ペルム系(Lopingian)で,全層厚は1,690mに及ぶ.南部北上帯の登米層,飛騨外縁帯の森部層上部,黒瀬川帯の球磨層と層相が似ている.水越層のフズリナ類フォーナはLepidolinaを含み,NeoschwagerinaとYabeinaを欠くことで,南部北上帯・飛騨外縁帯のものに類似するが,黒瀬川帯のものとは異なる.腕足類フォーナはボレアル型-テチス型混合フォーナであり,飛騨外縁帯,南部北上帯,プリモリエ南部の中〜後期ペルム紀腕足類フォーナに種属構成が似ている.以上のことから,水越層は飛騨外縁帯のペルム系の南西延長部に相当し,南部北上テレーンの構成要素であると考えられる.また,ペルム紀中〜後期に水越地域はより北方の飛騨外縁帯と南方の南部北上帯にはさまれてその中間に位置し,これら全体は北中国東縁に存在したと考えられる.
著者
姫川団体研究グループ
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.64, no.756, pp.431-444, 1958-09-25
被引用文献数
5 1
著者
風早 康平 篠原 宏志
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.91-104, 1996-09-20
被引用文献数
3

噴火時に放出される揮発性成分は, 噴火時に重要な役割を果たすにもかかわらず, その揮発性の性質ゆえに, 噴火後岩石などに固定されないため, 長い間, その組成や放出量は不明であった。最近10年ほどの間に, 様々な顕微分析法は, メルトインクルージョンの揮発性成分濃度の測定を可能にし, 火山ガスの遠隔観測法(TOMSやCOSPEC)は, 噴火時あるいは非噴火時のSO_2放出量の直接測定を可能にした。観測された火山噴火時のSO_2放出量は, メルトインクルージョンのS濃度とマグマ噴出物量から推定される量よりも一桁から二桁も過剰である(過剰な脱ガス)ことが多いことが明らかとなった。この過剰なSO_2の脱ガスは, anhydriteの分解により生成したSO_2による, あるいは, 噴火前にマグマ溜りに存在していたSO_2を含む気泡によるなどの原因が考えられている。非噴火時の活火山から放出されるマグマ起源ガスは, その存在自体が過剰な脱ガスである。多くの火山で100-4000 t/d規模のSO_2の放出がみられ, 大量のマグマが非噴火時にも脱ガスしていることが示唆される。火山ガス放出量およびマグマの揮発性成分濃度を用い, 伊豆大島, 桜島, 薩摩硫黄島, 有珠, ストロンボリおよびエトナの各火山についてどの程度の量のマグマが脱ガスに関与しているのかを示した。いくつかの火山では, この規模のガス放出が1000年以上にわたり続いており, 大規模なマグマ溜りから継続的にガスが供給されていることを示す。非噴火時の脱ガス機構として, 火道内マグマ対流がマグマ溜りから未脱ガスマグマを火道上部に運搬し, マグマが効率的に脱ガスするというモデルを示し, 伊豆大島を例に検討し, この対流が玄武岩質マグマから流紋岩質マグマまで幅広く生じうろことを示した。長期にわたり生産された大量の脱ガスマグマは, 脱ガスにより結晶化が促進され, ガブロなどとして, 火山体下部に貫入しているものと推定された。
著者
松川 正樹 高橋 修 林 慶一 伊藤 慎 Konovalov V. P. Valentine
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.48, pp.29-42, 1997-06-30
被引用文献数
1

西南日本のジュラ紀から前期白亜紀付加体の重複配列分布は, 付加体の放散虫化石と付加体の堆積物に不整合で覆う非海成ないし浅海成の堆積物に含まれる軟体動物化石の化石層序と時代論に基づき, オーテリビアン期に形成されたと解釈される。一方, 日本を含む東アジアの浅海成堆積物から後期ジュラ紀〜前期白亜紀のアンモナイトが産出し, それらが低緯度地域と高緯度地域の種を含む。これは, この地域が二つの異なる海流の影響を受けたことを示し, 現在の下部白亜系の分布位置と堆積当時の分布位置がほぼ同じであったと解釈できる。特に, 前期白亜紀の手取地域は高緯度地域からの海流の影響を受けたことが示唆される。これらの解釈は, この時期のテクトニクスの考察による日本列島の位置の解釈と化石による解釈の両者がともに整合性のあることを示す。