著者
橘 セツ
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 = The bulletin of Kansai University of International Studies (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
no.24, pp.85-100, 2023-03-10

This paper is concerned with life history/life geography of the Countess of Warwick, Frances Evelyn Greville (1861-1938), also known as ‘Daisy’. Lady Warwick’s life was a paradox: her luxuriant aristocratic lifestyle was increasingly at odds with her conversion to socialism from around 1905, and the left-wing political activity that she undertook for the rest of her life. This paper looks at three different landscapes with which Lady Warwick was closely associated: Easton Lodge, Warwick Castle and Studley Castle. This paper then focuses on Lady Warwick’s philosophy and practice in relation to women’s agricultural and horticultural education. She opened the Lady Warwick Hostel in Reading in 1898, before developing Lady Warwick’s College at Studley Castle in 1903. The college offered a high standard of horticultural practical training and education for women. Finally, this paper introduces the Japanese student, Taki Handa, who studied at Lady Warwick College from 1906 to 1908. The paper evaluates how Lady Warwick’s horticultural school contributed to the establishment of a new female branch of the horticulture profession concerned with ‘the lighter branches of agriculture’
著者
新田 涼輔 葛目 幸一 桝田 温子 益崎 智成
雑誌
研究報告アクセシビリティ(AAC) (ISSN:24322431)
巻号頁・発行日
vol.2022-AAC-18, no.20, pp.1-6, 2022-03-01

視覚障碍者のスマートフォンの所持率は年々増加しており,スマートフォンに内蔵された GPS と音声機能によって屋外での歩行支援が可能になりつつある.しかし,駅構内や地下街などの非 GPS 環境下での歩行支援は難しく,近年様々な方式のインドアナビゲーション技術が提案されている.現在,我々は視覚障碍者が歩行時に使用する点字ブロックに着目し,点字ブロックの周辺に限定した「地磁気マップデータベースを利用したインドアナビゲーション技術」の開発を行っている.本研究では,リアルタイムナビゲーションを実現するために, ユーザが一歩,歩くごとに DTW (Dynamic Time Warping) 処理によって自己位置推定を行うシステムと点字ブロックの敷設情報を利用した新たな地磁気マップデータベースの作成法を提案する.提案したシステムは,加速度センサ,地磁気センサと制御用 PC から構成されており,実験により次に示す結果が得られた.① 1.2m以内の誤差でリアルタイムで自己位置推定ができる.② 音声機能を付加した簡易ナビゲーション実験により,同程度の誤差でナビゲーションが可能である.③ 点字ブロックを目印に歩行し,地磁気を計測することによって高精度の地磁気マップデーベースを容易に作成でき,地磁気マップ作成に要する労力を大幅に削減できる.
著者
吉川 肇子 Kikkawa Toshiko
出版者
江戸川大学
雑誌
Informatio : 江戸川大学の情報教育と環境 = Informatio
巻号頁・発行日
vol.20, pp.3-4, 2023-03-30

本稿では,教育におけるゲームの活用について述べた.まず,ゲーミング・シミュレーションという分野の簡単な定義を紹介した上で,教育的活用について検討した.ゲームによって学べることについては多様であるものの,本稿では,主に正解を学ぶこと,問題の構造を学ぶこと,問題意識の共有,感情体験について紹介した.次いで,ゲームで学ぶことの利点を3 点紹介する.それらは,自己効力感を持てる学習ツールであること,問題の構造が学べること,ゲームを作って学ぶことができることである.他方,ゲームが教育現場に導入されるにつれ,その学習効果に対する誤解も少なからず生まれているようにも思われる.それらのいくつかについて取りあげることによって,なぜゲームを教育に活用することが意義のあることなのかについて検討した.その鍵となるのは,「ゲームの勝利条件」であって,これを精査することが,より効果的なゲームの活用につながる.
著者
内田 昂 磯山 直也 Guillaume Lopez
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.876-879, 2017-06-21

我々は物事に集中して取り組む能力として「集中力」という言葉を用いることがあるが,集中力は様々な要素が含まれることから定量化することができず,無意識下に変化する集中状態を常時把握することも困難である.集中状態を推定する手法として体動情報や生体情報を用いたものが提案されてきたが,双方を同時に用いた集中状態の推定は未だ行われていない.そこで,本研究では従来研究で用いた体動情報に加え,生体情報として脈波を使用した単一デバイスによる集中状態の推定手法を提案する.本手法を用いることで,自身の作業態度を振り返り,作業環境などを省みる機会を与えることができる.勉学中のデータを使用した教師あり学習を行い,学習結果に対し交差検証を行った結果,推定に十分な精度を得ることが出来た.また,集中状態評価を複数人で行うことで85.5%の精度を得ることができ,本手法が有効であることを確認した.
著者
横手 逸男 ヨコテ イツオ Itsuo Yokote
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.42, pp.19-40, 2010-01

日本国憲法は「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」(2条)と規定し、皇室典範は「皇位は皇統に属する男系の男子が、これを継承する」(2条)と定めており、皇位継承資格を「男系の男子」に限定している。皇位継承の安定的確保は、国家の根本体制にもかかわる重要な問題である。しかし、皇太子の次の世代に男子が1人という現況においては必ずしも「安定的な皇位継承」が確保されているわけではない。皇位継承問題、皇室典範改正問題について今までなされた論争をふまえて慎重かつ十分に検討する必要がある。