著者
土田 尚弘
出版者
首都大学東京大学院社会科学研究科経営学専攻経営学会
雑誌
経営と制度 (ISSN:13491180)
巻号頁・発行日
no.8, pp.63-91, 2010-02

Discrete choice models have received much attention as the major methodologies for modeling consumer behaviors. Based on the framework of random utility models, many researchers have proposed a variety of consumer decision models. The purpose of this article is to provide an intensive survey and overview of the area, with particular applications in quantitative marketing. Moreover the issues and future developments are discussed in terms of the managerial implications and enhancements of their specification.
著者
佐藤 喜久一郎
出版者
現代民俗学会
雑誌
現代民俗学研究 = Journal of Living Folklore (ISSN:18839134)
巻号頁・発行日
no.6, pp.77-91, 2014-03

This paper is intended as a sympathetic critique of the cultural activities of Rekijyo-Japanese history buffs. A rekijyo is regarded as female enthusiast who has an obsessive interest in historical figures. Some rekijyos are males, in which case they are often called rekidan. Rekijyos throw themselves into touring historical sites like palaces, temples, graves, and castles, as if they are on a pilgrimage. Sometimes they wear costumes there to portray a certain historical character or role.A rekijyo is also a self-educated amateur historian who attaches great importance to fieldwork. Their pilgrim-like activity is somewhat related to a romantic reaction to their academic or educational history. It is a way for them to resist the formal, dry and unemotional discourse on history that they experienced when they were younger. The prefer to empathize with their favorite historical characters than to analyze them. However, just like other Japanese youth, rekijyo culture is excessively postmodernized. Rekijyo also engage in an endless deformation and imitation of persons from history. Even though their view of history is based on empathy, theif behavior is rooted in modern consumerism. Rekijyo culture is merely otaku consumption, but it is also a form passive resistance against those who set themselves up as authorities on history.
著者
Sato Takaki Matsuda Yasumasa
出版者
東北大学大学院経済学研究科
雑誌
DSSR Discussion Papers
巻号頁・発行日
no.82, pp.1-15, 2018-05
著者
北嶋 志保
出版者
Hokkaido University(北海道大学)
巻号頁・発行日
2015-03-25

患者中心の医療が進められており,患者が治療に主体的に参加し,治療方法を選択することが求められている.しかし,病気や診断方法,治療方法が複雑であるため,突然病気を患った患者がこれらを正しく理解し,判断,決定することは容易ではない.患者の意思決定や治療に対する積極性を促し,QOL(生活の質)や健康状態に良い影響をもたらすためには,医療に関する必要な情報を取得し,理解,活用する力が患者自身に求められている.ところで,情報化社会の進展に伴い,誰でも容易にインターネット上に情報発信が可能となっている.そのため,インターネット上に存在する患者やその家族によって発信された情報が近年注目されている.実体験に基づく医療情報は患者の不安を軽減させたり,励みとなる可能があることに加えて、大規模かつ即時的な情報は,既存の調査を上回る可能性がある.しかし,人手で膨大なデータから,求める情報のみを取捨選択し,収集するには多大な労力が必要である.また,人手による検索では,悪い面ばかり無意識に注目し収集してしまうといった問題点が挙げられる.したがって,本研究は,インターネット上から得られる患者の実体験情報を自動的,網羅的に収集,提示することで,患者の判断材料や励みとなるシステムの構築を目的としている.近年,自然言語処理技術を用い,医療カルテから薬剤名や病状を特定する研究が進められている.著者も医療カルテやブログ記事を対象とし,薬剤名や症状名などの医療用語の位置を機械学習により特定する研究を行ってきたが,「頭痛」のような症状名は抽出できても「頭が痛む」のように対象と評価のセットで記載された症状については抽出の対象としておらず,また非専門的な表現にも対応しきれていないなどの問題点があった.本研究で著者が対象とするブログ記事も専門家ではない患者やその家族によって書かれたものであるため,専門家によって書かれたカルテに出現する用語や言い回しとは異なる表現が使われることが多いことが問題点として考えられる.そのため,本学位論文は闘病ブログに現れる表現の多様性を損なわず,適切に抽出するシステムを構築して行った研究について述べている.医療情報のなかでも,医薬品は治療において必要不可欠なものであるため,医薬品の効果や付随して起こる副作用についての情報を取得することは,患者にとってよりよい治療につながると考えられる.本学位論文では,目指すシステムの第一段階として,患者によって書かれたブログ記事から,薬剤の服用による変化,効果,副作用を,(薬剤,対象,効果)の三つ組で抽出するシステムの構築・提案を行った.実際にブログに出現する薬剤の効果,副作用に関する記述の特徴を調査し,その際用いられる特定の表現を収集し,手がかりとした.その手がかり語と構文情報を考慮したパターンマッチングにより抽出を行う.専門用語や評価表現に着目した抽出を行わないため,話し言葉で書かれたブログの表現の多様性を保持した抽出が可能であり,例えばこれまで抽出が困難であった擬音語や擬態語で書かれた評価表現も収集することができる点に本研究の独創性がある.ブログに出現する薬剤に関する効果,副作用の記述に対し,手がかり語を用いたパターンの有効性を確認するため,ブログの要約文であるスニペットを対象に評価実験を行った.一般的に意見抽出に用いられるパターンマッチング手法の評価結果と比較したところ,適合率において40.7ポイント高い42.1%という優位性のある結果を示し,本手法の有効性を確認することができた.要するに,従来の意見抽出に用いられる「薬剤名→対象」「対象→効果」(矢印は係り受け関係を示す)がブログに出現する薬剤に関する情報には不適切なことが多く,提案した「薬剤名→効果」「対象→効果」のパターンが適していることが明らかとなった.しかし,再現率は6.2%と低い結果となった.その原因として,大きく2つ考えられる.手がかり語が存在しない,助詞の省略といった理由から要素が存在する場所を特定することの誤りによって出力ミスまたは出力が得られないこと,また抽出された要素が,三つ組の要素として不適切であることである.これらの問題を解決するため,二つの改善手法を提案した.第一に,提案したパターンが当てはまらない場合についても抽出を可能にするため,手がかり語が存在する場合,しない場合について複数のパターンを提案し,それらを組み合わせて抽出を行った.その結果,再現率が24.8ポイント向上し31.0%となり,より柔軟な抽出が可能となったことが示された.また,評価表現は擬音語や擬態語など多彩な表現で記述されることが多いため,評価表現辞書に存在する表現では不十分なことが多い.しかし,薬剤の効果,副作用が現れる対象は身体の部位や感情など,ある程度限定されている.そこで第二に,対象要素の適切性を判断することにより,適合率の向上を図った.薬剤添付文書中に存在する対象要素として用いられる可能性のある単語を収集し,辞書の作成を行った.このようにして作成した辞書をフィルタとして用いることで,適合率が15.8ポイント向上し57.9%となり,対象単語に対するフィルタリングの有効性が明らかとなった.さらに,スニペットのみならずブログ全文を対象とし,システムの有効性を確認した.システムの改善に役立てるため,薬剤の効果,副作用が書かれたテキストの特徴を解析し,複数のパターンに分類されることを示した.今後は,意味解析を用いて文の構文パターンを分類し,最適な抽出パターンを判別,適用すること,照応解析により薬剤名が含まれない文からも抽出を行うこと,モダリティを考慮した抽出が必要であると考えられる.
著者
松坂 ヒロシ
出版者
早稲田大学英語英文学会
雑誌
英語英文学叢誌 (ISSN:13476440)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.12-13, 2015-03-25
著者
小野 耕二 ONO Koji
出版者
名古屋大学大学院法学研究科
雑誌
名古屋大学法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.276, pp.63-95, 2018-03-25

本稿は、平成27年度から29年度にかけて支給されている以下の科学研究費による成果の一部である。課題番号15K03272、科学研究費基盤研究(C)、研究課題「『たちの悪い問題』への適用可能性の検討を通じた『ガバナンス形成』理論の研究」。本稿の一部はまた、次の科学研究費に基づく共同研究の成果ともなっている。課題番号26284014、科学研究費基盤研究(B)、研究代表者:安藤隆穂、研究期間:平成26年度~29年度、研究課題「自由主義と自由の制度化の多元性と相互作用:思想史の東西融合と学際的展開に向けて」。
著者
山田 悦子
出版者
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 = Research Faculty of Media and Communication, Hokkaido University
雑誌
メディア・コミュニケーション研究 (ISSN:18825303)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.187-203, 2018-03-26

北海道大学現代日本学プログラムは、高等教育の国際化の流れの中で、日本の大学の正規学生として留学生を受け入れる日本学専攻の4年間の学士課程として設立された。第一期生が2014年10月に予備課程を、2015年4月より学士課程を開始し、当稿執筆時点の2017年11月で既に第四期生が予備課程を開始している。日本語を教育言語とする日本の大学の学士課程では、留学生の受け入れに際して障壁になると言われている「教育言語」の問題は大きく、入学時点で求められる高いレベルの日本語力がネックとなっていると言われている。またグローバル30の枠組みで多く作られた英語を教育言語とする学士課程では、日本に長期間滞在しながらも日本語力を身につけないまま大学卒業となり、日本での就職も難しいという問題があった。現代日本学プログラムはこの言語の障壁の解決も視野におき、日本語、英語の双方を教育言語とするバイリンガルプログラムとしての可能性を追求する方向で設置された。当稿ではこの現代日本学プログラム学士課程入学前の半年間の予備課程で取り入れた自律学習クラスの開発について述べる。筆者は2014年度秋学期より予備課程日本語コースの授業を担当し、2015年度より予備課程日本語コースコーディネーターとしてカリキュラム開発の試行錯誤を重ねてきた。それらの反省を交えながら今後のより一層の改善を目指し、自律学習に焦点を当てて以下に記すこととする。なお、当稿は「実践報告」に近い性質の「報告」として執筆した。