著者
牟田 和恵 古久保 さくら 伊田 久美子 熱田 敬子 荒木 菜穂 北村 文 岡野 八代
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

1)最終年度成果まとめのための研究会を全員参加(スカイプ等含む)で3度にわたって行い、全員の執筆によって電子書籍『架橋するフェミニズム---歴史・性・暴力』を製作した。電子書籍であることを生かし、本科研で行ってきたシンポジウム等の動画も収載した。広く社会的発信を行うため、大阪大学レポジトリでの公開に加え、本科研で制作のwebサイトにて無料公開した。http://movie-tutorial.info/2)同じく成果まとめとして、3月3日に、本研究課題である「ジェンダー平等社会の実現に資する研究と運動の架橋とネットワーキング」の、「研究と運動の架橋」に焦点をあてたシンポジウム『多様な社会問題とフェミニズムの架橋』をウィングス京都にて開催した。反ヘイトスピーチ運動はじめ各分野で活動するうちにフェミニズムとジェンダー平等の重要性に気付いていったという経験を共有するゲストを招いて行い、他の社会運動とのネットワークの可能性を議論し、新聞等にも紹介された(毎日新聞夕刊、2018年4月9日報道「新世代によるフェミニズム 他の社会運動と連帯探る 実践者らのシンポジウムから」)。3)研究成果のまとめのため、補充調査を行った(韓国および台湾)。4)研究のより広い社会的発信のために、ショートムービー『「慰安婦」問題は#MeTooだ!』を制作、上述のwebサイトにて公開した。これは、同サイトで公開している動画製作チュートリアルビデオの利用実践促進も兼ねたものである。
著者
岡野 八代 野口 久美子 合場 敬子 影山 葉子 内藤 葉子 石井 香江 牟田 和恵
出版者
同志社大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

本研究の成果は、歴史的に、ほとんどの社会で女性たちが担ってきたケア実践、すなわち、育児や家事、介護や看護の経験から、女性の身体性がいかに社会的に構築されてきたかを分析し、身体をめぐる脆弱性の社会的意味や女性たちの意思決定のあり方に新しい光を当てた。本研究を通じて発表された論文・著書は、これまで社会的に過小評価されるか、社会的弱者へと押しつけられがちなケア実践を再評価するために、思想的、歴史的、そして実践現場のなかで、ケア実践の意味を新たに問い返した。
著者
岡野 八代 菅野 優香 GONON Anne 菊池 恵介
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本研究は、1) 理論研究と2) ケアの倫理研究拠点の確立という二つの目的が存在している。2016年度の実績については、1) については、フランスにおいて受容されてきたケアの倫理研究の軌跡を、文献研究を中心にすすめられた。とりわけ、フランスでのケアの倫理研究の導入が、ケアの倫理と政治、そして民主主義論を中心に行われていたことを明らかにできた。また、フランスでも深刻な、ネオ・リベラリズムの席巻による、民主主義的原理の堀くずしなど、ケアの倫理がフランスにおいて注目される政治的文脈も明らかにした。2) 京都とパリ双方において、以下のシンポジウムを開催し、来年度にむけた成果報告の基礎が作られた。2017年3月7・8日、京都同志社大学においては、研究分担者であるアンヌ・ゴノンによって、フランスおよび合衆国のケアの倫理研究者とともに、「ヴァルネラビリティ・身体、そして自己の諸様式」と題されたワークショップが二日間にわたり開催された。大学院生の報告を含め、生と身体の傷つきやすさについて学際的な議論を行った。また、2017年3月13日には、研究代表者岡野八代が滞在するパリ第8大学における「ジェンダー・セクシュアリティ・研究センター」(LEGS)において、日本軍慰安婦問題をめぐる男性中心的な日本政治の現状と歴史認識、そして安全保障観をケアの倫理の観点から批判的に考察するシンポジウムを開催した。グローバルな植民地主義の歴史と、現在まで継続する紛争時の女性に対する暴力、さらにそうした暴力の記憶をどのように継承するか。パリ第8大学からは、Carol Mann 氏からのコメントを受け、日本における事例と日本におけるフェミニズム運動がもつ、現代的な可能性について討論の機会をもつことができた。[see http://legs.cnrs.fr/spip.php?article206]
著者
牟田 和恵 丸山 里美 岡野 八代
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30 (Released:2017-07-21)

本年度は、第三者からの精子提供によって女性カップルのもとに生まれた子について、インタビュー調査の設計を行うとともに、7ケースの事例調査を実施した。またフランスにおいては、関連法についても調査した。事例調査は、3ケースは日本、3ケースはフランス、1ケースはニュージーランド(調査自体はイギリスで実施)のものである。フランスは2013年に同性婚が法制化され、同性カップルの養子縁組も可能になったが、同性カップルの生殖補助医療の利用は認められておらず、現政権のもとで議論がなされている最中である。ニュージーランドは、調査対象者が子をもうけた時点では同性婚は法制化されていなかったが(2013年に法制化)、生殖補助医療の利用は可能であった。各国の法制度のあり方と、それと関連はするが相対的に独立した当該家族に対する社会の許容度は、情報開示と子のアイデンティティのあり方に強く影響するが、それだけではなく、子の発達段階、家族の居住形態、精子提供者をどのように得たかなどによってもかなり異なっていることが明らかになった。同性婚はもとより、同性カップルの生殖補助医療が認められておらず、当該家族に対する社会の許容度もきわめて低い日本では、同性カップルが子をもうけるということ自体が、金銭的にも社会資源の面でも特権的な階層にしか可能ではない。それにもかかわらず子をもうけたカップルが直面した・している困難と、その際に取った戦略、そして同様の問題が他国においてどのように生じているかに関する事例を収集することによって、当該家族のもとで育つ子の法的権利・福祉のあり方を検討していくための基礎的な整理を行った。
著者
岡野 八代
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:乙2295号 ; 学位の種類:博士(政治学) ; 授与年月日:2010/9/15 ; 早大学位記番号:新5473
著者
岡野 八代
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.64, pp.60-76,276, 2006

Legal recognition of same-sex marriage is one of the biggest political issues of gay and lesbian movements in both Canada and the U.S. While same-sex marriage was legalized in July 2005 in Canada; the equal right to marriage for gays and lesbians is far from being established in the U.S., as suggested by the debates during the 2004 elections. What makes so much difference between the two countries on this issue? In searching for a key to answer this question, this paper intends to trace the difference to different understandings of "the politics of recognition."<br>Comparing theories of "the politics of recognition" in Canada and the U.S., as represented by two distinguished thinkers, Nancy Fraser and Charles Taylor, this paper explores the critical points made by each thinker and the inevitable dilemma which "the politics of recognition" reveals. Unlike Fraser's argument that claims for social justice since the 90s are increasingly divided into two conflicted claims-one seeking redistributive justice and the other, the politics of recognition-Taylor points out that "the politics of recognition" is deeply rooted in the modern liberalism, especially the politics of equal respect.<br>Following the Hegelian idea of constructing self-consciousness, Taylor views recognition by others as crucial for self-formation, and misrecognition as fatal to it, especially in the modern age. Through the recent changes in the gay and lesbian movement in Canada, we can realize that seeking equal rights under the law paradoxically de-politicizes the claims of the liberation movement of the 70s, and worse than that, forces the multiple actors into the single category listed in the law.<br>"The politics of recognition" à la Taylor discloses that "identity politics" does not result from claims for recognition, but from claims for equal respect. Or rather, a superficial understanding of self formation under the politics of equal respect and uncritical belief in the reversibility of a self and others gets claims for recognition more acute and serious in the modern age.
著者
岡野 八代
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.161-182, 2007-02-20

本稿では, 「希望格差」社会の弊害が危惧される現代の日本社会における「希望」の在処を考えるために, 西洋の政治思想史の知見を援用する.第1章では, リベラリズムの歴史を「希望の党派」と「記憶の党派」という二つの系譜の中で読み返し, 「記憶の党派」の中に民主的な変革の可能性を見いだしたジュディス・シュクラーの議論を参照する.彼女の議論を詳しく紹介することによって, 希望は明るい未来にこそ宿り, 記憶は過去に関わるといった単純な議論を批判する.第2章, 第3章では, 上述のシュクラーの思想にも多大な影響を与えたハンナ・アーレントの政治思想を再読することによって, 現代の危機の在処を明らかにしたうえで, 過去の「想起」と物語る能力のなかに, その危機を克服する契機が宿っていることを明らかにする.第4章では, 筆者が実際に出会った日本軍従軍<慰安婦>にされた女性たちの証言について考察することによって, アーレントの物語論の現代的意味を「証言の政治」という観点から考える.そして, 未来を展望するための希望の力は, 現在において閉ざされている過去を新たに拓き, そのことによって現在を変革することから生まれてくることを指摘する.
著者
岡野 八代
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.64, pp.60-76,276, 2006-03-30 (Released:2012-06-20)
参考文献数
35

Legal recognition of same-sex marriage is one of the biggest political issues of gay and lesbian movements in both Canada and the U.S. While same-sex marriage was legalized in July 2005 in Canada; the equal right to marriage for gays and lesbians is far from being established in the U.S., as suggested by the debates during the 2004 elections. What makes so much difference between the two countries on this issue? In searching for a key to answer this question, this paper intends to trace the difference to different understandings of "the politics of recognition."Comparing theories of "the politics of recognition" in Canada and the U.S., as represented by two distinguished thinkers, Nancy Fraser and Charles Taylor, this paper explores the critical points made by each thinker and the inevitable dilemma which "the politics of recognition" reveals. Unlike Fraser's argument that claims for social justice since the 90s are increasingly divided into two conflicted claims-one seeking redistributive justice and the other, the politics of recognition-Taylor points out that "the politics of recognition" is deeply rooted in the modern liberalism, especially the politics of equal respect.Following the Hegelian idea of constructing self-consciousness, Taylor views recognition by others as crucial for self-formation, and misrecognition as fatal to it, especially in the modern age. Through the recent changes in the gay and lesbian movement in Canada, we can realize that seeking equal rights under the law paradoxically de-politicizes the claims of the liberation movement of the 70s, and worse than that, forces the multiple actors into the single category listed in the law."The politics of recognition" à la Taylor discloses that "identity politics" does not result from claims for recognition, but from claims for equal respect. Or rather, a superficial understanding of self formation under the politics of equal respect and uncritical belief in the reversibility of a self and others gets claims for recognition more acute and serious in the modern age.
著者
伊田 久美子 北村 文 熱田 敬子 岡野 八代 牟田 和恵 古久保 さくら 元橋 利恵 荒木 菜穂 キタムラ アヤ ムタ カズエ フルクボ サクラ モトハシ リエ アラキ ナホ イダ クミコ アツタ ケイコ オカノ ヤヨ
出版者
松香堂書店
巻号頁・発行日
2018-03-20 (Released:2018-03-20)

課題番号 : 26283013 研究課題 : ジェンダー平等社会の実現に資する研究と運動の架橋とネットワーキング 平成26-29年度 科学研究費補助金 基盤研究(B)