著者
伊藤 稔明
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-6, 2006-07-31
被引用文献数
1

「小学校ノ学科及其程度」の理科項目には,従前の博物・物理・化学・生理の内容に加えて地文学の内容が多く挿入されている。この理科項目の内容には,「小学校ノ学科及其程度」の起草にあたった小学校条例取調委員のメンバーの一人である西村貞の理学教育思想が大きな影響を与えている。西村は「初等科学教育に地文学は最も有用」との意見をもっており,その意見を直接の契機として「小学校ノ学科及其程度」理科項目に地文学の内容が挿入されたと考えられる。
著者
杉本 剛
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.21-29, 2006-11-30
被引用文献数
1

協同的な学習に取り組んでいる生徒を対象として,自己主体的な学習場面と友達との相互協力的な学習場面についての生徒の意識の関連を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。その結果,学習場面の多い・少ないとその学習場面で考えが深まる・変わる事があるとの間には,学習場面によって相関関係の強さに差が見られた。例として,自己主体的な学習場面では実験の結果わからない事を自分が本やインターネットを使って調べること,相互協力的な学習場面では実験の結果友達のわかった事を聞くことなどの学習場面で,学習場面の多い・少ないとその学習場面で考えが深まる・変わる事との間に中程度の相関が認められた。また,考えが深まる・変わる事について,自己主体的な学習場面と相互協力的な学習場面の間には学習場面によって相関関係の強さに差が見られた。例として,実験をする学習場面,実験の結果わかった事を考える学習場面,実験の結果をまとめる学習場面で,考えが深まる・変わる事について,自己主体的な学習場面と相互協力的な学習場面の間に強い相関が認められた。
著者
久保田 善彦 鈴木 栄幸 舟生 日出男 加藤 浩 西川 純 戸北 凱惟
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.11-19, 2006-01-31
被引用文献数
14

子どもたちが理科の授業において,科学者が実践するのと同じように「科学する」にはコミュニティの存在が必要不可欠である。小学校の実験室という限られた空間において同期型CSCLを用いることで,コミュニティの変容と,そこでの科学的実践を考察した。同期型CSCLであるKneading Board(通称KB)の利用によって,これまであまり見られなかった実験中の活動班の相互作用が緊密になった。それによって,お互いをリソースとした学習活動やコミュニティに共通する基準の設定などが行われ,教室全休がコミュニティとして機能していった。また,コミュニティ内では,実験班間の競争,データの正当性や信頼性の確保,批判的な検討,評価基準の作成,基準の運用などの科学的実践が行われていた。同期型CSCLを小学校の理科実験で活用することは,コミュニティへの参加を促し,そこでの科学的実践の支援に有効だといえる。