著者
金山 博 武田 浩一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.840-849, 2011-06-15

2011年2月14日〜16日、米国のTVクイズ番組においてIBM の質問応答システムWatsonと当番組の2人のクイズ・チャンピオンとの対戦が実現し、Watson が勝利を収めた。本システムの成功には長年の質問応答技術の研究、インターネット上などにある膨大なデジタル情報の蓄積、並列処理と機械学習を利用して解答とその確信度を計算する新たな手法などが寄与している。また、高い相互運用性をもつ自然言語処理のプラットフォームの採用や、米国の8大学との共同研究なども効果をあげた。本稿では、問題の設定、研究開発の過程、その結果と将来の展望を追う形式で、挑戦の概要と技術的内容の両面を紹介していく。
著者
木白 俊哉
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2011

東京海洋大学博士学位論文 平成23年度(2011) 応用環境システム学 課程博士 乙第20号
著者
平林 裕
巻号頁・発行日
vol.36, no.1/2, pp.180-194,
著者
北田 沙織
出版者
近畿大学全学共通教育機構教養・外国語教育センター
雑誌
近畿大学教養・外国語教育センター紀要. 外国語編 = Kindai university center for liberal arts and foreign language education journal. Foreign Language edition (ISSN:2432454X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-32, 2020-07-31

[抄録]Oscar Wilde の“The Happy Prince”(1888)は今なお読み継がれる名作童話でありながら、同性愛を称揚する物語とも解釈されてきた。しかし本論は、王子のジェンダーの揺らぎや両性具有性に注目し、「有用性(usefulness)」という概念に縛られていたつばめが王子との出会いによりその価値観を揺るがされ、同性・異性の枠組みを超えたより深い純粋な愛に身を投じる物語として本作品を捉える。本論では男性性と女性性を明確に区分しようとした19 紀末英国において、因襲的な「男性らしさ」と「女性らしさ」のジェンダーの境界を侵犯することで、固定化された性の在り方に異を唱え、異性愛/同性愛という区別や階層関係を否定する新たな愛の形をワイルドが模索していたことについて考察する。
著者
岡野 裕行
出版者
日本図書館協会
雑誌
図書館雑誌 = The Library journal (ISSN:03854000)
巻号頁・発行日
vol.116, no.11, pp.646-649, 2022-11
著者
渡邉 浩司
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.321-350, 2022-09-30

「武勲詩」は,『ローランの歌』を皮切りとして11世紀後半に生まれ,12世紀中頃に初期の作品群が成立し,13世紀に₃ つの詩群が形づくられた。そして,こうした潤色過程で「アーサー王物語」の特徴的な要素を取りこみ,ジャンルの革新を行った。「ギヨーム・ドランジュ詩群」に属する『ロキフェールの戦い』の「アヴァロン・エピソード」がその典型例であり,その中ではアーサー王の異父姉妹モルガーヌが中心的な役割を演じている。現世の勇者レヌアールを異界アヴァロンへと連れ去る妖精モルガーヌは,妖女であると同時に極端な母性愛を見せる両義的な存在である。