著者
菊池 隼人 泉山 茂之
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:24338877)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.85-91, 2020-03-31

2016年6~10月に信州大学農学部附属AFC西駒演習林の標高1,480~2,470 m における地上性および樹上性の小型哺乳類相を調査した.地上性小型哺乳類は,8ヶ所の調査区において毎月捕獲調査を行い,生息種を確認した.樹上性小型哺乳類は,40ヶ所に設置した巣箱の利用状況および自動撮影カメラから生息種を確認した.地上性小型哺乳類は,齧歯目4種および食虫目2種の計6種を捕獲によって確認した.捕獲された種は,標高域によって異なった.樹上性小型哺乳類は,齧歯目4種を確認した.
著者
大宮 秀淑 松㟢 由莉 宮島 真貴
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学心理学紀要 = Bulletin of Faculty of Psychology Sapporo Gakuin University (ISSN:24341967)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-12, 2019-10-31

本研究は,前頭葉/実行機能プログラム(Frontal/Executive Program:FEP)を使用した介入によってMCIの認知機能に改善が認められるか否かを検討することを目的とする。対象は80代女性であり,認知機能に関して覚える事が苦手になったなど記憶力低下についての自覚があった。症例に対して1対1で週2回,1回約1時間ずつのFEPを22セッション行った。評価はMoCA-Jを用いてMCIと判断した上で,介入前後に統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J),ウィスコンシン・カード分類テスト(WCST)および持続的注意集中力検査(CPT)を実施した。結果として,介入前はBACS-Jにおいて言語流暢性および数字順列の成績低下が顕著であったが,介入後は総合得点,言語性記憶およびロンドン塔課題に大きな改善が認められた。WCSTやCPTの誤答数も減少し,MCIへのFEPの適用可能性が示唆された。他の精神疾患と比して,言語流暢性の改善が十分ではない特徴的な結果も得られた。今後は症例数の増加およびMCIの認知機能の特異性に関する検討が必要と考えられる。
著者
藤村 潤一郎 Jun'ichiro FUJIMURA
出版者
創価大学人文学会
雑誌
創価大学人文論集 (ISSN:09153365)
巻号頁・発行日
no.7, pp.26-79, 1995-03-01

私は天明七年御買上米一件について勘定組頭土山宗次郎などを通して飛脚問屋の動向をみた。本稿では天明初期の狂歌界の交遊を通して勘定奉行所関係者と三井江戸両替店関係者との動向をみ、併せて飛脚問屋の動向についても考えたい。成稿に当り宮崎修多「大田南畝における雅と俗」から教示をうけたが、所詮私は雅に疎く俗が主であり、かつ国文学の知識が乏しいので本稿は初歩的なものである。
著者
木越 隆
雑誌
研究紀要学習院高等科
巻号頁・発行日
no.4, pp.84-76, 1969-11-15
著者
山田 斗志希 上山 輝
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.89-101, 2017-03-15

本稿では,主として文献等による問題の抽出と分析を試みる。具体的には主として物語を有するコンテンツを取りあげるだけでなく,個人の考えが表明されている文献,インタビューやテレビ番組での発言なども対象とする。本稿では以下の3点について考察することを目的とする。1)「孤独」の意味における「状態」と「感覚」の関係2)メディア表現における「孤独」とネガティブなイメージの連想について3)「孤独」と「社会におけるコミュニケーション能力不足」の同一視について
著者
松原 朗
出版者
中國詩文研究會
雑誌
中國詩文論叢 (ISSN:02874342)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.37-79, 2018-12-31
著者
貝塚 典子
出版者
中國詩文研究會
雑誌
中國詩文論叢 (ISSN:02874342)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.119-134, 2018-12-31
著者
中野 淸
出版者
中國詩文研究會
雑誌
中國詩文論叢 (ISSN:02874342)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.135-139, 2018-12-31
著者
大村 敬一 Keiichi Omura
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.25-120, 2002-08-20

本論文の目的は,イヌイトの「伝統的な生態学的知識」に関してこれまでに行なわれてきた極北人類学の諸研究について検討し,伝統的な生態学的知識を記述,分析する際の問題点を浮き彫りにしたうえで,実践の理論をはじめ,「人類学の危機」を克服するために提示されているさまざまな理論を参考にしながら,従来の諸研究が陥ってしまった本質主義の陥穽から離脱するための方法論を考察することである。本論文では,まず,19世紀後半から今日にいたる極北人類学の諸研究の中で,イヌイトの知識と世界観がどのように描かれてきたのかを振り返り,その成果と問題点について検討する。特に本論文では,1970年代後半以来,今日にいたるまで展開されてきた伝統的な生態学的知識の諸研究に焦点をあて,それらの諸研究に次のような成果と問題点があることを明らかにする。従来の伝統的な生態学的知識の諸研究は,1970年代以前の民族科学研究の自文化中心主義的で普遍主義的な視点を修正し,イヌイトの視点からイヌイトの知識と世界観を把握する相対主義的な視点を提示するという成果をあげた。しかし一方で,これらの諸研究は,イヌイト個人が伝統的な生態学的知識を日常的な実践を通して絶え間なく再生産し,変化させつつあること忘却していたために,本質主義の陥穽に陥ってしまったのである。次に,このような伝統的な生態学的知識の諸研究の問題点を解決し,本質主義の陥穽から離脱するためには,どのような記述と分析の方法をとればよいのかを検討する。そして,実践の理論や戦術的リアリズムなど,本質主義を克服するために提示されている研究戦略を参考に,伝統的な生態学的知識を研究するための新たな分析モデルを模索する。特に本論文では実践の理論の立場に立つ人類学者の一人,ジーン・レイヴ(1995)が提案した分析モデルに注目し,その分析モデルに基づいて,人間と社会・文化の間に交わされるダイナミックな相互作用を統合的に把握する視点から伝統的な生態学的知識を再定義する。そして,この再定義に基づいて,伝統的な生態学的知識を記述して分析するための新たな分析モデルを提案し,さまざまな社会・文化的過程が縦横に交わる交差点として民族誌を再生させる試みを提示する。
著者
鈴木 佳代
出版者
北海道大学大学院教育学研究院教育福祉論研究グループ
雑誌
教育福祉研究 (ISSN:09196226)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.39-50, 2020-02-27

本稿ではまず、1990年代後半からの約20年間に起こった人口的・社会的・経済的な変化について述べる。次に、5年毎に実施される社会生活基本調査において、6歳未満の幼児を育てる夫婦の育児時間が過去20年で増加してきた点に注目し、子育てをとりまく環境の中で何が起こっているのかを分析し、考察する。