著者
池内 恵
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.36, pp.109-120, 2007-09-28

日本におけるイスラーム思想の研究において、井筒俊彦の諸著作が与えた影響は他を圧している。日本の知識階層のイスラーム世界理解は、ほとんど井筒俊彦の著作のみを通じて行われてきたと言ってしまっても誇張ではないかもしれない。井筒の著作の特徴は、日本の知識人のイスラーム理解の特徴と等しいともいえる。この論文ではまず、井筒の著作において関心がもっぱらイスラーム神秘主義(スーフィズム)とイスラーム哲学にあり、イスラーム法学についてはほとんど言及されないことを指摘する。その上で、井筒がイスラーム思想史の神秘的な側面に特に重点をおいたことは、井筒が禅の素養を持つ父から受けた神秘的修道を基調とする教育に由来すると論じる。また、井筒の精神形成をめぐる自伝的な情報を井筒の初期の著作に散在する記述から読み取り、井筒の神秘家としての生育環境が、イスラーム思想史をめぐる著作に強く影響を及ぼしていることを示す。
著者
加藤弘之 著
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1893

1 0 0 0 OA 徳育方法案

著者
加藤弘之 著
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1887
著者
加藤弘之 著
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1894

1 0 0 0 OA 雑居尚早

著者
加藤弘之 著
出版者
哲学書院
巻号頁・発行日
1893
著者
有賀 弘紀
出版者
仏教思想学会
雑誌
仏教学 (ISSN:0387026X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.91-111, 2003-12

1 0 0 0 OA 数理哲学研究

著者
田辺元 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1925

1 0 0 0 OA 価値の哲学

著者
オストウアルド 著
出版者
大日本文明協会
巻号頁・発行日
1914
著者
八重樫 徹
出版者
有斐閣
雑誌
哲学雑誌 (ISSN:03873366)
巻号頁・発行日
vol.128, no.800, pp.176-193, 2013
著者
浅井 茂紀
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.83-99, 2005-12

この論説は,目次,I序論,II本論,第1節孔子の学,第2節孔子の道,第3節孔子の徳,第4節孔子の善,第5節孔子の天,III結論,から成立している論文(注付)である。孔子の学,道,徳,善や天とは何かを問題にしてみた。それらの根拠として,儒学における『論語』や『孟子』,『荀子』などの出典を提示して,各々の内容を分析や総合し問題にしてみた。また,中国古代,周の春秋時代,孔子は,仁,義,礼,知,信や愛はもとより,なぜそれら学,道,徳や善,さらに,天などの倫理(Ethics),道徳哲学(moral philosophy)を主張したのかを問題にし,吟味してみたのである。つまり,孔子の倫理哲学は,人間としての基本的な理念(Idee)ではなかろうか,ということをロゴス(logos)的に体系付けて,その意義と価値を多少なりとも考察した論説である。
著者
秋葉 剛史
出版者
埼玉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

「唯名論を現代的な観点から彫琢し擁護する」という本研究の目的の達成に向け、平成25年度中に以下のような研究を行った。まず、博士論文の内容を発展させ、より包括的な議論に仕上げた。同論文では、「単純な述定命題のtruthmaker(この種の命題を真にするもの)」という理論的役割に注目し、この役割を果たす存在者は実在論の枠内(事態説)でよりも唯名論の枠内(トロープ説)でこそ満足な仕方で与えられると論じた。昨年度はこの議論を拡張し、truthmaker概念を採用することの動機づけをより丁寧に補強するとともに、従来この概念を採用することの一つの障壁とみなされていたスリングショット論法に応答する論考を加えた。以上の内容は、学術単著『真理から存在へ――<真にするもの>の形而上学』として近日出版予定である。また、現代形而上学の成果をドイツ・オーストリア学派の理解にフィードバックする一つの試みとして、現代形而上学における有力学説の一つである「性質の因果説」の見解を、特にE・フッサールが展開した性質・物体構成論を読み解くための手がかりとして用いることを試みた。その成果は、第12回フッサール研究会シンポジウムにおける提題として発表した。さらに、「実在論と唯名論」という理論的対立の基本に立ち返り、その意義をより広く非専門家に知らしめることを目指し、次の仕事も仕上げた。一つは、現代形而上学全般についての著作『ワードマップ現代形而上学』(新曜社、2014年)であり、この中で私は「普遍」「個物」「形而上学手のさらなる広がり」という三つの章の執筆を担当し、形而上学的対立を検討する一般的な意義とその方法について特に丁寧に紹介した。もう一つは、現代哲学において普遍の問題について論じるための必読文献となっているD. M. ArmstrongのUniversals : An Opinionated Introductionの翻訳であり、この中では詳細な訳注によって著者の議論を補足するとともに、この問題のそもそもの背景や争点についても解説した。
著者
陶久 利彦 荒木 修 新井 誠 宮川 基 佐々木 くみ
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

性風俗産業の法的問題性を、憲法・行政法・刑法という個別法分野から分析・検討すると同時に、法を支える感情面や倫理面との関連性を法哲学の見地から研究した。ただ、性風俗に含まれる行為や営業は多様であるから、共同研究者の関心にも沿うような形で専ら売買春と所謂風営法に対象を限定した。フェミニズムに加担するのではなく、かといって実態調査に埋もれるのでもなく、性風俗関連の立法史、特に行政的規制の在り方、そして風営法の憲法論的位置づけなどを検討したことは、性風俗産業への法学的アプローチとして大きな成果を上げた。
著者
湯浅 弘
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.97-111, 2004-03-15

本論文は,日本におけるニーチェ受容史研究の一環として西谷啓治のニヒリズム論に検討を加えようとするものである。西谷のニヒリズム論は,第二次世界大戦直後,日本でニヒリズムや実存思想が流行した時期における日本人のニーチェ解釈を代表する論考であり,その論考で西谷は,ニヒリズムに関するニーチェの言説を再構成して,ニヒリズムの諸相をニヒリズムの自己克服と見るある種の歴史哲学的視点を打ち出した。西谷の議論の特色は,ニヒリズム問題にアプローチする方法論を明確化した点に,またヨーロッパの思想史の中でニヒリズムという問題の位置を適切に洞察した点に,さらにはニヒリズム問題における科学的精神の意義を明確化した点などに求められるが,本論文では,以上のような論点について以下の項目に従って論じてゆくことにする。(1)日本人のニーチェ受容史における西谷のニヒリズム論の位置。(2)西谷のニヒリズム論の基本的視座。(3)ニーチェにおけるニヒリズムの諸相。(4)ニヒリズム問題における科学的精神の意義。