著者
菅沼 健太郎
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.63-89, 2022 (Released:2022-05-20)
参考文献数
26

本論文では秋田県横手市方言の有核動詞の過去形,非過去形のアクセントパターンについて論じる。同方言の有核動詞のアクセントは,過去形におけるそのパターンが多様である点,さらにその一方で非過去形では一貫したパターンが現れる点で特徴的である。具体的には,過去形では語幹の拍数や末子音の種類などに応じて次々末拍,次末拍,末拍のいずれかに下がり目が置かれる。その一方で非過去形では一貫して次末拍に下がり目が置かれる。本論文ではこれらのアクセントパターンが弱強フットを中核とした規則群によって導かれることを示す。さらに,検討課題が残されているものもあるが,本論文で提案した規則が形容詞のアクセント,および他の動詞活用のアクセントを説明するためにも有効であることを示唆する。
著者
北村 和子 池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.46, pp.37-47, 2009-03-31

現在、社会福祉の領域では多くの外来語が使用されている。その多くは英語からの借用語であるが、その他からの借用語も認められる。 用いられる外来語の語源について、ラテン語(羅語)およびギリシャ語(希語)まで遡って調べてみた。ゲルマン語からの借用語は英語の他にドイツ語を、ロマンス語からの借用語は相当するフランス語、イタリア語またはスペイン語を示した。 外来語は借用される過程で意味の変容を生ずることがあるので、それについても論じている。
著者
上村 俊雄
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

日本列島の近海に沿って流れる黒潮は、一つは九州の西を過ぎて日本海に入り本州および北海道の西岸を洗い、他の一つは太平洋岸側の伊豆諸島に達している。本研究では、黒潮の流れに乗って原始・古代の南島および大陸からどのような文物が往来したのか、また九州沿岸地域にどのように影響を及ぼしたのかなどについて調査研究を試みた。調査研究の対象を1.南島産の貝製品(ゴホウラ・イモガイ・オオツタノハなど)、2.大陸の関係の深い支石墓の2点にしぼり、壱岐・対馬、五島列島などの島嶼および西北九州を中心とした九州西岸の沿岸地域を調査した。1のテ-マの南海産貝製品のうち、ゴホウラ製貝輪は有川町浜郷遺跡(五島列島)、平戸市根獅子遺跡(平戸島)、イモガイ製貝輪は佐世保市宮の本遺跡(九十九島中の高島)、五島列島の福江島大浜貝塚・中通島浜郷遺跡・宇久島宇久松原遺跡、オオツタノハ製貝輪は宇久松原遺跡・福江島大浜貝塚などで出士している。また、埋葬人骨にともなうアワビの副葬列が中通島浜郷遺跡、福江島大浜貝塚で確認されたが、同様な列は沖縄本島読谷村木綿原遺跡にもあり、弥生時代の五島列島と沖縄に共通した理葬習俗が見られることは注目される。南海産貝輪は九州西海岸をかすめて北九州へ運ばれるル-トの中で五島列島へもたらされたと考えられる。2のテ-マの支石墓については、甕棺・土壙・箱式石棺などの下部構造について調査した。九十九島の宮の本遺跡、五島列島の宇久松原遺跡・神ノ崎遺跡(小値賀島)・浜郷遺跡などの箱式石棺墓の中に南九州特有の古墳時代の墓制である地下式板石積石室墓を想起させるものがある。地下式板石積石室墓の祖源は縄文時代晩期の支石墓に遡る可能性を示唆しており、五島列島方面から南九州西海岸に到達したものと考えられる。この見解については平成3年11月9日、隼人文化研究会で「地下式板石積み石室墓の源流」と題して口頭発表をおこなった。
著者
藤原 健司
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.108-111, 2015-04-01 (Released:2016-04-15)
参考文献数
4
被引用文献数
1

四節リンク機構と油圧電子制御を組み合わせた世界で初めての膝継手ALLUXTM(アルクス)を開発した.ナブテスコ(株)の義足分野の取り組みは1974年に兵庫県総合リハビリテーションセンターからの依頼を受けたのがきっかけであり,1993年に世界で初めての電子制御義足「インテリジェント義足膝継手」の製品化に成功した.その後,多様化したニーズに対応すべく,さまざまな膝継手を開発した.そして新しく開発したALLUXTMは,いままで培ってきた多節リンク設計技術や高性能油圧設計技術などのコア技術に加え,新たに電子式歩行センサや歩行制御システムを組み合わせた最新の膝継手である.本稿では開発の経緯や特徴を紹介する.
著者
梅垣 敬三 池田 秀子 吉岡 加奈子 鬼頭 志保 山田 澄恵 西島 千陽 岩﨑 孝宏 清水 浩一
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.3-20, 2022-02-01 (Released:2022-03-12)
参考文献数
86
被引用文献数
2

【目的】健康食品の利用拡大に伴い,健康被害の発生が懸念されている。そこで米国のDietary Supplement(DS)制度の取り組み状況を参考にして,日本の健康食品の安全性確保の現状と問題点を明らかにする。【方法】文献調査等により製品の実態,利用状況,有害事象の収集・評価体制等を調査した。米国の状況は担当部署への視察により情報収集した。【結果】消費者の自己判断で利用される多様な健康食品の利用が増大していた。このような健康食品が関連した有害事象の中で,重篤事例の大部分は,食品ではなく,違法に医薬品成分が添加された無承認無許可医薬品に該当するものであった。軽微から中等度の事例は,消化管の不調やアレルギー等が多く,それらは公的機関に報告されていなかった。また,報告されている有害事象の件数は少なく,製品との因果関係の判断が難しいことから,情報が十分に活用できていない実態があった。日本の食品機能表示制度に参照されている米国のDS制度は,安全性確保の対応において,日本と類似点は多いものの,製品に対する適正製造規範の義務付け,事業者に対する重篤な有害事象報告の義務化や電子媒体を用いた迅速な情報収集と評価実施の点で違いがみられた。【結論】消費者の自己判断で利用されている健康食品では,市販後に発覚している軽微から中等度の有害事象を迅速かつ効果的に多く収集・評価し,類似事例や重篤症状の発生防止に活用する取り組みが必要である。

5 0 0 0 剣武と詩吟

著者
日比野雷風 著
出版者
神刀館本部
巻号頁・発行日
vol.天の巻, 1957

5 0 0 0 OA 騎手教本

出版者
日本競馬会
巻号頁・発行日
1942