著者
永松 義博
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.341-346, 1990-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
2
被引用文献数
5

社会福祉に対する関心が高まり, 街路空間, 歩行空間等の改善にもみられるように地域環境も整備されつつある。しかし視覚障害者にとっての配慮はまだ完全とはいえない。本研究では彼らの生活行動圏を拡大し, 単独歩行を可能とする都市環境形成の計画指針を得ることを目的とし, 盲人施設を対象に日常生活での利用施設, 視覚障害者対策設備の利用, 点字ブロック, 音響信号機に関する意識調査を実施した。日常生活では商業施設への利用が高く, 次いで文化教育施設である。公共施設では市役所, 福祉事務所等の訪問度が高い。視覚障害者が横断歩道を見つけるための手段として, 音響信号機点字ブロックといった設備が重要な役割を果たしている。
著者
中島 卯三郎
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-16, 1950-09-30 (Released:2011-04-13)
被引用文献数
1 1
著者
福田 明人 青木 司光
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.32-44, 1977-01-15 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
鈴木 誠
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.13-18, 1992-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
3

長崎出島オランダ商館の庭園は実態記録の残るわが国初の西洋式庭園と考えられる。長崎出島オランダ商館の庭園は実態記録の残るわが国初の西洋式庭園と考えられる。この庭園の時代毎の形態について, 出島の図絵類70余点を基に調査研究した。その結果, 庭園の成立から終焉までは6つの時代に分けられた。その時代と特徴はそれぞれ,(1) 出島庭園成立初期 (17世紀中頃),(2) 西洋式整形庭園前期 (17世紀末~18世紀中頃),(3) 西洋式整形庭園後期 (18世紀中頃~19世紀初頭),(4) 整形式から自然風景式への移行期 (1829~1847年頃),(5) 自然風景式庭園期 (19世紀中頃),(6) 出島庭園終焉期 (1854~1858年) と呼ぶことができた。なおこの変遷は, 西洋造園史の潮流である, 整形式から自然風景式への流れとも時代的に少し遅れて対応していた。
著者
西村 公宏
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.19-24, 1988-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
22

大正後期から昭和初期にかけての, 中流階級を対象とした郊外住宅の競技設計に提出された住宅平面図には, 庭園が描かれてあるものがあり, その庭園は実用本位の庭園であった。この傾向はほぼ一貫しており, その根拠としては, 当初, 生活改善運動の一環として注目された実用庭園が, 不況から戦時下へと進む当時の日本の状況を許容するものであったことがあげられるであろう。
著者
永松 義博
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.346-352, 1993-03-26 (Released:2011-07-19)
参考文献数
3

九州地方に残つている古庭園 (上古~江戸時代までの226庭園) の現地調査を実施して, 造園手法の特徴について調査した。多くの庭園は江戸時代の中, 末期に造られており, 上級武士, 藩主所有の庭園が極めて多く存在している。その背景には産業交通の発達, 参勤交代の制による文化の興隆があったと考えられる。九州地方には庭園が集団として残る13地区があり, その庭園群区にそれぞれの特徴をみることができた。庭園様式では, 池泉回遊, 池泉定視の様式をもつた池庭が多い。池泉への導水は (1) 山畔を利用 (2) クリークを利用 (3) 河川を利用 (4) 伏流水を利用 (5) 湧水利用の手法が採られている。枯山水式の庭園は, 特に沖縄と鹿児島地方にみられ, この様式は江戸時代に出現している。
著者
河原 武敏
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.7-12, 1982-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
11

古典文学に描写された庭園の様々な姿を抽出し, 史書による研究を補完あるため, この研究は藤原道長の榮華を中心に書かれた「榮花物語」40巻を対象とした。抜き出された庭園数は16, 描写文は63で今回の (1) は「殿」名の付いた上御門殿等7庭園39文を修景・供用・管理の面から考察し, 庭園施設の光・音i・色による修景効果, 各種の積極的な庭園供用の実態, 維持管理の有様など寝殿造り庭園の様相を更に深く浮き彫りにした。
著者
坂口 次郎 鈴木 雅和
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.247-252, 1993-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
2

筑波研究学園都市の街路樹は, 緑量の増加と樹冠の一体化を意図して2本立植栽がなされ, 植栽デザインとして特徴的である。しかし, 植栽後約20年経過して観察すると, 必ずしも当初のデザイン意図どおりの効果を達成していないものも見られる。本研究はそれら街路樹に関する活力度調査および視覚的評価によりデザイン意図と成果の検証を行うことによって, 植栽デザインの方法論を考察したものである。その結果, ユリノキ, アメリカフウではデザイン意図を達成しているが, トウカエデ, シラカシ, エンジュでは達成していないことがわかった。今後, 植栽デザインにおいて樹木の経年的変化と管理方法を考慮する必要性が明らかになった。
著者
吉川 需
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.7-20, 1950-03-31 (Released:2011-04-13)
参考文献数
17
著者
山田 晋 大久保 悟 北川 淑子 武内 和彦
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.49, 2007

水田面積の減少が顕著な大都市圏では,全国的には水田で普通に生育する種の希少化が深刻で,とくに水稲作に強く依存して生育する種(水田農業依存種と定義)を保全する必要性が高まっている。本研究では,耕起管理と代かき管理を,耕作放棄水田で4年間実施した。集約化が進んでいない水稲作地や,耕作放棄地で水稲作が再開された場合と比較しながら,各管理による成立植生の特徴を把握し,代かきや耕起が,水田雑草群落や,そのなかの1種群である水田農業依存種の維持に対し有効か検討した。耕起管理区における水田農業依存種数は,管理年次とともに減少した。一方,代かき管理区では,その種数は概ね維持され,復元水田と類似した。代かき管理は水田農業依存種を少なくとも4年間の期間内維持する点で,有効な管理手法と判断された。
著者
宮本 克己
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.397-402, 1993-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
26
被引用文献数
1 9

戦前の過大都市抑制思想を引継ぎ, 戦後混乱期の暫定的な意味をも含み設定された東京の緑地地域は, 終戦直後の混乱期, まず自作農創設事業との調整から始まり, その後幾多の難題をかかえながら, 大小の区域変更を繰り返えし, 首都圏計画の動向に対応しつつ紆余曲折を経て今日に至っている。本稿は, その経過を明らかにしようとするものであり, 緑地地域が漸次解除されて行くその時々で激しく繰りひろげられた議論とその背景を仔細に検討するものである。緑地地域をとりまく周辺の種々の計画との関連において, 緑地地域がいかなる意味を有していたのか, ここに改めて考察しようとするものである。
著者
朝倉 真一 野嶋 政和
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録 平成15年度日本造園学会全国大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2003 (Released:2003-09-01)

本論は、地域コミュニティ活性化を目的としたフリーマーケットについて、京都市内の3つの事例を挙げ、構成主体(空間管理者・主催者・出店者・利用者)の認識を通じてその特性を明らかにし、今後の課題を検討した。その結果、出店者・利用者はフリーマーケットのコミュニケーション・レクリエーションの場としての意味を共有する関係にあり、その中で一般市民・素人の出店が重要な役割を担っていること、そしてこうした特性を支えるためには、既存の露店組合等による管理とは異なる幅広い出店者層の受入れと、管理運営や出店者構成における地域横断的な出店者ネットワークの活用、地域組織等の地域資源の活用が重要であることが明らかになった。
著者
中村 一
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.43-48, 1984-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1

世界の国立公園が創設された年を国別に調べて分析した。また, 創設の背後にある政治経済的諸条件を概観することによって, 国立公園成立の歴史的類型を8つ取り出した。さらに, これらの類型の形成に関係すると考えられるナショナリズム, 観光, 自然保護の三契機を見出した。これらの類型は, 世界の国立公園の歴史的性格を説明する上で有用と考えられる。その類型のひとつとしてのファシズム型の適用を日本の場合について検討した。
著者
大石 智広 稲垣 栄洋 高橋 智紀 松野 和夫 山本 徳司 栗田 英治
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.95, 2009

グリーンツーリズムの対象を示すため,景観の選好性や景観を見たときの印象,景観から想起される仮想行動を調査した。茶園は成人女性と女の子に好まれ,リラックスした体験が適すると考えられた。ミカン園は成人女性と子供が好んだ。森林は成人男性と子供に好まれ,音や景色を静かに楽しむ体験が適した。牧場は多くの人に好まれ,行動を伴う様々な体験が適した。成人女性は広々とした景観を好み,成人男性は自然的な景観を好んだ。多くの人は仮想行動が多く想起される景観を好んだ。特に子供は,飲食行動が想起される景観を好んだ。以上のことから農業景観に適したグリーンツーリズムの対象が示された。農業景観をグリーンツーリズムに効果的に活用するには,景観の好みや景観を見たときの印象や起こしたくなる行動を把握することが重要である。