著者
姉崎 弘
出版者
常葉大学教育学部初等教育課程研究企画部会
雑誌
教育研究実践報告誌 (ISSN:24360112)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.1-10, 2023-03

筆者は、特別支援学校における自立活動の一指導方法である「スヌーズレン教育」に着目して一貫した研究を行っている。肢体不自由特別支援学校でさまざまな自立活動の指導方法が用いられているが、どの程度活用されているのか、また教師の各指導方法の習得希望を調査により明らかにすることは、今後のこの教育の発展のために意義があり必要であると考える。そこで本稿では、グループ教師の回答を分析対象にして「スヌーズレン教育」を中心に、各指導方法の活用度や担当教師の習得希望を明らかにすることで、今後特に障害の重い自立類型の担当教師に求められる自立活動の指導方法を検討し特定した。その結果、先行研究の知見より「摂食訓練」「動作法」「理学療法」「感覚統合」「作業療法」「静的弛緩誘導法」「音楽療法」「ムーブメント教育」「スヌーズレン教育」の9つに、新たに「インリアル法」と「心理検査等の評価法」の2つを追加できると考えられた。
著者
小川 賢治 Kenji OGAWA
雑誌
人間文化研究 = Journal of Human Cultural Studies
巻号頁・発行日
no.48, pp.71-98, 2022-03-31

ABSTRACTEllen Hodgson Brown writes in her book lThe Web of Debtz that the sovereign state can issue money by itself, and that international bankers have deprived sovereign states of power to issue money. Also she says that some events in the world history can be seen from a point of view that those events happened through struggles between sovereign states and international bankers. For example, 'The Glorious Revolution' in England can be seen as that: King James II was a roman catholic and did not permit private banks or money lending. So, Protestants drove him out to establish private banks, and Queen Mary II and King William III were throned. They were Protestants and permitted private banks. Another example: American Independent Revolution was a struggle between American independentists and the British State. American independentists wanted to issue their own money, not to borrow British money and not to pay interest. On the other hand the British State did not admit losing its banks in America. So both joined battle and America won independence from Britain.
著者
出村 佑史 藤澤 誠 三河 正彦
雑誌
研究報告コンピュータグラフィックスとビジュアル情報学(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2018-CG-169, no.5, pp.1-6, 2018-02-24

本論文では,パーマや寝癖の表現を可能とする毛髪の塑性変形シミュレーション手法を提案する.毛髪のシミュレーションはコンピュータグラフィクスの分野において人間等のキャラクタを表現するのに必要不可欠なものであるが,ほとんどの場合シミュレーションが容易な弾性体としてその挙動が計算され,寝癖や整髪料の影響のような塑性変形は考慮されていない.提案手法では,毛髪の主成分であるケラチンと呼ばれるタンパク質内で結びついている側鎖結合を考慮し,実際の毛髪と同じように各結合で切断及び再結合を繰り返すことによって塑性変形を再現する.これらを,位置ベース法に組み込むことで高速かつ安定したシミュレーションを実現した.
著者
鎌田 悠希 川口 宗也 大東 俊博 高山 佳久
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT) (ISSN:21888671)
巻号頁・発行日
vol.2023-SPT-50, no.7, pp.1-6, 2023-03-06

本稿では,QR コードへのレーザ照射により,任意のタイミングで悪性サイトへ誘導可能な偽装 QR コードを生成する方法を提案する.まず偽装 QR コードと実験方法を説明する.次に,レーザ光によって高い照度を与えた領域を撮像した場合,カメラはその領域を明部として扱うという特徴を利用し,レーザ照射により悪性サイトへ誘導する確率を動的に変化させる偽装 QR コードの構成について検討する.また,実験結果に基づき,レーザ照射による偽装操作の防御策について考察する.
著者
菊田 千春 Chiharu Uda Kikuta
出版者
同志社大学人文学会
雑誌
同志社大学英語英文学研究 = Doshisha studies in English (ISSN:02861291)
巻号頁・発行日
no.79, pp.61-104, 2006-03

格助詞ガが、明確に主格表示として用いられるようになるのは室町期とされ、それは、日本語が古典語から近代語への転換を示す変化の一つと考えられている。生成文法では、格助詞の種類は統語構造上の生起位置を表すと考えられることが多く、主格ガの確立も構造上の変化を映すとされる。 本稿では、格助詞を句構造のみからは論じられないという立場に立ち、主格ガの確立を、格助詞ガの性質の変化と、日本語の文法システムの変化の両面から捉えることを目指す。LFG、HPSGらの制約に基づく句構造文法の語彙主義の主張にしたがい、主語はそれを統語的に選択する主要部の述語により認可され(=主格という抽象格が付与され)、それについては古典語も近代語も変わりはないと想定する。主格の格助詞ガの確立は、その抽象格がいくつかの表現形で表されていたのが、次第に、助詞ガという形態格に固定化していくことと解釈し、その過程を捉える方法を提案する。具体的には、Kikuta (2003)で提案した、上代日本語の助詞のプロファイルや助詞選択にかかわる制約を拡充し、上代から近代語にかけての変化を、そのプロファイルと制約の優先順位の変化という観点から分析する。主格ガの成立は一見複雑に見えるが、本稿では、卓立性や名詞性などの素性とその制約の順序という視点から分析することで、単純で漸進的な一方向的変化が複合的に起こった結果ととらえられることを示す。
著者
根本 敏行 ネモト トシユキ Toshiyuki Nemoto
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.15, pp.115-122, 2015-03-31

本稿は、欧州の都市におけるユダヤ人街に関する諸問題を取材・研究するもので、同様の一連の研究の一部である。ここでは、ゲットーという言葉の起源となったヴェネツィアのゲットーを取り上げた。ヴェネツィアにおけるユダヤ人の活躍と今日の創造都市論には共通する背景があるものと見ることができる。
著者
中山 聖 福西 恵太 山下 晋 春日 規克 岡崎女子大学非常勤講師 愛知県立安城東高校 岡崎女子短期大学 岡崎女子大学
雑誌
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学 研究紀要 (ISSN:21882770)
巻号頁・発行日
no.55, pp.83-89, 2022-03-15

本研究では、陸上選手計 2 名に対し自転車エルゴメーターでの負荷漸増法により乳酸性作業閾値(LT)の測定を行った後、算出した LT 値前後の 5 種類の運動強度負荷にて 15 分間の一定強度ペダリング運動を行った。各強度の血中乳酸濃度が定常に達した値により乳酸カ-ブを描き、従来の乳酸カ-ブとの比較を行いLT の意義を検討することを目的とした。 結果として、15 分間ペダリング時の血中乳酸濃度はすべての強度において、従来の方法による血中乳酸濃度より高値を示した。5種類のペダリング強度と血中乳酸濃度との関係を示す乳酸カ-ブにみられるLTは、従来の方法によるLT測定時よりも低強度で観測された。 以上のことから、従来の LT 測定時の血中乳酸濃度はピークを迎える前の乳酸増加時の値であり、有酸素性と無酸素性作業の境界線を決める値としては問題があるため、トレーニングの LT 利用には今後さらなる検討が必要であることが示唆された。