著者
福江 純
出版者
日本天文学会
雑誌
天文月報 (ISSN:03742466)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.244-253, 1995-06

活動銀河中心核に存在する超大質量ブラックホール局辺の降着円盤からは,膨大な量のエネルギーが放射されている.そのようなフラックホール-降着円盤系のエネルギーを利用するためのステーションとして,降着円盤自身から放射される強烈な輻射圧によって支えられた浮遊プラットフォーム〈フォトンフローター〉の配置や安定性について考察した.まず降着円盤系から十介遠方に配置したファーフローターの場合,(超大質量フラックホールの)重力と(降着円盤からの)輻射圧が釣り合う臨界浮遊角度が存在することがわかった.降着円盤の直上に浮かべたこアフローターでは,やはり特定の高度-浮遊高度-で重力と輻射圧が釣り合う(より一般には浮遊半径も存在する).しかもこの浮遊高度は,力のバランスにおいて,安定な平衡点てeあることがわかった.なお降着円撃の軸上に置いたアクシズフローターの場合は,不安定でまた危険である.An accretion disk surrounding a supermassive black hole at the active galactic nuclei radiates the tremendous###energy. In order to utilize energy of the accretion disk system,we investigate the configuration and stability of a floating platform -PHOTON FLOATER - above the accretion disk,which is supported by the radiation pressure of the disk radiation. In the case of the FAR-FLOATER,which is located far from the disk,there exists a critical floating angle,where the gravitational force of the centeral black hole is balanced with radiation pressure. In the case of the NEAR-FLOATER,which is located very close to the disk,there exists a critial floating height,where the gravity is balanced with radiation. It is demonstrated that this floating height is dynamically stable. Finally, in the case of the AXIS-FLOATER,which is located on###the axis of the disk,the photon floater is unstable.
著者
貴志 真也 鳥居 久展 畑山 大輔
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI1291-CbPI1291, 2011

【目的】<BR> アキレス腱断裂後3ヶ月で剣道競技に復帰した女子高校剣道選手の症例を経験した。そこで今回、早期競技復帰に向けて当院で開発したアキレス腱断裂縫合術後の剣道用装具とアキレス腱縫合術後のリハビリテーションプログラムを紹介し、今後の課題について検討する。<BR>【方法】<BR> 1)手術内容とリハビリテーションプログラムの紹介と検討:術後術式はTriple-Tsuge法+cross-stitch法で、リハビリテーションプログラムは、術後3日目:短下肢装具装着にて歩行開始(状態に合わせて部分荷重から全荷重)、患部外トレーニング、足関節背屈自動運動、足関節底屈以外の足関節筋力トレーニング(isometric)開始。術後2週間目:足関節底屈以外の足関節筋力トレーニング(isotonic)、タオルギャザー、足関節底屈自動運動、術後3週目:足関節底屈筋力トレーニング、術後4週目:エルゴメーター、術後5週目:裸足歩行、術後6週:両脚カーフレイズ、術後8週目:片脚カーフレイズ、剣道の摺り足と引き技練習。術後9~10週目:ジョギング、縄跳び、剣道の基本練習。つま先跳び20回出来ればスポーツ復帰。また、剣道の練習は当院で開発した装具を装着する。<BR>装具は両側(内側・外側)にバネ支柱と底屈誘導バンド(ゴム製)を装着している。ズレを防止するため皮膚接触面はラバー素材である。<BR>2)アンケート調査:(1)競技復帰から1年までの剣道競技の回復レベルについて。(2)アキレス腱用装具とテーピングとの比較(フィット感、安定感、安心感、動きやすさの4項目)。<BR>3)MRIによるアキレス腱修復状況の確認(術後3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月)。<BR>【説明と同意】<BR> 剣道の練習中、左アキレス腱断裂にて当院でアキレス腱縫合術を行った年齢17歳の女子高校剣道選手3名である。対象者には事前に発表の趣旨を十分説明し同意を得ている。<BR>【結果】<BR> 対象者3名とも上記リハビリテーションプログラムに沿って、術後3ヶ月以内で競技復帰を果たし、県総合体育大会に出場し好成績を収めた。<BR>回復レベルのアンケートについては、3~4ヶ月で60%、4~5ヶ月で70~80%、6ヶ月で90%、10~12ヶ月で100%であった。<BR>装着感は、装具装着初期~5ヶ月までは全例とも安定性良く、蹴り出しをサポートするので装具が良いとの回答。ただし、5ヶ月以上になるとテーピングのほうが動きやすいとのことであった。<BR>MRI のT2強調画像でのアキレス腱修復状況は、3ヶ月ではアキレス腱縫合部に高信号があり、周辺組織も腫れている状態で修復は十分とはいえないが連続性は得られていた。6ヶ月では高信号も消失し、周辺組織の状態も安定していた。<BR>【考察】<BR> 剣道競技への早期復帰の要因は、断裂部の固定を強固にする術式と、剣道の練習開始に向けたアキレス腱用装具の開発により、早期リハビリテーションプログラムに沿ったリハビリテーションが行えたことである。したがって、当院で行っているアキレス腱縫合術後のリハビリテーションプログラムは、早期スポーツ復帰に有効であり妥当であったと考えられる。また、当院で開発したアキレス腱用装具は、術後5ヶ月までは底屈誘導バンドにより剣道の踏み込み動作における蹴りだしに有効であると思われた。さらに、アキレス腱が十分修復されたと思われる術後6ヶ月目はテーピングのほうが良いとのアンケート結果とMRIでのアキレス腱修復状況から装具除去の時期は6ヶ月と考える。今後の課題は、スポーツパフォーマンスにおける長期成績について検討する必要がある。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> スポーツ傷害のリハビリテーションにおいて、スポーツ現場への早期復帰は重要な課題の一つである。今回の報告は、スポーツ選手のアキレス腱修復術後における早期スポーツ復帰へのリハビリテーション指標や今後の課題を考える上において有効であると考える。
著者
西村 豐作
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.23, no.83, pp.540_1-540_1, 1890
著者
大前 貴之 西川 清
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
JCPE Journal (ISSN:13449826)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.37-42, 2001

半経験的分子軌道法を用いて, 凹多角形のπ電子共役系を有する四つ葉分子素子を研究した.この分子は, 自然界に普遍的に存在する炭化水素からなることから継続的な原料調達が可能であるばかりでなく, その新奇な構造からπ電子共役系の化学の新たな展開を促す興味深い標的化合物であると考えられる.
著者
川口 雅之 松崎 尚志
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.819-821, 2014

高齢者のアキレス腱断裂は若年者に比較して稀な外傷である.今回院内発症した高齢者のアキレス腱断裂を2例経験したので報告する.[症例1]66歳男性.右下腿糖尿病性膿皮症で入院中.早朝に廊下で転倒し左アキレス腱断裂受傷.[症例2]73歳男性.両側の白内障手術で入院中.早朝にトイレで転倒し左アキレス腱断裂受傷.[考察]若年者のアキレス腱断裂はスポーツ中の受傷が多い.それと比較して高齢者のアキレス腱断裂はスポーツ中の受傷は少なく,転倒などの突発的な外傷などでの受傷が多い.院内での転倒・転落などのインシデント・アクシデントでの外傷では頭部打撲や骨折に注意が向き,Xp・CTなどで評価しがたいアキレス腱損傷は見落とされがちである.早期診断のために院内での啓蒙が必要である.
著者
田中 和雄
出版者
専修大学商学研究所
雑誌
専修ビジネス・レビュー (ISSN:18808174)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.25-48, 2015

人的資源管理とは,人間を重要な資源と見なす,人事管理の比較的新しいアプローチであると考えることができる。本論では,そうした人的資源管理制度を批判的に検討することを課題としている。そのために,人的資源管理制度を批判する前提として,E. マッケナおよびN. ビーチの研究に基づき,人的資源管理を構成する概念ならびに主要な制度,すなわち,「戦略と組織構造」,「人的資源計画」,「業績管理」,「報酬管理」,「教育訓練・能力開発」,「従業員関係」を取り上げ,各管理制度の概念と具体的な制度内容を確認した。さらに,E. E. コセックおよびR. N. ブロックの研究を整理することにより,そうした制度の展開における局面の特徴を批判的に検討した。Human Resource Management can be viewed as a comparatively new approach to Personnel Management which considers people as the key resource. In this paper, I have investigated the Human Resource Management System from critical view point. For this purpose, I have confirmed the conception and method of each system which is composed of Human Resource Management, and pointed out the issues of systems according to the study of E. McKenna and N. Beech. These systems are"strategy and structure", "human resource planning", "performance management", "reward management", "training and development", and "employee relations". And moreover, I have investigated the characteristics of spreads of each system according to the study of E. E. Kossek and R. N. Block.
著者
中村 匡宏
出版者
国立音楽大学
雑誌
音楽研究 : 大学院研究年報 (ISSN:02894807)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.67-79, 2014

本論の目的は、『シュプレヒシュティンメSprechstimme(以下,Sst.)』の技法をある水準まで高めたアルノルト・シェーンベルク(Arnold Schoenberg 1874-1951)の作品を整理、考察し、現代の声を用いる芸術作品の創作における作曲技法的問題と可能性を発見する事である。本論は2部で構成する。第1部ではシュプレヒシュティンメの技法の前身と考えられる『レチタティーヴォRecitativo』『メロドラマMelodrama』『ジングシュピールJingspielの台詞部分』の3つの事項を挙げる。シェーンベルクにSst.の創作のきっかけを与えたのは19世紀の作曲家エンゲルベルト・フンパーディンク( Engelbert Humperdinck 1854-1921)のオペラ《王様の子供たち》で用いた唱法であると言われることが多いが、とりわけ17世紀以降の声楽作品、オペラから見てみも、Sst.の定義が曖昧すぎてSst.の起源の発見は困難である。同様『メロドラマ』や『ジングシュピールの台詞部分』に関しても、音楽を語りに付随させる事は演劇の発祥まで辿らなくてはならない。この疑問は、20世紀のシェーンベルクの用いたSst.の技法、記譜法からも検証し、これらの技法、記譜法の目的を整理することで、Sst.との関連性を見いだせる可能性がある。第2部ではSst.を用いたシェーンベルクの作品全てを概観し、用いられている記譜法全てをまとめSst.の記譜の使い分けを分類する。結果シェーンベルクの使用しているSst.の記譜法は5種類あり、その用法の分類は『音高(メロディ)とリズムが指示されている唱法』『音程関係(イントネーション)とリズムが指示されている唱法』『タイミング(語りだし)のみの指示がされている朗読』の3つであった。シュプレヒシュティンメと音楽に同一の価値をもたせる、もしくはシュプレヒシュティンメの音楽的存在感が背景の音楽に負けない芸術作品の制作をするためには声そのものの『音色』の指示に加えて『イントネーション』『リズム』『発音のタイミング』が記譜されることが最も重要になると考えられる。