著者
根尾 文彦
雑誌
桜花学園大学学芸学部研究紀要 = Journal of the School of Liberal Arts
巻号頁・発行日
vol.8, pp.45-59, 2017-03-31

最近5年の間に日本人海外修学旅行の一番人気の行先となったのが台湾である。世論調査によると台湾人の最も好きな国は日本が圧倒的の1位である。また日本人にとっても台湾は安心・信頼できる国として確固たる地位を築いている。その主な要因は50年間に及ぶ日本統治時代に遡ることが出来る。日本人海外修学旅行の観点からその要因を分析し、今後更なる発展を遂げるために現在の台湾における課題について考察する。
著者
吉原 亨 蔦木圭悟 高橋 弘太
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.123(2008-SLP-074), pp.233-238, 2008-12-02

できるだけ聞き落としを生じることなく,時間的な効率を上げて音声再生を行うためには,個々の音声に対して最適な再生速度を決定するための指標が必要となる.本稿では,この問題に関して得られた 2 つの成果について発表する.第一の成果は, 2 つの異なる狭帯域エネルギの時間変化に着目した話速推定法を提案し,正規化した誤差で 16% の推定精度で話速推定が行えることを示したことである.第二の成果は,通常発話の音声と高速発話の音声を,それぞれ極めて速い話速に話速変換した結果を観察し,高速発話を話速変換した音声が,より調波構造の乱れが少ないことを示したことである.本稿は,我々で製作している話速バリエーション型音声データベース (SRM-DB) を用いて行った.我々は本研究を SRV-DB の有効な利用法の一例として発表する.
著者
成田 朋子 Tomoko Narita 名古屋柳城短期大学 Nagoya Ryujo Junior College
雑誌
研究紀要 = Nagoya Ryujo Junior College annual report of studies (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.89-103, 2013-12-20

今日では幼児期の比較的早い時期から様々な習い事をする風潮にあるが、それら早期の経験が子どもの発達に寄与するものであるためには、どのような経験であっても、後から振り返ってやってよかったと思える経験であることが必要であると考えられる。本学学生とその保護者に対して習い事についてのアンケート調査を行い、1997年に行った調査結果と比較検討した。学生たちはピアノ、習字、水泳等2.67種類の習い事を、自分の意思で、あるいは親に勧められて6 歳3 か月から11歳6 か月頃まで行っていた。これらは概ね1997年と同様の結果であったが、1997年に比べて習い事を始めるに際して親の意向がより強い傾向がみられた。そして、平均より早くから親の意向で始めた場合に、その習い事をしたことに対する否定感情が生まれる危険性が示され、子どもの気持ちを尊重することの大切さが示唆された。早期教育という用語について、また早期教育熱が高まった要因についても考察し、乳幼児期は子どもが育つための基礎を整えるという意味において大切な時期であることを確認した。
著者
斉藤 悦子 川谷 旺未 サイトウ エツコ カワタニ アキミ Etsuko SAITO Akimi KAWATANI
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.54-72, 2017-03-31

1860年、南北戦争開戦前夜のアメリカに幕末の日本から遣米使節団が訪れ、そのワシントン到着の様子はニューヨークの主要メディアでも大々的にとりあげられた。その中でもふんだんなイラスト付きで報じたハーパーズ・ウィークリー紙には、一般的な記事のほかにも、風刺漫画や漫談風の記事なども掲載された。本稿は1830年代からアメリカジャーナリズムの中でひとつのジャンルとして人気のあった、架空の「田舎者」的人物がなぜか歴史的瞬間に立ち会って親戚に見聞録の手紙を送る、というスタイルのコラムを訳出、注釈したものである。判読の難しいvernacularで書かれた時事放談を、まず判読して標準英語に直し、注をつけて日本語に訳出した。遣米使節団がニューヨークの庶民に向かってどのように伝えられたか、という資料として紹介したい。
著者
飛田 勘文 ヒダ ノリフミ Norifumi HIDA
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.93-112, 2017-03-31

1882年に日本人初の女子留学生の山川(大山)捨松が「英語演劇クラブ」を創設し、日本に英語劇(英語教育における教育方法としての演劇)を紹介して以来、日本には約135年の英語劇の歴史がある。ところが、日本の英語劇の歴史について調査した研究は少ない。そこで、本研究は、日本の学校や大学の英語劇、とくに教育課程の英語科における英語劇の内容と指導方法の変遷について調査し、分析を試みた。 調査にあたって、日本の英語劇の歴史を3つの期間に分類した。第1期(1930~1970)、英語教師は、「英語で考える」という目的のもと、主に児童中心主義教育の哲学とハロルド・E・パーマーのオーラル・メソッドを土台にして英語劇の実践を展開した。第2期(1970~2000)、英語教師は、「表現・コミュニケーション」という目的のもと、主にコミュニカティブ・ランゲージ・ティーチングを土台にして英語劇の実践を展開した。第3期(2000~現在)、英語劇を活用する英語教師の間に共通する哲学や理論といったものは見られないが、彼らは、異文化・国際理解、多文化共生、グローバル人材などを目的として英語劇の実践を展開している。 本稿は、第1期と第2期をとりあげる。第1期と第2期の英語劇を通して分析してみると、第1期から第2期にかけて①英語劇の焦点が個人から個人の外側(外の世界)に移行している、②英語劇が開発を試みる学習者(人間)の諸相の範囲の拡大している、③英語劇が扱う演劇の形式や技法の種類が増加している、④英語劇の指導における児童中心主義の傾向が強くなっていることが分かる。
著者
小林 俊介
出版者
山形大学附属博物館
巻号頁・発行日
pp.142-145, 2004-03-01

山形大学附属博物館編『山形大学附属博物館50周年記念明治の記憶 : 三島県令道路改修記念画帖』(山形大学附属博物館, 2004年)p.142-145所収
著者
沼倉 彬雄 加藤 成将 佐藤 和幸 富沢 武弥 三好 扶 明石 卓也 金 天海
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.269-270, 2015-03-17

力学系学習木を用いた小型船舶の外乱推定法を提案する.小型船舶を海上の任意の地点に自律的に留めるためには,波などの外乱の影響を考慮した制御が必要となる.提案法では,実際の船舶の挙動を力学系学習木に学習させ,船舶の挙動を推定することで小型船舶への外乱を求める.小型船舶の実機データに対し提案法を適用した結果,外乱推定が可能であることが分かった.
著者
越野 由香 コシノ ユカ Yuka Koshino
雑誌
実践女子短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.49-58, 2010-03-20

自律神経機能の調整手段としてのマッサージの効果について、近年の調査研究を再考した。その結果、発達障がいをもつ子ども達にとってマッサージは、1)自立神経の調整に役立ち、さらに攻撃的行動や対人関係に変化をもたらす、2)親(身近な大人)との情緒的絆を築く助けとなり、触れられることに耐えるといった基本的な自己コントロールの力をもたらす、ことが示された。そのことから、触れられる体験の必要性および緊張(警戒状態)からの回復という点で、発達障害を抱える子ども達に対する早期からの足裏マッサージは有効と考えられた。
著者
加藤 克佳 辻本 典央
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大學法學 = Kinkidaigaku hogaku: the law review of Kinki University (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.275-316, 2013-06-01

[目次] はじめに, 第1部.刑事法部会の提言, 第2部.刑事法部会の決議, 第3部.関連文献
著者
渡部 卓雄
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2017-EMB-45, no.2, pp.1-6, 2017-06-23

マイクロコントローラ等の小規模組み込みシステム向けに設計された関数リアクティブプログラミング (FRP) 言語のための自己反映計算機構を提案する.提案方式では,時変値を介した実行系内部へのアクセスを可能にすることで,自己反映計算もリアクティブな操作として実現されている.本機構の導入により,小規模システムでの実行を考慮して静的に実現されている言語の実行系に,ある程度の柔軟性と適応性を与えることが可能になる.