著者
内田 裕之
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.21-28, 2020 (Released:2020-01-25)
参考文献数
7

2018 年 6 月、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のための「持続可能性に配慮した運営計画」第二版(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、2018)が公開され、大会の温室効果ガス排出量の予測とこれに基づく具体的な削減対策が示された。2019 年 3 月には「持続可能性進捗状況報告書」(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、2019)が公開されており、大会における気候変動への対策が整理されるとともに、対策の進捗状況が公に報告されている。そして、この対策の中で、カーボンフットプリントによる CO2 排出量の見える化が重要な位置づけとなっている。オリンピック・パラリンピック競技大会は、言うまでもなく、国際的に最も大規模かつ世界中の注目を集めるイベントの一つである。そのため大会における気候変動対策は、今後のイベントにおける気候変動対策の参考となる。その対策の中でカーボンフットプリントによるライフサイクル視点の CO2 排出量見える化が重要な位置づけとなっていることは、LCA 手法の今後の活用において注目すべき事例である。本解説では、公開されている報告書の内容をもとに、大会の対策内容、カーボンフットプリントの位置づけを整理した。
著者
山口 博司 堀口 健 湯 龍龍 比留間 雅人 ?橋 直也 畑口 千惠子 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第5回日本LCA学会研究発表会(会場:東京都市大学)
巻号頁・発行日
pp.28, 2009 (Released:2010-02-15)

地球温暖化の急激な進行のもとで、各種のイベントの実施に対してもCO2排出量の評価と削減、オフセットが求められている[1][2]。本年度のゴルフトーナメントではCO2排出量を評価し、ほぼ全量をオフセットするとともに、各種大気汚染物質の排出、化石燃料消費、鉱物資源消費等につき評価を行った。産業連関表によるこれらのデータベース[3]を用いてゴルフトーナメントの大会運営、参加者の移動、飲食、配布物などからのこ れらの排出量、消費量を求め、それによる環境影響を評価した。最終的にLIMEによる環境影響の統合評価を行うことを目指す。 [1]伊坪:大型イベント対象とした環境負荷評価と実施上の論点, 第4回日本LCA学会研究発表会要旨集,D2-09,p.208. [2]山口他:ゴルフトーナメントのCO2排出量の算出と排出量削減方法の検討, 第4回 日本LCA学会研究発表会要旨集,D2-07,p.204. [3]北澤・伊坪:化石燃料及び鉱物資源を対象とした産業連関LCIデータベースの開発, 第4回日本LCA学会研究発表会要旨集,P2- 28, p.328.
著者
山口 庸子 清井 えり子 永山 升三
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.209-216, 2010 (Released:2012-08-24)
参考文献数
17

Objective. The most common professional cleaning services available today are professional dry cleaning, laundry, and wet cleaning. Many of the organic solvents used in dry-cleaning have been identified as factors contributing to global warming, destruction of the ozone layer, and groundwater contamination, among other problems, and are subject to legal restrictions and controls. Dry-cleaning remains an essential process, since it causes less damage to clothing than water-based cleaning. Requirements for clothing cleaning have grown increasingly restrictive as exemplified by the launch of the Carbon Footprint Pilot Project. Given these circumstances, this study seeks to estimate greenhouse gas emissions (in terms of GWP100) based on LCI analysis of each step of the cleaning processes and discusses methods for reducing emissions. Cleaning is an essential aspect of the usage stage of clothing and its life cycle. To help create a system for establishing carbon footprints for clothing products, this study also examines a wide range of public information sources related to CO2 emissions, based on cleaning site data collected in fiscal 2009.Results and Discussion. In the dry cleaning process, the electric power consumed by the various activities at cleaning agencies, the steam required for solvent recovery, steam required for pressing, and packing materials, including hangers and carrier bags, contribute significantly to overall CO2 emissions. At 0.369 kg-CO2eq per clothing, the CO2 emissions associated with the steam required for tetrachloroethylene recovery accounts for the highest fraction of CO2 generated. The results suggest CO2 emissions generated by tetrachloroethylene which used as the dry-cleaning solvent exceed those of petroleum-derived solvents. The results also show CO2 emissions from solvents can be suppressed by reducing the solvent consumption rate to 4% or 20%, which also reduces the generation of photochemical oxidants. In laundry processes, steam for pressing and drying in the finishing processes contributes significantly to CO2 emissions, followed by heating boilers, detergents, and cardboard use.Conclusions. The CO2 emissions generated by the dry cleaning process depend significantly on the types of solvents used. The steam required for solvent recovery contributes a large portion of these emissions, followed by the steam used in finishing processes. Improving boiler efficiency is a key factor in reducing CO2 emissions in both dry cleaning and ordinary laundry processes. This paper also proposes a flexible method for estimating cleaning-related CO2 emissions per clothing, based on a conversion proportional to weight, by accounting for differences in washing methods, finishing processes, and solvents.
著者
青江 多恵子
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.206-212, 2005
被引用文献数
1

<p>Technological advancements have brought us convenience and comfort. At the same time, our growing production and consumption of convenient products has directly and indirectly led to global environmental problems including global warming, resource depletion and pollution. To solve these global environmental problems, environmentally conscious products and services (hereafter called ECPs) that have less impact on the environment while improving functions are required. To promote the development and diffusion of ECPs, a distinct indicator for ECPs is required as a criterion to be used by designers and developers who actually develop products in enterprises, as a judgment criterion used by company managers for decision making, and as a purchase criterion used by consumers (users, customers). However there is no general means of measuring and evaluating specific target products, and the standard assessment method is yet to be established. Therefore, the "eco-efficiency (Factor X)" indicator independently developed as an ECP indicator, the case studies and the eco-design system constructed to actually develop ECPs will be introduced. The indicator and system have been actually applied in Matsushita Group since 2002.</p>
著者
松田 裕之
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.228-233, 2011 (Released:2019-12-15)
参考文献数
12

Ecological impact is usually evaluated by the value of ecosystem services. I introduce a method to evaluate biodiversity. The red data book of Japanese vascular plants is based on their extinction risk. During evaluation of this red data book, about 2000 taxa were evaluated using population data and rates of decline for ca.4400 grids, each of ca.100 km2. This database can be used to estimate the impact of human activity on extinction risk of threatened plants. In order to evaluate extinction risks and apply the evaluation to conservation actions, the mean time of extinction and discount mean time to extinction are defined as measures of extinction risk. The present value of a species’ persistence in the future decreases exponentially. Increases of the inverse, and logarithm, of the discount mean time to extinction are also considered measures of the extinction risk. We applied these measures to an environmental impact assessment for the Japanese World Exposition that was held in 2005, Aichi Prefecture. Development will have a greater impact on threatened Salvia species than star magnolia, which has been conserved by changing the site plan.
著者
梶山 純 松八重 一代 長坂 徹也
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第6回日本LCA学会研究発表会(会場:東北大学)
巻号頁・発行日
pp.74, 2010 (Released:2011-02-14)

リンは農業分野における食糧生産に欠かせない元素であり、肥料の他、化学工業分野でも使用されている。しかし原料であるリン鉱石は世界で遍在しており、リンは近年資源戦略化している。そのため国内でリンの安定供給を図るためには、国内に循環するリンの有効利用、再資源化が必要である。そこで本研究ではリンのマテリアルフローを作成し、国内のどこにどれくらい回収可能なリン資源が存在し、回収したリンをどこに再利用すれば良いのかを推計・考察した。
著者
川嶋 琢幹 嵐 紀夫 稲葉 敦 本下 晶晴
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.184, 2011

プラスチックと炭酸カルシウムを主成分とする「ストーンペーパー」が森林資源並びに水資源を保護するものとして着目されている。通常のパルプ紙は、カーボンニュートラルと考えられるので、ストーンペーパーはCO2排出量を主とする地球温暖化の観点からは通常のパルプ紙よるも環境影響は大きいと考えられる。本研究では、森林資源並びに水資源の評価も含めてスt-ンペーパーの環境影響を考察する。
著者
外岡 豊
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.126-133, 2017 (Released:2019-12-15)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

建物のLCAについては日本建築学会で検討され、その環境負荷原単位データベースの整備も継続的に行われ建物LCAソフトウエアと付随するデータベースが公開されている。本稿ではとくに住宅に注目して建築学会のLCA手法と環境負荷データベースについて紹介する。この環境負荷データベースは主として産業連関表基本表をもとに推計したものであり、LCA全般に応用できる。設計科学における客観的分析と主観的判断の適切な接合により、環境的に望ましい住宅の実現に寄与する実践的なLCA手法についても言及した。また社会的LCAへの拡張と、Hot Spots分析による重点項目への集中についても少し触れた。
著者
平沼 光
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.267-276, 2018

<p>シェールガス革命や歴史的な原油価格の下落、また気候変動問題への対処による再生可能エネルギーの急激な普及など、エネルギーを巡るかつてない様々な出来事を背景に世界は今、エネルギーの需給構造が大きく変化する「エネルギー転換」の真っただ中にある。かつて、18 世紀の産業革命では、石炭をエネルギー源とする蒸気機関の発明により社会の生産性を飛躍的に向上させている。その後、20世紀中頃には石炭よりも利便性の高い石油の登場が石炭に代わるエネルギー転換を起こし、世界の産業、経済、そしてライフスタイルにまで大きな影響を及ぼしている。本稿では、現在再び起こっている新たなエネルギー転換の動きについて、その具体像を明らかにするとともに、エネルギー転換が日本に及ぼすリスクについて分析する。</p>
著者
吉川 直樹 天野 耕二 島田 幸司
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第4回日本LCA学会研究発表会(会場:北九州国際会議場)
巻号頁・発行日
pp.9, 2008 (Released:2009-02-05)

食料・農業分野において,産業連関表による環境負荷排出原単位は,簡易的なLCAや積み上げ法とのハイブリッドLCAなどに用いられている.しかし,食料自給率の低い日本においては,輸入品と国産品との環境負荷の差異や,国内外の価格差により,原単位が実態と大きく乖離している可能性がある.本研究では,主要な輸入食料・飼料について,ハイブリッド法によるLCAを行った上で,輸入品の環境負荷を考慮した産業連関法による部門別のCO2排出原単位を作成した.その結果,畜産品において環境負荷の乖離が大きいことがわかった.また,食品加工・漁業・飲食業などの環境負荷への影響を定量的に明らかにした.
著者
矢吹 悟 松八重 一代 長坂 徹也
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第4回日本LCA学会研究発表会(会場:北九州国際会議場)
巻号頁・発行日
pp.101, 2008 (Released:2009-02-05)

本研究では、地域特性をより正確に反映させるために東北地域(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)を対象に地域間産業連関表を基盤とした平成12年東北地域間廃棄物産業連関表(TR-WIO)の作成を行った。なお、平成12年東北地域間産業連関表が作成されていないため、平成12年東北地域内産業連関表を基に作成した。また、作成したTR-WIOを基に各種廃棄物の再資源化に関するシナリオ分析を行った。
著者
原 卓也
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.85-98, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2

本論文では、日本国内の二輪車のストック・フローに関するデータ間の整合性を検証することで、二輪車の保有台数が過大評価となっている可能性を検討する。保有台数について、公式データである検査・届出台数と、軽自動車税課税台数、税収納率、自賠責保険加入台数、消費実態調査から推定される保有台数などを比較・分析する。その結果として、車検制度対象外の車種である軽二輪や原付の公式データ保有台数は、より実態に近いと考えられる他のデータより過大になっていることを示す。車検制度対象車種の小型二輪については、実態に近いことを示唆するデータと過大であることを示唆するデータの両方があり、今回の分析からは結論付けられないが、車検制度対象外の車種と比べれば、過大評価の程度は小さいことを示す。
著者
遠藤 純子 成田 宏之 工藤 勝正 駒井 裕民 時田 繁 伊香賀 俊治 林 立也
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.113, 2005

青森県では平成15年に「青森県環境調和建築設計指針」を策定し、環境負荷低減対策を講じた県有施設整備を推進している。本指針では施設を計画する際に、施設の運用CO2排出量、LCCO2、IC、LCCを評価することとしており、これら指標値を計画段階で簡易に算出できるツール「環境負荷低減手法選択シート」を開発した。本報では本シート(庁舎版と学校版)の構成・計算手法、対策の組合わせによる検討結果を示す。
著者
種田 あずさ 柴田 英昭 新藤 純子
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.120-133, 2018 (Released:2019-12-15)
参考文献数
41
被引用文献数
1 2

人間活動によって生成した反応性窒素は、人間および環境に対する脅威をもたらしている。窒素フットプリントは、人間活動を通じた環境への反応性窒素放出(窒素ロス)を、消費者の活動を基準として定量化できる新たな指標である。本稿では、窒素フットプリント算出法として提案されている3つの方法(N-Calculator法、N-Input法、N-Multi-region法)について解説するとともに、これらの評価方法の特徴を生かした活用方法や今後の展開について述べる。N-Calculator法は、消費者一人あたりの食料・エネルギーの消費量に基づくボトムアップ型の分析法である。この方法を使うことで、一つ一つの消費行動がどのように窒素フットプリントに影響するかを定量的に評価、可視化することができる。N-Input法は、食料の生産・輸出入量と、その生産のために使われた農地への窒素投入量に基づくトップダウン分析を用いる。この方法は、複数の国から多くの食料を輸入している国について精緻に算出を行うことができる。N-Multi-region法は、各国・各部門からの反応性窒素排出量について、拡張された世界多地域間産業連関表を用いた産業連関分析を適用する。この方法を使えば、グローバルな貿易の影響を含めた多くの国の窒素フットプリントを評価することが可能であり、複雑な国際サプライチェーンや窒素ロスに関与する反応性窒素の種類を解析することもできる。本稿では、さらに、低減策の主なものとして、食品選択、家庭系ごみの削減、ラベル表示(窒素・カーボン・ウォーターフットプリント)、機関レベルのフットプリント分析(窒素・カーボン)、窒素フットプリントのオフセットの現状と可能性について述べる。また、窒素フットプリントに関する研究プロジェクトについてもいくつか紹介する。
著者
平石 育典 陳 麗 山口 光臣 小原 幸三
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.7, 2011

東日本大震災以降全国的に電力のピークカットや節電の必要性が求められている。これに対する方策の一つとして、家電製品のなかで常時電力を消費している冷蔵庫に着目し、一日の電力使用で供給力が逼迫する昼間帯に冷蔵庫の電源を切ることにより、「ピークカット」を行う。これに伴い冷蔵庫内の温度は上昇するが対策として、深夜帯の電力を使用して製氷した氷を使い庫内温度の上昇を抑制する。これにより、電力使用の「ピークシフト」も可能になる。また、古いタイプの冷蔵庫は、連続運転による電力消費が多いことから深夜帯の製氷専用として使用し、その後は停止することで連続運転による電力エネルギーの低減を図る。
著者
山口 博司 伊坪 徳宏 李 相勇 本下 晶晴 稲葉 敦 並河 治 山本 典明 宮野 譲
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第2回日本LCA学会研究発表会(会場:東京大学)
巻号頁・発行日
pp.111, 2006 (Released:2007-02-14)

RoHS規制等のもとで電気電子機器に対し化学物質などの環境規制が強まっている。これに対応するには環境上の効果と経済上の費用のライフサイクルにおけるバランスを見つつLCCBA(ライフサイクル費用対便益分析)手法を用いて施策を評価決定する必要がある。洗濯機を対象に環境対応シナリオに対しスクリーニングLCC・LCA・LCIAを実施し、LCCBA手法の特徴と課題・有効性を示す。
著者
甲斐荘 秀生 平尾 雅彦
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第2回日本LCA学会研究発表会(会場:東京大学)
巻号頁・発行日
pp.121, 2006 (Released:2007-02-14)

サービス業では、機能単位は物質やエネルギー量ではないことが多いが、背景に多種の物質やエネルギーのフローがある。多くの化学物質を取り扱うサービス業である洗濯業における洗濯とドライクリーニングを対象に、考慮すべき項目とその評価方法を検討し、LCIを実施した。実際の店舗・工場を対象としたヒアリングによりデータを収集し、温室効果ガス、VOCの分析を行った結果、これらの影響に関する知見が得られた。
著者
菊池 康紀 平尾 雅彦 成田 賢治 杉山 英路 Oliveira Sueli Chapman Sonia Marzullo Rita M. Arakaki Mariana M. Novaes Leonora M.
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第6回日本LCA学会研究発表会(会場:東北大学)
巻号頁・発行日
pp.103, 2010 (Released:2011-02-14)

Biomass-derived chemical has been regarded as an alternative material toward sustainability due to the substitution of renewable raw material for fossil resources. An industrialized plant producing biomass-derived polyethylene (bio-PE) from sugarcane ethanol has been constructed in Brazil. In this study, we aim at revealing the environmental performance of the polyethylene production from bio-ethanol using life cycle assessment. In the boundary of bio-PE, it is produced in Brazil, shipped to Japan, and used by consumers as containers and packaging, and then applied Japanese existing recycling system. The results demonstrate that bio-PE has less greenhouse gas (GHG) emission in its life cycle than that in the life cycle of fossil-derived PE.
著者
石井 秀暁 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.156-156, 2008

近年音楽業界において、環境に対する関心が高まっている。Fuji rockやap-bank fesといった環境に配慮したことを行う音楽イベントにおいて環境に配慮した実施内容や動員数が増加しており、坂本隆一など環境活動に関心のあるアーティストも多く、アーティスト側の環境にも変化が起こっている。<BR>レコーディング方法もデジタル化などの技術が進み、音質向上だけでなく時間の短縮などを可能にした。これはプロのみならず、一般の方の音楽製作にも言えることである。<BR>このような背景から、近年発達しているレコーディングの評価を行い、アーティスト、発信側、裏方の方という業界全体におけるさらなる意識の高まりを狙いとしたい。<BR>研究方法としてプロで最も多い録音場所、スタジオでの実測を自分の楽曲により行い、作曲、録音、CD作成までの流れを対象とする。同時に近年、プロでも使用しているPC上のみでの録音の負荷も計測し、音楽形態による違いも考慮する。測定対象ソフトはACID Music Studioとした。
著者
山末 英嗣 光斎 翔貴 柏倉 俊介
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-28, 2021

<p>グリーンイノベーションは地球温暖化をはじめとする環境問題を解決する手段の一つとして期待されている。しかし、グリーンイノベーションの背後に過剰な資源利用が誘発される場合がある。著者らはこれを「資源パラドックス問題」と定義した。資源パラドックス問題は、多くの人が気付いていないか、気付いていたとしても定量化された例は少ない。本稿では、国レベル、素材レベル、製品レベルで資源パラドックス問題が起きていると思われる定量的な実例を紹介する。そして、資源パラドックス問題が起きているようなグリーンイノベーションの対応策について、資源消費パターンの類型化とそれに応じた戦略が重要であることを議論する。また、今後、再生可能エネルギーの導入や製品の使用形態が与える影響についても考察する。</p>