- 著者
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日本特殊農薬製造株式会社開発本部技術部
- 出版者
- 日本農薬学会
- 雑誌
- Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.4, pp.641-645, 1990-11-20 (Released:2010-08-05)
各種毒性試験を実施し, プロチオホスの安全性評価を行なった.プロチオホスのラットとマウスに対する急性毒性は比較的低く, 普通物に相当した. 眼および皮膚に対する一次刺激性と皮膚感作性は軽度であった. 一方, 亜急性毒性および慢性毒性/発癌性試験では, 高用量投与群において, ChE活性の阻害, 体重増加抑制や一部の臓器重量の増加等の変化がみられたが, 特定の病変は認められず, 発癌性も認められなかった. また, 繁殖性に及ぼす影響, 催奇形性および変異原性は認められなかった.プロチオホスは昭和50年9月に45%乳剤および2%粉剤の登録を取得し, その後水和剤, 微粒剤F等も登録された. 登録保留基準値は, 果実0.1ppm, 野菜0.1ppm, いも類0.05ppm, 豆類0.05ppm, 茶5ppm, てんさいおよびさとうきび0.5ppm, 夏みかんの外果皮5ppmと設定された.プロチオホスは定められた使用基準を遵守すれば, 安全性が高い薬剤であり, 農業資材の一つとして有用であると考えられる.