著者
池尾 玲子
出版者
東京経済大学
雑誌
コミュニケーション科学 (ISSN:1340587X)
巻号頁・発行日
no.26, pp.51-72, 2007-03-21

The use of evaluative expressions in the text does not only reflect the speaker/writer's attitude and viewpoint but also a value-system of the community which the speaker/writer belongs to. Awareness of an evaluative function of language can help mature learners to interpret the speaker/writer's intention and attitude behind the text. In this study, the concept of evaluation is applied to a second language reading class. Comparing lead paragraphs of four different newspaper articles on the same topic helped students who had very little or no experience in linguistic analysis to identify value-laden expressions. Reading a short passage about the same issue also enabled the students to predict the meaning of unknown words and expressions. The comparing process motivated the students to choose one article over others and promoted further reading of the text. The study also revealed inexperienced learners' misconceptions that if a newspaper article had fewer evaluative expressions the article kept an objective point of view and that certain media discourse could be free from the reporter's opinions.

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著者
長岡 克行
出版者
東京経済大学
雑誌
東京経大学会誌. 経営学 (ISSN:13486411)
巻号頁・発行日
no.268, pp.3-18, 2010-11-10
著者
中川 知佳子
出版者
東京経済大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、言語情報から構築される概念の記憶の比較を通し、第一言語と第二言語の理解プロセスの相違点を明らかにしようとするものである。例えば I don’t like that animal because it bit me when I was a child. という文の場合、dogという表象が構築されると想定される。日本人EFL学習者を対象として、日本語と英語のマテリアルを使用した語彙性判断課題を実施した結果、英語読解では明示ターゲットと推論ターゲット間に有意差がなく、オンラインでの推論が起こっていたことを示す結果となっていたが、日本語読解は全てのターゲット間に有意差がないことが示された。
著者
小松 雄一郎
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は矢作(2007)が提示した小売国際化プロセスの現地化段階での戦略の4類型の1つである、新規業態開発志向戦略の先駆的事例であるウォルマートのメキシコ進出事例を検討することによって、進出時の環境適応に加えて、進出後の創造的連続適応を経て新規業態を開発する「創造的な連続適応型新規業態開発志向戦略」という新たな戦略パターンを追加した上で、新たに提示された戦略パターンによって確立された新興市場向け小売業態がブラジル、アルゼンチン、中米地峡諸国へ移転されるプロセスを現地調査に基づいて明らかにした。
著者
北村 智 橋元 良明 是永 論 辻 大介 木村 忠正 森 康俊 小笠原 盛浩
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、現代における情報行動の変容について、加齢効果・時代効果・コーホート効果を弁別して明らかにすることを目的とした。2015年に「日本人の情報行動」調査を実施し、2005年調査および2010年調査のデータと合わせて分析を行なった。分析の結果、テレビ視聴時間に関しては、有意な年齢効果と世代効果は確認されたが、時代効果は認められなかった。インターネット利用時間においては、PCインターネット利用時間に関しては2005年から2010年にかけて増加する時代効果のみが確認された一方、モバイル・インターネット利用時間に関して世代効果と一貫して増加を示す時代効果が認められた。
著者
吉井 博明 松田 美佐 羽渕 一代 土橋 臣吾 石井 健一 辻 泉 三上 俊治
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

日韓台の携帯電話及びインターネットの利用実態を調査した結果、日韓台ともにほぼ同じ頃に急速に普及したという点では同じであるが、その利用形態には大きな違いがみられることを実証することができた。また、これらの通信メディアの使い分けは、各国・地域のコミュニケーション文化を色濃く反映する「通信文化」と呼ぶべきものが存在し、それに強く規定されていることがわかった。たとえば、韓国では、携帯電話を通話に使うことが非常に多く、日本では通話よりメールがよく使われている。この背景には、親しい人への連絡手段の選択に際して、相手が置かれている状況への配慮をどの程度すべきかというコミュニケーション文化の違いがある。韓国の場合は、「ウリ」と呼ばれる親しい集団の間では、遠慮をすることがあってはならないという文化があり、通信手段の選択に関しても遠慮しないことが求められ、その結果、リッチネスが高いメディアである、通話が積極的に使われる。これに対して日本では、親しい人への連絡に際しても、相手への配慮を欠いてはいけないとする「抑制」のコミュニケーション文化があり、このためメールが多用されるのである。また、日台の携帯電話利用の比較をしてみると、もっとも大きな違いは、利用の効用として「家族とのコミュニケーションが増えた」ことをあげる人の割合が日本では少ないのに対して、台湾では非常に多いことがあげられる。携帯電話利用がその社会でもっとも親しい集団の凝集力を強化する働きがあるという点では共通しているが、それがどの集団化ということになると、台湾では家族であり、日本ではふだんよく会う友人集団、韓国では「ウリ」という仲間集団ということになるのである。以上述べたように、日韓台の比較調査により、それぞれの国や地域に固有な通信文化が存在し、それが携帯電話を含む通信メディアの使い分けを規定していることがわかった。
著者
釜江 廣志 皆木 健男
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

近年の国債先物の取引市場の効率性については、ボラティリティの非対称性の検証をすることも併せて、頻度の高いデータによって分析を行うと、取引に関する新たな情報として取引量とスプレッドが国債先物価格に影響を与えている。またボラティリティが高い状況や低い状況がそれぞれしばらく持続する。これらのことから市場の非効率性が存在していると判定することができた。
著者
釜江 廣志 秋森 弘 皆木 健男
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

明治から昭和戦前期までの国債・地方債・社債の各市場を取り上げ、とりわけ引受シ団(引受シンジケート)との関わりを中心にこれらの市場がどのように変遷してきたか、また、特に国債のうち戦前の甲号 5 分利債などの主要銘柄と戦後の国債の取引において市場の効率性が実現していたかを検証し、効率性が認められないことを示した。併せて、マクロ経済の動向と国債現存額がイールド・カーブの形状に与える影響を分析し、最近のイールド・カーブのスティープ化を引き起こした要因を考察するとともに、東京証券取引所の長期国債先物市場における流動性と取引コスト,取引リスクの関係について分析した。
著者
新正 裕尚 折橋 裕二 安田 敦
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

スラブ融解メルトとマントルかんらん岩の反応について理解を深めることを目的として,スラブ融解に関連すると考えられる高温の沈み込みがあった場所の火成岩の研究と,高温高圧実験による研究を行なった.そして以下のような成果があった.(1)マントル最上部に相当する1GPaの条件下でカンラン石とデイサイト質メルトとの反応実験を行なった.そして実験生成物の微量元素組成をレーザーアブレーションICP質量分析計(L、A・ICP・MS)を用いて測定した.50μm径を超える斜方輝石および単斜輝石を成長させることに成功し,斜方輝石および単斜輝石とデイサイト質メルト間の分配係数をおよそ25元素について決定した.斜方輝石については,軽希土類をはじめとする液相濃集元素の珪長質メルトに対する分配係数が苦鉄質メルトより大きいという従来指摘されていた組成依存性に反して,苦鉄質メルトと差がない分配係数を得た.(2)高温の四国海盆の沈み込みに関連した,西南日本弧の海溝寄り地域の中新世火成岩について研究を行なった.ザクロ石が安定な高圧下での融解により形成された珪長質火成岩が広域的に分布することを見出すとともに,海溝に近接した場所での大量のS-type花こう岩質マグマの成因について議論した.(3)南米アンデス弧の中でも,Chile Riseの沈み込む場所に近接する,Southern Volcanic Zoneの第四紀フロント火山の全岩化学組成の島弧伸長方向の変化傾向について研究を行い,火山弧下のスラブ年齢が古くなるにつれて,沈み込む堆積物由来成分のマグマソースへの寄与が大きくなることを明らかにした.(4)ジルコンをはじめとする鉱物のレーザーアブレーションICP質量分析法による微小領域分析について鉱物間の分配係数の決定や年代測定法について成果があった.