著者
鳥井 真之 尾田 太良
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.107, no.6, pp.379-391, 2001-06-15
被引用文献数
4 9

鹿児島県に分布する伊作火砕流堆積物と新第三系宮崎層群上部に挟在する久峰凝灰岩層(HST-4)の岩石学的特徴と古地磁気学的特徴にもとづいて両者は対比できることが明らかになった.また, HST-4凝灰岩層はバブルウォール型火山ガラスを主体としたco-ignimbrite ash-fall depositであることから, 両者をまとめて伊作-久峰テフラと呼称する.さらに, HST-4凝灰岩層の挟在する高鍋層下部は, 古地磁気および浮遊性有孔虫化石層序による複合層序学的検討からChron 2An.2 rに対比される逆帯磁帯MMR-Bの最下部に位置することが判明し, このテフラの噴出年代は古地磁気年代尺度に従えば約3.3 Maと推定される.
著者
羽田 忍
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.95, no.3, pp.246-247, 1989-03-15
著者
飯島 南海夫 石和 一夫 甲田 三男 田口 今朝男
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.62, no.734, pp.622-635, 1956-11-25
被引用文献数
5 1
著者
林 愛明 付 碧宏 郭 建明 曽 慶利 党 光明 何 文貴 趙 越
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.7, pp.XV-XVI, 2002-07-15

2001年11月14日午後5時26分(現地時間), 中国北西部青海省と新彊自治区との境界付近の昆崙山中部においてMs 8.1の地震が発生した(第1図). 震源は, チベット北部の山岳地帯であるため, 犠牲者や大きな被害の報告はない. 今回の地震では, 東西走向を持つ昆崙断層(Kunlun fault)沿いに長さ400kmにおよぶ地表地震断層が現れた(第1図, Lin et al. , 2002). 地震直後の現地調査により, 地震断層は全体的に75°~90°北への傾斜角もつ, ほぼ純粋な左横ずれであること, 左横ずれ量は最大で163mに達すること, 地震断層の割れ目帯の幅は数メートルから10kmまで変化すること, などが明らかにされた. 地震断層の西側末端部の延長部についてはまだ未確認であるが, 今回の調査で地震断層は少なくとも400 kmに達することが確認された. この地表地震断層帯の長さと変位量はこれまでに世界中に報告されたものの中でもっとも大きい. ここでは今回の調査で観察した昆崙地震断層の一部を紹介する. 本研究では, 中国地質科学院地質力学研究所・独立行政法人産業技術総合研究所活断層研究センターおよび兵庫県北淡町震災記念公園・野島断層活用委員会のご支援を頂いた.
著者
坪井 誠太郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.47, no.557, 1940-02-20
著者
藤田 至則
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.20, pp.147-158, 1981-03-30

The gist of the present paper is itemized below. 1. The outline of the sedimentary basin of the Kanto plain was determined by the collapse basin of the formative stage of the Late Pliocene Kurotaki unconformity and the collapse basin of the Early Pleistocene Minamitama stage (Fig. 2). 2. Due to the fractures of NE-SW and NW-SE trends that began to develop during the period from the Nagahama stage at the end of Early Pleistocene to the Naganuma stage of the early Middle Pleistocene, the uplands and alluvial plains were taking form macrotopographically in the Kanto plain and they became distinct during the Late Pleistocene as seen today (Fig. 3). 3. Collapse basins of the Kurotaki and Nagahama stages were formed along the fractures that were caused by the upheaval of the area centering around the basins (Fig. 1, B). 4. Collapse or relative subsidence of lowlands in the Nagahama stage and since the Shimosueyoshi stage procceded as the pre-existent fractures were reactivated with the regional upheaval (Fig. 3). 5. The law of the shogi-daoshi structure (sedimentary imbricate structure) is essentially a unidirectional shift of the thickest portion of a group of formations within one basin (Fig, 4). This structure is interpreted as a result of reactivation of fractures which developed when the basin was formed (Fig. 1,B). 6. When plural sedimentary basins whose longer axes run parallel are formed, the formations in each basin may present a shogi-daoshi structure of such a type as mentioned above, and occasionally this structure is found to involve the whole basins (Fig. 5). The occurrence of the shogi-daoshi structure can be classified into two kinds. One is the case where plural basins are formed simultaneously. This kind is noticed in many geosynclines (Fig. 5). The other kind is the case when the shogi-daoshi structure occurring within one basin proceeds into another basin in front of the first basin (Fig. 6). However, this kind is not fully investigated yet and it requires further study. 7. A general direction of the shogi-daoshi structure was from the continental side toward the Pacific side during the Paleozoic〜Middle Mesozoic period, and from the Pacific side toward the continent since the Middle Mesozoic to the present. And, as pointed out by Yano (1980), the direction of the shogi-daoshi structure in the stage of the Green Tuff geosyncline and that in the stage of the Island Arc disturbance are intersecting at right angles, and they intersect the principal axes of the basins at right angles. It is possible, however, that the principal axes of the basins have changed their directions later.
著者
安原 盛明 入月 俊明 吉川 周作 七山 太
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.633-643, 2002-10-15
被引用文献数
5 23

大阪平野南部の堺市で掘削されたボーリングコアから採取した33試料中から少なくとも72種群の貝形虫化石が産出した.クラスター分析の結果これらの試料は大きく6個のbiofaciesに区分された(PS,SBm,LS,PL,CL,LC).本研究では完新世における堆積環境と相対的海水準の変化を貝形虫群集に基づいて復元した.大阪平野南部では,約9,000-6,000年前(暦年)に急激に海水準が上昇し,その後,現在の海水準まで下降した.最高海水準期は約6,000-5,600年前(暦年)であった.この海水準変動の傾向は大阪平野中央部や大阪湾海域での海水準変動によく類似しているため,これらの傾向は大阪堆積盆地で高い普遍性を持つと考えられる.また,塩分濃度,海岸線からの距離,沿岸流や波浪による影響は相対的海水準変動と良く対応して変化する.
著者
磯崎 行雄
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.50, pp.89-106, 1998-07-31
被引用文献数
12

日本列島を含む東アジアの顕生代造山帯は, 海洋プレートの沈み込みによって先カンブリア時代の安定大陸の周囲に新しい大陸地殻が成長した場である。日本の起源は6〜7億年前に超大陸Rodiniaから揚子地塊がリフト化して離れた時の大陸縁に求められる。この受動的大陸縁は約5億年前に活動的大陸縁に転化した。新しい海洋プレート沈み込みは大陸縁に弧-海溝系を生じ, 4億年頃にそれが成熟すると, それ以後はほぼ水平な古生代-新生代付加体のナップ群やカルクアルカリ岩系火成岩をつくった。また間欠的な中央海嶺の海溝への沈み込みは, 低温高圧型変成帯の上昇や, 高温低圧型変成帯を伴う花崗岩バソリス帯の形成をもたらした。日本の造山帯は北米西岸のコルディレラ造山帯と鏡対称の構造をもち, それらの歴史は超海洋太平洋がたどったウィルソンサイクルの前半史にあたる。その後半史は2億年後に北米とアジアが衝突して次の超大陸Amasiaができる時に完結する。
著者
加々美 寛雄 飯泉 滋 大和田 正明 濡木 輝一 柚原 雅樹 田結庄 良昭 端山 好和
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.44, pp.309-320, 1995-11-30
被引用文献数
10

瀬戸内・近畿地方の領家帯地域に分布する火成岩類の活動時期は, ジュラ紀初期-中期, 後期白亜紀, 中新世中期の3回である。最初のジュラ紀初期-中期に活動した火成岩類は領家花崗岩中に捕獲岩体として分布するはんれい岩, 変輝緑岩である。前者は下部地殻条件下 (6-8 kb) におけるソレアイト質マグマからの早期晶出相と考えられる。ノーライト, 角閃石はんれい岩, 変輝緑岩によるSm-Nd全岩アイソクロン年代は192±19 Maである。また, ノーライト, 角閃石はんれい岩中に不規則な形の産状を示す斜長岩質はんれい岩のSm-Nd全岩年代は162±29 Maである。後期白亜紀の火成活動は約110 Ma 前, 安山岩質マグマの活動で始まり, その後, 花崗岩の大規模な深成作用に引き継がれた。この深成作用は100-95 Maと80-75 Maの2つの時期に分けることができる。中新世中期の火成活動はユーラシア大陸から西南日本が分離, 移動したことにより引き起こされたものである。日本海形成(15 Ma)に関係した火成活動は, ユーラシア大陸東縁部の狭い範囲で始新世後期-漸新世初期に始まった。ジュラ紀初期*中期火成岩類の ^<87>Sr/^<86>Sr初生値, εNd初生値は後期白亜紀花崗岩類のこれらの値と似ている。このことは両火成岩類が似た起源物質から形成されたことを暗示している。一方, 中新世中期火成岩類のSr同位体比初生値, εNd初生値は以上の火成岩類の値とは著しく異なっている。中新世中期の日本海形成とともに, 西南日本弧の大陸性リンスフェアがフィリピン海プレート上にのし上げた。この出来事によって, 瀬戸内, 近畿領家帯地域下のリンスフェア・マントルはLILあるいはLREE元素に枯渇した化学組成をもつ様になった。中新世中期に活動した玄武岩はこの様にして形成された新しいマントルから形成された。高マグネシア安山岩は玄武岩を形成したマントルより浅い, 沈み込むプレートに由来する流動体相の影響を受けたマントルから形成された。安山岩, 石英安山岩は上部マントル由来のマグマと下部地殻の部分溶融によって出来たマグマとの混合物から形成された。それらのSr同位体比初生値とεNd初生値は, 下部地殻の部分溶融によって出来たマグマの寄与の程度により変わる。この下部地殻は苦鉄質化学組成をもち, 西南日本弧の後期白亜紀に活動した花崗岩類にとっても重要な起源物質である。
著者
藤本 治義 長島 乙吉
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.43, no.512, pp.340-342, 1936-05
被引用文献数
1

昭和十年八月長島は臺灣の東岸より太魯閣峽に沿って西方へ合歡山峠を越へて脊稜山脈を横斷した。其際畢祿巡査駐在所の西方約1kmの地點にて埔里層に來在される石灰岩に海百合の莖と思はれる化石を發見した。其後長島が此附近で採集せる材料につき藤本の粗査せる處其の中に Camerina sp., Glomospira sp? 等の化石を發見した。此の Camerina 石灰岩は粘板岩及砂岩の互層中に來在され, 此等の地層は矢部教授と半澤理學士の埔里層と稱せるものに相當し, 又古く下部粘板岩系とされてゐたものに當る。矢部教授と半澤理學士は南部の高雄州で此の埔里層中から Camerina sp., 其他の始新世の標準化石を發見され埔里層の地質時代を中新世より古く, 化石を含有する部分は始新世とされた。筆者等の Camerina sp., の發見は此の埔里層の始新説を證據立てる一新事實を加へたことになる。
著者
豊原 信一郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.15, no.174, pp.131-133, 1908-03-20