著者
長滝 祥司 三浦 俊彦 浅野 樹里 柴田 正良 金野 武司 柏端 達也 大平 英樹 橋本 敬
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

人間は己の存在形態を正当化するために神話や宗教などを創造してきた。道徳において先鋭化するこれらは、人間を取り巻く自然条件によって偶然に枠組みが定められたものであり、条件が変容すればその内容は根底的に変わりうる。現在、様々な技術が人間の心理的身体的能力を拡張し始めると伴に、人間を凌駕する知的ロボットが創造されつつある。我々はこうした事態を自然条件の大きな変容の始まりと捉え、未来に向けた提言が必要と考える。そこで本研究は、ロボット工学や心理学などの経験的手法を取り入れつつ、ロボットのような新たな存在を道徳的行為者として受容できる社会にむけた新たな道徳理論の主要テーゼを導出することを目的とする。
著者
三浦 美奈子 井上 智子
出版者
一般社団法人 日本がん看護学会
雑誌
日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.14-22, 2007 (Released:2017-02-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

要 旨本研究の目的は,食道がんに罹患し3領域リンパ節郭清を伴う食道切除再建術を受けた患者が,手術後の経口摂取開始時から退院後早期までの時期に直面する食の再獲得の困難を明らかにし,その過程を支えるために必要な看護支援について検討することである.胸部食道がんにより右開胸開腹胸部食道切除胸壁前胃管再建術を受け,経口摂取が開始された患者9名を対象とした.面接と参加観察によりデータを収集し,得られたデータを質的帰納的に分析した.分析の結果,食道がん術後患者の食の再獲得の困難を表すカテゴリーとして,【食べるまでに非常な労力を要する】【嚥下・消化・吸収のすべてに苦労する】【不快な症状の予測・対策・対応ができない】【不快な症状により生活に影響が生じる】【食べたいのに食べられない】など,9つが導き出された.そして,食の再獲得の困難の構造は,〔食の構え〕〔不快な症状の出現と予測の困難さ〕〔食がもたらす生活基盤の混乱〕〔食の喜びの喪失〕の4つの部分から構成された.これらのことから,食の再獲得を促すための看護支援として,症状アセスメントに基づいた看護ケア,自分らしい食の構築,新たな楽しみの獲得と人生の創造に向けたかかわりが重要であることが示唆された.
著者
三浦 麻子 川浦 康至
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.233-245, 2008-02-29 (Released:2017-02-08)
被引用文献数
2

Web-based knowledge-sharing communities, which are supported by countless voluntary Internet users, are in widespread use today. We explored a number of characteristics of interpersonal communication among participants based on their questioning and answering behaviors. A questionnaire survey on participants of Yahoo! Chiebukuro, one of the most popular knowledge-sharing communities in Japan, was conducted, and access data of their behavior in the community were collected. Based on 7,989 survey samples and access data, we found that there were several significant differences in their behavior and motivation based on their participation style, question content, and gender. Results also suggested that information was exchanged and accumulated actively in the community and interpersonal communication of community participants was developed by an aggressive need for information acquisition and subsequent social support.
著者
宗像 昭子 鈴木 利昭 新井 浩之 横井 真由美 深澤 篤 逢坂 公一 松崎 竜児 三浦 明 渡辺 香 森薗 靖子 権 京子 金澤 久美子 宮内 郁枝 鈴木 恵子 久保 和雄 尾澤 勝良 前田 弘美 小篠 榮
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.34, no.13, pp.1525-1533, 2001-12-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
14

今回我々は, 当院で維持血液透析を施行している安定した慢性腎不全患者59名を対象患者として, ベッドサイドにて簡便に使用できるアイスタット・コーポレーション社製ポータブル血液分析器i-STATを用いて, 透析前後で全血イオン化Ca (i-Ca) 濃度を測定し, 血清T-Ca濃度との関係について検討し, 以下の結果を得た.1) 透析前後における血清T-Ca濃度, 全血i-Ca濃度は, それぞれ9.43±0.90→10.54±0.70mg/dl (p<0.05), 1.26±0.10→1.30±0.07mmol/l (p<0.0001) と, いづれも有意な増加を示した. 2) Caイオン化率は, 53.43±0.03→49.55±0.04% (p<0.001) へと透析後有意に低下した. この原因として, 血液pHの変化の影響が考えられ, 血液pHとCaイオン化率との間には明らかな負の関係が認められた. 3) 透析前後における, 血清T-Ca濃度と全血i-Ca濃度の関係について検討したところ, 透析前ではy=7.507x+0.015 (r=0.839; p<0.001) と強い正の相関が認められたが, 透析後においては, 全く相関が認められなかった. この点について, pHならびにAlbを含めた重回帰分析法を用いて検討したところ, T-Ca=3.369×i-Ca+5.117×pH-32.070 (r=0.436, p=0.0052) と良好な結果が得られた. 4) 透析前後の全血i-Ca濃度の測定結果から, 容易に血清T-Ca濃度を換算できるノモグラムならびに換算表を作成した.以上の結果より, ポータブル血液分析器i-STATを用いた, ベッドサイド (“point-of-care”) での全血i-Ca濃度の測定とノモグラムの利用は, 透析室においてみられるCa代謝異常に対して, 非常に有用であると考えられる.
著者
福山 大地 田中 伸治 中村 文彦 有吉 亮 三浦 詩乃
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.A_161-A_166, 2019-02-01 (Released:2019-02-06)
参考文献数
8

我が国では自転車の信号制御に関して議論が少ない。車道を走行する自転車は車両用信号に従うものとされているが、車両用信号のクリアランス時間は自動車の速度で決められているため、自動車よりも速度の遅い自転車には十分な時間が確保されておらず、信号切り替え時に交差点に残存するおそれがある。本研究では、信号交差点観測調査を実施し、信号切り替え時の自転車のクリアランスに関する問題の把握を行った。その結果、交差点の信号制御や幾何構造等様々な要因によって残存の起こる割合が異なることがわかった。また、交差点ごとに観測した自転車の速度で算出したクリアランス時間は現在設定されている車両用信号の値より長く必要であることが示された。以上の観測調査の結果を踏まえ、自転車を考慮した信号制御の指針作成のための知見を述べた。
著者
三浦 要一 北村 眞一 花岡 利幸 清水 浩志郎 木村 一裕
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.499-504, 1990-10-25 (Released:2020-07-01)
参考文献数
13

THE STUDY DEALS WITH THE CASE OF THE COMPREHENSIVE DEVELOPMENT PLAN FOR THE CITY OF AKITA. THIS MASTER PLAN WAS MADE ORIGINALLY AND SYSTEMATICALLY IN 1954 FROM THE SURVEY OF THE ACTUAL CONDITION OF CITY WITHOUT USING STANDARDS OF THE CITY PLAN. THE PLANNING WAS SUCCEEDED IN REMOVING GOVERNMENT OFFICES FROM CENTRE TO SURBURBIA AND STRUCTURING THE CITY AXIS. BUT THE HOUSING AREAS HAS SPREAD OVER THE SURBURBIA OF AKITA.
著者
佐川 元保 桜田 晃 芦澤 和人 前田 寿美子 中山 富雄 負門 克典 玄馬 顕一 小林 健 鳥居 陽子 竹中 大祐 丸山 雄一郎 三友 英紀 室田 真希子 梁川 雅弘 澁谷 潔 祖父江 友孝 原田 眞雄 三浦 弘之
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.351-354, 2022-10-20 (Released:2022-10-28)

日本肺癌学会肺がん検診委員会は,2022年に「肺がん検診ガイドライン」の改訂を行った.本稿では改訂に至った経過とその概要について解説する.「現行検診」に対する「推奨」は2010年ガイドラインから変化はなかった.全国的な精度管理の徹底や,国全体の死亡率減少効果への寄与度や感度・特異度の測定などに関する評価が必要である.「重喫煙者に対する低線量CT検診」は,欧米において肺癌死亡率減少効果のエビデンスが得られたが,過剰診断,偽陽性,放射線被ばくなどの不利益は無視できない.安易な導入を行って混乱する事態を避けるためには,まずは適切な「実装研究」を行うことにより,日本の社会にどのように導入することが望ましいのかを検討することが重要である.一方,「非/軽喫煙者に対する低線量CT検診」は,現在のところ有効性のエビデンスは十分でないため,それを集積することが第一に重要である.
著者
田中 秀和 三浦 裕行
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2009年年会
巻号頁・発行日
pp.158, 2009 (Released:2010-04-06)

Mn3V2Si3O12は2価の8配位席にMn2+を持ち、3価の6配位席にV3+を持つgarnetである。 鞍瀬鉱山, 藤井鉱山・法花寺野鉱山の3鉱山でしか見出されておらず、桃井石(momoiite)として新鉱物申請中である。3鉱山に共通して8配位席にはCaが、6配位席にはAlがそれぞれ置換するという特徴的な化学組成が見られる。momoiite, goldmanite(Ca3V2Si3O12), spessartineならびにgrossularの4成分の固溶が推測され、momoiite成分は最大で60%程度であると考えられる。また、前述の4成分系において、Mnが増えるとVが減るという傾向が見られる。 Schreyer and Baller(1981)では1000℃において、8配位席と6配位席のイオン半径の大きさ組み合わせから、それぞれspessartine:常圧、goldmanite:常圧-0.4GPa, grossular:0.4GPa, momoiite:3.0-5.0GPaの圧力以上で安定としている。鞍瀬鉱山は約0.4GPa, 藤井鉱山、法花寺野鉱山はスカルンで生成されたと考えられる。よって、上記の3鉱山において端成分に近い組成のmomoiiteが産出しない理由の1つとしてとして、天然の圧力条件では圧力が低すぎるという点が挙げられる。そこでmomoiite-goldmanite系及びmomoiite-spessartine系の合成を行った。
著者
三浦 輝 栗原 雄一 高橋 嘉夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.122-131, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
49
被引用文献数
1

Radiocesium-bearing microparticles (CsMPs),glassy water-resistant particles with highly concentrated radiocesium, were emitted by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident. Since first discovery of CsMPs, a number of studies have analyzed the particles isolated from environmental samples and revealed their physical and chemical properties, distribution, and migration. This paper is intended to provide an overview focusing on the environmental transport and impact of CsMPs. First, we begin by reviewing the relationship between deposition areas and atmospheric plumes of CsMPs found on land. Next, search and separation methods for CsMPs will be described. Then, secondary transport via rivers and effect of CsMPs on Kd values of Cs in rivers will be discussed. Finally, CsMPs found in the ocean and their difference from terrestrial ones will be summarized.
著者
三浦 大助
出版者
The Volcanological Society of Japan
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.273-294, 2022-09-30 (Released:2022-10-27)
参考文献数
44

火山災害の軽減において,破局的珪長質噴火の前兆期を認定し,その特徴を知ることは学術的に重要である.前兆現象が出現し,後に続く大規模噴火と関連する場合に,どのようなタイプの前兆現象が起こるのかは非常に興味深い.テフラ堆積物のシーケンスは,前兆期から大規模噴火までの貴重な記録と考えられることから,クッタラカルデラ火山のクッタラ-早来テフラ(Kt-Hy)を対象として,現地地質調査,粒度分析,XRF分析,EPMA分析により,その噴火推移を調べた.59-55 kaのKt-Hy噴火は,近傍相において初期のサブプリニー式噴火(LpfaおよびLpdc),その後のマグマ水蒸気噴火(MpdcおよびUpdc)までのシーケンスが記録されている.Lpdc-Mpdcユニットは,谷埋め型の火砕物密度流堆積物である.その後,発泡度の低い珪長質マグマが,希薄な火砕物密度流として広く拡がった(Updc).これらの噴火シーケンスの変化と堆積相の詳細な解釈に基づき,MpdcとUpdcの給源火口は,各々成層火山の南麓と現在の山頂カルデラ周辺と推定された.クッタラカルデラ火山では,成層火山体の形成時期について,議論があった.本研究による近傍-遠方堆積相と,移動する火口位置の証拠から,成層火山がKt-Hy期にも成長したことが示唆された.成層火山を含めたKt-Hy噴出物の推定総噴出量は,最大で7-8 km3 DREとなる.Kt-Hy噴火は,火口の移動とマグマ水蒸気噴火で特徴づけられ,円錐の成層火山体で,カルデラを伴うタイプにおける前兆期の特徴とよく一致している.Kt-Hy噴火に続く54 kaの大規模珪長質噴火(Kt-3)には,岩石学的な類似性がみられ,これらのことから,大規模珪長質マグマの早期貯留の可能性が示唆された.
著者
都築 知香枝 石黒 彩子 浅野 みどり 三浦 清世美 山田 知子 奈良間 美保
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.25-31, 2006-03-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

目的:(1)AD児をもつ母親の生活困難度,育児ストレスについて非AD児の母親との比較を行なう。(2)ADの疾患特性,生活困難度が,育児ストレスにどのように関連しているかを明らかにする。方法:2〜6歳のAD児の母親と非AD児の母親を対象に,属性,生活困難度,Parenting Stress Index(PSI)の質問紙調査を実施した。年齢について1対1対応でペアマッチングさせ,AD群,対照群ともに121組を解析対象とした。実施に際し,学内の研究委員会の倫理審査で承認を得た。結果:1)AD児の母親と対照群での育児ストレス総得点の比較において,有意差はみられなかった。2)AD児の母親は対照群に比較して,子どもに問題を感じていた。3)重症である児の母親ほど,子どもの機嫌の悪さや子どもに問題を感じていた。4)合併症の有無と育児ストレスには相関がみられなかった。5)育児ストレスと生活困難度の間には有意な相関が見られた。
著者
荒川 千恵子 三沢 浩 新井 啓一 三浦 史郎 渡辺 政利 新井 英明
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.203-214, 2000 (Released:2018-05-01)

本研究は公的集合住宅の建替時に,居住環境の連続性を確保するため,居住者から各人の「エピソード記憶」を聴き,建替計画に生かす手法の提案である。ふるさとに等しい住み慣れた団地に,彼らが喜んで戻れる計画手法がないからである。そこで4団地を対象に調査を行ない,「生活用語」を手掛かりにして記憶を引き出し,かつ自由記述で暮らしの状況をみた。加えて住まいの「空間用語」を使い,空間の良し悪しを聴いた。結果として,今までの計画では普遍性がないとして排除された個人の記憶を,建替時に活用し得ることが分かってきた。この手法は馴染みある団地の再建が期待でき,かつ居住者に計画への参加を広げる可能性も持っている。
著者
三浦浄心 著
出版者
雄山閣
巻号頁・発行日
vol.上, 1939
著者
三浦 国泰
出版者
Japanische Gesellschaft für Germanistik
雑誌
ドイツ文學 (ISSN:03872831)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.98-108, 1981-03-31 (Released:2008-03-28)

Hermeneutik hat sich als wissenschaftliche Theorie im 19. Jh. mit der Entwicklung des historischen Bewußtseins von einer Kunstlehre der Auslegung zu einer universalen Theorie des Umgangs mit historisch-gesellschaftlichen Gegenständen entwickelt. Schleiermacher, Droysen, Dilthey und Heidegger u.a. haben ihre wissenschaftliche Methode in der hermeneutischen Tradition gesucht und in ihr die methodologische Grundlage gebildet. Der zentrale Gedanke in der Hermeneutik liegt darin, daß das Ganze in bezug auf das Einzelne und das Einzelne in bezug auf das Ganze richtig verstanden wird. Der komparative und divinatorische Verstehensprozeß, nämlich das Wechselverhältnis zwischen "Vergangenheit“ und "Zukunft“, "Einzeldasein“ und "Menschheit“, sowie "Interpret“ und "Text“ vollzieht sich auch im Modus des Zirkels, der "hermeneutischer Zirkel“ genannt wird. In der hermeneutischen Tradition stellt H.-G. Gadamer ein Gesprächsmodell auf, und zwar auf Grund der Kritik an Dilthey, der in die Sackgasse des naturwissenschaftlichen Objektivismus geraten sei (Gadamer). Ein richtiges Gespräch entsteht aus dem Wechsel von Frage und Antwort. Ein Gesprächspartner muß selbstkritische Offenheit und eine Bereitschaft zur Revision der eigenen Meinung haben. Das sind die fundamentalen Strukturmomente des echten Gesprächs und jedes wirklichen Verstehensprozesses, und darin liegt Gadamers Bedeutung für die Wirkungsgeschichte, somit wird seine Hermeneutik zum Gespräch mit dem "Text“. H. R. Jauß, der diese traditionellen Elemente von Gadamers wirkungsgeschichtlicher Hermeneutik analysiert und kritisiert, hat im Verlauf der kritischen Reflexion das Gesprächsmodell Gadamers in seine "Rezeptionsästhetik“ eingeführt. Wie wir sehen, sind die Methoden der heutigen Literaturwissenschaft in mancher Hinsicht von der traditionellen Hermeneutik stark beeinflußt.Der vorliegende Aufsatz beschäftigt sich mit der Grundidee und Grundstruktur der Hermencutik bei der "philologischen Auslegungskunst“ und der "Bibelexegese“. Als hermeneutische Gegenstände sind z.B. literarische Texte und die Heiligen Schriften zu denken, aber genau genommen, stellen die hermeneutischen Gegebenheiten mehr dar, als bloß gegebene Gegenstände. Es handelt sich bei der Hermeneutik hauptsächlich um den Geist, der über die Gegebenheiten herrscht. Aus dem Zusammenwirken von "Geist“ und "Gegebenheit“ entsteht im Grunde der echte hermeneutische Zirkel. Die Aufgabe der hermeneutischen Ontologie bei Heidegger und der hermeneutischen Interpretation bei Staiger ist, richtig in diesen Zirkel hineinzukommen. Daraus resultiert, daß wir vom richtigen hermeneutischen Zirkel "nicht mehr sagen, daß er an sich, vitiosus‘ sei.“(Staiger) Es geht bei der literarischen hermeneutischen Methode um die Frage, wie sich der hermeneutische Zirkel in der Literaturwissenschaft vollzieht.Man kann in der griechischen Antike im Übergang vom Mythos zum Logos einen "Paradigmawechsel“ sehen. Mit diesem Zeitpunkt beginnt die Auslegungszeit des Mythos. Dabei ist es möglich, in der Antithetik von Platon und Aristoteles eine Art polarer Typik von Hermeneutik herauszuarbeiten, die in ihrer Polarität eine spezifische Tradition ausgebildet hat, die bis heute reicht; nämlich in der Antithetik des Divinatorischen und Rationalen. In der Spätantike waren es vor allem zwei Zentren, die bis zu einem gewissen Maße prototypisch die beiden leitenden Konzeptionen repräsentierten: die "Alexandrines“ und "Antiochener“ trieben vor allem Sprach- und Textwissenschaft mit Kritik, Logik usw.
著者
三浦 浩治 佐々木 成朗
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

これまで知られていなかった超潤滑(超低摩擦)状態が、特徴的な条件・環境のもとで、観測されつつある。これらの摩擦、潤滑の素過程には、原子間結合の破断・生成が寄与するナノニュートンのオーダーから水素結合等が寄与するピコニュートンオーダーの力が関わっている。特に我々によって発見されたフラーレン分子をグラファイトに内包する炭素系超潤滑物質においては、従来の摩擦力測定装置の測定限界をこえるピコニュートンの力が働いている。まさに、これはブラウン運動の領域の熱揺らぎ力に匹敵する。したがって、超潤滑機構の詳細は、ピコニュートンの測定精度をもつ摩擦実験によって明らかになることが期待される。本研究では炭素系超潤滑物質の超潤滑機構を高精度の摩擦力測定により次に示す2点から系統的に調べた。(1) 荷重に対する摩擦力の測定と解析。(2) 速度に対する摩擦力の測定と解析。まず、荷重が100nN以下のとき、摩擦力は実験誤差内でほぼゼロを示す。荷重が100nNまで増加すると、摩擦力像に明確なC_<60>の稠密構造を反映した周期像が現れると同時に有限な摩擦力が出現する。この結果は、荷重の増加によって、グラファイト表面による圧縮で内在するC_<60>分子の動作が凍結されるかC_<60>分子とグラフェン間の化学結合の形成が起こることを示唆している。すなわち、このことは、C_<60>分子の回転や揺らぎの流動性が固体潤滑における超低摩擦発現に極めて重要であることを意味している。さらに、摩擦力が走査方向依存性を示さなかったことより、C_<60>単分子層の多層効果が現れている。走査速度が数10μm/secまでは、摩擦力においては変化がなかったため、この速度内では、超低摩擦が維持されていることを示唆している。
著者
三神 彩子 三浦 理絵 喜多 記子 佐藤 久美 長尾 慶子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.174, 2009 (Released:2009-09-02)

【目的】家庭部門でのエネルギー使用量増加が近年顕著であり,資源の有効活用および地球温暖化防止の観点から省エネルギー(以下省エネと表記)対策が重要課題となっている。 食生活分野での調理に適した道具の選択はエコ・クッキングの観点から重要な因子である。本研究では,幅広い料理法に対応できる中華鍋(鉄)の特性を活用し,省エネ,CO2削減効果をはかることを目的に,「炒める」「焼く」「揚げる」「蒸す」「煮る」の5操作法別に代表的な調理を実施し,他の鍋類との比較・検討をおこなった。 【方法】ガス積算流量計,熱電対温度計,温度計測記録器を使用し,加熱操作法別に,調理道具(中華鍋,西洋蒸し器,蒸籠,フライパン,揚げ鍋,グリル)ごとの調理時のガス・水使用量, 試料内部温度,仕上がりまでの加熱時間を測定し,さらにCO2排出量に換算した。 【結果】中華鍋は,その形状から火力を効率的に活用でき,熱伝導率が高く,「炒める」では,中華鍋の方がフライパン(鉄)と比較し約26%,フライパン(テフロン)とでは約56%の省エネ効果があった。「焼く」は,中華鍋の方がフライパン(鉄)と比べ約13%,フライパン(テフロン)とでは約47%の省エネ効果があった。「揚げる」は,グリルでも省エネ効果が認められたが,仕上がり(外観)を考慮すると中華鍋が適しており,揚げ鍋と比較し約15%の省エネ効果があった。「蒸す」では,中華鍋で蒸籠を使った場合と,西洋蒸し器使用とで比較すると,約19%の省エネ効果があった。「煮る」は,弱火・長時間加熱の煮込料理で中華鍋の省エネ効果はみられなかった。以上5項目中4項目の加熱操作の中華鍋使用の料理で13~56%の省エネ,CO2削減効果が確認できた。
著者
三浦 偉久男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.503-508, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
8

悪性リンパ腫のKiel分類がリンパ性腫瘍のREAL分類になり,さらに骨髄増殖性疾患・骨髄異形成症候群・急性白血病の分類であったFAB分類を包含し,WHO分類(2001)となった.現在用いられているWHO分類(2008)はその改訂版である.WHO分類では,特徴的な染色体異常を持つ急性白血病は独立した病型になる.このことは,この分類を用いるには染色体検査が必須であることを示す.その他は形態を中心に分類されるが,新知見が集まれば特異的異常を持つ独立した病型がさらに抽出されていくことが予想される.したがって,将来にむけ各症例の形態・免疫形質に加え,染色体検査結果を記載しておく必要がある.WHO分類における染色体異常の記載には,まだ必ずしも多数の同意を得ていないものも含まれるので注意が必要である.