著者
酒井 敏 梅谷 和弘 飯澤 功 伊藤 文 小野 耕作 矢島 新 飴村 尚起 森永 修司
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.337-351, 2009-05-31

ヒートアイランド現象など都市の熱環境を観測するための多点観測システムを開発した.都市部での観測では設置場所などの制約が大きく,小型軽量の観測機材が求められる.特に,熱的な応答を調べるために必要な放射計は,従来かなり大掛かりで都市部での観測は困難であった.ここでは,気温測定などのための基本的な温度センサに加えて,これらの放射に関するセンサを含め,市販の安価な部品を使って製作し,従来の熱環境を観測するシステムとほぼ同等の精度を有することを示す.
著者
河野 仁 渡邊 さつき 岩井 恒敬
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.589-600, 2010-08-31

大気拡散予測に必要な都市下層大気の安定度を得るため,姫路市街地で高さ72mのタワーを使って気温の鉛直分布を1年間測定した.これと並行して建物の屋上で表面温度を測定した.また,夏と秋に各1日,係留気球を使い,地上から270mの高さまで気温を測定した.その結果,次のことがわかった.昼間,下層大気の温位勾配は不安定となり,高さ18mと70mの間の温位減率は夏に大きく,強不安定となり,冬にはやや小さくなる.夜間,地上から建物高さの2〜3倍までの温位勾配は中立に近くなる.この中立層の成因には,ラフネスサブレーヤに生じる強いメカニカル乱流が作用していると考えられる.また,夏の夜間は建物屋上表面温度が気温よりも高い状態が明け方まで持続しており,これも明け方まで中立か弱い不安定状態が残っている原因と考えられる.都市上空に存在する夜間の安定層は年間を通して出現し,安定層の温位勾配は冬季に大きい.その底面高度は建物高さの2〜3倍付近にある.下層大気の2高度(地上18mと70m)の温位差とバルク式表現である建物屋上表面温度と基準高さ(地面からの高さ18m)の温位差に関して,不安定から中立大気状態にかけて高い相関が得られた.この結果は下層大気の安定度の推定に利用できると考えられる.
著者
菅原 広史 近藤 純正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.813-818, 1995-12-31
被引用文献数
7 10

都市の各種地表面について,熱収支モデルを用いて地表面温度と気象条件,地表面のパラメータとの関係について調べた.気象条件では日射量が地表面温度に与える影響は大きく,建物の日陰の地表面温度は日向と比べてかなり低い.一方,気温や大気の比湿は地表面温度にあまり影響を与えないことがわかった.都市と郊外(アスファルト面と芝生面)を比較すると地表面温度には地表面の湿潤度が最も大きな影響を与えている.また地中の熱物理係数は地表面温度の位相,振幅を変化させ,場合によっては日中にクールアイランドが形成される可能性があることを示した.
著者
近藤 純正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.165-170, 2012-03-31
被引用文献数
2
著者
岩坂 泰信
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.597-602, 2013-07-31