著者
藤枝 真宏 小野寺 夏生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.77-85, 2006
被引用文献数
3 2

J-STAGE登載雑誌の論文を引用した論文数および引用した著者の地域分布を,J-STAGE登載の前後で比較した。また,J-STAGE利用団体へのインタビュー,調査対象誌を引用した著者への質問票調査を実施した。これらの結果から,わが国の学術雑誌が電子化されることによって,利用が拡大したか,当該分野への影響力が増したのかどうかを考察した。J-STAGEは流通の促進に貢献しているが,実際に引用に影響を与えるためには,審査レベルの向上や魅力的な記事の掲載等,編集方針の変更によって質を向上させることが必要であることを指摘した。
著者
ONO Tomotada CHOI Myoeng Rak IKEDA Ako ODAGIRI Satoshi
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
Agricultural and Biological Chemistry (ISSN:00021369)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2291-2297, 1991-09-23
被引用文献数
8 42

The protein particles in soymilk were fractionated in size by differential centrifugation. Particles of more than 100 nm in diameter (LSP) constituted 40% of the total protein in raw soymilk, 70% of the protein components being 11S globulin. LSP was not formed in the presence of 2-mercaptoethanol and sodium ascorbate. LSP was decreased by heating, and particles of 100-40 nm in diameter (MSP) were increased. The formation of MSP was not due to any degradation of LSP but to the combination of supernatant proteins of less than 40 nm in diameter with each other. MSP formed by heating contained the βsubunit of 7S and the basic subunit of 11S as main components. The particles of more than 40 nm in diameter (LSP+MSP) constituted 50% of the total protein in both raw soymilk and soymilk.
著者
川上 直秋
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

ある対象に反復して接触するだけでその好意度が高まる現象を単純接触効果と呼び,自らが接触したことを再認できない状況下(閾下接触)においても生起する。今年度は,接触を日々積み重ねることによる累積的効果と,その効果のアウトプットとしての持続性について検討することを目的とした。すなわち,我々が何かに反復して接触する事態というのは,必ずしも一時点で完結するものではない。むしろ,日常的な生活を通して少数ずつの接触が日々蓄積していく。したがって,これらの検討によって,本人の自覚とは独立に日々蓄積していく情報がどのような形で影響を及ぼすか,長期的な視点に立った知見が得られることが期待された。研究では,実験参加者を4群に分け,それぞれ累積接触群(ある刺激画像に1日20回閾下で接触するセットを5日間連続で実施,計100回接触),集中接触群(20回の接触セットを1時点で5回実施),基本接触群(20回の接触セットを1回のみ実施),統制群(接触なし)とした。その結果,集中接触群と基本接触群では,接触した画像への好意度が接触直後から漸減傾向を示したのに対して,累積接触群では効果の減少が見られず,3カ月後まで接触直後の効果が維持されることが明らかとなった。この知見は,自らが接触したことを気付かない無意識的な接触であっても,それが日々繰り返されることによって長期的な影響として累積されることを示唆し,日常的な広告への接触やテレビの視聴による影響過程の解明などへ重要なインプリケーションを有する。

1 0 0 0 OA 洋服裁断全書

著者
日本洋装協会 編
出版者
日本洋装協会
巻号頁・発行日
vol.前編, 1925
著者
垣谷 俊昭 倭 剛久
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
2000

昨年度までに、タンパク質中のすべての原子対間の電子トンネルカレントを分子軌道法で求め、大きなトンネルカレントを持つ原子対をつなぐことによって、電子移動経路を表現した。今年度は微視的な原子間トンネルカレントに中間的な統計平均操作を施すと、電子移動経路の新たな性質が得られることを見出した。具体的には、Ru-modified azurinを用いる。ドナーは本来のazurinが持っているCu+で、アクセプターは部位特異的に置換したHisに配位したRu3+である。このazurinを300Kの熱揺らぎに晒せて、さまざまな構造を集める。各構造毎にトンネルカレントを書き、電子トンネル因子|T|を計算する。そうすると、|T|は2桁の揺らぎを示した。電子移動速度は|T|の2乗に比例するので、4桁の揺らぎを示すことになる。異常に大きな揺らぎである。これは6箇所の部位特異的に置換したHisに配位するRu3+アクセプターにすべて当てはまった。したがって、ユニバーサルな性質である。その原因をしらべると、大きな|T|を持つときにはトンネルカレントの向きが揃って、スムースな流れにまっている。逆に、|T|が小さいときには、トンネルカレントがスムースに流れているとはいえない。定量化するために、平均的にカレントが行きつ戻りつする回数を指標Qで表し、destructive interferenceの程度を表現した。さまざまな蛋白構造で求めた|T|とQの相関を求めると、|T|はQに逆比例の関係があることがわかった。これから、Qを調節することによって、電子移動速度を最大4桁程度制御する道が開けた。
著者
吉村松蔵 著
出版者
帝国図書普及会
巻号頁・発行日
1917
著者
高田 礼人
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

現在までに多くのウイルス感染症は予防、制圧されてきたが、エイズ、ヘルベス、インフルエンザあるいはエボラ出血熱等の感染症に対する効果的な治療法は未だ確立されていない。本研究の目的は特定のアミノ酸配列をもつ合成ベプチドによってウイルスの感染を選択的に阻害する方法を開発する事である。pSKANファージディスプレイシステムを用いて、現在までにインフルエンザウイルス蛋白質に特異的に結合するファージを選択した。また、エボラウイルスの表面糖蛋白をプラスミドから発現させ、精製する事に成功した。これを用いて、この糖蛋白に特異的に結合するファージを選択した。さらに、エボラウイルス糖蛋白の幹部に存在する螺旋状部位が機能的に重要である事が判明したので、その部位と同様のアミノ酸配列を有する合成ペプチドを作成し、エボラウイルス表面糖蛋白でシュードタイプした豚水泡性口炎ウイルスを用いてウイルス感染性中和試験を行った。その結果、約80%のウイルスの侵入が阻止された。この成績は、この合成ペプチドがエボラウイルス表面糖蛋白の立体構造の変化をさまたげ、その侵入を特異的に阻害したためと考えられる。また、エボラウイルスの糖蛋白に対して誘導される抗体の中には、ウイルスの感染性を増強するものがあり、エボラウイルスの強い病原性に関わっている事が示唆された。したがって、この抗体が認識するエピトープを解析し、そのアミノ酸配列をもつ合成ペプチドを感染個体に投与すれば、抗エボラウイルス薬として有効であるかもしれない。
出版者
奈良教育大学
雑誌
天平雲 : 奈良教育大学学生広報
巻号頁・発行日
vol.195, 2009-10-29

60th 輝甍祭 奈教!なら今日!!大盛況!!!/長友恒人学長と中谷理事・副学長からのメッセージ/彫塑研究室の大学院生が公募展で受賞しました!/新型インフルエンザにうつらない!うつさない!/奈教の国際交流協定校ってどんなとこ?ドイツ編/平成21年度秋季留学生入学式を開催しました。/国際交流協定校が増えました。/学生が企画するイベント情報/大学からのお知らせ
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集 (ISSN:04694716)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.1-14, 2013-03-31 (Released:2013-03-28)
著者
西原 典孝 小松 香爾 横山 晶一
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究では,フレーム構造論理という新しい論理体系の構築を目指した.本体系は数学的に厳密な意味論を持ち,かつ名詞概念間の階層関係,属性関係,および名詞句に相当する複合概念などを,記号間の直接的関係として記述できる論理体系である.いわば本体系は,自然言語や意味ネットワーク流な"構造的意味表現"が可能な数学的論理体系である.このようなフレーム構造論理の構築は段階的に行われた.まず1)基本体系を公理的体系として構築し,意味論の下での完全性を証明した.さらに,基本体系に対する機械的推論手続きを与え,その完全性,決定可能性を証明した.次に,2)否定概念に相当する補元演算子と集合概念に相当する結(選言)演算子を導入し,体系の表現能力を拡張した.これによって,「動植物(動物+植物)」,「太郎と花子と次郎」などの複合オブジェクトを構造的に記述することが可能となった.3)属性関係の表現力を強化するために,属性関係の属性値に相当するものをオブジェクト化可能にした.また「限量」の概念を導入し,「全称」と「特称」の2種類の限量関係を明確に記述できるようにした.最後に,4)動詞文自体も一つのオブジェクトとして捉え,名詞概念と同様に扱うという手法をフレーム構造論理に取り入れた.このような扱い方は,動詞文を多項関係と捉える従来の述語論理的手法とは本質的に異なり,いわば自然言語の意味表現法により密接した手法であるといえる.これによって,述語論理的枠組みでは高階述語を必要とするような文の意味も表現可能となった.このような体系の構文と集合論的意味論を厳密に定義した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1044, pp.36-38, 2000-06-05

「今や明日のために今日頑張ろうという考えは、この日本から消え去ったのではないか」 東京・新宿区にある日本青年館の一室。日本青少年研究所の千石保所長はあるリポートを見ながら、こうつぶやいた。リポートは同研究所が日本、米国、台湾の高校生を対象に1993年に実施したライフスタイル調査。その中の「将来展望と人生設計」に関する質問の回答が、千石所長を嘆かせた。