著者
黒田 重徳 小山 喜久二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.503, pp.197-205, 1994-11-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

ダム貯水池に浮遊する流木は発電等の取水支障や水の流れの妨げにもなるため, 日頃から流木を貯水池から引き揚げて処理・処分することはダム保守管理の重要な業務の一つである. しかし, この処理・処分にはたいへんな費用を伴うため苦慮しているダムは数多い. そこで, 本文では, これらの流木を再資源化して有効利用する方法の一つとして, 流木の特性に着目した木炭化による再資源化利用を提案する.
著者
星野 裕司 篠原 修
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.317-326, 1995-08-31 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

魅力ある落水表情は河川景観において重要な役割を担っている。しかし河川横断構造物では設計からそれが考慮されることは稀であり、人工の滝のデザインでも経験に基づくのみで水理学的な考察が欠如している。そこで本論は、自由落下型の落水を対象として、現実表情の観察による落水表情の分類、既存の水理学経験式等の適用による規定要因の考察、予測と現実表情との比較を通して、落水表情の予測、制御が可能となるデザイン方法論を提示した。以上のように本論は、水理学上の新たな知見を得るものではないが、落水現象を景観的視点から全体的に把握し、水理学上の理論をデザイン方法論へ統合したことに意義があると考えている。
著者
逢澤 正行 篠原 修
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.593, pp.105-115, 1998-05-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

自由乱流の重力噴流に属する自由落下型落水表情と壁面乱流の開水路急変流に属する越流型落水表情の両者について, レイノルズ数の連続的変化に伴う自由表面の断続的形態変化が, 自由表面の安定問題となる第1領域, 遷移領域である第2領域, 全体が乱れる第3領域の不連続な3領域に区分できることを実験的に求め, その境界値を無次元量によって示した. また, 第1領域において, 自由表面の安定問題が微小擾乱の成長問題となり, 自由落下型の場合には表面張力が, 越流型の場合には重力が, 微小擾乱に対抗する復元力として作用することを示した.
著者
秋山 哲男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.518, pp.55-67, 1995-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
47
被引用文献数
2 2

高齢者・障害者専用の交通手段のスペシャルトランスポートサービス (STサービス) を対象とし公共交通でのSTサービスの役割とそのカバーすべき範囲を明確にし, わが国においてSTサービスの位置づけ, 整備の考え方, 公共交通における役割, 整備の方向を示すことを目的とした. 第一に既存の公共交通サービスが高齢者・障害者のモビリティをどこまでカバーし, STサービスとタクシー, マストラとの交通手段分担がどのようになるのかについて論ずる. 第二に, STサービスはどの程度の需要が見込まれ, どのような階層にサービスを提供するのかを示す. 第三にSTサービスの運営組織, スケジューリング, システム化の方法について示し. 最後にわが国のSTサービスの課題と展望を示す.
著者
福岡 捷二 渡邊 明英 關 浩太郎 栗栖 大輔 時岡 利和
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.740, pp.31-44, 2003-08-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
10
被引用文献数
2

我が国の洪水流は, 洪水位上昇時の時間変化率が大きい特徴を持っている. さらに, 大河川中下流域の河道横断面形状は低水路と高水敷からなる複断面形が採用されている. このことは複断面河道における洪水流の水理現象は, 洪水ごと, 河川ごとさらには, 河川の区間ごとに異なることを示しており, 複断面河道の洪水流を深く理解することが必要である. 本文では, 複断面河道における洪水流の非定常水理現象に焦点を当て, 洪水流の水理現象のうち, 特に河道内における貯留に及ぼす河道特性と洪水流特性の影響について詳細に検討した. これより, 洪水流の非定常性, 河道の平面形, 横断形などの断面形状および下流端条件が, 洪水流の流下に与える影響を明らかにし, 洪水流の河道内「貯留」の評価を行い, 今後の治水計画の新しい方向性を示した.
著者
野田 茂 能島 暢呂 細井 由彦 上月 康則
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.556, pp.209-225, 1997-01-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
25
被引用文献数
1

1995年兵庫県南部地震は都市機能を支えるライフラインに多大な被害を与えた. ライフライン被害の相互連鎖は, 既往の震災事例をはるかに超え, 明らかに質の異なるものとなった. 本報告では, 断水が他のライフライン (電気, ガス, 下水道) や医療機関の機能および消火活動や廃棄物焼却施設などに及ぼした影響について述べる. 差し水によるガスの復旧の遅れ, 冷却水や工業用水道の供給停止による発電などへの影響や消火用水の多様な確保策がわかった. さらに, 意外に少なかった通電火災, 復電による通水の状況, 水道の回復が下水道の機能に与えた影響や医療に不可欠な水道の役割などが定量的に明らかになった.
著者
天野 耕二 牧田 和也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究 (ISSN:09150390)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.253-259, 1998-10-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14
被引用文献数
3 1

It has become significant to illustrate the environmental load emissions and the costs by waste recycling system, and to improve the actual recycling processes in various industries. Objective of this study is to evaluate the carbon dioxide emission and costs in the construction processes of new and recycled pavement. Three kinds of materials (asphalt, cement, and aggregate) are put into road building. We reached the recycling effects in the carbon dioxide emission and construction costs by applying these materials to some model cases of the traffic volume. The following results were obtained in this study.(1) Recycling of pavement waste asphalt is effective for reducing 56% of carbon dioxide emission.(2) Recycling of pavement waste aggregate increases carbon dioxide emission but it is greatly effective for saving resources consumption.(3) While the recycled asphalt pavement is expected to have some advantages in reducing carbon dioxide emission and construction costs, it was founded the recycled concrete pavement to increase carbon dioxide emission and construction costs.
著者
根橋 直人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.349-354, 1993-06-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
5

辰巳用水 (1632・寛永9年完), 玉川上水 (1654・承応3年完) と共に江戸時代の三大用水と称された深良用水 (通称箱根用水, 1670・寛文10年完) の概要と, 後年同用水の水争いの逆川事件とその主謀者須永伝蔵の概略について述べる。
著者
松尾 稔 木村 稔 西尾 良治 安藤 裕
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.547, pp.199-210, 1996-09-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
10
被引用文献数
5 7

建設発生土を地盤改良材 (サンドコンパクションパィルなどの中詰め材) として再利用できれば, 環境問題解決の有効策として期待できる. 本論文で示す基礎的研究では, 建設発生土による地盤改良が施工された状況を想定して室内実験および数値解析を行い, 施工時に発生する過剰間隙水圧消散後の強度増加が実際に起こること, またそれが盛土荷重による強度増加とは独立に生じることを示した. さらに, プラスチックボードドレーンを任意位置に配置した場合の計算方法について, 模型実験と解析を通じて検討した.
著者
土田 孝 湯 怡新
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.596, pp.295-306, 1998-06-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
5 2

地盤の不均一性を考慮したモンテカルロシミュレーションを行い, 初期建設費や破壊確率, 破壊時のコストを計算して, 期待総建設費を最小にするという観点から設計に用いるべき最適な安全率について検討した.港湾構造物の円弧すべり解析における最適な安全率は, 構造物の重要度, 地盤の不均一性や定数の信頼度および施工条件によって変わることを示した. 重力式岸壁及び矢板式岸壁の場合, 最適な安全率Fopt, は被災額率nと地盤強度定数のばらつき指標Vによって, 経験的にFopt=1.05+0.85(1+log10n)Vで表される.
著者
Ryota NISHIGUCHI Shunsuke TAGATA Kentaro KAGEYAMA Norihiro IZUMI Masato SEKINE
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
Journal of JSCE (ISSN:21875103)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.430-442, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
15

This paper presents the inverse analysis of boundary conditions and parameters of river flow. The adjoint variable method is adopted for data assimilation for weather forecasting and is found to improve forecasting accuracy. The adjoint equation and sensitivity were derived for one-dimensional unsteady flow, a numerical simulation method was illustrated, and the applicability of the method to an actual river was verified. Data assimilation using multi-point water gauges successfully estimated discharge at any point and the accuracy changed with the number of water gauges. In the case of a river channel network, the data assimilation results also showed high accuracy. Furthermore, the forecasting simulation using the assimilation results as initial values showed highly accurate predicted water levels up to two hours in advance. The data assimilation method was then applied for channel shape optimization. In the optimization of the channel shape, considering two cases of riverbed excavation and channel widening where the river water level was below the levee height, the inverse analysis was successfully applied to determine the optimized channel shape via one-time simulation.
著者
猿渡 亜由未 渡部 靖憲
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.16-20, 2009 (Released:2010-02-09)
参考文献数
9

Local surface deformations of the wave breaking jets were computed using a three-dimensional large eddy simulation. The typical counter-rotating vortices formed with the jet entrains the adjacent jet surface into inner fluid to penetrate the jet, forming a so-called finger jets. The tips of the fingers are fragmented into sprays. The breakup rate of the fingers and the volume fraction of the resulting sprays have also been statistically estimated in this paper. It has been found that local acceleration along the fingers determines the breakup rate as well as the fluid fraction.
著者
輪湖 建雄 土田 孝 松永 康男 濱本 晃一 岸田 隆夫 深沢 健
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.602, pp.35-52, 1998-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
22
被引用文献数
9 6

阪神・淡路大震災で被災した神戸港のケーソン式岸壁の復旧方法として背面固化による方法が考えられた. 特に嵩上げと耐震性向上を必要とする場合, 従来, 港湾・海洋環境での施工実績が乏しかった軽量混合処理土工法を, 港湾施設へ増粘剤等を用いないで水中施工で適用することが要求された. このため, 筆者らは室内試験・現場打設試験を行って課題を抽出し, それらを満たす施工システムを構築して本施工を実施した. その後, 追跡試験によりその妥当性を検証できた. こうした一連の課題解決方策は, 軽量混合処理土工法ばかりでなく, 他の固化処理工法を適用する上で役立つものと期待される.
著者
福住 隆二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.373, pp.148-150, 1986-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
6
著者
森 陽子 望月 清 樋口 輝久 馬場 俊介
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.45-57, 2004-06-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
50

Fuji-bashi, completed in 1915 over the Fuji River in Sizuoka Prefecture, is probably the longest span suspension bridge as well as only one railway suspension bridge in Japan before the World War II. However it's existence has been forgotten for a long time. The reason of oblivion will be as follows; that is, it was constructed by a private paper-manufacturing company, and it was used only four years until it was destructed in the stormy night with intent to save disaster. The purpose of this paper is to regain its reputation, and try to emphasize that Fuji-bashi is one of the important structures in the history of civil engineering of the modernized era in Japan. The paper contains lots of original data concerning its construction.
著者
瀬尾 和寛 安藤 良輔
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.973-980, 2006-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
13

本論文では、企業が自主的に取組むことが求められている通勤渋滞問題について、実態調査を行い、企業がどのようにして通勤渋滞問題に取組むべきかについて考察した。豊田都市交通研究所が立地している自動車産業都市・豊田市においても通勤渋滞問題が表面化し、解決策が模索されている。自動車産業都市における大規模な、都市交通に多大な影響を及ぼす企業は、都市計画、交通計画との連携を図りながら、通勤渋滞対策の方向性・戦略性を踏まえて取組むことが求められる中、有効な対策を検討する方向性をまとめた。

1 0 0 0 OA 鉄とさび

著者
堀 武男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.349, pp.105-109, 1984-09-20 (Released:2010-08-24)