著者
三笠宮 崇仁
出版者
東京女子大学
雑誌
史論 (ISSN:03864022)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.293-308, 1957
著者
出来 成訓
出版者
Historical Society of English Studies in Japan
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-108, 1977

日本に生まれ, 日本の学校教育を受けた人間にとって, 外国語に習熟することはきわめて困難なことである。教授法や数材の研究が他の語学にくらべて相当に進んでいると思われる英語においても, やはり同じことが言えよう。特に「書く」領域についてこの感が深い。<BR>安藤貫一は, この外国語研究の中でももっとも困難な「書く力」に秀でた逸材であった。その死去に際して雑誌「英語青年」が2号に渡って記念号を出したほどの有名人であった安藤貫一ではあるが, 現在では殆んど忘れられた人物となっている。英文学や英語学の研究者と違って英文ライターの仕事は恵まれない。日本人の英訳した日本文学を読む日本人など殆んどいないからである。前記「英語青年」記念号を主たる資料として, 安藤貫一の生涯と業績をながめてみたい。
著者
木内 英太
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.28, 2018-03-31

2017年のアニメ「けものフレンズ」の大ヒットの原因のひとつがディストピア感にあることを,セカイ系とキャラクターの概念の変化をふまえて,考察する。
著者
Baskind James
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.125-161, 2008-03

ラフカディオ・ハーン、小泉八雲(一八五〇-一九〇四)が、広範囲に亘って、日本の紹介と理解に大いに貢献した人であることは誰もが認めるだろう。しかし、ハーンの影響は民俗学や昔話に限られているわけではない。ハーンには日本の宗教や信仰、精神生活についての深みのある分析も非常に多くあり、宗教関係のテーマが、ハーンの全集の大半を占めているといってよい。それゆえ、今日、ハーンは西洋人に日本文化や仏教を紹介した解釈者としても知られている。そして同時にハーバート・スペンサーの解釈者でもあり、多くの仏教についての論述中にはスペンサーの思想と十九世紀の科学思想と仏教思想とを比較しながら、共通点を引き出している。ハーンにとっては、仏教と科学(進化論思想)は相互排他的なものではなかった。むしろ、科学的な枠組を通じて仏教が解釈できると同時に、仏教的な枠組で進化論の基本的な思想がより簡単に理解できると信じていた。この二つの思想形を結びつけるのが、業、因果応報、そして輪廻思想である。ハーンが作り上げた科学哲学と宗教心との融合は、ただハーン自身の精神的安心のためだけではなく、東西文明の衝突による傷を癒すためにもあった。
著者
岡田 彌一郎
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.43, no.508, pp.69-70, 1931