著者
青木 聖久
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.135, pp.23-34, 2016-09-30

精神障害者や家族は,障害年金受給が,将来の就職に影響するのではないかと危惧している実態がある.それは,精神障害者が障害年金を受給していることが事業主に知られてしまうと,たとえ現時点において,経済的に困窮していたとしても,安心して精神障害者は障害年金を受給できない,というものである.これらの不安が解消されれば,精神障害者は障害年金の受給につながることになる. そこで本稿では,障害年金に関わりをもつ社会保険労務士からの調査を通して,このことを明らかにすることにした.なぜなら,社会保険労務士は,近年障害年金を専門にする者が増えていることに加えて,顧問という形で事業所に関わり,事業主から人事の相談を担いうる等,障害年金と事業所の双方に精通していると考えられるからである.そして,調査の結果,従業員の障害年金受給は制度的に,事業主に知られるものではないことがわかった.また,精神障害者が就労において求められるのは,障害年金の受給の有無という論点よりも,就労への取り組み姿勢を含めた労働の中身や,労働の継続性が大切であることの示唆を得ることができた.さらに,本稿を通して新たに得られた事柄は,以下のことである.それは,精神障害者や家族は,職に就くという「点」に注目することが多いが,豊かな人生を送るために働くという論点で捉えれば,自分のことを理解してくれる事業所で,いかに自分に合った働き方をするかという「曲線」で捉えることが大切だというものである.本研究では,このように働くことに関する新たな視点に辿り着くことができた.
著者
上ノ原 秀晃
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.116-128, 2014

2013年の参議院選挙は,初めての「ネット選挙」であった。近年,インターネットではソーシャルメディアの比重が増しており,海外では選挙運動にも広く利用されている。そこで本論文では,「ネット選挙」解禁に候補者がどう対応し,(代表的なソーシャルメディアである)ツイッターを活用したのかを分析する。具体的には,①どのような候補者がツイッターの利用に積極的であったのか,②どのような内容を投稿したのかを分析する。 分析の結果,小政党の候補者,競合的な選挙区もしくは比例区の候補者がツイッターに積極的であったことが分かった。また,コンピューターによる内容分析の結果,多くの投稿が告知や報告に関わるものであり,政策関連の投稿は少ないことは分かった。いくつかの小政党の候補者はツイッターの双方向機能を活用し,有権者との情報交換に積極的であった。
著者
村瀬 雅敏
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.5-13, 2005 (Released:2005-04-27)
参考文献数
8

宮城県で行われた第39回日本理学療法学術大会では演題総数が1,000題を超えてきたが県内士会員の発表は他の学会への発表も含めて低迷しているように思われた。そのため,学会発表を再考するために,まず過去10年の県士会員の学会発表動向を述べると共に,他県の状況も合わせて比較検討した。宮城県は会員数のわりに発表演題数が少ない傾向にあり,近年さらに減少の傾向にあることも明らかになった。そこで,改めて研究とは何かという観点,何故研究を行うのかという観点からの私見を述べた。研究方法の中で症例報告は研究デザインタイプの中で妥当性の低い階層に位置しているが,その利点として,研究をするうえで便宜的な手法であることは無論であるが,費用も最小で済み,より詳細な研究のための仮説を導くことが出来る研究デザインであることなどから,もう一度見直されるべきなのではないだろうかと考えている。また,理学療法士の大多数が臨床業務に従事している現状から症例報告は,評価-治療-事後評価といった一連の日常臨床業務の過程が,症例報告(研究)の記述過程と重なる部分が非常に多いことから,症例報告を書くことは臨床行為の確実さにつながることが考えられ,新人理学療法士には大変お勧めの研究手法である。

3 0 0 0 世界大地誌

著者
野口保興著
出版者
目黒書店
巻号頁・発行日
1905

3 0 0 0 魚市場

著者
沢田重隆構成・絵
出版者
評論社
巻号頁・発行日
1985
著者
漆畑 稔 倉沢 正樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.107, pp.28-30, 2006-09-10

——2月の日薬副会長選挙で落選が決まった直後に、「人物評価ではなく組織票に負けた」と話されました。落選をどう総括していますか。漆畑 あの時に話したことと今の考えは全く変わっていません。都道府県ごとの会員数で代議員数が決まり、その代議員が投票する選挙では、東京や大阪などの大票田を押さえた候補が勝つのは当たり前の話です。
著者
杉本 重雄
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.1, no.Pre, pp.67-70, 2017-09-08 (Released:2017-09-08)
参考文献数
3

現在の情報環境において利用者、特に一般利用者のためのアーカイブとそのコンテンツの利活用性を高めるには、アーカイブ横断的な検索機能に加え、Web上のいろいろな資源を視野に入れたコンテンツの複合的な組織化によるアクセス性向上が必要である。本稿では、マンガ等のポップカルチャを含む文化的コンテンツのアーカイブと東日本大震災アーカイブに関し、筆者の研究室で進めてきた研究から得た知見を基礎にして、アーカイブとそのコンテンツへのアクセス性向上を目的としてメタデータのモデルについて述べる。以下、はじめにメタデータの視点からアーカイブとそのコンテンツのモデル化に関する基礎的な概念について述べ、その後、筆者の研究とそこから得た知見を示す。