著者
佐々田 俊夫
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.56, 2010-11-27

この講演では、誕生石に注目する理由と、理科教育で活用できそうな誕生石の科学的な話題と、ホームページによる誕生石を利用した理科教育を紹介する。また、来週(2010年11月29日)より、愛知教育大学の附属図書館にて開催する『宝石の原石展 〜誕生石の文化と科学〜』の展示内容と関連イベント(展示品説明会、宝石研磨教室〜勾玉づくり〜)を紹介する。
著者
上田 健太郎 広木 正紀 村上 忠幸
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会全国大会要項
巻号頁・発行日
no.57, 2007-08-04

私は、子どものときから「周りの植物が緑色なのはどうしてか」が、気になっていた。後に、「植物の緑は、植物が光合成を行うのに使っている葉緑素の色」ということを学んだ。しかし、私にとってはこの問題が全部解決したわけではなく、次の疑問は、今も続いている。それは「もし、植物の大勢を占める色が、緑色でなかったとしたら、生物の世界はどうなるだろう」ということである。植物の緑は、私たちに、心の落ち着きや癒しを与えてくれている。人間だけでなく、いろいろな動物の生存は、植物に栄養的に依存しているだけでなく、植物の緑色にも少なからず影響を受けているのではないだろうか?このような関心から、「生物の世界に及ぼす色環境の影響」に着目して研究に取り組むことにした。
著者
漆畑 文哉 吉田 淳
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.57, 2011-11-26

本研究は中学校理科「電流」における生徒のつまずきをコメントから分析し,授業改善に役立てることを目的としている。分析の結果,電流に対して生徒の水流モデルのイメージが十分に保持されず,類推への活用が困難であることがつまずきの原因として考えられる。
著者
蛭波 敬 伊藤 信成
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会東海支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.58, 2012-12-08

ゆとり世代と呼ばれる旧学習指導要領施行の1期生が教員となる時期になった.この世代は義務教育課程で月の満ち欠けの学習をしておらず,系統的な学習経験がないまま現場での指導を行うことになる.本研究では,小学校教員採用試験受験者に対し,月の満ち欠けに対する理解度調査を行った.その結果,6割の学生は満ち欠けに対し十分な理解をしておらず,教材を用いて原理の解説を行った後でも定着度の向上はほとんど見られなかった.
著者
正元 和盛 星子 泰通
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.167-171, 2010-03-03

調整が簡単なクラスターデキストリンの特性を活用し,それを代用デンプンとして用いて、だ液の働きを調べる実験の単元の授業を構成した。ヨウ素デンプン呈色反応後にだ液で消化した溶液は,ヨウ素による糖発色試薬の妨害があるので糖発色試薬による糖の確認には直接には使えない.そこで,だ液によるヨウ素デンプン反応呈色の消失と,だ液による消化後の分解産物確認実験を分けて行った.本実験は行程、用いる材料も簡便なので個人実験として行いうる.これらは1単位時間の1/3ほどの時間ですむ実験なため,生徒による結果と考察の時間を十分に取ることができ,消化に関する生徒の理解を深める授業方法として有効であると考える.
著者
永田 祥子 川上 昭吾
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.45-58, 2006-07-31
参考文献数
28
被引用文献数
4

わが国の学校と博物館等との連携をすすめるために,イギリスにおける博物館と野外教育センター10力所を調査した。特に,学校の子どもに密着して博物館等における活動を観察し,学校の立場からみて何が博物館等を利用しやすい要素であるのかを明らかにした。本報告はそのうち2つの博物館と1つの野外教育センターで得られた情報をまとめたものである。その結果,以下の7点がわが国にとって示唆される大きな内容であることが明らかになった。(1)博物館の展示がナショナル・カリキユラムと関係していることを明示しているように,学校教育に直接役立つことを博物館が説明すること,(2)学校との連携を深めるために,学校教育に有用な内容,補助教材等を準備すること,(3)国の積極的なバックアップ,(4)官・民の両要素を加味するとよいのではないか,(5)学校への教育活動と社会教育活動を分別して実施すること,(6)教師に明確なメッセージを示すこと,(7)施設を充実させること。
著者
荻原 庸平 小林 辰至
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.43-56, 2010-03-03
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究は,初等教員養成課程の学生を対象として,新しく開発した月の運行モデル教材と観測を組み合わせた実践を行い,月の見え方の理解への効果を検討したものである。実践の内容は2つである。1つは月の定時観測の記録であり,学生自身に月の満ち欠けの様子を2週間にわたって記録させた。もう1つは新しく開発したモデル教材を使用した学習である。実践の前後で月の見え方の理解を問う質問紙調査を行った。その結果,以下のことが明らかとなった。(1)「見える月の形が,日によってちがっている理由」について,「月の公転」及び「太陽光の反射」の2つの観点を含めて記述できた学生の割合は,実践前に比べ有意に増加した。(2)「日没後,満月が見えるのはどの方角か」「日没後,三日月が見えるのはどの方角か」「日没後,上弦の月が見えている時の太陽と月の位置関係」の正答率は,いずれも実践前に比べ有意に増加した。(3)新しく開発した月の運行モデル教材と観測を組み合わせた実践を通して,初等教員養成課程学生の月の見え方に関する理解を改善できた。
著者
東 俊一郎 喜多 雅一
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.1-10, 2008-11-30
被引用文献数
1

高等学校で使われる「化学I」の教科書の大多数が,アルカリ金属と水との反応をナトリウムに代表させて,生徒実験として取り上げている。また,「理科総合A」の教科書のうちにも,同様の生徒実験を扱っているものがある。この実験の主要な部分を占めるのが,水素が発生することをマッチの火で点火したときの爆発音で確認する操作である。ところが,教科書で指示されている方法やナトリウム片の大きさでは,爆発音が確認できない場合が多い。この理由は,発生する水素の体積と,水素が捕集されていてマッチの火を近づける容器の容積との関係が十分に検証されていないことに起因する。本稿では,爆発音を発生させるのに必要な,水素の容器に対する体積の比を測定して,100%の確率で実験の目的が達成できる条件を求めた。ナトリウムが水と反応する実験は簡単に行うことができる。この反応とともに重要なのが,ナトリウムと塩素が直接反応して塩化ナトリウムを生成する現象である。しかし,この実験は,反応が激しく危険であると考えられているのか,生徒実験で扱っている教科書はない。ところが,実験の方法を工夫すれば,非常に印象的な実験を,安全にかつ簡単にできることがわかった。