著者
小関 武史
出版者
一橋大学
雑誌
一橋法学 (ISSN:13470388)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.687-721, 2002-11-10

論文タイプ||論説
著者
大谷 正人 Otani Masato
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.107-113, 2005

レナード・バーンスタインは20世紀にアメリカが生んだ大指揮者兼作曲家として、世界中で活躍し、多くの人々から愛された。バーンスタインにとって、1970年代の後半を中心とした危機的状況は重要な意味を持つと考えられる。作曲家として後世に残るようなシリアスな名曲を作曲したいという思いのため、1969年にニューヨーク・フィルハーモニックの指揮者を辞任したが、その後に作曲した大曲はいずれも期待したような評価は得られず、熱狂的な歓迎の得られる指揮活動を中心にせざるを得なかった。また1976年から1年近くバーンスタインは、妻のフェリシアと別居し男性の愛人と暮らしていたが、その別居中に発症したと思われる肺癌のため、1978年フェリシアは死去した。その悔恨の思いはバーンスタインの生涯続き、その後の音楽活動にも影響を及ぼした。特に演奏面での変化は著名で、遅い曲でバーンスタインのとるテンポは時々極端に遅くなっていった。
著者
新藤 静夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.449-470, 1970-01-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
32

1) 本地域の地下地質層序は下位より三浦層群下部, 同上部, 東京層群下部, 同中部, 同上部, 武蔵野礫層以上であつて, それぞれの関係は深井戸資料, 電気検層資料, その他によつてかなり正確に識別できる。またこれらは周辺地域における従来の知見ともほぼ一致する。2) 本地域における三浦層群は大きく北東に向かつて緩傾斜をなす向斜状の撓曲構造を示し, 関東造盆地運動の性格をよくあらわしている。そしてこの向斜構造に伴つて大構造の傾斜方向を軸とする顕著な波状構造がみとめられる。3) 以上の地質構造を形成した地殻変動は本層群の堆積中から継続的に行なわれていたと解される。4) 三浦層群の上面には旧河道に相当すると考えられる北東方向の谷地形が形成されている。東京層群下部層はこの凹地を埋積して分布している。なおここにみる地下谷の延長を周辺の丘陵地域にのばすと, 現河川で一致するものが多く, その原型の形成が古いものであることが推察される。5) 上記の地層群を覆つて扇状地性の堆積物と考えられる礫質の地層が広く分布している。これが東京層群中部層であつて, 本層の下底部にも北東方向の顕著な谷地形がみとめられる。6) 三浦層群の上面と東京層群下部層の上面にみとめられる谷地形がともに三浦層群の構造とよく一致している事実から, 三浦層群の地質構造を支配した造構造運動は継続してそののちの地形の形成に影響をおよぼして来たことが推察される。7) 上記の地層の上位に東京層群上部層が重なつている。この地層はかっては, 武蔵野台地の全域を覆つていたと考えられるが, 現在ではその大部分が浸食によつて欠如していて, その分布が武蔵野台地の東縁部と西端部地域の地下に限られている。周辺の所沢台, 金子台, 日野台等を構成している段丘礫層は本層の延長に相当すると考えられる。8) 東京層群中部層上面の地下谷の分布とこれを埋積する東京層群上部層の層相から, 少くとも武蔵野礫層の堆積以前は当地域の水系は継続的に北東ないし, 東北東方向をとつていたものと考えられる。9) 多摩川が現在のような流路をとるにいたったのは上記の水系を強制的に変えるような運動があつたためである。この地変は武蔵野台地の北西部が南東部に対して相対的に上昇するような地盤の傾動であつたと考えられる。そして武蔵野段丘や立川段丘の形成にはこのような地盤の傾動も関与している可能性がある。10) 武蔵野台地の北西部付近での三浦層群の傾斜, 東京層群下部層および中部層の基底部の傾斜がいずれも他にくらべて異常に大きいというのもこの推定をうらづける資料としてあげることができる。
著者
山崎 昶
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.320-321, 1989

英語に限らずヨーロッパの諸言語では, 普通の単語を限られた分野の専門語としても使用することが多い。そのために一部の拝外主義者は, 二言目には「だから日本のアカデミズムは……」などという無責任な言辞を弄(ろう)する。だがデータベースの検索などで多義語の処理に苦労したことのない人間の世迷い言に過ぎない。
著者
橋本春陵 著
出版者
崇文堂
巻号頁・発行日
1925
著者
白石 哲郎
出版者
佛教大学
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-16, 2015-03-20

人類学者であるC. ギアーツが先鞭をつけた「解釈学的転回」は,とりわけ文化を分析の主軸に据える後期近代の社会科学者に多大な影響をもたらし,「文化的転回」の潮流を生む契機となった。「社会的なものから文化的なものへ」というパラダイム・シフトは,意味の社会学(意味学派)をはじめ,同時期に台頭した他の人文・社会科学にも共通して認められる傾向である。一方で,文化的転回と通底する問題群に関し,いちはやく定式化に努めた社会学者がT. パーソンズであった。彼自身が「文化の社会学」の名でさらなる純化を志向した行為システム論は,「文化システムと社会システムの相互依存と相互浸透の分析」に動機づけられており,その問題関心自体は,普遍的な妥当性をもつものとして評価すべきである。 しかしながら,社会構造の均衡を重視する機能主義的パラダイムに立脚しているがゆえに,また分析的リアリズムの姿勢に徹しているがゆえに,パーソンズの文化概念は「二重の現実遊離性」を孕んでおり,文化と社会をめぐる今日的状況の分析にそのまま援用することは困難である。 本稿の目的は,「文化的転回」を構成する三つの次元のうち,文化の概念規定次元からパーソンズの「文化の社会学」を再定式化することにある。本論では第一に,ギアーツにも影響を与えたS. K. ランガーやE. カッシーラーのシンボル概念に関して,社会科学における文化概念としての有効性を吟味し,第二に,カルチュラル・スタディーズの抗争的かつ流動的な文化理解を摂取することで両名のシンボル概念のさらなる補完を試みる。このような段階的,連続的な取り組みは,パーソンズの文化概念が抱える陥穽の超克を企図したものである。
著者
佐藤 深雪
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.50-61, 1980-04-10 (Released:2017-08-01)

These are the notes on one of the strange tales in Hanabusa Soshi by Teisho Tsuga. We could see his idea of novels in his way of adaptation which was a peculiar form of literature at that time. Defferences between Japanese folklore and Chinese one would be found through some evidences here.
著者
芦川 将之 川村 隆浩 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.B-G81_1-13, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
31

Current crowdsourcing platforms such as Amazon Mechanical Turk provide an attractive solution Crowdsourcing platforms provide an attractive solution for processing numerous tasks at a low cost. However, insufficient quality control remains a major concern. Therefore, we developed a private crowdsourcing system that allows us to devise quality control methods. In the present study, we propose a grade-based training method for workers in order to avoid simple exclusion of low-quality workers and shrinkage of the crowdsourcing market in the near future. Our training method utilizes probabilistic networks to estimate correlations between tasks based on workers’ records for 18.5 million tasks and then allocates pre-learning tasks to the workers to raise the accuracy of target tasks according to the task correlations. In an experiment, the method automatically allocated 31 pre-learning task categories for 9 target task categories, and after the training of the pre-learning tasks, we confirmed that the accuracy of the target tasks was raised by 7.8 points on average. This result was comparatively higher than those of pre-learning tasks allocated using other methods, such as decision trees. We thus confirmed that the task correlations can be estimated using a large amount of worker records, and that these are useful for the grade-based training of low-quality workers.
著者
松林伯知 講演
出版者
滝川書店
巻号頁・発行日
1901
著者
庄司裕子 堀 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1387-1400, 2001-06-15
被引用文献数
9

実購買行動で生じる消費者と店員との対話を分析した結果,購買時の意思決定プロセスにおいては,適切なタイミングで適切な情報が付与されることによって注目点が変化し,結果として意思決定がなされる場合が少なくないことが見い出された.このような「思考のジャンプ」ともいえる現象は,設計などの創造的活動や概念形成において観察される現象と共通するものである.したがって,創造性支援システムにおいて得られる効果は,オンラインショッピングシステムのインタフェースでも同様な役割を果たすと期待できる.欲しいもののイメージが曖昧なユーザの購買時の意思決定を支援する機能を付加することによって,このような(曖昧な要求しか持たない)消費者層に対して効果的なオンラインショッピングシステムのインタフェースを実現できるのではないか.本稿では,これらの仮説と,それを検証するための実験の試みについて述べる.Analyzing protocol of communication between customers and salesclerks in actual purchase activities, we have found that appropriate information given by the clerk in a timely manner often causes the customer's focus to be changed to lead him/her to make a decision on what to buy.This, so to speak, ``leap in thought'' phenomenon is similar to one often observed in creative activities such as designing or concept formation.Therefore, the effect provided by the creativity support systems can be expected to play a similar role also in online-shopping system interfaces.Features for assisting customers' decision making may enable the construction of online-shopping system interfaces which are useful for customers without clear image of what they want.This paper will describe these hypotheses and an attempt of experiment to verify them.