著者
関原 彩
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.28-38, 2015

<p>『心学早染草』の善玉悪玉の図像の先蹤を探るため、これまで総合的にとらえられてこなかった魂の図像の変遷について考察した。その結果、歌舞伎の演出と『延寿反魂談』の魂の意味が重要であるとの結論を得た。黒本青本や初期の黄表紙において、「心」の字を入れた炎を、殺された人の魂として描いていたが、これらは魂を丸に「心」で表わした歌舞伎の演出の影響である。また、『延寿反魂談』になると、霊魂という意味ではなく〈性格を伴う心理〉という意味が付け加えられる。</p>

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1933年10月12日, 1933-10-12
著者
和田 宏幸 青木 美智子 田宮 千春
出版者
医療法人茜会 昭和病院
雑誌
昭和病院雑誌 (ISSN:18801528)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.57-60, 2005 (Released:2005-09-13)
参考文献数
7

病棟にポータブル撮影に行くと、急いで遠くに逃げる人や、部屋の中にいるときに撮影すると、かなり離れていても「ああ、放射線あびちゃった」などと落胆する人がいます。このように、放射線が恐いと思っている人や、不安に思っている人が多いようです。それでは、ポータブル撮影はそんなに恐いものなのでしょうか。そして、どのくらい周囲にいる人に影響があるのでしょうか。 結論的には、胸部ポータブル撮影では2m、腹部でも3m離れていれば問題ないことが分かりました。それ故、本人が退室を希望される場合以外は、お見舞いに来られた方の退室の必要はありません。近年、報道されている原子力発電所の事故による大量被曝と医療被曝の違いを認識していれば、ポータブル撮影時の被曝を恐がる必要はないといえます。
著者
黄 國賓 杉浦 康平 Kuo-pin HUANG Kohei SUGIURA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2021
巻号頁・発行日
2021-11-24

チベット・ブータン・ネパール・ラダックなどのチベット仏教文化圏の数多いチャム(chams) のなかに、僧侶たちが真黒に近い絢爛たる緞子の衣装をまとい、黒色を主役とした重厚で威厳のある独特な大きな黒い帽子をかぶった、「シャナの舞」と呼ばれる踊りがある。 チャムに関する研究はこれまで、音楽、舞踊、宗教的儀式などの視点で多大な研究成果が見られる。しかしいずれもが個別的な研究であり、チベット仏教におけるシャナ冠の造形とそれに関わる聖山信仰、シャナ冠を構成する各モチーフの象徴的意味の解読からシャナ冠の特異な造形原理を統合的な研究への探求は未だ見られない。 本研究では、デザイン学の視点から地域差によって生み出されたチベット仏教文化圏に共通するシャナ冠と須弥山、曼荼羅との関連、およびその影響を受けたとされる日本の仏教文化との関連する造形、図像の象徴性、意味性を比較しながら、これまでに明らかにされなかったシャナ冠の造形原理の象徴性を明らかにする。