著者
大附 辰夫 佐藤政生 橘 昌良 鳥居 司郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.647-653, 1983-09-15

複合長方形領域を重複なく最小個の長方形に分割する問題を扱う.ここでは 複合長方形領域が中空部分(窓)を含んだり 複数個の連結成分から成っているような一般的な場合を考察する.分割手順は二つのアルゴリズムから成っている.1番目のアルゴリズムは 縮退していない複合長方形領域を最小個の長方形に分割するものである.同じXまたはY座標上の二つの凹点間が領域内であるとき 複合長方形領域は縮退しているといい そうでない場合には縮退していないという.2番目のアルゴリズムは 与えられた(縮退している)複合長方形領域を最適にいくつかの縮退していない複合長方形領域に分解するものである.複合長方形領域の頂点の数をnとすると 1番目のアルゴリズムの計算複雑度はO(n log n)となり 2番目のアルゴリズムはO(n^5/2)となることを報告する.ここで扱う問題は LSI のアートワーク処理 画像処理 図形データベースなどにおける基本的問題の一つである.
著者
粂野 文洋 小濱 裕太 新井 紀子
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.143-145, 2014-08-25

近年の Web サイト構築においては,コスト削減等の効果を狙い,Web に関する様々な機能があらかじめ提供されている Content Management System が利用されるケースが増えている.しかし,非常に多くの CMS が公開されており,その内容も多様であることから,ユーザの要求に合致した効果的な CMS を合理的に選択することは難しい状況となっている.本実践論文では合理的な CMS 選択を支援するためのユーザ・開発企業に共通なソフトウェア特性指標を提案する.本指標は複数の Web サイト構築事例における要求分析を行い,代表的な CMS が持つ品質特性を ISO/IEC25010 の品質特性の項目を参考に整理し,策定したものである.
著者
飯尾 淳 石山 泰弘 佐藤 紀子 和井田 理科
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-141, no.5, pp.1-8, 2017-10-27

人間中心設計推進機構 (HCD - Net) では,各種の製品やサービスをデザインする企業における人間中心設計 (Human - Centered Design, HCD) の普及を推進する活動を実施している.その一環として,人事部門など企業内の教育に関する部門内に,HCD の概念と方法論そのものを教育 ・ 啓発する活動を促進することを計画した.そこで,HCD 教育の実践者を増やすための活動グループとして,講師拡大ワーキング ・ グループが設置され,現在,精力的な活動を続けている.その成果として,まず,入門教育のコンテンツを作成し,いくつかの組織において試行を始めたところである.本報告では,入門教育コンテンツ作成の概要と,実際の試行結果について報告する.
著者
谷川 英和 鶴原 稔也 東 明洋 鈴木 芳文 中村 由紀子 酒井 美里 渡辺 俊規 増満 光
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2012-EIP-56, no.11, pp.1-7, 2012-05-09

本稿では,特許調査実施工程を「検索式策定工程」と「選別工程」に大別し,これまで暗黙知であったものを知識ルールとして形式知化したことについて述べる.具体的には検索式策定工程では,「検索対象」「検索対象期間」「検索フィールド」「用語」「分類」について知識ルール化して利用した.また,選別工程において漏れている関連特許候補を提示したり,選別されているが非関連の特許候補を提示することができるようになる.
著者
山田 雅俊
出版者
愛知大学経済学会
雑誌
愛知大学経済論集 (ISSN:09165681)
巻号頁・発行日
no.206, pp.61-81, 2018-03-15
著者
大上 雅史 松崎 由理 松崎 裕介 佐藤 智之 秋山 泰
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.91-106, 2010-10-25

タンパク質間相互作用 (Protein-Protein Interaction,PPI) に関するネットワークの解明は,細胞システムの理解や構造ベース創薬に重要な課題であり,網羅的 PPI 予測手法の確立が求められている.タンパク質立体構造データ群から網羅的に相互作用の可能性を予測するために,我々は立体形状の相補性と物理化学的性質に基づくタンパク質ドッキングの手法を研究してきた.本研究のプロジェクトの一環として新たに開発した MEGADOCK システムは,高速なドッキング計算を行うための様々な工夫を取り入れており,なかでも rPSC スコアと呼ぶスコア関数は,既存ツールの ZDOCK と比べて同等の精度を維持しながらも約 4 倍の速度向上を実現し,網羅的計算を現実のものとした.本論文では MEGADOCK システムの構成および計算モデルについて述べる.ベンチマークデータセットに適用した結果,従来手法を大きく上回る最大 F 値 0.415 を得た.さらにシステム生物学の典型的な問題の 1 つである細菌走化性シグナル伝達系のタンパク質群に MEGADOCK を応用した.その結果,既知の相互作用の再現をベンチマークデータと同等の精度 (F 値 0.436) で行うことに成功し,かつ生物学的に相互作用の可能性が高い組合せであるにもかかわらず,現在までに報告されていないものとして,CheY タンパク質と CheD タンパク質の相互作用の可能性を示唆した.
著者
前田 由紀子 立石 和子 谷岸 悦子 松林 太朗
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.11-21, 2018-03-01

【目的】本研究は、精神科に勤務する看護師が認定看護師の資格を取得する過程とその後の経験を明らかにすることを目的とする。【方法】精神科病棟に勤務する認定看護師7 名を対象とし、個別に半構成的面接を実施した。精神科を選択した理由、認定看護師課程を受講した理由と過程、資格取得後の経験についての語りをデータとし、質的帰納的に分析した。【結果】精神科認定看護師を目指した理由は、<専門性の向上><精神科看護師としての自己の人生への問い><職場の改革><役割遂行の向上>の4 カテゴリーに分類された。認定後の経験は、<看護実践能力の向上><認定看護師としての役割遂行><実践におけるジレンマ><精神科認定看護師への評価の低さ>の4 カテゴリーが抽出された。【考察】資格取得の過程は、組織的な目標管理の下ではなく、個々の問題意識からキャリアアップを目指すという特徴があり、認定後の活動への影響が考えられる。組織における精神科認定看護師への理解や活動への支援により更なる活動実績が期待される。
著者
出浦 敬吾 Keigo Deura 淑徳大学国際コミュニケーション学部文化コミュニケーション学科
雑誌
国際経営・文化研究 = Cross-cultural business and cultural studies (ISSN:13431412)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.15-29, 2007-11-01

Rev. Adam Sedgwick was one of the geological Great Masters who established modern geology in 19th century Britain. But to students of evolution, he was better known as a mentor of Charles Darwin at Cambridge, responsible taking him on his first geological field trip to Wales. Nevertheless, Sedgwick later strongly opposed the idea of evolution put forward by his former student, and never approved of it till his death. Since then, scientific assessment has been rather negative about Sedgwick seeing him as being conservative and dogmatic in his religious faith. However, he was no simplistic hardhead; rather as he was a central figure working for university reforms at the time, and was both liberal and at times radical, his complexity puzzles us. As for his intransigence against evolution, the author suspects there must have been some underlying reasons for it.\nThis article, by analysing his life, faith and science, investigates how this attractive individual, Adam Sedgwick, made his way through tumultuous 19th century Britain. Throughout his life, Sedgwick always interpreted the contemporary scene shrewdly, and after assessing the situation, would put all his energy into it enthusiastically. His attitude to life eventually made him one of the most prominent men of Cambridge at the time.