著者
高橋 健
出版者
東京大学
雑誌
東京大学考古学研究室研究紀要 (ISSN:02873850)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.83-137, 2001-03-05

In the first half of the Epi-Jomon period, a great variety of harpoonheads were used in Hokkaido. They were often decorated and buried in graves. This article tries to establish their classification and chronological sequence and consider their genealogy. Harpoonheads are classified by the way they are hafted, and the resistance they generate in the body of the target. These two points have often been confused, but they should be treated separately. When classifying according to resistance, harpoonheads are usually classified into barbed harpoonheads and toggle harpoonheads. The criteria for this classification have been unclear, but in this article harpoonheads meeting the following criteria are classified as toggle harpoonheads: 1. The tension of the line and the resistance the harpoonhead meet in the target produce a moment of force which rotates the harpoonhead. 2. Spurs or barbs are located in the rear of the line hole or the line groove. Epi-Jomon harpoonheads are classified into five categories: No.1, male-barbed; No.2, female-closed socket-barbed; No.3, female-closed socket-toggle; No.4, female-open socket-toggle (line also used for lashing the shaft or the foreshaft); No.5, female-open socket-toggle (line not used for lashing the shaft or the foreshaft) (Table 1). This article examines harpoonheads found in 26 Epi-Jomon sites (Fig.6, Table 2). No.4 harpoonheads are the traditional form common in prehistoric Hokkaido. No.5 harpoonheads are rare and exceptional in the Epi-Jomon period. This article discusses mainly No.1-No.3 harpoonheads, which existed in large numbers in the Epi-Jomon period, particularly in the first half, but did not exist in the preceding Jomon period or the succeeding Satsumon period. A chronological sequence was established by using a great variety of No.3 specimens from southern Hokkaido, especially the sites around the Funka-wan Bay. They are classified into Group A (Fig.8) and Group B (Fig.9, 10) by the shapes of the cross sections of their bodies, and the latter are subdivided into four groups (B0---B3) by the shapes and positions of their line holes. Using the available stratifical data, three stages are provisionally established: Minami-Usu 6 site strata VI stage, Usumoshiri site shell midden stage, and Usumoshiri site grave No.4 stage (Fig.11). They correspond to Group A, Groups B0/B1, and Groups B2/B3. These stages belong to the second half of the Esan culture, which is almost equivalent to the first half of the Epi-Jomon period in southern Hokkaido. This writer agrees with the widely-held view that No.3 harpoonheads originated from the Tohoku region. No.1 harpoonheads (Fig.15-17) were already widespread in the beginning of the Epi-Jomon period and can be found at Usumoshiri site grave No.4 stage. They are generally considered to be of Tohoku origin but the possibility that they originated north of Hokkaido cannot be denied. No.2 harpoonheads are unique to the Esan culture. There are no harpoonheads resembling them in the neighboring region, and the genealogy of these harpoonheads has been much discussed. They are classified into Group A with sharp points (Fig.18-20, Fig.21-5----10, Fig.22-6---9) and Group B with spoon-like heads for putting on end blades (Fig.21-1----4, Fig.22-1---5, Fig.23). Group A appeared in Minami-Usu 6 site strata VI stage, while Group B appeared in Usumoshiri site grave No.4 stage. This article concludes that, with regard to No.2 harpoonheads, Group A evolved under the influence of No.1 harpoonheads (barbed) and No.3 harpoonheads (closed socket) during the Esan culture, to be later followed by Group B.
著者
秋山 光和
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1969

博士論文
著者
粟崎 健
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

完全変態昆虫であるショウジョウバエの脳神経系では、変態期において神経細胞は死なずにその神経回路のみをダイナミックに再編成していることが知られている。本研究では、こうした神経回路の再編成と一酸化酸素シグナルの関係に注目して、その関連の解明をめざした。本年度実施した研究により、以下のことが明らかになった。1)変態期6時間目より幼虫シナプスの崩壊がはじまり、変態期24時間目までに脳全体のほとんどのシナプスが失われる。2)ショウジョウバエ脳には4つの一酸化窒素を産生する神経分泌細胞が存在しており、これらの細胞は神経線維を脳本体のニューロピル全体、ならびに胸腹部神経節に沿って伸長させている。3)一酸化窒素産生神経細胞の神経線維上には一酸化窒素産生酵素を集積したこぶ上の構造体が散在している。4)変態期に入ると一酸化窒素産生神経細胞の神経線維上にある、一酸化窒素産生酵素を集積したこぶ上構造体が著しく減少する。5)変態期に入っても、脳中枢神経系の細胞は一酸化窒素に対する応答性を維持し続ける。以上は、一酸化窒素産生能の低下と幼虫神経回路の崩壊が関連していることを示唆した。さらに、この関連を薬理的に調べるために、培養により幼虫キノコ体神経回路の崩壊を解析できる系を構築した。また、一酸化窒素産生酵素をコードする遺伝子を細胞特異的にノックダウンする系ならびに、一酸化窒素産生神経細胞を除去する系を構築した。
著者
太田 匡彦
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本年度も、地方公共団体が公的扶助を負う意味に関する研究を進めた。第1に、公的扶助事務の一部であるケースワーク活動を行政指導論の分析枠組みの中で位置づける試みを行った。その際、むしろ行政指導の分析枠組みを改めて考えて、行政指導を行政指導たらしめるコンテクストの分析を行う必要とその際に多極的な利益構造を考慮する必要を意識すると同時に、ケースワークは敢えて利益構造を単純化させ行政と被保護者の二極関係と考えることに意味があることを認識した。第2に、従来のいわゆる「三位一体改革」や現下の地方分権推進改革などの動きも踏まえながら、公的扶助活動の社会保障全体における位置付けとそれを担当する団体のあり方を検討した。公的扶助が自由な政治社会を成立させるために基礎的な(原始的な)社会保障として必ず用意されねばならないこと、国と地方公共団体の分担については、単純なナショナルミニマム論ではこの問題を制御しきれず、シャウプ勧告に基づく分離型と利益帰属の観点からの分担型との間の整序が必要なこと、その際には一般的な財政法・行政法原理を踏まえなければ制度の透明性を欠く危険が高まることを認識した。第3に、地方公共団体の公的扶助を規律する生活保護法が、住民に対するサービスではなく、住民か否かを問わずサービスを地方公共団体に義務付けることを意識した作りになっていることを踏まえ、地方公共団体の住民であることの要件である住所規定の意義を改めて考える必要があること、これが近時ホームレスの住所の問題を考える基礎を提供すること、この観点から見ると地方公共団体は開放的強制加入団体ともいうべき性格を示し、このことを踏まえて地方公共団体の公的扶助活動を位置付けねばならないことを認識した。以上の結果のうち、第2の成果については、ジュリスト2008年5月1・15日合併号と6月1日号に、第3の成果については月刊地方自治2008年6月号に公表される予定である。第1の成果についても平成20年度中にはある論文集の一編として公表される予定である。
著者
中村 尚史
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.13-34, 2007-03-09

本論では, 日露戦後期の電鉄企業による不動産事業の展開過程を, 小林一三がひきいる箕面有馬電気軌道の事例に注目しながら検討した.日本における電鉄企業の不動産事業の特徴は, 線路用地買収と前後して停車場建設予定地付近に広大な土地を取得しておき, 鉄道開業後に宅地造成と住宅建設を行って分譲するという点にある.このビジネス・モデルが成功するためには, (1)住宅用地の買収能力と(2)分譲住宅の販売能力に加えて, (3)広大な未開発地を長期間寝かせておける資金力が必要である.箕面有馬電気軌道は, このうち(1)については沿線地域の有力者を代理人する共有地や民有地の買収で, (2)についてはPR誌等を活用した沿線地域のイメージ・アップ戦略と月賦販売による新中間層への売り込みによって, さらに(3)については電鉄業の社会的信用と株式現物商の機動力を活用した低利の社債募集によって, それぞれ解決することに成功する.こうして同社は, 電鉄企業による不動産経営の開拓者となった.
著者
下出 積與
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1975

博士論文
著者
堀 一郎
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1953

博士論文
著者
廣井 賀子
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文
著者
水谷 英二 長友 啓明 若山 照彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

核移植技術では核そのものを操作するが、それよりも小さな単位、すなわち染色体を操作するための技術開発を試みた。特定の染色体をラベルするためsuntag systemを使用し、ES細胞中のY染色体をラベルすることに成功し任意の染色体をラベルできる可能性を示した。また胚の染色体を分散させることで、生きた胚間での染色体移植が可能であることを示した。しかしながら、胚において特定染色体をラベルして操作するには至らなかった。加えて、染色体操作の使用が想定される絶滅危惧種において、個体を傷つけずに採取可能な尿中に含まれる極わずかな細胞から、クローン個体およびntES細胞株が樹立可能であることを示した。
著者
笹山 晴生
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1989

博士論文
著者
黄 士軒
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2014

学位の種別:課程博士

1 0 0 0 OA 大日本史料

著者
東京大学史料編纂所 編
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
vol.第12編之20, 1918