著者
萩原 廣 佐藤 剛 齊藤 初雄
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.43, pp.57-58, 1996-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
4

コムギから黒穂病の自然汚染圃場において8月末に熱水土壌消毒を実施したところ, 対照として実施したクロルピクリンくん蒸剤と同様に, 本病の土壌伝染に対して高い防除効果が得られた。
著者
植草 秀敏 岡本 昌広 草野 一敬
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.49, pp.23-29, 2002-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
6

熱水土壌処理および土壌還元処理を併用することにより, 深層部土壌に対する消毒効果を高めるための試験を行った。土壌還元処理のトマト萎凋病菌に対する影響を, コニカルチューブ内におけるモデル実験により調べた。その結果, フスマおよびショ糖を用いた土壌還元処理における菌密度低減効果は, 温度36℃以上, 土壌含水率20~25%以上, 処理期間144時間程度で認められた。フスマ熱水抽出液添加においても菌密度低減効果が認められた。淡色黒ボク土, 多腐植質黒ボク土, 灰色低地土において, 土壌還元処理による菌密度低減効果に差異はなかった。また, 汚染土壌を埋設した温室において両処理の併用試験を行い, 併用による効果が認められた。併用試験の結果はコニカルチューブを用いた試験結果とも一致した。両処理法の併用が土壌病害防除に有効であることが推察された。
著者
清水 啓 奈良部 孝 伊藤 賢治
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.44, pp.303-305, 1997-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
2

臭化メチルの代替技術として, 熱水土壌消毒の殺線虫効果について検討した。95℃の熱水をビニルマルチ被覆下に散水したところ, サツマイモネコブセンチュウ, キタネグサレセンチュウおよびダイズシストセンチュウは地表面下20cmではいずれも良く死滅したが, 40cmでは一部生存虫が認められた。ダイズ根粒菌に及ぼす影響は低かった。
著者
国安 克人 竹原 利明
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.39, pp.121-123, 1992-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
3

ホウレンソウの萎ちょう病発病圃場において熱水土壌消毒区からの Fusarium oxysporum の検出数は無消毒区に比し約1/100に低下し, 検出された F. oxysporum のうち病原菌の検出率は無消毒区48.7%, 消毒区29.3%であった。この結果から非病原性フザリウム菌が病原菌に比し耐熱性が高い傾向が認められた。
著者
西 和文 佐藤 剛 福田 徳治
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.39, pp.37-38, 1992-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
9

夏作ダイズの黒根腐病防除対策として熱水土壌消毒を実施したところ, その効果は次作コムギにも持続し, 立枯病の発生が抑制された。これは, 熱水土壌消毒の防除効果が, 目的とする病原菌だけでなく, 同一圃場内に混在している他の病原菌などにも及び, かつその効果が次作にも持続したためと考えられた。
著者
松村 美小夜 中野 智彦 小野 大吾 福井 俊男
出版者
The Kansai Plant Protection Society
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.1-8, 2005 (Released:2011-09-12)
参考文献数
8
被引用文献数
5 5

ホウレンソウケナガコナダニに対する数種土壌消毒法の効果を調査した。太陽熱消毒,蒸気消毒,熱水消毒,土壌還元消毒のいずれも土壌中のコナダニに対する防除効果は高かった。しかし,場合によっては処理時の地温上昇のむらによるハウス内でのコナダニの残存が生じたり,処理されていないハウス周辺部分でのコナダニの残存があり,長期にわたる防除効果の持続は期待できないと考えられた。経済性や実用性の面から,春期や秋期のコナダニ増加前の処理や多発時の緊急的な防除として,蒸気消毒の短時間処理の普及性が高いと思われた。