著者
三浦 一浩
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.67-79, 2008 (Released:2018-10-01)

いわゆる「緑の党」が出現して以降、エコロジー的、個人主義的、平等主義的なイデオロギー、参加的な組織構造、 若者や高学歴者を中心とした支持基盤を持つ政党が「ニュー・ポリティクス政党」として論じられてきた。デンマーク社会主義人民党は1959年にデンマーク共産党が分裂して結成された政党であるが、70年代以降、 新しい社会運動と結びつく中で、ニュー・ポリティクス政党としての側面を強めていった。現在でも左派的、平等主義的志向と共にエコロジーや官僚主義批判などリバタリアン的な主張を併せ持っている。また、その党組織構造は概して開かれたものであり、支持者の間に女性や若者、高学歴者が多いなどニュー・ポリティクス政党の特徴を良く備えた政党である。 社会主義人民党の存在は、 近年の「緑の党」に偏しがちなニュー・ポリティクス政党研究に一石を投じるものであり、より幅広い枠組みの (再) 提示が必要であると言えよう。
著者
三浦 恭代
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.142-143, 2019-11-30 (Released:2020-02-29)
参考文献数
11

Educational institutions need to train nursing students with an eye toward vocational readiness to increase the number of graduates who will continue to work in the nursing field. This longitudinal study of junior college nursing students examines the causal relationship between vocational readiness and 3 potentially related factors (School image, degree of understanding of the lessons, and interest in nursing) using the cross-lagged effect model. The only significant relationship observed was between vocational readiness and the student's interest in nursing. As having an interest in nursing increases vocational readiness, fostering an interest in nursing should raise their perceived value of working as a nurse, potentially increasing the number of graduates who remain working as nurses.
著者
八木 麻理子 川田 洋平 藤澤 誠 三浦 憲二郎
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.97-101, 2008 (Released:2008-10-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1

美的曲線は,対数(等角)らせん,クロソイド曲線,さらにインボリュート曲線を含むとともに,接線ベクトルの積分形式としてのみ与えられている場合であっても対話的な生成,変形が可能であり,実務への応用が期待されている.しかしながら,これまでに提案された3点による美的曲線セグメントの入力法では,曲率が単調に増加,または減少する美的曲線セグメント1本しか入力することができず,曲率が増減し曲率の極値を持つ曲線や曲率の正負が反転する変曲点を持つ曲線を入力することができない.そこで,本研究で液晶ペンタブレット等で入力された点列からの$G^1$連続性を持つ美的曲線セグメント列の生成法を提案する.
著者
中野 敦 河村 仁 三浦 枝里子 星野 准一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.145-153, 2007 (Released:2008-05-27)
参考文献数
15
被引用文献数
2 6

近年,能動的に行動するキャラクタの生き生きとした反応を見て楽しむインタラクティブな創発型コンテンツが見られるようになってきた.これらのコンテンツでは,ユーザが仮想世界に干渉すると,それをキャラクタが知覚して反応する様子が見られる.しかし,その反応したキャラクタがさらに他のキャラクタの行動に影響を与えて新たな話に展開するといった現実世界では容易に起こりえる連鎖的なエピソードの発生はあまり見られない.このような連鎖的なエピソードを能動的に行動するキャラクタによって生じさせることができれば,より創発性の高いコンテンツとなることに加えて,ユーザは仮想世界のキャラクタがより生き生きと行動していると思えるようになり,コンテンツへの没入感を高められるはずである.そこで我々は,ストーリーの断片であるエピソードを階層的なAND/ORの達成条件を持つツリー構造のイベントの流れ(エピソードツリー)として表現し,連鎖的なエピソードを生じる創発的なストーリーを生成するための手法を提案する.提案手法では,キャラクタがユーザからの干渉を知覚しながら複数のエピソードツリーから現在の状況に適していて,かつ優先度の高いイベントを動的に選択し,実行していくことによって,多数のエピソードが連結されたストーリーやエピソード内にその他のエピソードが途中挿入されたストーリー,そして複数のキャラクタが同時に異なるエピソードツリーを実行していくことによって並列的にエピソードが進行するストーリーを生成する.実験として,ユーザがオブジェクトを仮想世界へ追加したり,仮想世界のオブジェクトに触れたりすることで,多様なエピソードの連鎖を鑑賞できるゲームコンテンツ(Spilant World)を制作した.このコンテンツを通して手法の有効性について評価を行った.
著者
岡本 節子 古明地 夕佳 髙田 健人 長瀬 香織 苅部 康子 堤 亮介 谷中 景子 長谷川 未帆子 榎 裕美 大原 里子 加藤 すみ子 田中 和美 遠又 靖丈 小山 秀夫 三浦 公嗣
出版者
一般社団法人 日本健康・栄養システム学会
雑誌
日本健康・栄養システム学会誌 (ISSN:24323438)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.10, 2022 (Released:2022-09-26)
参考文献数
13

目的:令和3 年度介護報酬改定の6 か月後の介護老人福祉施設(特養)及び介護老人保健施設(老健)における栄養ケア・マネジメント(NCM)を担う常勤管理栄養士の業務時間調査から、NCM の課題を整理し、検討することを目的とした。 方法:介護保険施設220 施設の常勤管理栄養士を対象に、3 日間の10 分間ワークサンプリング方式の自記式業務時間調査票を令和3 年9 月に依頼をした。 結果:有効回答は特養34 施設の管理栄養士44 人、老健17 施設の管理栄養士27 人であった。1 施設あたりの平均常勤管理栄養士数は特養1.4 人、老健2.0 人となっていた。特養及び老健常勤管理栄養士の一日一人当たりの業務時間において『NCM に関する業務』が最上位の業務として位置づけられ、『給食に関する業務』は上位の2 割程度であった。 結論:管理栄養士の業務は従来の給食からNCM へと大きく転換していた キーワード:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、栄養ケア・マネジメント、業務時間調査、給食
著者
三浦 有紀子
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.45-56, 2009-10-20 (Released:2021-08-01)

Since the 3rd Basic Plan for Science and Technology started in 2006, policy programs have started to promote the activities of female researchers in science and technology fields. However, one of the critical points on the career-path of female scientists in Japan, in comparison to the European Union, was recently noticed. In Japan, the critical juncture is the entrance into the graduate schools, based on the male/female ratios of students and academic staff in the science and technology fields. A possible reason is the difficulties that women face in finding suitable scientific jobs upon completion of graduate school. Anticipation of this problem would lead to lower graduate school enrollment for women that eventually affects the ratio of female/male researchers, not only in academia but also in the business sector.
著者
北村 英哉 三浦 麻子 松尾 朗子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PC-051, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

清浄志向/穢れ忌避(POPA)傾向は,人の道徳基盤のひとつをなし,しかも直観的に日常的態度に反映される。穢れ意識が差別行為と結びつくことが指摘されてきたが(礫川,2007),現代においても移民排斥態度,不安感が関連を有するのか検討を行う。体系的な各年代サンプルで,高年齢層ほどPOPA傾向が高いかの検討も合わせてWeb調査を行った。チェックを通過した402名(うち女性211名,年齢M=46.78)から有効な回答を得た。4因子(精神清浄・信心尊重・身体清浄・感染忌避)の中で,精神清浄と身体清浄において高年齢ほどPOPA傾向が高かった。さらに,移民不安を目的変数とし,POPA各因子と年齢,性別その交互作用を説明変数として重回帰分析を行った。その結果,精神清浄以外の効果が有意で仮説は概ね支持された。また,男性の方が移民不安をより示す傾向があり,特に信心尊重傾向が高いと移民不安が高い傾向が見られた(性別×信心尊重交互作用β=-.128)。信心尊重や感染忌避傾向が移民排斥態度に通じる重要な知見を示し,外集団との関係において,こうした個人差変数,あるいは特定状況下で上昇しやすい傾向性に着目した検討も有効性と意義のあることが示された。
著者
三浦 宏文
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.49, no.256, pp.206-215, 2010 (Released:2021-07-22)

The Vaisesika School, which is one of six Indian orthodox schools of Philosophies, is known as ancient realism. In this paper, the author intends to examine the theoretical structure of the concept of 'matter' in this school, based on the three main texts, Vaisesikasutra (1C.A.D.), Dasapadarthi (勝宗十句義論4〜5C.A.D.), and Prasastapadabhasya (6C.A.D.). The Vaisesika system is said to have two substantial elements. One is rupa, the other murtatva. Basically, the rupa was a word meaning both color and form, and was used to indicate a matter in ancient India. Also in the Vaisesika school the meaning of rupa was the same as its general meaning in ancient India until the time of the Vaisesikasutra. But after the Dasapadarthi, the rupa was strictly restrained to only one meaning, that of color. On the other hand, the term of murtatva began to be used as a term for form simultaneously in the Dasapadarthi. In the following Prasastapadabhasya, moreover, the term of rupa was used only to mean color, and the term of murtatva meant form of the moving substance. From this, it can be confirmed that, at the time of the Dasapadarthi, the change of the concept of rupa occurred simultaneously with the new concept of murtatva relating to motion. We can, therefore, conclude that the problem of motion affected the concept of matter in the Vaisesika theory.

1 0 0 0 OA 湯浅光朝先生

著者
三浦 伸夫
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.234, pp.111-113, 2005 (Released:2021-08-12)
著者
三浦 宏文
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.222, pp.88-97, 2002 (Released:2021-08-16)

The Vaisesika system is known as ancient Indian realism. In this paper, the author intends to examine the concept of time and space in Prasastapadabhasya (6C. A.D.), which is one of the main texts in this system. The concepts of Time and Space in Prasastapadabhasya are contemplated as three types of, substance. They are kala(time), akasa(ether), and dis(direction). First, kala is the cause of idea of differences between past phenomenon and non-past (future and present). Therefore, the concept of time in Prasastapadabhasya is not considered to be a linear, which is its understanding in modern physics. It might be clear truth that such concept is absolutely differs from one. Next, as for space there are two types of concept. One is dis, the other is akasa in Prasastapadabhasya. Dis is what informs us the place where substance with the form is. It should be emphasized this concerned with substance with the form. Thus, we can see that dis is the visual space form is vision perceives. On the other hand, akasa is the substance which functions is a medium of the transmission of the Sabda (sound). Hence, we can see that akasa is the auditory space. To sum up, the theory of time and space in this system can be concluded that is composed of Empirical Epistemology and Categorical Realism.