著者
神宮寺 直子 山方 義彦 松木 英敏 星宮 望 古川 孝
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.693-696, 1997-04-15
被引用文献数
6 2

Cross coils that operate in an alternating magnetic field are proposed for transmitting signals. They cancel the noise induced by a symmetric magnetic field stem from a transcutaneous power-transmitting coil, and then transmit and detect the signals in the magnetic field. In comparison with figure-of-eight coils, cross coils keep a certain senditivity due to dislocation between the transmitting and detecting coils. The signal-transmitting ability of cross coils is not very high, but above properties make them useful as transcutaneous signal-transmitting coils.
著者
鈴木 哲雄
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

香取神宮における仏教的な資料を多数収集し、鈴木哲雄「香取神宮の神宮寺・寺院関係資料一覧(稿)」(『史流』46号、2016年)として刊行した。また、収集した諸資料にもとづいて、香取神宮境内に存在した愛染堂や経堂(経蔵)のあり方、かつて経蔵にあった大蔵経の散佚と一部の伝来状況、神宮寺における正月修正会の幕末までの存続、七人の供僧体制や諸寺院の存在について明らかにした。
著者
佐々木 謙太朗 吉川 大弘 古橋 武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.53-60, 2014-03-28

Latent Dirichlet Allocation(LDA)は,様々な分野で応用されているトピックモデルであり,Twitterにおけるユーザ属性の推定や話題の要約などに適用した研究も数多く報告され始めている.LDAをツイート集合に適用する場合,1ツイートを1文書とすると,文書の短さやノイズの多さにより,LDAが有効に機能しないことが多いため,1ユーザの全ツイートを1文書とする方法が一般的に用いられる.これに対して,1ツイートが1トピックからなるという仮定に基づいたトピックモデルであるTwitter-LDAが提案され,前者の方法に比べて,トピックの意味のまとまりの面で優れていると報告されている.しかし一方でTwitter-LDAは,オンライン学習ができないという課題がある.本論文では,Twitter-LDAを改良し,Twitterに適したオンライン学習可能なトピックモデルを提案する.提案モデルでは以下の2点についてTwitter-LDAを拡張する.第1に,一般語とトピック語との比率をユーザごとに推定することで,より高精度にツイートの生成過程をモデル化する.第2に,ユーザの購買行動をモデル化したTopic Tracking Model(TTM)の機構をモデルに加えることで,Twitterにおけるユーザの興味と話題の時間発展をオンラインで学習可能とする.Latent Dirichlet Allocation (LDA) is a topic model which has been applied to various fields. It has been also applied to user profiling or event summarization on Twitter. In the application of LDA to tweet collection, it generally treats aggregated all tweets of a user as a single document. On the other hand, Twitter-LDA which assumes a single tweet consists of a single topic has been proposed and showed that it is superior to the former way in topic semantic coherence. However, Twitter-LDA has a problem that it is not capable of online inference. In this paper, we extend Twitter-LDA in the following two points. First, we model the generation process of tweets more accurately by estimating the ratio between topic words and general words for each user. Second, we enable it to estimate temporal dynamics of user interests and topic trends in online based on Topic Tracking Model (TTM) which models consumer purchase behaviors.
著者
豊田 一則 小久保 喜弘
出版者
独立行政法人国立循環器病研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

腎臓病と脳血管障害の関係、言い換えれば脳腎連関を解明する目的で、以下の検討を行った。(1) 吹田研究に登録された都市型住民において、慢性腎臓病が頸動脈硬化の独立した危険因子となり、慢性腎臓病の有無に血圧カテゴリーを加えた交互作用が頸動脈硬化に対して存在した。(2)単施設急性期脳出血患者において、入院後早期の腎機能低下に超急性期収縮期血圧高度低下が有意に関連し、また腎機能低下者に転帰不良例が多かった。(3)多施設共同研究で、腎機能障害が脳梗塞rt-PA静注療法の治療成績不良や脳出血の3か月後転帰不良に独立して関連した。(4)脳血管障害と慢性腎臓病の関連を、英文総説に纏め、本研究成果も採り入れた。
著者
鶴岡 一人
出版者
大法輪閣
雑誌
大法輪
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.238-243, 2014-04
著者
橋本 陽
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.66, pp.42-56, 2014-03-15

本稿は、個人文書の編成を論じるものである。編成はISAD(G)などのある記述とは反対に標準が未だ決定されていない。その上、個人文書やマニュスクリプトは、組織のアーカイブズとは異なり、多くの場合において出所及び原秩序の尊重の原則が適用できず、編成は非常に困難である。本稿の狙いは、このような大きな問題を解決するために貢献し得る一事例を提示することにある。本稿は法政大学大原社会問題研究所環境アーカイブズが所蔵するサリドマイド関連資料を素材として、その特質を丹念に調べ、日本と英語圈における編成の方法論を検討し適応可能なモデルを探した。最終的には、これらの方法論を組み合わせ新しい編成の方法論を作り上げ、それをサリドマイド関連資料に適応することで、資料を編成することが可能となった。ここで示した方法論は、同種のマニュスクリプトや個人文書を編成するための一つの道標となるはずである。
著者
壷阪 龍哉
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.66, pp.12-18, 2014-03-15

どのような記録を残し、後世の人々がこれらを利用して過去の事実を検証し、将来の動向を予想することができるだろうか。このテーマと取り組むには、アーカイブズの役割をさまざまな角度から議論を深め、広く社会的認知を高めることが前提となろう。しかしながら、我が国は、アーカイブズあるいは記録管理の分野において、後発の発展途上国と評価されている。そこで、現用、半現用文書の改善整備活動に携わってきたコンサルタントの視点から、非現用文書(古文書)の評価選別、安全な保存・保護、公開利用、そして専門職養成と働く場の確保など、現状および問題点を明らかにし、アーカイブズの未来のために役立つ提言をする。
著者
嶋田 典人
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.66, pp.19-41, 2014-03-15

国の公文書管理法に基づき各地方自治体でも公文書管理条例が制定されている。また、公文書館の設置も進みつつある。それら動向は古文書等の「収集アーカイブズ」よりも公文書の「組織内アーカイブズ」が中心である。そこで「収集アーカイブズ」を中心にアーカイブズの現状と課題、望ましい方向性について述べる。そして、現実的な「収集アーカイブズ」の積極的・戦略的保存と利活用の方策について提言したい。
著者
高山 正也
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.66, pp.4-11, 2014-03-15

著者は2006年4月から理事として、2009年7月から館長として勤めていた(独)国立公文書館を2013年5月で、退職した。国立公文書館在職中に課せられた主な使命は、主要諸外国に比較し、異常に小規模で低水準の国立公文書館の水準を向上させるべく、関連法令の制定、施行に始まり、末端行政組織と化した国立公文書館の活性化とそれを公文書館本来のアーカイブズ専門業務担当組織に変質させることにあった。しかし、長い伝統の下で硬直化した公文書館のような公的な組織の変革は著者のごとき理屈だけを、公文書館同様日陰の存在になっている図書館を対象とした経験しかない者の手には余るものであった。その様子が法律の制定、公文書館業務の実態等を経営の要素としての、ヒト、カネ、資料等の扱いといった具体例に触れて記述される。結局、日本における国際標準から外れた公文書類の扱いは公的組織の奥深くまで浸透しており、今後息の長い取り組みが必要との結論が述べられる。
著者
岡村 光章
出版者
日本図書館協会
雑誌
図書館雑誌 (ISSN:03854000)
巻号頁・発行日
vol.108, no.2, 2014-02
著者
三中 信宏
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.151-184, 1993-12-30

歴史生物地理学におけるvicarianceの概念について, それがたどってきた概念史を概観した。もともと生物地理学で用いられてきたvicarianceは近縁種の空間的な「代置」(substitution)という分布パターンを意味しており, Hennig理論に基づく系統生物地理学はこの用法に準拠していた。一方, Croizatに始まる汎生物地理学もまた代置の意味でこの言葉を用いているが, 「代置的生物進化」(vicariant form-making)という進化理論を背景にしている点に特徴がある。これらの用法に対し, 分断生物地理学では同所的に分布する複数の生物群に対する共通原因すなわち生物相の「分断」(fragmentation)の意味でvicarianceを用いた。共通原因/個別原因としての分断/分散は, 分岐分析における共有派生形質/ホモプラシーに相当する関係にある。次に, 分断生物地理学が解こうとしている地域間の近縁性の問題を「居住地/居住者問題」(the "habitation-inhabitant"problem)として一般化した。居住者の系統関係と地理的分布の情報に基づいて居住地の系統関係を推定するというこの居住地/居住者問題は, 生物地理学だけでなく分子系統学・共進化解析などとも共通する問題である。これらの問題の共通点は, 「形質」それ自身が「系統」を持つという点である。最後に, 分断生物地理学の観点からこの居住地/居住者問題を解決するためのいくつかの解析的手法-成分分析法・ブルックス最節約法・群整合性分析法・三対象分析法-について議論した。種分岐図における欠損地域・広域分布種・重複出現がこれまで分断生物地理学において論議の的となってきた一つの理由は, それらを含む分岐図が通常の分岐分析で生じる分岐図の性質を満足していないことにある。半順序理論などの離散数学を用いることによりこれらの問題にアプローチできるだろう。