著者
谷本 道哉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.867-870, 2015-09-25

加齢とともに進行する筋萎縮症(サルコペニア:加齢性筋萎縮症)の予防に最も効果的な方法は,筋肉に抵抗をかけるレジスタンストレーニング(RT)である.通常のRTでは高齢者であっても最大筋力の80%程度の大きな負荷強度を用いなければ明らかな筋肥大は生じない.しかしながら高負荷RTには整形外科的傷害や心臓血管系イベントのリスクが少なからずある.本稿では筋発揮張力を維持しながら動作を行うことで,比較的軽負荷を用いて大きな筋肥大効果の得られる筋発揮張力維持スロー法(スロートレーニング)について解説する.
著者
中西 俊夫 磯部 文男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.169-176, 1993-02-15

【抄録】 DSM-Ⅲ-RのMajor Depression,melancholic typeの診断基準を満たす外来通院うつ病者で,2年以上症状が続いた者17名と,性・年齢がマッチし1年以内に寛解した者17名をretrospectiveに調査・比較した。慢性化を予測する因子としては,発症から初診までの期間が長いこと,病前性格におけるメランコリー親和型(Tellenbach)の程度が強いこと,経過中のストレスとなる出来事が多いことの3点が明らかになった。一親等親族でのうつ病の家族歴,初診時のハミルトンスケールの得点などでは両者の間に有意差はみられなかった。神経症性うつ病を別にすれば,病前性格においてメランコリー親和型の程度が強ければ,単極性・内因性うつ病は慢性化しやすいと考えられる。
著者
林 塩
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.22-26, 1955-05-15

完全ということはどんな場合でも,容易にはあり得えないものであり,完全という言葉はうっかり用いられないものと思うが,現在使われている完全看護なるもの程不安定なものはないと思う。この完全看護という言葉があるために,病院の看護婦達は想像以上に心身の苦労をし,入院患者達は必要以上に不満を感じているし,又病院管理上にも割り切れない問題となつている。 もともと,この完全看護というのは,終戦後に出来た言葉で,病院の入院患者に附添をつけないで,病院自体の看護力を持つて療養上の世話をし始めた時にできた言葉である。戦前には一部の病院を除くと,日本国中の殆んどすべての病院では,家族附添又は職業的附添婦がついていなければ患者は入院ができない状態であつた。病院に雇われている看護婦は,入院患者の1入1人の看護には当らないで,病院の医師の助手であり,患者と附添者の着視或いは管理者であり,病室のハウスキーパーであり,又事務員でもあつた,随つて病院経営上からすれば誠に便利な存在であつたが,真の意味の看護をしていなかつたから,患者にとつては,病気の快復上にさほど価値はなかつたわけである。「1に看護2に藥」とは昔からの日本の諺であり,「病気が癒るのは,95%が看護の力で,後の5%が藥による。」
著者
高橋 正雄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.891, 1993-10-10

「カラマーゾフの兄弟」(米川正夫訳,岩波文庫)の最終章には,思い出の持つ精神的意味が強調されている場面がある.この物語の主人公アリョーシャは,結核で亡くなったイリューシャを少年達と手厚く葬った後で,その少年達に今日の思い出を大切にするよう,次のように呼びかけるのである.「私たちは今後一生涯,たとえどんなことが起こっても,また,たとえ二十年も会わなくっても,あの憐れな少年をここで葬ったことを,忘れないようにしましょう」「たとえ重大な仕事で忙しい時にも,―名誉を勝ち得た時にも,あるいはまた大なる不幸に陥った時にも,とにかくいかなる時においても,かつてこの町でお互いに善良な感情に結び合わされながら,あの憐れな少年を愛することによって,私たちが実際以上立派な人間になったことを,決して忘れないようにしましょう」. さらにアリョーシャは,こうした子供の頃の思い出の価値を強調して,「一体楽しい日の思い出ほど,殊に子供の時分親の膝もとで暮らした日の思い出ほど,その後の一生涯にとって尊く力強い,健全有益なものはありません」,「子供の時から保存されている,こうした美しく神聖な思い出こそ,何よりも一等よい教育なのであります.過去においてそういう追憶をたくさんあつめた者は,一生すくわれるのです」と語る.そしてアリョーシャは,「イリューシャを葬ったことや,臨終の前に彼を愛したことや,今この石の傍でお互いに親しく語り合ったことを思い出したら,もし仮りに私たちが残酷で皮肉な人間になったとしても,今のこの瞬間に私たちが善良であったということを,内心軽蔑するような勇気はないでしょう」,「この一つの追憶が私たちを大なる悪から護ってくれるでしょう.そして,私たちは過去を顧みて,『おれもあの時分は善良だったんだ.大胆で潔癖だったのだ』ということでしょう」と,そうした思い出は,われわれに素直な気持ちを取り戻させ,悪から救うことさえあると語るのである.
著者
上江洲 聖
出版者
三輪書店
巻号頁・発行日
pp.422-423, 2021-05-15

●選択肢が少なすぎるか,多すぎるかよりも,選択できないことが苦しい 居酒屋で酔って眺める議論のようだった. 前提に基づいて結論を主張する者,事実に基づいて推論する者,仮説の検証を試みる者.論点がズレていることもあった.多角的な視点を絡み合わせて解決の糸口がみえそうなこともあった.報道番組,報道番組のフリをしたワイドショー,新聞,ネットに拡散された情報をかき集めて議論する人たちの会話が嫌でも耳に入り込んできた.新型コロナウイルスが日本に広がって1年以上が経過した.
著者
中川 国利
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.11, 2018-01-20

忘年会や新年会などで,酒を飲む機会が多い季節を迎えた.飲酒運転に対する社会の目は厳しく,今や犯罪として処罰される.では診療上における飲酒は如何であろうか. 運送業界や航空業界では,就労12時間前からの禁酒が規定されている.さらに就労時には,呼気におけるアルコール濃度測定を義務付けている会社も多い.したがって午前8時半から仕事に従事する場合には,前日の午後8時半からはソフトドリンクしか飲めないことになる.
著者
夏秋 優
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.149-152, 2014-04-10

要約 マダニ刺症において,咬着したマダニ虫体を除去するには局所麻酔下で皮膚ごと切除するのが確実である.ワセリン法は咬着中のマダニ虫体を被うようにワセリンを載せて,約30分後に異物鑷子で除去する方法である.マダニ幼虫であれば比較的容易に,若虫や成虫では咬着後早期であれば除去できる可能性があるので,試す価値がある.マダニが媒介する感染症には注意が必要であるが,マダニ除去後,感染症予防のための抗菌薬は一律に投与するのではなく,必要に応じて判断するべきである.
著者
津村 哲彦 谷矢 雄二 工藤 行夫 花田 照久 押尾 雅友
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1143-1152, 1985-10-15

抄録 約2年5カ月間,ほぼ連日,マリファナを使用し,仕事に対する葛藤・会社の倒産・法的問題への恐怖・大学受験・逮捕・拘留などの状況を背景に,意識変容を伴う幻覚妄想状態に至ったマリファナ精神病の1臨床例を報告し,本症例を通して,マリファナ酩酊・マリファナ精神病・arnotivational syndrome。マリファナの精神作用やそれによる精神病状態の原因や起源・spontaneous recurrence・マリファナ使用の動機と予後,及び,臨床心理学的諸検査について検討した。 本症例の示したマリファナによる精神病状態は意識変容状態と考えられ,その症状は心理的・状況的背景から考え,かなり了解しうるものと考えられる。 わが国でも,マリファナ常用者がかなり存在しており,とくに,不安恐慌状態やマリファナ精神病は,精神医学的領域においても注意しなくてはならない病態と思われる。
著者
小原 孝男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1891-1893, 1991-11-10

甲状腺検査の基本は触診である.甲状腺疾患の患者の多くは,触診によってはじめて見つけだされる.とくに甲状腺腫瘍は大部分が無症状であり,悪性でも進行癌でないと症状が出ない.無症状のうちに甲状腺癌を見つけだすには一般医師の頸部触診に頼るしかない.甲状腺機能異常を起こすバセドウ病や橋本病にしても,腫大した甲状腺を触れてはじめてその診断を思いつくことがある.甲状腺の触診技術に習熟すると,その所見だけからどの甲状腺疾患であるか,診断を予測することが大体できる.
著者
大橋 博司
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.745-753, 1963-09-15

Hippocratesの原典から精神医学にも関係のあるような部分を紹介してみたい。最初は「神聖病について」を訳してみることにする。てんかんに関する論述であるのはいうまでもないが,本篇は単に精神医学のみならず医学一般においてももつとも重要な文献の一つであろう。「ヒポクラテス全集」"Corpus Hippocraticum"というのはだいたい紀元前5世紀の後半から前4世紀の末葉にいたるまでの数十篇にのぼる医学的文献の集大成であるが,その中でも本篇はもつとも古く,440BC〜430 BCころのものではないかという説もあり,おそくとも420BC以前であろうとのことである。大Hippocrates自身の筆になることがほとんど確実とされているものに「予後」(προγυωστικον),「流行病I,III」(επιδημιαι α,γ),その他があるが,この「神聖病について」(περι ιερηδ νωυσσυ)もまた「空気,水,場所」(περι αερων υδατωντσπων)と並んで彼自身の著作であろうという見解が支配的である。これには異論もあるがいまはふれない。Hippocratesの生誕が460 BCころとされているから,本篇がもし彼の作でありその年代が上述のごとくであるとすれば,彼の比較的若い年代に書かれたことになる。 本篇は俗信,迷信に対する攻撃にはじまる。まずてんかんをば神聖病とみなしてこれを呪術的行為によつて治療せんとする当時の俗見に向かつて決然と論駁を加え,本病が他の疾病と同じく自然的起源を有するもので,遺伝,体質にもとづき,その原因が脳にあることを主張する。さらに粘液質と胆汁質の区別,粘液が脈管系に流入するために生ずる種々の発作型の記述,年齢や気候による影響,意識,思考をもたらす空気の役割,意識の媒介者としての脳など,種々興味ある論述があつたのち,最後にてんかんが決して不治の病でなく自然的,合理的手段により治癒せしめうることが示唆されている。
著者
齋藤 喜仁 村山 正宜
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.40-44, 2020-02-15

記憶は覚醒時に符号化され,記憶固定化を介して長期記憶として貯蔵される。Müllerにより記憶固定化の概念が提唱されてから100年以上が経ち,睡眠が様々な種類の記憶を固定化することが行動学的に示されてきた1)。では,睡眠時の脳において,いつ・どこで・どのようにして記憶固定化が起こるのであろうか?
著者
蝦名 玲子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.554-558, 2021-08-15

はじめに 先月号で,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生初動期の,和歌山県の素晴らしいクライシス・緊急事態リスクコミュニケーションについて紹介した. おさらいしておくと,2020年1月末,国の指針としてCOVID-19の検査対象となるのは中国への渡航歴がある人か,感染が確認された人の濃厚接触者に限られていた頃,和歌山県内の病院勤務医が発熱等の症状を示した.その後3日間は解熱剤等を服用しながら勤務を続けていたが,胸のX線写真を撮ると肺に影がみられた.そこで,県が調査をしたところ,この医師と同院に勤める別の医師と患者3人にも同様の症状があることが分かり,COVID-19の院内感染の可能性が出てきた.国の指針で示されていたCOVID-19の検査対象のいずれの条件にも当てはまらなかったが,県はこの医師がCOVID-19を発症しているのか否かを確認するためにPCR検査を実施した.すると,結果が陽性であったため1例目の陽性者として確認され,その当日,知事は福祉保健部技監とともに記者会見を開いた.そして,事態が解決するまで経緯が毎日オープンに透明性をもって伝えられ,情報提供者としての信用と信頼を獲得したという事例である. 実は,この事例は,リスクマネジメントとリスクコミュニケーションは切り離せず,国の指針に当てはまらなくても,現場で,異常事態の探知・リスクアセスメント・対策の実施・評価をする重要性を示したという点からも学び深いものである.もし最初に,発熱等の症状を発した医師が「ただの風邪」と思い,肺のX線写真をとらなかったら…,そしてもしその報告を受けた県や保健所の職員が「国の指針に当てはまらないから」とPCR検査を拒んでいたら…,COVID-19の火種は見逃され,大規模な院内感染へと発展していただろう. そう.公衆衛生上の緊急事態に発展しうる状況下で迅速かつ適切なコミュニケーションをとるためには,病院や保健所・自治体等,現場の職員の異常を探知し,連絡調整する力が欠かせない.危機下のリスクマネジメントとリスクコミュニケーションは切っても切り離せない関係にあるのである. とはいえ,実際には状況が不確実な中,この和歌山県の例のように国の指針やマニュアルといった後ろ盾がない場合には,躊躇してしまうのは仕方ないことと思う. そこで,本稿では,現場の公衆衛生関係者にとって大きな指針となる国際保健規則(International Health Regulations:IHR)や世界保健機関(WHO)のリスクマネジメントの考え方を紹介しよう.また,「リスクマネジメント」と「リスクアセスメント」,そして「リスクコミュニケーション」の定義と関係についても解説する.「行政上の手続きやマニュアルの遂行能力と同じように,危機下では現場のリスクアセスメントも重要」と,きっと共感いただけることだろう.
著者
山本 直毅 今村 明 中岡 和代
出版者
三輪書店
巻号頁・発行日
pp.1108-1115, 2020-09-15

はじめに 感覚刺激への過敏性や低感受性は,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)によくみられる特性である.ASDの感覚特性は,聴覚,触覚,味覚,嗅覚,視覚,前庭感覚,固有感覚のいずれにおいても生じ,臨床的には痛みの感覚や内臓感覚にも生じ得る.このような独特の特性ゆえに,「些細な話し声でも,神経に直接響くような強烈な刺激となる場合があり,パニックになってしまう」,「鳥肌が立つほど寒い真冬でも薄着でいて,風邪をひいてしまう」等,われわれとは別の感覚で世界を捉えていて,生活の困難さを抱えている場合がある.こういった感覚特性に対する理解を深めることは,それに対する支援を考えるうえで重要である. 本稿ではまず,ASDの感覚に対する反応とその中で用いられる用語について解説しつつ,それぞれの感覚領域における実際上の問題について述べる.次に,感覚特性において,多様な表現型が生じる仕組みを,生物・心理・社会モデル(Bio-Psycho-Social Model;以下,BPSモデル)として説明する.最後に,それぞれの感覚領域における支援について解説する.
著者
折田 薫三
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1023-1025, 1979-07-10

レバミゾールの構造と作用機序 Levamisole(LMS)は他の多くの免疫賦活剤と異なり,図1のごとき構造式をもった化学薬品で,分子量240.75の白色結晶状粉末である.水に易溶性で,酸性で安定である.経口で急速に消化管より吸収され,全身の組織に分布する.成人に常用量の150mgを内服させると,2時間以内に0.5Ptg/mlとピークの血中濃度となり,4時間で半減,2日以内に消失する.大部分は肝で分解されて尿中に排出される.薬理学的には,LMSは自律神経節を刺激し,筋性,神経性に心拍出量を増加させる1). 免疫学的にはcyclic GMPの細胞内濃度を上昇させることによってT細胞を活性化させ,T細胞の活性化を通して抗体産生をも増強する.免疫能の正常な健康人や癌患者に投与したのではほとんど無効であり,免疫賦活剤というよりは免疫正常化剤(normalizer)といった性格を有している.RESや大食細胞の機能を高めることも知られている1〜3).Hodgkin病患者の免疫能は著明に低下していることで周知であるが,LMSをin vivo,in vitroに投与すると,リンパ球.(T細胞のsubset)の表面に付いている免疫阻止物質apoferritinが除去され,正常の免疫能を回復してくるという4).なお,急性毒性LD50は表のごとくである.毒性は低く,人体常用量は2〜3mg/kgと思われる1,3).
著者
長根 裕介 五十嵐 匠 杉本 周路 平方 仁 川田 望 滝本 至得
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.529-531, 2003-06-20

症例は52歳の男性。妻および子供2人と同居。40歳頃より,女性になりたいとの願望が生じる。日々自己性器への嫌悪が強まり,自宅で陰囊をカミソリで切開後,両側精巣を摘除し投棄した。その後,陰囊部の疼痛と腫脹が増強し,当科を受診した。同日緊急に血腫除去,精索断端の結紮およびドレナージを行った。術後に精神神経科で性同一性障害と診断され,現在外来で経過観察中である。本邦における自己去勢報告例は,本症例を含めて4例のみである。
著者
太田 多美 馬渕 智生
出版者
協和企画
巻号頁・発行日
pp.743-746, 2017-07-01

<症例のポイント>キュウリはウリ科の植物で、即時型アレルギーの報告例が散見される。健常人5人にキュウリの葉のパッチテストを施行したところ、2名が陽性だった。自験例、健常人2名は、葉そのものには陽性であったがすりつぶした葉には陰性であった。キュウリの葉に生えている棘毛による刺激性の接触皮膚炎と考えた。
著者
関田 信之 江越 賢一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.161-164, 2007-02-20

症例は74歳,女性。発熱,右側腹部痛を主訴に来院し,腎盂腎炎の診断にて入院となった。保存的加療にて改善がみられない腎膿瘍と診断し,右腎摘除術を施行した。術後も発熱,疼痛が続き,腎摘後10日目に下肢の神経症状が出現した。脊椎疾患を疑いMRI検査を施行したところ,腰椎椎間板を中心に炎症所見を認め,化膿性脊椎炎と診断された。比較的稀な疾患であるが,尿路系疾患に併発することが多いとされており,泌尿器科医が十分に認識しておくべき疾患であると思われた。
著者
根本 悦子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.870-871, 1996-11-25

日本は子どもポルノ天国 ベルギーの連続少女誘拐殺害事件などに国際的な関心が高まるなかで,8月末にスウェーデンのストックホルムで「児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」(スウェーデン政府,国連児童基金=ユニセフ=など主催)が開かれた。 会議には120か国約1200人が参加。日本からは政府代表団(代表・清水澄子参院議員)と日弁連関係者,非政府組織(NGO)のメンバーら計18人が出席している。
著者
栗原 房江
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.658-663, 2017-08-25

相対的欠格事由改正後の動き 本誌57巻11号(2016年11月号)誌上で,相対的欠格事由改正後,初の保健師・助産師・看護師免許付与数の公開について報告1)しました。その際,2001年改訂の視覚,聴覚,音声・言語,精神機能に関する診断書が,平成26年2月5日医政発0205第8号各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知「医師,歯科医師,保健婦,助産婦及び看護婦の免許申請について」にて一部改訂されたことにふれました。 以後,関係者間で2016年4月施行の障害者差別解消法2)(以後,差別解消法)および改正障害者雇用促進法3)(以後,雇用促進法)をふまえた診断書様式などのあり方を検討する場が設けられました。その結果,医師,薬剤師など,相対的欠格事由を有する医療従事関連資格の診断書様式が,法改正および医政局長通知をともなわない形で改訂されました。