著者
田原 信三
出版者
解放社
雑誌
新世紀 (ISSN:13447904)
巻号頁・発行日
no.217, pp.166-180, 2005-07
著者
笹島 秀晃
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.106-121, 2016
被引用文献数
2

<p>都心衰退地区に形成される芸術家街は, ジェントリフィケーションの契機となることが知られてきた. 芸術家の存在は, 不動産開発や飲食業・文化産業の集積を促し, その過程において地価は高騰し居住者階層は移り変わる. 先行研究では, ジェントリフィケーションのメカニズムを分析するにあたって, おもに不動産業者や消費者としての中産階級に注目してきた. ところが, 重要なアクターであるはずの美術作品の展示・売買を行う画廊については十分な分析がなされてこなかった. 本稿の目的は, 芸術家街を契機とするジェントリフィケーションのメカニズムを, 画廊の集積過程に着目して分析することである. 具体的な検討事例は, 1965年から71年の間に芸術家街から画廊街へと転換した, アメリカ合衆国ニューヨーク市SoHo地区である. 芸術家街であるSoHo地区に画廊が集積した要因は, 安価な地価や広い室内空間を備えた未利用の工場建築物の存在だけではなかった. むしろ, ニューヨーク市における美術業界の構造変動の中で, 画廊経営者が自身の美術的立場を明確にする際に準拠した, 芸術家街の表象という文化的要因が重要であったことを明らかにする.</p>

1 0 0 0 OA 実験写真術

出版者
木村広盛館本店
巻号頁・発行日
1912
著者
南雲 千香子
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.10, pp.69-84, 2012-03-28

本稿では近代日本語研究の一環として、明治期に大量に日本へ流入した専門用語、その中でも法律用語に焦点を絞り、漢語の観点から考察を行った。その事例研究として、現在の法律用語に大きな影響を与えている箕作麟祥訳『仏蘭西法律書・訴訟法』を取り上げ、箕作麟祥がどのように法律用語を漢語訳していたかを明らかにすることを目的とした。 『仏蘭西法律書・訴訟法』の漢語から箕作麟祥が作った、あるいは法律的な意味を加えたと思われる漢語を選別し3 グループに分類した。その中から典型的な特徴を現している4 つの語を取り上げ、詳しく語の成立を見た。その結果を基に、『仏蘭西法律書・訴訟法』の漢語を改めて5グループに分類した。『仏蘭西法律所・訴訟法』よりも用例を遡ることが出来ないもの、あるいは『仏蘭西法律書・訴訟法』以外で用例を見ることが出来ないもの、日本や中国の古典籍などで使用されている語を法律用語として使用しているものが『仏蘭西法律書・訴訟法』の漢語の大半を占めていることがわかった。このことから、主に箕作麟祥自身が新たに語を作る、あるいは古くから存在している語を転用して、法律用語へ当てはめる方針を取っていたことが明らかになった。
著者
宇佐見 義之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.49, pp.41-46, 2008-11-13

恐竜は速くは走れなかったとされる学説に反論し、走れる可能性を提示する。人間の動きを参考に、ティラノサウルス・レックスの走行姿勢を求めた。力学は剛体モデル、動きはフーリエ級数で表し、係数をランダムアルゴリズムで求めた。その結果、Hutchinsonの学説より走れる可能性が増すことがわかった。

1 0 0 0 OA 森有礼 : 戯曲

著者
小山内薫 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1926
著者
飯田 鼎
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大論叢 (ISSN:03854558)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1-28, 2003-03-31

「明治初期,自由民権運動の展開と相剋」と題する本論文は,明治の変革のイデオロギーともいうべき自由民権思想が,世代によってその理解がいかに異なるかを,福沢諭吉を中心とする天保年間生まれの思想家たちと,その後の弘化,安政年間に生まれ,明治維新の時期に成年期に達した人々の観念とを対比し,維新の変革に内在させていた緒矛盾の一端を明らかにしようとしたものである。紙面の制約もあり,「天保の老人たち」については一応ふれることができたが,植木枝盛や馬場辰猪,中江兆民および大井憲太郎等の思想や活動については,充分に展開することができなかった。テーマが大きすぎ,福沢諭吉の思想に傾斜しすぎたが,機会が許せば,明治の青年たちの思想と福沢等天保の老人たちとの思想的な相剋と葛藤についてもふれたいのであるが,今回は筆者の不手際もあり,残念乍ら果たすことができず,故藤原教授の御霊前にお詫びする次第である。
著者
竹中 章郎
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.311-319, 2006-10-31 (Released:2010-09-30)
参考文献数
4

As an easy technique for phase determination in X-ray analysis of macromolecular crystals, the molecular replacement method is widely used. Available computer programs are highly sophisticated to user friendly so that users can use them without knowledge on the theoretical backgrounds. To develop the technique to more powerful tool, as well as to resolve individual problems in special cases, it is essential to understand the details of the backgrounds. Here the theories of the method with the historical backgrounds, its availability and capability, practical usage and trouble shooting will be described.