著者
植杉 通可 金澤 秀俊 蛭間 淳之 宮崎 浩 神戸 崇幸
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.592-598, 1999-05-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
8
被引用文献数
8 10

The active-filter is one of the most efficient methods to improve power factor. However, this method has problems such as increasing switching loss and switching noise.This paper describes a new power factor correction (PFC) converter called “Partial-switching PFC”, which achieves power factor rate of 99% only by generating a single pulse in the power line cycle with high efficiency and low total harmonic distortion. Its application to our air-conditioners is described at the end.
著者
樋野 雅浩 回渕 純治 宮崎 浩一
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MPS-76, no.24, pp.1-6, 2009-12-10

本研究では,日経 225 オプション市場を分析対象として,BS モデルの拡張モデルであるデタミニステック・ボラティリティモデルや確率ボラティリティモデルに基づくオプションモデル価格がクロスセクショナルなオプション市場価格とどの程度まで整合するかについてラティスモデルの枠組みで比較検証を行う.デタミニステック・ボラティリティモデルとしては,BS モデルから満期におけるリスク中立分布の歪度や尖度を生成することが可能な局所ボラティリティの関数形 (tanh(x),sech(x)) を含むものまで 5 通りを分析対象とする.確率ボラティリティモデルとしては,ボラティリティが OU 過程に従う Heston モデルを表現するような離散確率ボラティリティモデルのみならず,ボラティリティの推移確率を柔軟にしたものまで 9 通りを分析対象として取り上げる.上記の整合性の観点から,デタミニステック・ボラティリティモデルにおける局所ボラティリティの関数形による効果が,確率ボラティリティモデルにおいてボラティリティの推移確率の柔軟性による効果と比較してどの程度であるかについて検証する.検証の結果,5 パラメータや7パラメータ・デタミニステック・ボラティリティモデルが極めて優れたモデルであることがわかった.
著者
宮崎 浩 北川 裕一 安木 剛 桑原 正明 松岡 章雄
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.1159-1164, 2009-09-25
参考文献数
8

Flexインパクタによる歩行者脚部保護性能評価が検討されている.本研究では,衝突挙動や力学応答に影響するインパクタ地上高と付加質量について,人体FEモデルと比較することで適正な条件を検討した.Flexインパクタの力学応答は,地上高75mmとし,SUVでは更に質量6kgを付加する場合が人体応答に近いことが明らかになった.
著者
西田拓実 宮崎浩一 岩井邦紘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-6, 2013-05-16

本研究では,株式市場において取引のしやすさに関連する指標となるAmihudの非流動性やモデルから推定したBid Ask Spreadの各々が日本における代表的な景気指標である日銀短観を予測する力を有するかについて検証する.回帰モデルの説明変数に流動性指標以外の景気に対して予測力を有すると考えられている指標も加えて予測力が高いモデルの構築を試みる.その際には,流動性指標の回帰係数が状態に応じて異なる値をとるレジームスイッチング回帰モデルも採用し,流動性指標が日銀短観の予測に与える影響度と経済状態との関連性も議論する.This research addresses the forecasting powers of liquidity measure expressing smoothness of equity trading (Amihud illiquidity ratio or Bid Ask Spread) for Tankan short-term economic survey of enterprises, which is the representative indicator of business cycle in Japan. The other factors thought to have the forecasting power are also included in the explanatory variables of the model to make its forecasting power improved. The regime-switching regression coefficients for the liquidity measure are also incorporated in the model and the relation between the influence of the liquidity measure on the forecast and the economic regime is discussed.
著者
伊東 賢二 宮崎 浩一 回渕 純治
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MPS-86, no.6, pp.1-6, 2011-11-24

本研究では,小型株と大型株のポートフォリオリターンを対象に,株式売買のしやすさを表現する流動性指標 (流動性リスクの代用変数) と株価リターンの関係をレジームスイッチングモデルに基づき考察する.特にマーケットファクターに関する回帰係数もレジームに応じて異なる値をとることができるように既存モデルを拡張したモデルを用いて検証を行う.また,いくつかの仮定を置くことになるが,決定係数や回帰係数のt統計量の考え方を導入したうえで検証を行う.
著者
宮崎 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.132-141, 2002-09-15
参考文献数
9

密度依存型ジャンプマルコフプロセスを,国債入札における今後の落札シェアを予測するために用いた事例報告である.国債入札参加者を大きく,日系証券会社,外資系証券会社,その他金融会社の3つに分けた場合,外資系証券会社の落札シェアが日系証券会社の落札シェアを総合的に上回る(ウインブルドン現象と呼ぶ)の確率がおよそどの程度であるかを数理モデルに基づいて分析することを目的とする.分析方法は,まず,3社間のシェア競争のモデル化を確率的でない場合に考察し,次に,確率的な場合に拡張する.最終的には,将来の落札シェアの確率分布を求めて,ウインブルドン化の可能性を探る.今後3年間におけるウインブルドン化の可能性は,限定的であるという結果が得られた.This article provides an example how the density dependent jump Markov process is applied to the analysis of the probability of the Wimbledon phenomenon, which the foreign dealers 'share exceeds that of domestic dealers in the Japanese Government bond auction. The analysis involves three steps. First, a set of linear differential equations is constructed to model share competition among the three groups in the deterministic case. Second, the deterministic model is transformed to the stochastic one. The last step derives the probability of the Wimbledon phenomenon occurring from the future share distribution. The model indicates that the probability of the Wimbledon phenomenon within three years is quite limited
著者
山本 篤 宮崎 浩一
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.117-131, 2010-10-25

本研究では,第 1 に,20 世紀最後の 15 年間における米国株式市場の上昇をマクロ経済リスクの観点から説明付けた Lettau らのモデルが,異なるマクロ経済リスクの下にある 1990 年代以降の日本株式市場においても説明力を有するかについて検証する.第 2 に,個別株式のベータリスク評価モデルを提案し,分析事例に基づいて個別株式のベータリスク量がマクロ経済リスクの観点から説明可能であるか検証する.検証結果から,彼らのモデルは,日本においてもマクロ経済リスクの観点から株式市場のダイナミックスを説明することが可能であり,また,個別株式のベータリスク量に関してもマクロ経済リスクの観点から説明されることが確認された.
著者
山内 大輔 川村 善宣 本藏 陽平 小林 俊光 池田 怜吉 宮崎 浩充 川瀬 哲明 香取 幸夫
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.159-166, 2020 (Released:2021-04-05)
参考文献数
25

上半規管裂隙症候群は,1998年マイナーによって最初に報告され,これまでいくつかの手術法について報告されてきた.正円窓閉鎖術はいわゆる“third window theory”に基づいた術式であるが,その効果は限定的であることが報告されている.一方,中頭蓋窩法によるpluggingまたはresurfacingの場合は,ほとんどの症例で裂隙部を直接確認できる.しかし,裂隙部が上錐体静脈洞に位置している場合は困難となる.さらに頭蓋内合併症のリスクのため,安易には手術を勧められないジレンマがある.そのため,耳鼻咽喉科医にとって中頭蓋窩法よりも経乳突洞法によるpluggingの方が容易な術式であるが,下方からでは裂隙部を確認しづらく,また感音難聴の合併症のリスクが潜んでいる.著者らは経乳突洞法によるpluggingに水中内視鏡を用いることで安全性を高める方法に改良した.乳突削開術後,浸水下に内視鏡を用いることで,膜迷路と裂隙部を明瞭に観察することが可能であった.たとえ裂隙部が上錐体静脈洞に位置していても,内側からアプローチできるので有用であった.本術式の方法や適応,術後成績について報告する.
著者
錦 康二 加藤 明 宮崎 浩一
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.43-52, 2008-09-26

株式における投資判断の指標として株価レーティングがある.今日,株価レーティングは個人投資家,機関投資家の間で定着してきているが,株価レーティングの精度や特徴について詳細に検証した論文は少なく,実際の投資判断の指標として用いるには十分であるとはいえない.そこで,本研究では,統計的観点から株価レーティングが対象とする銘柄の割安割高を適切に評価しているのかについて検証を行い,レーティングは超過リターンの推移に依存し決定されているのではないかとの観点から,超過リターンの推移がアナリストの評価にどのような影響を与えるのかについても検証を行う.また,予測精度向上のアプローチとして,評価を行っている会社の数と株価レーティングの予測精度の関係について検証を行い,最後に株価レーティングの特徴とその利用可能性について考察を与える.
著者
矢萩 一樹 宮崎 浩一
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG10(TOM12), pp.158-171, 2005-06-15

オプションの市場価格が理論価格より割高である場合には,オプションを売却してデルタヘッジを行えば理論上は確実に収益があがるはずであるが,実際には損失が発生することがある.本研究では,そのメカニズムを解明するために,デルタヘッジの効率性に着目したシミュレーションモデルを提案した後,実データに基づいて本モデルを利用した検証を行う.デルタヘッジを行う際に使用するデルタの算出には,実現したボラティリティ,各時点のインプライド・ボラティリティ,GARCH ボラティリティの3 種類を用いることで,これらのボラティリティがデルタヘッジに与える効率性の違いを比較した.また,分析をより現実的なものとするため,デルタヘッジにおける株式の売買コストを考慮したうえで,ヘッジ頻度を変えた分析からデルタヘッジの効率性とヘッジコストとのトレードオフを確認した.実験結果から,各時点のインプライド・ボラティリティおよびGARCH ボラティリティを直接利用するだけでは,デルタヘッジの効率性はきわめて低いことが分かった.ただし,現実のボラティリティをある程度正しく予測することができたならば,取引回数を10 回程度以上行うことで理論どおりに収益をあげることができるのが確認できた.また,ヘッジコストとヘッジの効率性に関するトレードオフは存在し,ヘッジ間隔が長くなるにつれて売買コストが低下する影響が強く現れる結果となった.
著者
田中 健太郎 宮崎 浩一
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.1-13, 2011-07-20

本研究では,オプションのデルタヘッジ戦略への利用をふまえて,将来の実現ボラティリティを予測するモデルを提案し,既存モデルに基づく場合とデルタヘッジ戦略の収益性を比較検討する.提案モデルは,実現ボラティリティとインプライドボラティリティの比に関する時系列データを利用したものであり,デルタヘッジ戦略の収益性は,既存モデルによるものよりも高い.実証分析では,この結果がどのようなメカニズムから生じるかについても詳細に検討する.
著者
高梨 芳崇 川瀬 哲明 沖津 卓二 八幡 湖 奥村 有理 佐々木 志保 宮崎 浩充 香取 幸夫
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.136-142, 2015-04-28 (Released:2015-09-03)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

要旨:小児期における聴覚障害は言語発達, 学習, 心理面に大きな影響を与えるため, 早期発見と支援, 療育が重要とされている。難聴の早期発見のためには新生児聴覚スクリーニングが有用とされており, 現在では全国的に普及している。難聴の早期発見ができるようになったことに伴い, 難聴児への早期支援体制の充実が必要であると考えられている。しかし, 難聴児に対する早期支援体制に対しては地域格差があり, フォローアップに不十分な点がみられることもある。今回, われわれは宮城県の小児難聴の医療, 療育の現状と問題点について報告した。本県の新生児聴覚スクリーニングの施行率には地域差があり, 特に仙台市以外の地域では満足できるレベルに達してはおらず, 難聴児の発見の遅れに伴う, 療育開始の遅れが問題となる症例が散見された。また, 新生児聴覚スクリーニング後の家族への心理的サポートについても改善の必要性があるように思われた。これらの問題を解決するためには医療, 療育, 行政の連携が大切であり, 耳鼻咽喉科医師の主導のもと, 緊密に連携をとるよう努力していくのが望ましいと考えられた。
著者
佐々木 豊史 宮崎 浩一
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.21-32, 2005-01-31

In this article, we examine whether bad news on a company impacts on the correlations betweenthe equity return of the company and those of other companies based on the Japanese equity datain 1997, when some of major financial institutions bankrupted. We define "contagion" or "exclusion" as a significant increase or decrease, respectively, in the correlation after the announcement of thebad news. Our major findings are (1) whether the effect of the bad news is "contagion" or "exclusion" basically depends upon the nature of the bad news, (2) heteroskedasticity in thecorrelation has some influence on the identification of the bad news effect and it is important toadjust the heteroskedasticity in the correlation to correctly identify the effect.
著者
佐々木 豊史 宮崎 浩一 野村 哲史
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.113-128, 2006-12-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本研究は,ヨーロピアン・コール・オプションの評価において,次の2つの問題にアプローチするものである.第一の問題は,原資産収益率プロセスが生成する確率分布として正規分布以外の分布を採用した場合に,その確率分布を仮定したオプション価格を,正規分布と高次キュムラント(3次,4次)を用いた確率分布を仮定したオプション価格によってどの程度近似できるか?第二の問題は,ジャンプ成分を含む原資産収益率プロセスが生成する確率分布(MertonのJump-Diffusionモデル,以下MJDモデル)に基づくオプション評価においてどの程度の強さで中心極限定理が働くか?について高次キュムラントの観点から考察することである.第一の問題に対しては,MJDモデルが生成する確率分布を,4次までのキュムラントを用いたEdgeworth展開によるオプション評価近似式を導いたうえで,正確なオプション価格との比較を数値実験によって試みる.第二の問題に対しては,MJDモデルによる一日の原資産収益率を表す確率分布をN回畳み込んだ確率分布がN日の原資産収益率の確率分布であることに着目して,オプションの残存期間Nが大きくなるに従って中心極限定理が働き,MJDモデルによるオプション価格がBS価格に近づくスピードを数値実験により確認する.また,このオプション価格の収束において3次,4次のキュムラントの影響がどの程度であるかも合わせて検討する。数値実験結果からは,本オプション近似評価モデルの精度は,オプション満期がごく短い場合を除いて相応に高いこと,また,オプション評価において中心極限定理が働くものの,オプションの満期が100日以下の場合には,高次キュムラントの影響を無視することはできないことがわかった.