著者
須藤 祥代
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.19-25, 2022-12-15

本稿では情報Iの事例を取り上げている.1つ目が,単元の導入で実施している基礎知識を学習する協働学習で,主体的・対話的な学びにより,学びを人生や社会に生かそうとする態度を養うための授業デザインである.もう1つが,得た知識・技術を活用してよりよい社会を創ることを意識して思考・判断・表現をする授業デザインとして,PBL(課題解決学習)を実施しているデータの活用と情報デザインの各分野の事例である.学習サイクルを何度も回し徐々に質の高い理解を図っていくことで,知識の量を削減せず,質の高い理解を図るための学習活動の質的改善をしており,カリキュラムマネジメントや授業時数に応じた授業デザインも紹介している.
著者
富樫 耕介 Kosuke Togashi
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.143-157, 2021-02-15

シベリア抑留は、日ロ関係に横たわる重要な歴史問題だが、研究は長年進まず、近年活性化の兆しを見せているものの、抑留者の高齢化や死去で抑留経験の聴取は喫緊の課題になっている。本稿は、筆者の祖父・本山新一へのインタビュー聴取に基づいてシベリア抑留の「記憶」を「記録」する試みである。本稿では、1945年9月から4年間の抑留を記録対象とし、既存研究や資料に基づく事実の検証、あるいは抑留全体の議論と個人の経験を接合する作業に注力した。
著者
植田 美津恵 山本 直子
出版者
東京通信大学
雑誌
東京通信大学紀要 第4号 = Journal of Tokyo Online University No,4 (ISSN:24346934)
巻号頁・発行日
no.4, pp.95-112, 2022-03-31

Of the 61 picture books in the so-called “classic picture books,” only “Suho’s White Horse” addressed death squarely. Japanese picture books are often rewritten with scenes of death and cruelty, the reason for this may be the influence of the education policy since the Meiji period and the involvement of the national character of Japanese people. From the 1970s, the number of picture books on the theme of death increased, and it is assumed that this was due to the increase in the number of suicides after the collapse of the bubble economy. Also there was also a murder in which an elementary school student was the perpetrator. Recently, while the number of suicides decreasing, especially the number of suicides young people increasing tendency, which increased the need to teach the importance of life in educational settings.The role of picture books in shaping one’s view of life and death was discussed by highlighting the similarities between “The Cat Who Lived a Million Times” were published in 1977 and have been long-time sellers.and “Suho’s White Horse,”

1 0 0 0 OA 浦島伝説考

著者
樫葉 勇
雑誌
白梅学園短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.30-37, 1970
著者
佃 洸摂 石田 啓介 濱崎 雅弘 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-132, no.15, pp.1-10, 2021-09-09

本稿では,人々が Web 上で集まって同じ瞬間に同じ楽曲を聴きながら,リアルタイムにコミュニケーションが取れる音楽発掘カフェ「Kiite Cafe」を提案する.この Web サービスでユーザが楽曲を聴取する体験は,(i)各ユーザの楽曲に対する「好き」という反応が可視化される,(ii)Kiite Cafe で再生される楽曲はユーザの好みの楽曲から選択される,という 2 つのアーキテクチャによって特徴づけられる.これらのアーキテクチャによって,ユーザは対面で一緒に楽曲を聴いているかのように,他のユーザとの社会的繋がりを感じたり,自分の好きな楽曲を他者に紹介する喜びを感じたりできる.さらに,Kiite Cafe のアーキテクチャによって(1)再生中の楽曲に対して「好き」を伝えることの動機づけ,(2)多様な楽曲を好きになる機会の獲得,(3)キュレータとしての貢献,という 3 つの体験がユーザにもたらされる.1,760 名の Kiite Cafe ユーザによる約 5 ヶ月間の行動を分析することで,これらの体験を通して生まれる,ユーザにとってポジティブな影響を定量的に示す.
著者
矢野 葉子
雑誌
AA1199157X = 昭和女子大学大学院日本語教育研究紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-64, 2001-11-01

世界の多くが多言語使用社会であり、そこで暮らす人々の多くがバイリンガルである。シンガポールも多言語使用社会の一つで、中国語、マレー語、タミール語、英語が公用語と定められている。国民が多民族で構成されていることから、政府は多言語主義を掲げ、二言語教育制度をとっており、多くの国民が英語と民族語のバイリンガルとなっている。そのようなシンガポール人が日本語を学習する際、彼らにとって日本語は第三またはそれ以上の言語となる。この第三の言語の教授に際して、過去に行われてきた第二言語習得の研究に基づいた教授法の採用は適しているのだろうか。教師は学習者が身につけている言語の影響を考慮した教授法を考えなければならないのである。多言語使用社会とバイリンガル、シンガポールにおける日本語教育についてまとめ、第三言語習得の研究の必要性について考える。
著者
牟田 京子
雑誌
鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要 = Bulletin of Faculty of Nursing and Nutrition, Kagoshima Immaculate Heart University (ISSN:13484303)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.27-34, 2020-04

【目的】本研究は,初年次教育における「研究活動・レポート作成における不正行為」に関する研究倫理教育の取り組み事例から,今後の研究倫理教育の在り方について考察した。【方法】A大学初年次セミナー受講生に,無記名による自己記入式カード「ネカトかるた」を記入してもらい,学術的文章の倫理に関する講義を行った。各グループで記入されたカードを(1)捏造,(2)改ざん,(3)盗用(剽窃),(4)特定不正行為(ネカト),(5)その他不正行為・規範意識,(6)指示以外の6項目に分類し,その構成比を算出した。【結果】標本数44枚,回収率95%であった。捏造に関する記述をしたものが2%,改ざん20%,盗用31%,ネカト18%,その他不正行為・規範意識を記述したもの20%,研究上の不正行為外6%であった。【考察】ネカトに関して71%の理解度があるものの,教員の指示を正しく受け取れていない学生が26%いることが明らかになった。研究における不正行為の種類と具体的行為,それにより引きおこる問題点をインプットだけではなく,個人活動やグループ活動を行うなど,アウトプットを織り交ぜた双方向・参加型講義を行うことで知識の偏りを確認し,不足する知識を補うことができ,学生の研究者倫理に関する規範意識が涵養される可能性が示唆された。(著者抄録)